カナダ 生活 小噺  


お手洗い

 飛行機を降りて「旅行目的は」と質問されたら「斎藤寝具(Sight seeing)」と答えなさいと教えられていて「服部寝具(家の近くに服部布団店がありました)」と言ってしまって、入国に手間取った頃のお話しです。
 オトイレを探しました。「Rest Room」とか「Mens Room」とか習っていたのですが、見当たりません。Rの発音が出来ませんので聞くわけにもいきません。モジモジしながら探しました。やっと男と女の例の絵を見つけホットしたのですが、そこには「Wash Room=お手洗い」と書いてあったのです。英語とカナダ語は違うのだということを始めて知ったのです。
 アメリカとの国境に近い売店やレストランでは「Rest Room」と表示されています。


サイダー

 日本から友人の奥さんが来ました。レストランに入って飲み物の注文。奥さんは「サイダーが欲しいわ」。私は「Cider for her, please」。出て来たのはアップルサイダー(アップルサイダーのアルコール度は約5%)。彼女は下戸です。「炭酸水で、カナダドライとかありましたね」。そこで私は、したり顔で「Canadian Dry, please」。もちろん、ビールが出て来ました。あらためてカナダドライを注文し、私はアップルサイダーとカナディアン・ビールを飲んで真っ赤な顔になりました。

(蛇足:Ciderは果物の発酵飲料、Canadian Dryはビールの商品名、Canada Dryは炭酸飲料の商品名)


ソファー

 電気製品の大型チェン店に「Futureshop」というのがございます。テレビを買おうと思って出掛けたときです。先に「FU・・・TURE」という看板が見えて来ました。こんな所にフューチャーショップが有ったなと思いましたが、窓にテレビが飾ってあるのが見えましたので入りました。ところがテレビは飾り物で家具屋(furniture)だったのです。
 すぐに店を出るのも照れくさく、店内をブラブラしていましたら、店員さんが話し掛けて来て「Are you enjoying Vancouver life, so far?」と言いました。私は「Yes, I have a good sofa.」と応えてしまいました。


犬の缶詰

 さるグローサリーでオカズを探していたときでございます。
 鮭の絵がついた鮭の缶詰がございました。その隣にはマグロの絵が。そして、鶏の、豚の、牛の。その次の棚には犬の絵の缶詰と猫の絵の缶詰があり、びっくりしました。カナダの人は犬や猫を食べるのかと。
 よく見たら、それはペットフードの棚でした。


BUZZER

 初めてバスに乗ったときです。次で降りようと窓の上にある「BUZZER」と書いてある白い箱を押しました。NextStopのランプは少し遅れて点つきました。バスは止まったのですが降り口の扉が開きません。後ろの人が私を払い除けてステップを降りたら開きました。
 次の乗ったとき「BUZZER」の箱には"The BUZZER"という市バスのパンフレットが入っている事に、降りる人は窓の上の紐を引っ張っている事に気付きました。「BUZZER」の白い箱の直ぐ上にその紐が通っていたのです。

(蛇足:バスはワンマン運転で乗車券は乗るとき払います。要求すれば乗換え券を渡され、90分間乗り換え自由です。下車する時には前以て紐を引っ張って合図し、停車したら降車口のステップを降りるか、扉の取っ手を押すと開きます)


SMILE

 ファーストフードの店に入ったときです。子連れだったので、安いものがいいなと、壁のメニューを追っていました。わけの解からない名前が並んでいました。
 と、一番下に「SMILE−−−Free」というのを見つけました。「Free」というのは確かタダということですよネ。この日の特別サービスだと思いました。
 「S・M・I・L・E スリー プリーズ」と注文したのです。店員さんはニッコリ笑っているだけです。「L」の発音が悪いのかと思って再度「S・M・I・L・E スリー プリーズ」と言いました。相変わらず店員さんは笑っているだけです。
 ハッと気付きました。急いで子供の手を引っ張り、愛想笑い(オリエンタル マジック スマイル)をして小さくなってお店を出ました。後ろから大きな笑い声が聞こえて来るように思えました。


薩摩の守

 スカイトレーンの駅には改札口がありません。切符売りの窓口も有りません。ですから私は堂々と、タダノリをしていました。
 有る日、通路にオジさんが立っていて、一人一人に訊ねています。私にも問い掛けてきました。「乗車券は?」。エエッ。お金要るの? 「何処に売っているのですか」と聞きましたら、手前の方を指差します。橙色の小さな自販機が有りました。
 無賃乗車を咎められることも無く、切符を買って見せたら通してくれました。今まで何回ただ乗りしたっけ。バスでは運転手さんが切符のチェックをしているので、チャンと払っていました。

(蛇足:スカイトレーンはダウンタウンでは地下を走っていますが住宅街から郊外は高架の上を走っており、無人運転の公共交通機関です)