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観戦メモ7

一番新しいものが先頭に来るように並べていますが、
同じ背景色のメモは上から下の順番で試合を見てメモを書いています。


2001年メキシコ夏季リーグ決勝戦第1試合
Pachuca vs Santos 2 - 1

テレビカメラから見て右から左へ強風の吹き続ける中、ボールコントロールに苦労する試合となりました。センターライン上には優勝トロフィーと準優勝のトロフィーが並び、スタジアムはもちろん満員。青と白の紙吹雪が強風に吹き上げられ、舞い散る中、決勝の火ぶたは切って落とされたのでした。

試合開始5分、パチュカの左サイドの中盤マルコ・ガルセスがサントスの選手に競り勝ち体制を崩しながらも、オープンスペースへパス。そこへ走り込んだフォワードのサンタナがキーパーと1対1になり、シュート。均衡が破れました。どよめくスタジアム、更に舞い散る紙吹雪。パチュカは歓喜の渦に包まれました。

しかし、リスタートからサントスもすぐに追い付きます。右サイドをトルヒーヨがドリブルで上がり、パチュカのディフェンスが詰めなかったのを良いことに丁寧なセンタリングを上げました。そして、カベサドール(ヘディング専門職人)ボルゲッティが「これぞヘディングシュート」というきれいなシュートをゴール左サイドに決めてすぐに同点に追い付きました。

追い風側のパチュカは、長めのパスからスピードのある攻めあがりでサントスのゴールを何度も脅かしました。セザレオ・ヴィクトリーノのドリブルは特に脅威でした。ひとりでは止められず、サントスは常に二人掛かりで守備にあたっていました。対するサントスはロドリゴ・ルイスの弾道を抑えた際どいシュートや、ノーゴールになってしまったけれどコーナーキックを直接入れたりした以外は、向い風のせいもあって守備ラインを深めにして用心深くポジションをとっていました。

後半パチュカはガルセスを下げ、ピネダを入れましたが、私はこれが効果的だったかと言われると首をかしげたくなる様な気がします。この交代によって、パチュカはピネダのワントップ気味になり、チティバ、、ヴィクトリーノがそれまでより下がり目になってしまったため、前半程の脅威とはなりませんでした。

しかし、パチュカは2度のPKを与えられました。いずれの判定も微妙なもので、特に2度目のPKはカリーニョが避けてお腹にボールが直撃したにも関わらず、ハンドの判定からPKが与えられたからです。いずれもピネダが蹴りましたが、1度めはサントスのキーパー、マルティネスの好判断で弾かれて得点にはなりませんでした。

パチュカが1点リードで迎える2戦目。泣いても笑ってもあと1試合です。


 
2001年メキシコ夏季リーグ(リギージャ)準決勝第2試合
America vs Pachuca 1 - 1

満員のアステカスタジアムに雷鳴と滝の様な雨が降る中、アメリカとパチュカの試合が行われました。アメリカはこの前の試合でドゥイリオ・ダビーノが退場になったため、ヤクタが代わりに入っていました。パチュカは前の試合で生彩を欠いたピネダを下げてサンタナを入れました。

開始5分にアメリカのヤクタが左サイドからセンタリングを上げ、それを足元で受けたサモラーノがディフェンダーを背中に背負いながら、オープンスペースへボールを出して、走り込んで来たルナがシュート。地面を転がったボールは濡れた芝生も手伝って、そのままゴールイン。アメリカが1点返しました。あと1点入ればアメリカが勝ち抜けです。

それ以降はパチュカが中盤をほとんど支配していた様に思います。しかし、詰めが甘く最終ラインでボールを取られては、アメリカのカウンターアタックを受けるというくり返しでした。サモラーノの放ったシュートをパチュカのキーパー、カレロが弾いて、そのボールがバーの上を2度バウンドして落ちてくるというアメリカにとっての不運もありました。ゴール枠にボールが飛んだ数は圧倒的にアメリカだったのです。しかし、カレロが当っていて、アメリカにとっての惜しいシュートを防ぎきって得点を許しませんでした。

対するパチュカは再三惜しい場面迄行くのですが、ゴール前でタイミングを逸したりシュートをアメリカのディフェンスにぶち当てたりして得点になりませんでした。雨が激しかった上、ボールが走るので、コントロールが難しかったのだろうと思います。そうして行くうちに、時間は過ぎ、マルコ・ガルセスを後ろから潰したヤクタが退場になったあとは、パチュカは無理に攻めはせずボールを高めに支配しておくという作戦に変えました。そしてロスタイムになって、ひとり残っていたヴィクトリーノにパチュカがロングパス。それをうまく拾ったヴィクトリーノは、アメリカのキーパー、ピネダが出ているのを確認して長距離のループシュートを放ちました。ピネダは一歩も動けず、振り向いた時にはボールがネットを揺らしていました。

「アディオス、アメリカ」番組の解説者がそう言って程なくタイムアップとなりました。


 
 
Santos vs Puebla 2 - 1

嵐のアメリカvsパチュカとうって変わって、サントスのホーム、トレオンは快晴40度近い気温の中での消耗戦となりました。ホームで滅法強いサントスがボールをキープ。ロドリゴ・ルイスを中心にアルタミラノやトルヒーヨが絡んで左右からパスを供給します。1点目はサントスのロドリゴ・ルイスの弾道を低く抑えたシュートでした。プエブラのディフェンダーがクリアし損ねたボールを、ロドリゴ・ルイスが拾ってシュート。ネットをゆらしました。これで合計得点が5-5となり、このままならサントスの決勝進出です。ゴール後もサントスの攻撃は続きます。コーナーキックに次ぐコーナーキックを入れますが、ゴールネットを揺らすことが出来ませんでした。

そうして前半も終了近くなり、若干疲れが出て来たころに、プエブラにチャンスが訪れました。42分にカバイエロ、アスペ、クラウディーニョが短いパスを繋いでサントスのディフェンスをかく乱。そして、クラウディーニョが左サイドからのパワフルなシュートを放って、引き分けとしました。このままだとプエブラの進出です。一瞬気落ちするサントスでしたが、前半のロスタイムにカリーニョへのファールからのフリーキックでヨハン・ロドリゲスがヘディングでゴールを揺らしました。

後半はお互いに良いチャンスを作って、惜しいシュートを放っていました。コーナーキックは圧倒的にサントスでしたが、いずれもキーパーの好守にあって得点にはならず。結局ゴールは前半の2-1で、合計6-6なのでサントスが決勝に進出になりました。

サントスのキラルテ監督は、ボルゲッティが後半40分ごろにごっつぁんゴールを外した時に、「がっくり」と体を折っているのが映し出されました。なんとか、時間を消費しようと選手交代を試みましたが、審判に無視され、心配と安心とから試合終了後涙目になっていました。

決勝はパチュカvsサントスになりました。


 
 
2001年メキシコ夏季リーグ(リギージャ)準決勝
Pachuca vs America 2 - 0

モンテレイを玉砕して波に乗るパチュカが、これまたレオンを4-0で下したアメリカを迎えての1戦でした。大方の予想はアメリカ有利というものでしたがふたを開けてみたらパチュカの完勝に近い試合になりました。この日のパチュカはとても寒かった様です。みんな長そでで、ヴィドゥリオは手袋迄していました。解説の人も「非常に寒い」を連発していました。

最初こそ緊張からゆっくりとした球運びで、連係もどこかぎこちなかったパチュカですが、前半20分頃からリズムが戻って来ました。髪の毛を青く染めたチティバとガルセスが(どっちも小柄なのでどっちがどっちだかわかりずらかったですが)左サイドをかき回します。そして、右サイドはアルベルト・ロドリゲスがサイドラインを駆け上がりヴィクトリーノがゴールのチャンスを伺うという具合でした。

そしてヴィクトリーノの丁寧なパスからチティバが飛び出しゴール!均衡が破れました。そこから後はパチュカが完全にリズムを掴み、アメリカの中盤を寸断しました。豊富な運動量から局地的に常に優位を保ち、凄い時には4人がかりで襲い掛かってボールを奪い、なだれのようにアメリカのゴールへと突き進みました。そして、もう一点追加したのです。

アメリカもエルナンデスがなんとか「前へ」と行こうとするのですが、さすがのエルナンデスでもパチュカのディフェンスに取り囲まれてはどうすることも出来ませんでした。前の試合で好調だったルナもオビエドもこの日は影を潜めていました。

シーズン初めにチームメートを交通事故で失ったパチュカのイレブンは今でも黒いリボンを右胸につけてプレーしています。エルナン・ゴメスが天国からパチュカを応援しているのかも知れません。


 
 
Puebla vs Santos 5 - 4
こんな得点になろうとは思ってもみませんでしたがリギージャの準決勝に相応しい、大いに盛り上がる試合となりました。試合開始1分にいきなりプエブラのゴールが入り、スタジアムが熱狂に包まれました。そして、なんと4分に追加点。いきなりプエブラが2点勝ち越しです。サントスの選手達はがっかりしていましたが、まだ崩れるには試合時間が長く残っていました。それに、リギージャなのです。いくらアウェーが苦手といっても、ここで点差をつけられる訳にはいきません。サントスの反撃がはじまりました。

プエブラも2点あっと言う間に入れてしまったのでちょっと気持ちでほっとしてしまったところがあったかも知れません。そこからサントスにボールを持たせてしまったのです。サントスの1点目はトルヒーヨの左サイドからのロングパスをボルゲッティがヘッドであわせての1点。いかにもボルゲッティという得点でした。これで勢いのついたサントスはすぐに追加点を加えます。ロドリゴ・ルイスのフィードをボルゲッティが今度はアウトサイドにあわせての1点。そして、アルタミラノの直接フリーキックが入ってあっと言う間にサントスが勝ち越してしまいました。

後半、気を取り直したプエブラは一気に攻撃に転じました。クラウディーニョのヘッドで追い付いた後、勢いはプエブラでした。1点づつ入れて4-4となったところでサントスは「引き分けで終わらせてホームでプエブラの息の根を止めよう」と思ったのでしょう。それからあとは、攻撃の形を作ると言うより、引きめに布陣をしいてロングパスで試合を壊す作戦に転じました。そしてトルヒージョを下げてロブソン・ルイスを入れたのです。これが結果的には裏目に出てしまいました。ドリブル突破を試みてはプエブラのディフェンスに捕まりカウンターアタックを受けるというくり返しで、サントスのディフェンスが次第にずれていってしまったのです。雨によってピッチが滑ったことも、サントスのディフェンスを疲労させた理由でしょう。試合終了3分前にガルシア・アスペのゴールでプエブラが勝ち越し、試合はそのまま終了しました。

サントスのホームでの1戦がとても楽しみです。


 
 
2001年メキシコ夏季リーグ リギージャ(プレーオフ)
Pachuca vs Monterrey 4 - 0

シーズン中パチュカがここ迄残るとは思っても見ませんでした。パブロ・エルナン・ゴメスの交通事故、ヴィドゥリオの暴力で5試合出場停止、大量退場で試合が継続出来ずに90分を待たずに試合終了、連敗と、パチュカのメンバーは考えられるだけの辛酸をなめ尽くしている感じだったのです。しかし、限り無く2軍に近いメンバーをキャプテンのアルベルト・ロドリゲスが率いて、アメリカを撃ち破って以来、チームの結束が強まった様で、後は昇り調子でリギージャに辿り着きました。同じグループのテコスが終盤に崩れたのもパチュカに幸いしたと言えましょう。

対するモンテレイは同じグループの他のチームがいずれも絶好調で、シーズン中ずっと熾烈なポジション争いを続けていました。アレジャノの代表復帰やデ・ニグリスの代表初登場、初ゴールなど、好材料が揃ったシーズンだったと言えましょう。監督のスペイン人ベニート・フローロが目指すパスを主体とするサッカーはヨーロッパの香りのする、見ていて楽しいサッカーだったと思います。

この対戦はリギージャでは初顔合わせだったそうです。結果は弱い者が強いものを食った形になりました。パチュカはマルコ・ガルセスを累積で欠いていましたが、豊富な運動量でモンテレイを圧倒し続けました。ヴィクトリーノのゴールで1点とってからは、後ろから雲霞が沸くように、ゴール前に押し寄せるのですが、フォワードのチティバとピネダでは決定力がないので、かなか最後の結果に結びつきません。そうこうしているうちにセットプレーからヴィドウリオが待望の2点目をゲット。モンテレイはオフサイドトラップをかけたのですが、かけ損ねからの得点でした。そこからは焦ったモンテレイの守備の隙を突いて、パチュカの攻撃が加速しました。3点目もやはりヴィドウリオでした。パチュカのフリーキックでモンテレイの壁がポジション確認でもたもたしている所を、ふっとボールを動かして低めのシュートを決めたものです。そして、終了前にはモンテレイの息の根をとめるに等しい4点めが入ったのです。

モンテレイは攻撃の形をほとんど作ることが出来ませんでした。ボールに向かって果敢にプレーして、なんとかゴールをしようとしていたのはアレジャノだけだったのではないかと思います。アレジャノはオクタヴィオ・ヴァルデスとマッチアップしていたのですが、右サイドでは効果的な攻撃が出来ないと判断。後半は左サイドに迄はり出してがんばっていました。しかし、孤軍奮闘では限界があったと思います。コレアもデ・ニグリスもほとんどボールに触れなくて、機能していませんでした。

リターンマッチはモンテレイのホームで4点差をつけて勝てばモンテレイが進出です。モンテレイがこの借りを返せるか?結果は土曜日です。



 
 
ワールドカップ最終予選 4月25日
Trinidad and Tobago vs Mexico 1 - 1

試合前から両チームには随分と緊張が高まっていました。メキシコサッカー協会は、ピッチのコンディションが悪いことやら、トリニダードのサッカー協会がメキシコに対して敵対的なムードを作り上げていて、選手の身に危険が及ぶ可能性があるとかなんとか言って、トリニダードでの試合を阻止しようとあの手この手でキャンペーンを張りました。トリニダード・トバゴにとってそれが面白いはずがありません。「これは戦争だ」といったキャッチフレーズまで飛び出して、まさに一触即発の危機という雰囲気をかもし出していました。

それでもスタジアムはかなり空席の目立つセクションもあったりして、「煽った割にはすくないなぁ〜」というのが最初の印象でした。試合中はこそっこそっとシャツを引っ張ったりして小ずるいファールすれすれプレーをしていたメキシコに対し、思いっきり突き飛ばしたり蹴りこんだりと、トリニダード・トバゴは大柄なファールプレーをしていたのが目立ちました。国民性かもしれないですし、きれいに言うならメキシコが「試合巧者」だったとも言えます。

それでも、先に得点したのはトリニダード・トバゴでした。前半15分コーナーキックからアンドリュースが地面にボールを叩き付ける様なヘディングでネットをゆらしました。身長差がかなりありましたから、メキシコの選手にどうせよと言っても将のないような完璧なヘディングでした。対するメキシコは、選手同士の役割分担がはっきりせず、混乱が生じて効果的な攻撃を創りだせませんでした。右サイドのデ・ニグリス、パレンシア、パルドの辺りでごちゃごちゃしてしまい、パスの意図が合わなかったりしてせっかく持ち込んでもそのチャンスをふいにすることが多かったです。散発的にパレンシアやデ・ニグリスがシュートしたりしましたが、効果的な攻撃だったかというと疑問が残ります。

混乱していた右サイドは問題ですが、それよりもディフェンシブハーフのプレーが問題の様な気がします。何度も書いているので「また言ってる」と言われるかもしれないですがヴィクトル・ルイスとエルマン・ヴィジャはオープンスペースにボールを出さず、手近な選手達と短いパスを回すだけなので、フォワードが下がって来なければならず、それが攻撃陣の混乱を助長していたともいえると思います。

後半に入り、ヴィジャを外してアレジャノを入れて攻撃を厚くし、クラウディオ・スアレスがヴィジャの分を受け持つようになってから、攻撃が出来るようになってきました。ヴィジャと違ってスアレスはオープンスペースへパスを出していて、それをアレジャノが拾って上がり、センタリングをするという攻撃パターンが見えて来たのです。このおかげで後半は前半よりもずっとましになりました。そして、パルドの弾道を抑えたミドルシュートがゴールに突き刺さり同点に追い付きました。

ゴールエリアのハンドでマルケスが2枚目のイエローカードをもらい退場しました。それでもメキシコは攻撃野手を緩めませんでした。ボルゲッティがゴール前でこぼれ玉をふかした時には絶望的なため息がでましたが、まぁ引き分けで終われたのは良しとすべきなのかもしれません。これでメキシコはジャマイカ、コスタリカと並んで勝ち点4を獲得。首位アメリカは3試合連勝なので勝ち点差が5となっており、独走状態です。