第82回箱根駅伝復路プレイバック

出場チーム
駒澤大・日本体育大・日本大・中央大・順天堂大
東海大・亜細亜大・法政大・中央学院大・神奈川大
東洋大・早稲田大・国学院大・山梨学院大・大東文化大
城西大・国士館大・明治大・専修大・関東学連選抜


第82回箱根駅伝往路オーダー(2006.1.3)
チーム名 6区 7区 8区 9区 10区


6区   20.7km 箱根〜小田原中継所 
区間記録 金子宣隆(大東文化大) 58分21秒 77回大会@‘01年


 往路では2区間で距離の変更があったが、復路は去年と変わらないコースである。6区の山下りは去年までのスペシャリスト中大・野村が卒業したが経験者残り誰が区間賞をとってもおかしくないメンバーである。トップの順大は3年連続の山下りになる長谷川。追う駒沢は始めての山下りになる藤井、その他の注目は3年連続の山下りになる日大・末吉や法政・松垣などが昨年も上位で走っている。

 トップの順大と2位の駒沢は30秒差でスタート、その後中央が1分19秒差、山梨学院が1分24秒差、日大が2分1秒差でスタートした。また17位以降の専修、中央学院、学連選抜、国士舘が10分後に一斉スタートした。順大・長谷川の最初の2kmが6分8秒、駒沢・藤井が6分3秒、日大・末吉が5分54秒と後続が少しずつ先頭との差を詰めている。4kmを過ぎたところで山梨学院・梅本が5秒先にスタートした中央大・阿江の前に出た。足ノ湯の通過もやはり後続の7位東洋まではトップとの差を詰めて最初の山登りを終えてここから本格的な山下りに入る。

 山下りに入りまずは7位の東洋・末上が亜細亜・北條をとらえ6位に上がりかなり差を広げた。また3位争いは再び阿江が梅本に追いつき併走に入るが直後にまた梅本が少しスパートをかけ阿江が離される。5位の末吉はトップとの差を約20秒詰めて、また末上は30秒詰めて走っている。宮ノ下の地点ではまた少しずつトップと2位の差が開いていき3位と4位の差も開いていっている。だが後続もトップとの差を詰めてはいるが長谷川も次第によくなってきているのでなかなか詰まっていかない。

 梅本、末上は60分を十分に切るペースで走っている。その梅本は2位駒沢との差をかなり詰めていっている。また15位でスタートした法政・松垣はもっといいペースで走っており、15km付近で12位にまで上がってきていた。ラスト3kmになり藤井の表情がかなり苦しそうになり梅本の姿が一気に大きくなり後ろに着いた。また5位争いになっていた末吉が末上に抜かれて5位と6位が入れ替わった。  トップで襷を渡したのは順大・長谷川が1分を切るタイムで走り1位で通過した。2位には最後に梅本が引き離しトップと1分5秒差、3位は1分14秒差で駒沢が襷渡しを終えた。4位は2分差の中央、5位には2つ順位を上げて東洋が入った。シード争いは1つ順位を落とした10位早稲田と4つ順位を上げた11位法政の差はわずかに36秒の差である。個人順位は1位が繰り上げスタートだった専修大学のキャプテン辰巳が59分7秒、専修大学にとっては8年ぶりの区間賞であった。2位には4人抜きを見せた法政・松垣が2秒差で、3位は駒沢を抜いた山梨学院・梅本が入った。

"
"
6区成績
総合順位 大学名 トップ差 選手名 区間タイム 区間順位


7区   21.2km 小田原中継所〜平塚中継所 
区間記録 武井隆次(早稲田大) 1時間02分53秒 69回大会@‘93年


 7区は旧4区の裏返しの区間で細かいアップダウンはあるが、比較的走りやすく1年生などが起用されることが多いつなぎの区間である。この区間の93年に作られた区間記録が最も古い記録になる。トップの順大は1年生の小野は1年間で自己ベストを出し続けてきた選手である。2位の山梨学院・親崎は1分5秒差、3位駒沢・安西は1分14秒差でスタートした。小野は最初の1kmを2分42秒とかなり早いペースで入ったがその後も3分を切るペースで落ち着いて走っている。

 上位で最初に動きがあったのは6位の日大・秀島が4km付近までに20秒ほどあった5位東洋・山本に追いつき前にでたが併走になる。3位でスタートした安西も徐々に親崎と差を詰めていっている。先頭の小野のペースは若干落ちたものの3分を少し超えるペースで安定して走っている。10kmも30分を切って走っており、つなぎの区間としてはなかなかその差を詰められる選手はいない。そして8km手前に安西は親崎に追いつき併走を始めた。

 二宮(あと7.5km)地点で1位の小野と2位集団の差は1分59秒の差に広がっていた。追い上げているように見えた日大との差も4分ほどに広がっており、小野はかなりいいタイムで走っていることになる。シード争いをしていた9位集団の法政・柳沼、早稲田・原、大東大・村松の集団が13km過ぎに村松が送れていき、単独の11位になってしまう。そして5位集団に亜細亜・綿引が徐々に迫っていっている。15km過ぎにずっと併走を続けていた2位集団は給水を終えると、親崎が一気に安西を引き離した。また16km過ぎに綿引が追いつき、その頃安西は急にペースを落とし中央大・森にも追い抜かれた。

 17kmを過ぎ5位集団から秀島が遅れ、単独7位に落ちた。安西も森についていくことができずに離されていってしまう。小野は最後まで大きくペースが落ちることはなく、最後まで後ろの影が見えることなく走りきった。残り1km付近で親崎の後ろに森の姿がどんどん大きくなっていき、残り300mで2位と3位が入れ替わり襷を渡した。トップとの差は2分53秒とかなり開いていた。3位の山梨学院はその5秒後に、4位駒沢はトップと3分37秒差で襷を渡した。その後ろは亜細亜が2つ順位を上げて渡した。残り600mほどで9位の原が最後に8位東海・宮本を抜き襷を渡し終えた。10位には法政が入ったが11位大東文化との差はわずかに12秒だった。そして日体大は10位と2分16秒もの差をつけられている。個人順位は法政大学をシード圏内に押し上げた柳沼が1時間4分2秒でトップ、2位にはトップを守り続けた順大・小野、3位には2人抜きを見せた亜細亜・綿引であった。

"
"
7区成績
総合順位 大学名 トップ差 選手名 区間タイム 区間順位


8区   21.3km 平塚中継所〜戸塚中継所 
区間記録 古田哲弘(山梨学院大) 1時間04分05秒 73回大会@‘97年


 8区もつなぎの区間と呼ばれる区間だが、だんだん昼に近づくにつれ脱水症状などの危険性が増してくる。また最後にはだらだらと上る遊行寺の坂があり、優勝争いやシード争いなど、どこの大学もここにどれだけ強い選手を配置できるかがポイントになる。トップをひた走る順大は4回目の箱根となる4年生難波、2分53秒差で2位の中央大は3年生の山本、5秒後に山梨学院の前岡がスタートした。

 トップの難波は1km2分55秒とまずは落ち着いて入った。前の区間でデットヒートをしていた8位争いの8位早稲田・小島と9位東海・植木は中継所をでてすぐに順位が入れ替わった。2位と3位の争いも2位の山本が少しずつ離していっていが、5km付近には逆に前岡が追いついていた。4位の駒沢・堺は6kmが18分1秒と1km3分ペースで走っており、前との差も詰まらず、後ろからも追ってこないので1人で孤独に走っていた。6位だった東洋・松尾は茅ヶ崎の中継点付近で7位スタートだった日大・阿部に抜かされていた。また8位争いは植木が前にでていたが小島も離されず着いていっている。中継所で2位の中央大と4位の駒沢大は中継所では44秒あった差が11km付近ではわずかに10秒差ほどになっていた。そして13km付近で完璧に追いつき前に出た。

 藤沢(13、2km)の中継点でトップから2位集団の差は3分25秒に開いていた。しかし駒沢とは縮まっていることになる。この中継点を超えた頃に集団が壊れ、2位駒沢大、3位山梨学院、4位中央大となった。ペースが落ちていたトップの難波が16km付近で明らかに様子がおかしくなった。センターラインよりで走ったり、歩道の方に行ったりと蛇行しながら走っており脱水症状のような症状になった難波に、運営管理者から仲村監督が降り水を手渡した。そのようなこともあり堺は順調なペースで走っているため、1位と2位の差はどんどん詰まっていっている。17、5kmに9位の小島を10位の法政・後藤がとうとう追いつきシード権ぎりぎりに早稲田が落ちてしまった。

 残り2kmを切り残り距離もわずかになったが難波の意識ははっきり戻らず、いまだ蛇行しながら走り続けている。あと1km地点手前でもう一度仲村監督が車を降り水を渡したがとうとう堺が5区からトップを守り続けていた順大を逆転し4連覇中の駒沢がトップに立った。そして駒沢はトップで襷を渡した。残り400mで難波は止まりそうになり中村監督がもう一度水を渡したが難波は止まりそうになりながら歩き出していまい、中継所手前で亜細亜、山梨学院にも抜かれたが4位で無事に襷を渡すことができた。2位の亜細亜はトップと1分12秒差、3位の山梨学院はトップと1分30秒差で襷渡しを終えた。5位には中央、6位には日大が入った。シード争いは10位まで東洋が落ちてしまい、11位の城西大とは1分30秒ほどの差がついている。個人順位の1位は繰り上げスタートをしている中央学院大の杉本が1時間4分48秒で区間賞であり、歴代4位の好タイムであった。2位にはチームをトップに押し上げた駒沢・堺が入り、3位は国学院の南であった。

"
"
8区成績


9区   23.0km 戸塚中継所〜鶴見中継所 
区間記録 塩川雄也(駒澤大) 1時間08分38秒 81回大会@‘05年


 9区は復路のエース区間と呼ばれチームのキャプテンなど準エースの選手が走ることが多い。繰り上げスタートは今年もなく、下位校のがんばりが目立つ。トップの駒沢は2年生の平野を持ってきた。追う亜細亜は3年生の山下という選手である。注目のランナーは3位スタートの順大の長門は3年連続の9区になる。6位の日大は小川監督が自信を持つ関カレハーフ優勝の吉岡、7位の東海はエース中井から当日変更のもう一人のエース一井、シードを狙う優勝候補だった日体大の岩崎などが注目であろう。

 トップに立った駒沢の平野は最初の1kmを2分42秒と少し下りながらも早いタイムで入った。3位の山梨学院・向井と4位スタートの順大・長門は最初の1kmで1秒詰め、さらにその差は詰まってきて、2km手前には前に出た。3kmは平野が8分48秒、長門が8分40秒、6位の日大・吉岡が8分38秒とここまでを見るとそれぞれトップまでの差がつまっていっていることになる。そして亜細亜と順大の差も、5位の中央大と6位の日大との差も詰まってきている。5kmすぎにギリギリシード権だった10位東洋・今掘が9位の早稲田・河野を抜き9位に順位を上げた。

 権太坂(7.8km)を通過してトップの駒沢と2位の亜細亜の差は59秒につまってきた。そして6位の日大までが2分5秒差と終盤になってますます混戦になってきた。山下はかなりいいタイムで走っているのだがさらにその後ろの長門のほうが早く差がどんどんつまっており、13km付近で後ろにぴったりと着いた。そして2人で徐々にペースが落ち始めた平野を追っている。そしてあと少しがつまらなかった山下と長門の差は逆に開き始め、16km付近には平野との差が100mを切っていた。5位争いの山本と吉岡は16km過ぎに吉岡が前に出て一気に突き放した。山下は平野を捕らえられそうで捕らえられない展開が続いていたが、19km付近で追いつき1kmほど併走したが山下がスパートをかけトップに立った。シード争いは10km以上併走を続けていた早稲田と東洋は早稲田の河野が前に出て単独9位になった。またその後ろには日体・岩崎が11位に上がってきておりその差は1分を切っていた。



トップに立った山下はそのままトップで鶴見中継所に運び始めてトップで襷を渡した。2位には5連覇を狙う駒沢が少し離され42秒差で襷渡し、3位には順大が1分10秒差で入ってきた。5位日大までが3分以内とまだ可能性が残った。シード争いは9位の早稲田と10位の差は10秒差、そして11位大東大、12位東洋大、13位城西大までが9位と49秒差とこの5校で2つの席を争うことになる。個人のタイムはチームをトップに押し上げた亜細亜の山下が1時間9分30秒で区間賞、2位は東海の一井が入り、3位は長門であった。また復路優勝争いは伝統校の法政がトップになっており、このまま行けば創部初の快挙になる。

"
"
9区成績


10区   23.0km 鶴見中継所〜大手町読売新聞社前 
区間記録 山田紘之(日本体育大) 1時間09分05秒 81回大会@‘05年


 10区はトップを走るチームにとってはウイニングロードになることもあれば、シード争いのチームにとっては死に物狂いで10位までに入ろうと最後まで必死に走る区間である。トップの亜細亜は始めての箱根になる岡田直弘である。追いかける駒沢は4回目の箱根になり3回優勝している箱根男糟谷である。後続の注目は5位の日大キャプテンである武者や日体大には過去に2区も走ったことのある熊本が走る。

 襷を渡し400mで5位の日大・武者が4位の山梨学院・小山に追いつき併走になった。首位争いの亜細亜・岡田と駒沢・糟谷の差は徐々に詰まっている。4kmすぎに日体大のエース核である熊本が早稲田・三輪をぬき9位に上がった。また早稲田の後ろに東洋も迫っている。4位集団の武者と小山は早いペースを刻んでおり、3位の順大・清野との差を詰めている。トップ争いの岡田と糟谷は10秒ほどに詰まったがそこからがなかなかつまらないでいる。6km手前に東洋・渡辺が三輪に追いつき一気に前に出た。ここで再びシード圏内に上がってきた。その渡辺はそのままの勢いで熊本にも追いついた。10km付近になり徐々にトップの2位の差は開き始めた。その頃3位の清野に4位集団の2人が追いつき3人の集団になった。7位でスタートした東海・前川が6位の中央・加藤を捕らえた。シード争いは11位に城西と大東文化が上がってきており、早稲田は13位に落ちていた。

 八山橋(あと9.6km)の地点でトップと2位の差は31秒に開いていた。3位集団の3校はトップと1分52秒差と日大から見ると縮まっているが思うように縮まっていない。14km付近にとうとう城西大・高岡が9位集団に追いつき9位集団が3人になった。この中で1校だけがシードを取れないことになる。トップの岡田はどんどん差を広げていき、ウイニングランを始めたようにも見える。3位争いをしていた3校は小山が少し突き放し、4位争いが日大と順大の2校になった。9位グループの3人は縦長になり前から高岡、熊本、渡辺の順になっている。

 亜細亜は完璧に後ろを離した。糟谷はかなり苦しそうな顔をして走っている状態である。前を追いたい糟谷であったが、逆に後ろとの差が詰まってきている状態である。21km手前にとうとう2位が入れ替わり小山が前に出た。のこり1kmほどになりトップの亜細亜大アンカーの岡田は顔に笑みが浮かんでいるそして初優勝のゴールテープを切った。2位には予選会から上がってきた山梨学院大学が入った。3位には復路5位でスタートした日本大、4位には途中アクシデントがあった順天堂大、5位にはアンカー糟谷で順位を落としてしまった駒沢大、6位には優勝候補筆頭だった東海大、7位には往路来るしんだが復路で巻き返した法政大、8位は優勝候補にも上げられていた中央大が入った。そしてシード争いはラスト1kmでスパートをかけ日体大が入りそれについていくことができた東洋大が最後の1枠に入った。11位には初のシードを狙った城西大がわずか10秒差で帰ってきた。10区個人争いは城西大をここまで上げた高岡が区間賞をとった。2位にはチームを2位に上げた小山が、3位は東洋・渡辺が入った。また復路は法政大が初優勝を飾った。

今年の駅伝はまさしく戦国駅伝だったと思います。トップがめまぐるしく動き、全チームが自分の学校の襷を最後までつなぐことができました。群雄割拠という言葉で表されるように上位と下位の学校の差が年々縮まってきているように思えます。亜細亜が初優勝し、予選会組の山梨学院が2位に入ったことがそれの象徴でないでしょうか。このような僅差の争いになってくるとやはりミスをしなかったチームが上位に来るといった感じがあります。それができたのが亜細亜であり、戦前、優勝候補に上げられていた学校はどこもエース重要な区間でブレーキする選手が出てしまいました。これがやはり駅伝も個人で戦うスポーツではなく、団体で戦うスポーツであると再認識しました。何はともあれ亜細亜大学さん初優勝おめでとうございます。

"
"
10区成績