第78回箱根駅伝往路プレイバック

出場大学
順天堂大・駒沢大・中央大・法政大・神奈川大
大東文化大・帝京大・日本大・山梨学院大・ 早稲田大
日体大・亜細亜大・東海大・専修大・関東学院大


第78回箱根駅伝往路オーダー(2002.1.2)
大学名1区2区3区4区5区
順天堂大学入船 奥田 三原 坂井 野口
駒沢大学 北浦 神屋 島村 松下 田中
中央大学 池上 野村佳 中野 池田 藤原
法政大学 黒田 徳本 有原 中村 長嶺
神奈川大学 飯島原田 下里 島田 吉村
大東文化大学 村田 秋山 田上
帝京大学 北島 中崎 飛松 谷川 秋山
日本大学 清水智 藤井 岩井 清水将 中谷
山梨学院大学 岩永 モカンバ 川嶋 清田 カリウキ
早稲田大学 中尾 原田 森村 新井 五十嵐
日本体育大学 栗原 佐藤 四辻 青野 田渕
亜細亜大学 片岡 前田鈴木良相楽 鈴木聖
東海大学 永島 河野 松崎大井 古賀
専修大学 矢吹 行友 田村 飯嶋 高瀬
関東学院大学 尾田 寺尾 瀧田 石川 北川


1区 21.3km

 戦前、1区最大の興味は「レース展開」であった。前半からハイペースとなり、集団が早くからバラけるのか。それとも牽制のし合いとなって終盤まで大きな集団で進むのか。関東学院の尾田や法政の黒田の動きが特に注目された。 

 午前8時、待ちに待ったスタートが切られた。真っ先に大手町のカーブを曲がった選手が区間賞を取ると言われているが、今年真っ先にカーブを曲がったのは中央の池上だった。池上はすぐに集団の後方に下がり、まず先頭を引っ張るのは法政の黒田。前の方に出てきているのは大東の村田や帝京の北島、山梨学院の岩永あたり。優勝を争うと見られる紫紺対決の2校、駒澤の北浦は後方につけ、順天堂の入船は中ほどから前の様子をうかがうような走りだ。

 1キロの通過は3分3秒とそれほど遅くはなかったが、2キロの通過が6分19秒とスローダウンした。テレビ画面を通しても集団のペースがやったりとしているのがわかる。法政・黒田が引っ張っているものの、集団は横に長い形で、ここからもゆったりとしたペースなのがわかる。この時点で、今年の1区が「牽制1区」になることが決まったと言えるだろう。田町の定点を迎える直前に関東学院・尾田が集団の先頭に並び、ペースを上げる動きを見せる。が、すぐにペースは落ち着いた。関東学院としてはこのような展開になってしまうとエースの尾田を1区に起用した意味がない。が、本調子でなかったこともあってか、予選会で平成国際大学のカーニーについていったような積極的な走りが見られない。

 5キロの通過は15分23秒。1キロから2キロのスローペースよりかは速いものの、全体的にハイペースとは言えない。そのまま集団に変化がないまま、八ツ山橋へ差し掛かった。各大学の監督・コーチが役員車に乗り込む出発点であり、監督・コーチが選手たちに指示を与えるポイントである。駒澤の大八木コーチは終始集団の後方につける北浦に「前の方に行っとけ。後半上がるから」と大声で指示を出した。後半ペースが上がった時に集団の後方につけていては、スピードアップに反応できないと考えてのことだろう。しかし北浦は前に来ようとはしない。前に行かないということはあまり調子がよくないのだろうか。と、八ツ山橋の下りで関東学院の尾田がペースを上げた。が、すぐにペースは落ち着く。

 10キロの通過は30分37秒。相変わらず1キロ3分を越す、あまり速いとは言えないペースだ。このあたりでずっと先頭を引っ張っていた法政の黒田が集団の中に下がり、関東学院の尾田が単独で先頭を引っ張る形になった。サングラスをかけた二人が交互に集団を引っ張っているという感じだ。しかししばらくすると尾田も集団の中に下がり、大東の村田や帝京の北島が前に出てきた。と、言うよりかは押し出されて先頭にいると言った方が正しいかもしれない。14キロ手前の給水ポイントではほとんどの選手が給水に手を伸ばしたが、この大集団である。当然給水を取れない選手もいる。そんな選手に、給水のボトルを回し合うシーンが見られた。

 15キロ手前で早稲田の中尾が集団の前の方に出てきた。高校時代は日本のトップに いたが、大学に入ってからは故障に悩まされて続けてきた。そして3年生になってついに復調してきた選手である。順天堂の入船もいい位置をキープしている。駒澤の北浦は相変わらず後ろの方に位置しており、一度も前の方にはやってこない。大八木コーチの指示通りに走れていないと考えれば、やはり調子は良くないのか。

 六郷橋の直前、これまて後ろに下がっていた法政の黒田がスッと前に出てきた。そして六郷橋の上り・・・誰も仕掛けない。しかし後方で日体大の栗原や東海の永島が苦しそうな走りになっている。しかし遅れない。誰もペースを上げない。解説の碓井さんも「行かなきゃ駄目ですよ」と一言。解説になってないような気もするが、間違ってはいない。いよいよ六郷橋の下り・・・誰も仕掛けない。しかしこの下りで日大の清水智也が集団から遅れ始めた。橋の上ではむしろ集団の前の方にいて、きつそうな様子はまったくなかった日大の清水が脱落。下りを走っている時に何か起こったというのだろうか、と考えたくなるほど一気に置いていかれた。

 先頭集団では早稲田の中尾が一気にペースを上げた。このスパートで東海・永島と駒澤・北浦の表情が険しくなり、少しずつ遅れていく。続いて大東・村田と亜細亜の片岡も遅れ始めた。先頭には中尾に代わって入船が立った。マークするのが神奈川の飯島と山梨の岩永あたり。法政の黒田は集団の後方で必死に食らいつき、関東学院の尾田はいつのまにかサングラスを外して懸命の走りだ。二人とも前に出る余裕はなさそう。残り1キロで先頭は順天堂・入船、神奈川・飯島、山梨学院・岩永、中央・池上の4人にしぼられた。

 そして最後のスパート合戦。入船がグンとペースを上げて3人を突き放しにかかる。最後まで粘った飯島も少しずつ離されていく。そして側道に入るゆるやかなカーブの入り口で、キッと後方をにらみつけるようにして確認した。まさに「区間賞は渡さない」と言わんばかりのものすごい形相である。入船はそのまま中継所に飛び込み、1秒差で飯島、3秒差で池上、4秒差で岩永がタスキを渡した。少し間を置いて8秒差で尾田、そこから2秒おいて黒田、また2秒おいて専修の矢吹、さらに3秒おいて北島、中尾と続いた。ここまで先頭から16秒差。続いて大東・村田、日体・栗原、亜細亜・片岡と続き、ようやく駒澤の北浦がやってきた。13位、されど先頭との差はわずかに27秒にとどめた。その1秒後に東海の永島がタスキを渡し、15位の日大・清水も45秒差で続いた。まさに史上稀に見る大混戦の1区。制したのは学生駅伝で初めての区間賞取りに燃えた順天堂の入船だった。

1区成績
通過順位大学名トップ差選手名区間タイム
順大   ―  入船 1:04:21
神大  0:01  飯島  1:04:22
中大  0:03  池上  1:04:24
山学大  0:04  岩永  1:04:25
関学大  0:08  尾田  1:04:29
法大 0:10  黒田 1:04:31
専大  0:12  矢吹  1:04:33
帝京大 0:15  北島 1:04:36
早大 0:15  中尾  1:04:36
大東大  0:22  村田  1:04:43
日体大  0:22  栗原  1:04:43
亜大 0:24  片岡  1:04:45
駒大 0:27  北浦  1:04:48
東海大 0:28  永島  1:04:49
日大 0:45  清水智  1:05:06


2区 23.0km

 2区最大の注目選手はやはり法政の徳本だろう。昨年を上回る67分台の記録を出すことが確実視された中でのスタートとなった。スタート直後の下り坂で関東学院の寺尾を抜いて5位に上がり、先頭との差は40メートルほど。まず問題なく追いつくものと思われた。先頭は順天堂・奥田と神奈川・原田。10メートル離れて山梨学院・モカンバと中央・野村佳史。モカンバと野村佳はほどなく前の奥田と原田に追いつき、4人の先頭集団が形成された。徳本と寺尾の後方には帝京・中崎、早稲田・原田、専修・行友が7位集団を形成し、さらにその後方には駒澤・神屋、大東・秋山、日体大・佐藤、東海・河野、亜細亜・前田が集団を形成する。おそらくここまでが大集団になるものと思われた。

 ところが5位集団の徳本と寺尾が意外と先頭に迫ってこない。と、言っているうちに2人は7位集団の3人に追いつかれている。ほどなく神屋の引っ張る集団も5位集団に追いつき、10人による5位集団が形成されようとしていた。が、この時すでに日体大の佐藤は集団から遅れていた。力からすると集団について然るべきの選手であり、抑えているという よりかはついていけないといった走りだ。とは言え、神屋のペースは三代直樹の区間記録に迫るものであり、ハイペースであることは確か。ここからジワジワと先頭集団の4人との差を詰めていく。15位の日大・藤井もいい感じで走っているが、ポジションがポジションなだけにペースがつかみにくく、藤井にとっては不運な展開だ。

 先頭集団の5キロの通過タイムは14分35秒。これは順大・奥田のタイムだ。そして1号車の船越アナが山梨学院のモカンバを紹介していたその時、異変が起こった。法政のエース、徳本の脚にアクシデントが発生。脚を引きずりながら懸命に走りにならない走りで 前を追うが集団にあっという間に置き去りにされていく。手袋を外して必死に前へ進もうとする徳本。しかし脚は動かない。日体大の佐藤にかわされて14位に後退。右太ももを叩いたりしながら懸命に走る。話によると年末に右脚のアキレス腱に異常があったということだが・・・。しばらくして日大の藤井が迫ってきた。そして藤井が抜こうかとした時、法政大学の成田監督が飛び出して徳本の走りを止めにかかる。が、徳本はすり抜けるようにして成田監督の静止を振り切り、走りを続けた。直後に藤井が抜き去っていく。その抜いていく瞬間、藤井が何か声を発したようにも見えた。

 徳本の表情はまさに泣きそうなものだった。いや、泣いていたかもしれない。隣には成田監督が審判長車に乗り込んで声をかけるが、徳本は首を横に振って走りをやめようとしない。成田監督は車で前に回りこんで止めようと考えたようだが、テレビ車がさえぎってなかなかうまくいかない。そこでテレビ車の前へ回り込み、ついに7・3キロ地点で走りつづける徳本を無理やり止めた。成田監督に止められた瞬間、徳本は倒れ込み、そのまま医務車へと収容されていった。異変が起こったのが5・6地点。そこからの必死の走りは終わり、徳本の箱根駅伝が終わった。

 さて、先頭集団はすでに横浜駅を通過していた。5位集団からは東海大の河野が脱落して、集団は7人。そして先頭の4人はもう目前に迫っていた。5位集団を引っ張るのは神屋ではなく、亜細亜の前田。徳本がいなくなったのを確認して自らペースを作って追い上げてきた。

 10キロ手前、ついに2つの集団は1つになった。11人による大きな先頭集団である。かつて2区になって2ケタの人数が先頭集団を形成したことがあっただろうか。10キロの通過タイムは29分20秒。これは順天堂の奥田のタイムであり、神屋や前田は29分を切るハイペースということになる。後方では日大の藤井が日体大の佐藤、東海大の河野を続けてかわし、ポジションを上げてきていた。東海・河野のスローダウンは残り距離を考えると心配なほどである。

 先頭集団は予想外の展開を迎えていた。ここまで快調に走ってきた駒澤のエース、神屋が集団から遅れ始めた。専修の行友、関東学院の寺尾も遅れていく。亜細亜の前田が明らかにペースを上げ、それについていったのが山梨学院のモカンバと早稲田の原田、中央の野村佳の3人。順天堂・奥田、神奈川・原田、大東大・秋山、帝京・中崎が少し離れて5位集団を形成。そして寺尾、行友、神屋が9位集団となった。5位集団は一気に離されることなく、自分のペースを守り続けている印象だが、9位集団はあっという間に引き離されていく。神屋の走りが冴えない。顔をしかめてかなり苦しそうな表情だ。一方の先頭集団はまだペースアップが続いていた。亜細亜の前田が引っ張るペースに中央の野村佳がついていけなくなり、先頭は3人。野村佳はこのまま5位集団に飲み込まれるかと思われたが、ここから粘って単独4位をキープした。その頃、神屋はとうとう専修・行友、関東学院・寺尾からも遅れ始めていた。

 亜細亜の前田の勢いは衰えない。権太坂の下りでまたペースアップ。早稲田の原田がとうとうついていけなくなった。先頭は前田とモカンバの2人。次はモカンバがペースを上げた。神屋が遅れてからというもの、目まぐるしくレースが動きつづける。後方でも変化があった。9位集団から遅れ、このままズルズル落ちていくかと思われた神屋が再び集団に追いついたのである。顔をしかめ、モモを叩きながらの苦しい走りながら、まさに根性あふれる走りだ。5位集団にも変化があった。順天堂・奥田と大東大・秋山が帝京・中崎と神奈川・原田を引き離していた。目まぐるしい展開は続く。モカンバのペースアップに前田がついていけなくなり、ついに山梨学院が単独1位の座についた。ここまでレースを引っ張ってきた前田もさすがに勢いが落ち、先に後退して早稲田の原田と2位争いを繰り広げている。モカンバは時折苦しい表情を浮かべながらも手を上げるなどまだ余裕はあるようだ。あっという間に2位争いの2人に100メートルの差をつけた。

 5位争いは大東大の秋山が順天堂の奥田を引き離しにかかり、この2人に7位の神奈川・原田が迫ってくる。しかし後から考えればラスト3キロで秋山と原田がペースダウンし、奥田が持ち直したのだから、ここで無理をしなかった奥田の方が賢いレースをしたと言えるだろう。奥田は20キロを過ぎてから秋山を抜き返し、4位の中央・野村佳をも逆転した。

 駒澤のエース、神屋は相変わらず苦しいながらも、相変わらず粘りの走りを続けていた。専修の行友と関東学院の寺尾を引き離して単独9位。しかめた顔とモモを叩く動作は変わらないが、粘りつづける走りも変わっていなかった。  先頭を走るモカンバの勢いもラスト3キロで止まった。2位争いを制した早稲田の原田が逆に迫ってくる感じだ。亜細亜の前田は痙攣のアクシデントもあって後退し、4位に上がってきた奥田が迫る。しかし奥田もここからは伸びず、前田には追いついたものの、いったん抜き去った野村佳に追いつかれて中継所を迎えることになる。

 モカンバは最後の上りをなんとか上りきり、トップでタスキを渡した。11秒遅れの2位で原田が続き、この2人が2区の区間賞を分け合った。中盤まで2区のレースを引っ張った亜細亜の前田が3位でタスキを渡し、順天堂・奥田、中央・野村佳がほどなく続いた。6位が神奈川、7位に帝京、8位で大東大がタスキを渡した。次にゆってきたのが駒澤・神屋である。ラスト1キロでは背筋に異常が発生したのか、時折体をねじりながら走りきった。先頭との差は1分19秒。中盤での遅れを最小限に留めたと言っていいだろう。駒澤大学の森本監督曰く「神屋君はウチのエース。2区だったからあそこまで粘ってくれたのではないでしょうか」の粘走だった。10位で専修、11位で関東学院と続いた。さらに日大の藤井が12位でやってきた。藤井にとってはタスキをもらった位置が悪かったことが最後まで響いた感じだった。13位で日体大、14位で東海大と続き、途中棄権となった法政の3区のランナー有原は14位の東海大と同時に繰り上げタスキをつけてスタートしていった。

 目まぐるしい展開だった2区。エースが集う花の2区。この2区は終わっても大混戦に終止符はうたれなかった。

2区成績
通過順位大学名トップ差選手名区間タイム区間順位
山学大   ―  モカンバ  1:08:35
早大  0:11  原田  1:08:35
亜大  0:22  前田  1:08:37
順大  0:24  奥田  1:09:03
中大 0:24  野村佳  1:09:00
神大 0:36  原田1:09:14
帝京大 0:44  中崎  1:09:08
大東大 0:45  秋山 1:09:02
駒大  1:19  神屋  1:09:31
専大  1:39  行友  1:10:06
関学大  1:50  寺尾  1:10:21
日大 2:31  藤井  1:10:25
日体大  3:15  佐藤  1:11:32
東海大 4:00  河野  1:12:11
法大 棄権  徳本  途中棄権棄権


3区 21.3km

 3区に入ってすぐ、レースは新たな展開を迎えた。先頭を走る山梨学院の川嶋に2位の早稲田・森村が迫ってきたのである。戸塚中継所では11秒あった差が、1キロ走った地点でわずかに2秒差。さらに3位集団を形成する中央・中野、順天堂・三原、亜細亜・鈴木良の3人も先頭との差を詰めているようだ。

 首位交代は1キロ過ぎのことだった。早稲田の森村がスッと山梨の川嶋をかわす。川嶋は最初の1キロを3分17秒というスローペース。それから考えると森村は3分7秒の入りとなるから、森村とてハイペースというわけではない。川嶋がゆっくり過ぎると言うべきだろう。川嶋も全日本の5区で区間3位で走ったランナー、そう簡単には離れないだろうと思われたが、意外にあっさり3キロ手前で後退していった。森村のペースアップに対して自重しているのか、調子が悪くてついていけないのか、この時点では判断がつかない。早稲田が単独首位に立つのは74回大会以来のことである。

 いったんは前を行く川嶋との差を詰めていた3位集団はこのあたりから後退を始め、後ろから来た6位集団の大東大・林、神奈川・下里、帝京・飛松の3人に追いつかれ、3位集団は6人の大きな集団となった。

 5キロを過ぎて快調に先頭を走る早稲田の森村。山梨の川嶋はすでに50メートルほど離され、3位集団は1号車のカメラではとらえられないほどの差を付けられていた。もともと3位を争っていた中央、順天堂、亜細亜はもちろん、追いついてきた大東大、神奈川、帝京も先頭の早稲田・森村に離されているということになる。森村は1キロの入りを抑えて、そこからずいぶんとペースアップしてきたということだろう。3位集団の後方、単独9位は駒澤の島村。まずまずのペースで3位集団との差を詰めている。故障のため前回の箱根を走れなかった島村。大八木コーチの「あと一枚足りなかった」という敗戦の弁の「一枚」とはこの島村のことを指すとも言われている。今回も出場できるか微妙だった島村だが、故障上がりの不安はまったく感じさせない走りだ。

 藤沢の定点を前に3位集団から亜細亜の鈴木良が遅れ、続いて順天堂の三原も遅れていく。この三原は当初は6区の予定で、直前になって体調不良の選手が続出したために急遽3区を走ることになったと言う。いきなり平地区間にコンバートされ、自分の走りが出来ていない感じだ。また3位集団から大東大の主将、林が抜け出して単独3位に浮上。早稲田の森村との差を縮めにかかった。駒澤の島村も藤沢の定点では森村よりもやや速いペースだ。島村の後方では日大の期待のルーキー、岩井がなかなか元気のいい走りを見せている。こちらも期待のルーキー、日体大の四辻のペースはあまり上がっていない。

 快調な早稲田・森村の走りは10キロを過ぎても変わらない。先輩である小林正幹選手の区間記録に迫ろうという勢いだ。しかし山梨の川嶋もエンジンがかかってきたのか、20秒弱の差をじっとキープしている。その後ろの大東大・林がかなりペースを上げてきて、1位と2位の差よりも2位と3位の差の方が近くなってきている。続く4位集団からは中央の中野が遅れて4位争いは神奈川の下里と帝京の飛松の2人。帝京の飛松が山を上らないのは残念だが、あの独特の走りは健在である。7位には駒澤の島村が上がってきて、ここまで先頭から1分強の差で続いているが、順天堂と亜細亜はズルズルと後退していく。

 浜須賀の交差点をカーブして湘南海岸道路に入った。前回はここで強風が選手たちを襲ったのだが、今年はまったくの無風。先頭を走る森村はやや表情が険しくなってきたものの、相変わらずいいペースで走りつづけいる。テレビでは森村のことをケーキ作りの名人と紹介している。そんなのんびりとしたことを言っている頃、2位の山梨・川嶋がやや差を詰めてきた。森村も多少のペースダウンをしており、このまま一気に迫ってくるかと思われたが、迫ってこない。大東大の林は一時の勢いを失ったようで、先頭との差は30秒から縮まらない。4位争いの神奈川と帝京を挟んで、6位の中央に7位の駒澤が迫っていた。しかし島村も前半ほどの勢いがなく、なかなか中央をとらえることができない。後方では日大の岩井が実にいい走りだ。茅ヶ崎の定点では専修と関東学院をとらえて10位に進出し、出遅れた日大がようやく追い上げを開始してきたようだ。13位の日体大・四辻は一人旅となってペースがつかめないのか、浮上してくる気配はない。そして東海大の松崎と法政の有原は茅ヶ崎を並走したまま通過していった。

 ラスト5キロからこの3区も目まぐるしい展開となった。中盤は快調なペースだった大東大の林が明らかにペースダウン。後ろから帝京の飛松が神奈川の下里を引き離して林に迫っていく。6位争いは駒澤・島村が中央・中野を逆転したが、抜かれた中野も必死についていく。先頭の早稲田・森村は湘南大橋の手前からロングスパートをかけ、10キロ以上の間、15秒から20秒の差をキープしていた山梨の川嶋はついに引き離されていった。森村のスパートだけでなく、川嶋のペースダウンも重なったようだ。3位争いも熾烈を極め、大東大の林が完全にペースダウンしたのに対して、ずっとイープンペースを保っていた神奈川の下里が満を持してスパート。いったん離された帝京の飛松を抜き、そのまま林をも抜き去って単独3位に浮上した。林は飛松にもかわされ、中盤のオーバーペースがたたった結果となった。その後ろには駒澤の島村が30メートルほどのところにまで迫っていた。

 中継所が近づいてきて、先頭の森村は何か笑みを浮かべているかのようにも見えた。苦しさの中にも満足感が溢れるような表情。その表情で4区を走る主将の新井にタスキを渡した。2位にはなんと神奈川の下里が浮上していた。山梨の川嶋はラスト3キロでかなりのペースダウンをしていたのだろう。1位・早稲田と2位・神奈川の差は1分11秒。山梨は神奈川から9秒遅れの3位で続いた。4位でやってきたのは駒澤。島村がラストスパート で帝京と大東大を抜き去り、先頭から1分38秒差でタスキを松下にリレーした。2区までいい流れを作れなかった駒澤にようやくいい流れをもたらした見事な復活走と言っていいだろう。5位で帝京、6位で大東、7位で中央とそれほど大差なく続いたが、8位の順天堂は先頭から3分7秒差と大きな遅れを取った。3区では遅れをとることを覚悟していただろうが、覚悟以上の遅れだったことは間違いない。その直後に9位の日大・岩井がタスキを渡した。1年生で初めての箱根となるが、区間4位の好走で日大を中位戦線に押し上げた。10位に亜細亜、11位に専修、12位に関東学院と続き、13位が日体大。四辻は最後まで流れに乗ることが出来なかった。中継所手前まで競り合っていた東海大・松崎と法政・有原は、ラストスパートをかけた有原が先に繰り上げタスキをつなぎ、遅れて松崎が14位でタスキをつないだ。 

3区成績
通過順位大学名トップ差選手名区間タイム区間順位
早大   ―  森村  1:04:27
神大  1:11  下里  1:05:13
山学大  1:20  川嶋  1:05:58
駒大  1:32  島村  1:04:57
帝京大 1:38  飛松  1:05:36
大東大 1:45  林 1:05:38
中大 1:56  中野  1:06:10
順大 3:07  三原 1:07:21
日大  3:15  岩井  1:05:22
亜大  3:46  鈴木良  1:08:02
専大  3:52  田村  1:06:51
関学大 5:08  瀧田  1:07:56
日体大  5:44  四辻  1:07:07
東海大 6:40  松崎  1:07:18
法大 棄権  有原  1:07:11


4区 20.9km

 先頭を走るのは早稲田の主将・新井。過去3回の箱根での走りは実力を出し切れたものではなかったが、今回はトップでタスキを受け、その走りに力がこもる。1キロの入りは2分51秒とやや速い入りだ。2位を争う神奈川と山梨の姿はまったく見えない。その2位を走る神奈川の島田の1キロの入りは2分54秒、山梨の主将・清田もほぼ同じペースだ。この3人をはるかに上回るハイペースで飛ばしている男がいた。駒澤の松下だ。1キロの入りは2分45秒で、早くも2位を争う神奈川と山梨に迫っていく。また5位を走る帝京のトリプルエースの1人、谷川も松下に続く勢いで前を追う。大東大の田上、中央の池田もハイペースで続き、2位から7位まではそれほど差のない混戦となっている。

 3キロ過ぎ、2位の神奈川・島田に山梨の清田が追いついた。さらに4キロ地点では駒澤の松下がこの2人に追いつき、あっという間に引き離して単独2位の座についた。このハイペースには島田も清田もついていけない。と、言うよりも自分のペースをしっかり守ろうとしているようだ。5位の帝京・谷川もいいペースで前を追いかけているが、中央の池田と大東の田上は少しずつ遅れている。そのはるか後方では順天堂の4年生クインテットの1人、坂井と日大のエース格に成長した清水将也が競っている。

 先頭の早稲田・新井の5キロの通過は14分52秒で、まずまずのペース。ところが2位の駒澤・松下は14分25秒という区間記録に迫るハイペース。藤田敦史が区間記録を出した時の5キロの通過が14分33秒であるから、これを上回ることになる。新井との差は5キロで27秒縮まって1分11秒。直線道路であれば選手の姿はとらえられなくても、大きな移動中継車は見える距離だろう。紫紺対決のもう一人の主役、順天堂の坂井は意外と伸びない。5キロをちょうど15分で走り、松下はおろか新井にも引き離されている。

 8キロを過ぎて先頭を走る早稲田・新井の額に汗が浮かんできた。かなり気温が上がっているようで、走り自体に変わりはないが表情もややきつくなり始めた。二宮の定点で2位を行く駒澤との差は47秒。すでに半分以下にまで縮められたことになる。松下は藤田が区間記録を出した時と同タイムで定点を通過、相変わらずのハイペースだ。3位争いは神奈川の島田、山梨の清田に帝京の谷川が追いついて3校で繰り広げられていた。先頭との差は1分21秒。少し間を置いて、大東大の田上と中央の池田が6位争いで、先頭との差は2分7秒。この中では帝京の谷川のみが先頭の新井との差を詰めている。さらに少し間を置いて8位争いの順天堂・坂井と日大・清水将が通過した。先頭との差は2分54秒でやや縮めてきたが、順天堂としてはもっと挽回しておかないと厳しいところだろう。この後ろはテレビになかなか映らず、状況がよくわからないが日体大が12位に上げてきた。二宮の定点で最後方である14位の東海大が先頭との差、7分7秒で通過した。全体的に力の差のない駅伝であることがこれからもわかる。

 そうこうしているうちに1号車から2位の駒澤・松下の走っている姿まで見えるようになってきた。10キロの通過は29分ちょうどでまだ区間記録を狙えるペースで走っている。先頭との差も13キロで30秒差まで縮めてきた。早稲田の新井が遅いのではなく、明らかに松下が速い。先頭との差はその後もジリッジリッと詰まっていく。15キロ地点ではその差は20秒をきってきた。しかしさすがの松下も険しい表情となり、ペースダウンも否めなくなってきた。そして16キロを過ぎたあたりから10秒差を挟んだつばぜり合いが始まった。互いに大量の汗をかき、険しい表情の新井と松下。徐々に松下が差を詰める。一方の新井は後ろを振り向くことなく、懸命に逃げる。両者の差を伝える船越アナの実況にも力が入り、とうとう100メートルごとのタイム差を伝え始めるようになった。

 小田原本町の定点では差は6秒。10秒差を切ってから新井が懸命に粘り、松下もなかなか追いつけない。3位集団は神奈川、帝京、山梨の順でバラけていた。6位に大東大がいて、7位に日大、8位に順天堂。中央が後退して9位まで下がった。

 先頭を走る早稲田の新井は「逃げよう」と懸命に腕を振る。一方の駒澤・松下も必死の形相で追いすがる。ここでまだ余力を残していたのは松下の方だった。残り1キロ地点でなかなか詰められなかった差を詰めて、ロングスパート。ついに首位が交代した。抜かれてからも新井は懸命に粘りつづけたがその差は少しずつ広がり、小田原中継所では10秒の差がついていた。松下のタイムは1時間2分24秒で、後半になって向かい風が吹いて区間記録には遠く及ばなかったものの、区間2位を1分以上突き放す見事な区間賞だった。3位の神奈川は先頭から1分13秒差で続き、吉村が山へ挑む。4位で帝京。エースの谷川としてはもう一つの走りだっただろうか。序盤、目の前を走っている松下を見て、ややオーバーペースになったかもしれない。そして5位で山梨がやってきた。主将の清田から留学生として初めて山を上るカリウキへタスキリレー。先頭の駒澤との差は2分26秒で、力通りに走れば届かない差ではないだろう。続いて6位で日大がやってきた。清水将は順天堂の坂井を引き離し、三つ順位を上げてきた。ほぼ同時に大東大もタスキを渡し、その次が順天堂。先頭との差は3分で、坂井にとってはあまりにも不本意な走りであっただろう。9位の中央は池田が後半失速して先頭から3分30秒遅れでタスキリレー。順天堂は野口、中央は藤原。先頭との差はあまりにも大きいが、両者の力を考えると逆転不可能な差ではないだろう。10位で亜細亜、11位で日体大がタスキをつないだ。日体大の青野は2つ順位を上げたことになる。続いてオープン参加となった法政の中村がやってきた。5区を走る長嶺は中村が持ってきた繰り上げタスキを捨てて母校のタスキをかけて山へ走っていった。法政と並ぶように12位の専修大がタスキをつなぎ、それほど差がなく13位の東海大、14位の関東学院と続いた。先頭から最下位までの差は9分24秒で、上位と下位の差が小さい大会であると言えるだろう。 

4区成績
通過順位大学名トップ差選手名区間タイム区間順位
駒大   ―  松下  1:02:24
早大  0:11  新井  1:04:13
神大  1:13  島田  1:04:04
帝京大  1:58  谷川  1:04:18
山学大 2:26  清田  1:05:08
日大 2:43  清水将 1:03:30
大東大 2:44  田上  1:05:01
順大 3:00  坂井 1:03:55
中大  3:31  池田  1:05:37
亜大  5:20  相楽  1:05:36
日体大  7:35  青野  1:05:53
専大 7:54  飯嶋  1:08:04
東海大  8:46  大井  1:06:08
関学大 9:24  石川  1:08:18
法大 棄権  中村  1:05:21


5区 20.7km

 先頭でタスキを受けた駒澤の1年生、田中は最初の1キロを3分1秒と落ち着いたペースで入った。11秒差で追う早稲田の五十嵐はやや引き離されている感じだ。3位の神奈川はエースの吉村が山を上る。1キロの入りは2分58秒で、3分を切るハイペースだ。

 駒澤の田中は2キロを6分23秒で走り、早稲田の五十嵐の姿はカーブが多くなることもあって見えなくなった。田中の走りはストライドの長い大きな走りに見える。4キロ地点では区間記録を15秒も上回るペースで快調に山を上っていく。2位の早稲田・五十嵐も田中がハイペースなために引き離されているが、そう悪い走りではない。神奈川の吉村も好調。一方、4位でタスキをもらった帝京の秋山と5位でタスキをもらった山梨のカリウキが6位争いの日大・中谷と大東大・橘に追いつかれている。カリウキが後方に追いつかれるというのは力からすれば意外な展開だが、駅伝ファンの中には「カリウキ5区」に疑問の声を上げる人も多く、彼らにとっては予想通りだったかもしれない。そしてそのすぐ後ろまで順天堂の野口が迫っていた。中央の藤原もまずまずの走りだ。ほどなく帝京の秋山が集団から遅れ、野口が集団に追いついた。野口は集団につくことなく、そのまま抜き去って単独4位に浮上した。さらに山梨のカリウキは大東の橘、日大の中谷について行けず、単独7位に後退。山梨学院としては大誤算で、ここから歯車が狂っていったと言えるだろう。

 5キロを過ぎたあたりでハイペースなのは駒澤・田中、神奈川・吉村、順天堂・野口の3人。中央の藤原は本来の走りではなく、彼らよりもやや遅いペースで上っている。神奈川の吉村は大平台の直前ですでに前を行く早稲田の姿をとらえられる所まで追い上げていた。野口は後続をあっという間に引き離し、怒涛の行くおいで前を追う。しかし田中は大平台の辺りから表情が険しくなっていた。大平台の定点で2位の早稲田と36秒、3位の神奈川とは52秒差で、早稲田は引き離していたが、神奈川には詰められている。このまま1位から3位までの差が縮まるかと思われたが、吉村のペースも落ち始め、序盤ゆっくりと入った早稲田の五十嵐がこの辺りでは最も元気がいい。

 先頭の田中は序盤のハイペースからかなりのペースダウン。いったんは完全に引き離した早稲田の五十嵐が迫り始め、二号車がチラっと見えるようになってきた。中間点となる小湧谷の踏み切りでその差は20秒。神奈川の吉村は40秒差で、2位と3位の差はむしろ大平台より広がっている。4位の順天堂・野口はさすがに険しい表情になってきたが、走りは変わらず小湧谷で1分30秒差。中間点でちょうど半分の差まで詰めてきたことになる。

 1位・駒澤と2位・早稲田の差は明らかに縮まってきた。そして早稲田と3位と神奈川の差は開き始めている。ものすごい勢いで追う野口はまだまだ後方、これは早稲田の逆転往路優勝の可能性が現実味を帯びてきた。小湧園前で駒澤と早稲田の差は15秒。神奈川は40秒差で変わらず、順天堂は1分20秒差。この後に続いてくると思われていた中央の藤原はペースが上がらず、往路優勝争いは上位四校にしぼられた。5位大東、6位山梨と続き、7位に日大。この日大の中谷はカリウキに抜き返されており、かなりペースダウンをしているようだ。8位帝京、9位中央と藤原はまだ順位を上げることができない。

 小湧園から少し走って、駒澤と早稲田の差が詰まらなくなってきた。駒澤の田中がやや持ちなおしてきたよう見える。また神奈川の吉村が再びエンジンをかけて先頭との差を詰め始めた。4位の野口もまだ先頭をとらえることは出来ないが、確実に迫っている。

 15キロ手前、2位の早稲田に3位の神奈川が並びかけた。先頭との差は20秒弱といったところだろうか。前がはっきり見えるようになってから吉村がさらにペースを上げたようだ。先頭の駒澤・田中は険しい表情ながら1歩1歩上っていく。15キロを過ぎたところでここまでさほど強くなかった向かい風が強くなってきた。後半での向かい風は各選手を苦しめる。芦ノ湯の定点で1位・駒澤と2位・神奈川の差は14秒。しばらく神奈川についていた早稲田はやや離されて先頭から16秒差。さらに4位の順天堂・野口は40秒差まで前を追い詰めていた。最高点へ向けての最後の上り、このあたりに来て向かい風がさらに強くなってきた。この上りで神奈川の吉村がグッと前を行く駒澤の田中に迫ってきた。早稲田の五十嵐も15秒の差をキープしている。

 最高点を過ぎて下りに入ったが、湖の方向から突き上げるような向かい風が吹き付け、なかなか前に進むことができない。下りに入ってすぐ、ついに吉村が田中をとらえた。田中は懸命に食らいつくが、少しずつ吉村に離されていく。2人の走りを見ているととても下っているようには見えず、それだけ向かい風がきついということの表れだろう。残り3キロ地点、先頭の神奈川と2位の駒澤の差は20メートル程度。3位の早稲田は次第に離れていき、下りはあまり得意ではないという順天堂の野口が迫ってくる気配はない。往路優勝争いは神奈川と駒澤にしぼられた。3位争いは腹痛を起こしてスローダウンした早稲田の五十嵐を追ってきた野口が交わし、順天堂が3位に進出した。

 元箱根の辺りで今度は駒澤の田中が復活してきた。いったん30メートル近くまで広がった差が3メートルまで縮まった。しかし神奈川の吉村は冷静だった。箱根神社を過ぎてからの平地でスパートをかけ、粘り強く追いすがる田中もこれにはついていけなかった。両者の戦いに決着がついたのは20キロを過ぎてからのことだった。

 吹き荒れる向かい風を受けながら、ゴールへと突き進む吉村。最後の右カーブを曲がる時にガッツポーズを見せ、往路優勝のゴールテープを切った。田中はラスト1キロで力尽き、23秒差でゴールイン。そこから24秒遅れで順天堂の野口がゴールに入ったが、その眼には往路優勝を果たせなかった悔し涙が浮かんでいた。4位で早稲田がゴール。先頭との差は1分19秒で、五十嵐は下りに入って失速してしまったが、きっちり走ったと言えるだろう。5位でやってきたのは大東大の橘。乱高下する中位校の争いを制して先頭から3分8秒差でゴールした。6位は中央。藤原は最後まで本来の走りが出来なかったが、悪いなりにまとめて先頭から3分22秒差でゴールした。続く7位は帝京。序盤スローペースだった秋山が後半遅れてきた山梨のカリウキと日大の中谷を抜いてゴール。先頭とは6分1秒差。そして8位で山梨学院のカリウキがやってきた。最後は歩くように、左足を抑えながらゴールに入った。総合優勝も狙えるかと思われた山梨学院が大誤算の往路8位である。9位でやってきたのは日大ではなく亜細亜だった。きっちりと上った鈴木聖が日大を抜いて9位でゴール。シード圏内につける見事な往路9位だった。日大は10位まで後退して、中谷はフラフラになりながらなんとかゴールにたどりついた。日大は1、2区の出遅れを3、4区で盛り返してきていただけに、いいところでまたも痛い誤算が生じてしまった。11位で専修がゴールし、ここまでが復路を時間差スタートすることになった。続いてゴールへやってきたのは法政の長嶺。途中棄権のアクシデントに見舞われた法政たが、後は無事にゴールへ到着した。12位が日体大。日体大にとっては2区でエースの佐藤が伸びず、3区で期待のルーキー、四辻が力を出せなかったのが痛かったか。13位で関東学院、14位で東海大がゴールして、波乱の往路のレースが終了した。

5区成績
通過順位大学名トップ差選手名区間タイム区間順位
神大   ―  吉村  1:13:32
駒大  0:23  田中  1:15:08
順大  0:47  野口  1:12:32
早大  1:19  五十嵐  1:15:53
大東大 3:08  橘  1:15:09
中大 3:22  藤原 1:14:36
帝京大 6:01  秋山  1:18:48
山学大 6:28  カリウキ 1:18:47
亜大  6:57  鈴木聖  1:16:22
日大  7:56  中谷  1:19:58
専大  8:38  高瀬  1:15:29
日体大 10:55  田渕  1:18:05
関学大  12:19  北川 1:17:40
東海大 14:25  古賀 1:20:24
法大 棄権  長嶺  1:17:02