◎ブランコ・ブラトビッチ氏の記者会見

 

 セルビア・モンテネグロ(以下SCG)サッカー協会ゼネラルセクレタリーのブランコ・ブラトビッチ氏は、20日(現地時間)に記者会見を開き、現在FIFA(国際サッカー連盟)から国際試合への出場停止処分を受けているアゼルバイジャンについて、以下のように語った。

「アゼルバイジャンは、まだ出場停止処分下にある。われわれはFIFAの決定をひたすら待っている状態だ。もしFIFAが出場停止と判断したならば、その後(11日のアゼルバイジャン戦に代えて)、いつどこで試合をするかなどについて会議を持つ。FIFAの調査団が、アゼルバイジャンの現状を調査しているので、間もなく結論が出るだろう。すでに、アゼルバイジャンの国内リーグは17日に再開しているし、私はおそらく(11日のアゼルバイジャンとの)試合は開催されるのではないかと考えている。われわれとしても早く結果を知りたいのだが、今は待つしかない」

 アゼルバイジャンでは、政府が代表チームのメンバーを大幅に変更したり、サッカー協会幹部の首をすげ替えるなど、露骨な政治介入が横行していた。FIFAはこれを許さず、何度かの警告の後に、アゼルバイジャン協会に対して国際試合への出場停止処分を下した。ただし、同国のサッカー協会への政治介入がなくなり、サッカー界が正常な状態に戻れば、この処分は解除されることになっている。

 SCGはユーロ2004(欧州選手権)予選で、アゼルバイジャンと同組に入っている。6月11日にはアゼルバイジャンとのアウエー戦が予定されているが、開催されるか否かについては、FIFAの判断待ち、という状態だ。

 ところで日本サッカー協会は、4月に一度、SCGに対してキリンカップ出場のオファーを出している。これは、6月11日に行われるはずだったポルトガルとの試合がキャンセルされたことを受けての打診であったが、結局、日本側はナイジェリアとのマッチメークを選んだ。ところが、そのナイジェリアもSARS(新型肺炎)への懸念から来日を中止したことで、一部で「日本対SCG戦が実現するのでは」と思われた。

 しかし、この件についてブラトビッチ氏は、はっきりと可能性を否定している。 「6月11日に日本戦を行うことは不可能だ。われわれはFIFAの決定を待たなければならず、その時期に日本戦を組むことはできない。よって日本戦は、6月11日よりも後になるだろう」

 また「SARSについては心配していないのか?」という問いに対しては、

「現在のところ、日本にSARS(の発症例)はないから、それについては心配してはいない」

 と、ブラトビッチ氏は言明した。

 結局、アゼルバイジャンとの試合が今なお流動的というSCG側の事情もあり、さらにナイジェリアの代替国がパラグアイに決まったことで、プラービ(SCGの愛称)のキリンカップ来日は、残念ながら幻に終わった。それでも、SARSへの不安から対戦国が次々と来日を中止する中、「日本は大丈夫」と言い切ったブラトビッチ氏の言葉には日本に対する信頼が感じられた。