Go!Go!江の川
嵐の後
 「はい、今日は無理ですが、明後日の日曜には水量も落ち着いてツーリングが可能になります。このまま雨が降らず順調にいけば間違いありません。」と、電話の向こうのの女性の声。
 水曜の夜に丹後に最接近した台風21号は、雨台風で各地を水浸しにして過ぎ去った。金曜は台風一過の快晴ながら、青空の下、道路には水が運んだゴミが散乱し、川はその大小に関わらずまっ茶色の濁流。
 「カヌーの里おおち」のWebページのライブカメラで江の川を見て見れば、やはりあちらもまっ茶色。
 そこで、週末の江の川遠征が不安になって現地「カヌーの里おおち」に電話をしてみたわけだが、自信満々で「大丈夫」といわれて、翌土曜日の午後予定通り出発。
アプローチ
 3日、暗い内に目覚めて移動準備。前を流れる川には、漁師の小舟。何を捕っているかは暗くてわからない。
 「結構流れが速いなぁ」とH氏。H氏にとっては初めての川下り。7,8年前に、舟屋が並ぶ伊根湾を漕いで以来だ。今回は、「山に行こうか」と誘われたのを「川ではダメですか」と誘い返して実現した遠征なのだ。
 昨日の午後、同行のH氏を乗せて丹後から但馬を経て2時間半で福崎I.C.。交通量の少ない中国自動車道を西に。日が暮れて真っ暗の三次で(19:00頃)、いきなり目的地と反対方向に走り出したり(今回GPSレシーバーとWindowsCE機の現在位置表示システムを積んでいないせい。これで30分のロス)、買い出しをしたり、夕食をとったりしてから、R375で江の川に沿って作木まで下ってきた。離合困難なせまい道だったがほとんど対向車はなかった。
 テントをクルマに収めて出発。旧邑智町(10月1日に大和村と合併して美郷町)「カヌーの里おおち」へと川を見ながら移動。
 「美郷町誕生!」という看板のある旧邑智町役場前を通過して、「カヌーの里」へ。三次市街をあとにしてからは小さな集落しかなかったが、久しぶりのまとまった町という感じがする。
 まだ静かなキャンプサイトを抜け、河原へと急さかを降りる。ここでファルトボートを組み立て。
 そのあと、H氏とファルトボートを残して、私はクルマを上陸地点に置きに行く。邑智中心部で大きくカーブする川。そして道もそれにあわせてのカーブ、カヌーの里へのアクセスの右折左折。さらに、河原の前は瀞場で、川面にあたる風向きがわかるだけ。川の流れる方向を地図で確認してから下流へとクルマを走らせる。ここからは、川下りコースとなるため、流れの様子をしっかり見ておく必要がある。まあ、詳しくは復路の自転車から見ればいいのだが。
 カヌーの里から、邑智の中心街に戻らずに左岸を進んだらこれが大変な狭路。対向車との離合に苦労する。
 JR三江線の駅ごとにちょっとまとまった集落がある川沿いを30分ほど走って、因原。川下橋の辺りをゴール地点としたいのだが、ファルトボートが岸に着けやすくて、クルマがおける場所があるところはなかなかない。対岸にめぼしい場所を見つけ、橋のあるところまで迂回していって見る。こんなことを何度か繰り返して、結局、旧桜江町(江津市と合併)にほど近い川本町鹿賀の河原にクルマをおく。上陸地点を探すだけで、小一時間もかかってしまった。
川沿いポタリング
昭和の雰囲気漂う石見川本 レールバスとすれ違う 瀬を偵察。奥は三瓶山
 クルマから自転車をおろしてきた道を引き返す。岩見川本の商店街は、懐かしい昭和の雰囲気。レトロな時計屋さんの店先を写真に撮る。
 クルマの回送と川の偵察をかねているが、単なるポタリングとしても楽しい。
 集落を抜けて緑の中を走る。川は、所々に瀬が見えておもしろそう。特に、岩見川本の駅周辺の集落のすぐ上にある二股の瀬花か中スリルがありそうだ。また新興住宅がも見られる。また、川に沿って三次線も走っていて、1両だけのレールバスともすれ違った。
 岩見簗瀬を過ぎると前方に三瓶山が見えてきた。山頂には雲がかかっている。
 川は今までにはない勢いの瀬が見えてきた。右岸には大きな岩が立ち、流れがそこにぶつかっている。この区間、往路は対岸の狭い狭い道を選び、ブッシュのため川の様子があまり見えなかったので、復路は右岸を選んだ。
 さらにもう少し進んで、邑智の中心街の下にも波が立つ瀬が見える。瀬の中に岩が顔を出している。津ノ目の瀬というらしい。
 その瀬の向こうに、カヌーの一団が見えた。どうやらカヌーの里から出発したようだ。ほとんどはカヤックの一人挺で、カナディアンの2人挺が2隻。カナディアンが引率者らしい。総勢10挺あまりといったところか。瀬の手前でポーテージして、偵察と瀬を抜ける注意事項の伝達が始まったようだ。
 さあ、カヌーの里へ急ごう。1時間半といって出てきたのに、2時間半もかかって、H氏は待ちくたびれているだろう。
いくつかの瀬を越えて
カヌーの里ご一行様 明神岩 さあ、瀬に突入!
 首を長くしたH氏の待つ河原に降りて、そそくさと支度をして出発。
 まずは、瀞場。4km/h位の流れ。H氏に漕ぎ方の感触をつかんでもらう。なかなかまっすぐ漕げないようだ。
 さて、津ノ目の瀬が見えてきた。先ほど自転車で岸から見た感じでは、岩を避けながら中央を抜けるのが無難らしい。比較的浅いところだが、その点は今日は水が多めなので大丈夫そう。
 まだパドリングが不安なH氏には休んでもらって、私が一人でコントロールする。
 ざばーっ、ざばーっ!大きな波を浴びながら、舟が横を向かないよう漕ぐ。前に座るH氏はもろに波を受ける。舟の中にも水が入る。
 舟はある程度の大きさがあり、ファルトの柔らかさが波の衝撃を吸収するので、大きく揺れても沈の不安は感じずに瀬を切り抜けた。
 先ほどの瀬で、最高速が15km/h余り。その後は、静かな水面ながら8km/hほどの流れ。
 その先に我々より先にスタートした、カヌーの里からの一団に出会った。瀬の手前の左岸の河原に上陸している。手を振って、彼らの前を通り過ぎ大きな岩のある瀬に突入。波は先ほどの津ノ目の瀬よりもやや小さいが、それでも若干波を浴びる。
 徐々にパドリングになれてきたH氏にも協力してもらうが、瀬では慌てるようでハドルを大きく振り回して私のパドルと干渉してしまう。
 その後は静かな流れがしばらく続き、また瀬が現れた。今度は左から明塚発電所の放水野波が押し寄せる発電所の瀬だ。右側を迂回するように抜ける。
 この後は、静かな流れと、ちょっとした瀬が交互に現れる。瀬の出口で川が蛇行しているところがあり、流れが渦を巻いている。舟はくるくる回されそうになり、また入り江の出口から抜け出せなくなりそうになる。必死に漕いで脱出。
 いくつか目の瀬で、また波が立っているところがあり、舟に水がまた入る。ズボンもびしょぬれだ。この瀬で本日の最高速16km/hを記録。
 休憩と、舟の水出しをかねて上陸地点を探すが、なかなか適度な河原が見あたらない。本来なら河原のところも水没しているようだ。
 右岸に大きな岩があり、その頂に鳥居が見える。有名な明神岩だ。岸からは飛び石のように岩づたいにわたれるようになっているみたいだが、今日は途中の岩が水没しているようだ。
 結局、明神岩から少し進んだところの市井原の河原で休憩。後で地図を見たら、川本町との境のほんのすぐ手前だ。今日のコースの半分を少し超えたところ。時刻は12時過ぎ。
 舟を河原にあげて水を出し小用を済ませるとする事がなくなったので、出発。
 しばらく穏やかな流れが続くので、パドルをH氏に任せて、私は携帯電話で写真付きメール送信。地元の川下り仲間たち(といっても5年以上一緒に漕いでない)に報告だ。すぐに返事が来る。「えーなー」だって。
 波立たず静かながら、流速は約8km/h。私一人が漕ぐと1〜2km/h程スピードが上がる。
 邑智(粕渕)から川本にかけては、海岸線と平行に西南西方向に川は流れる。今日は北よりの風なので、追い風の援護も受ける。
 最後の大きな瀬は、二股の瀬。中州の右側を行く。左側は浅い、とのことだが、今日の水量ならどちらでもよさそう。
 そのあとは、瀬というまでもない小さな瀬がある程度。
 川本町の中心街に入り、それまでの緑の多い風景は、道路のコンクリートが目立ってきた。
 ああ、もう飽きた。早く着かないかな。
 そう思っていたら、鹿賀の新しい橋が見えてきた。その手前の左岸の河原がゴール地点。
 結構な流れがあるので慎重に河原に着けて、上陸。沈はなかった。お疲れさん。
 クルマを河原までおろし、濡れた荷物を積み込む。ファルトボートはルーフに。自転車の古いチューブを輪ゴムのようにしてキャリアにひっかける。
 着替えも済ませて、カヌーの里おおちへ戻る。3時間かけて下った川を見ながら30分の移動。景色の流れが速い。
 カヌーの里の「カヌー博物館」を見学。世界のカヌー、カヤックの実物、江の川の漁や水運の歴史、川舟の展示がある。インフォメーションセンターにちょっとした記念品の売店があったので、クッキーを買って帰る。事務所にいた若い2人の女性スタッフが対応してくれた。きっと一昨日の電話に出たのは、この2人のどちらかだろう。
 そして、帰路に就く。
6時間(400km)耐久ドライブ
 帰りは、県道166号線から、R54を使って三次へ。そして中国自動車道は、三次から美作まで。昨日より若干クルマが見られる。途中、パトカー(覆面にあらず)に捕まるクルマが1台。
 福崎まで100km近く手前で降りるが、この先は一般道を使っても時間が変わらないことに気づいたのだ。もちろん道を選べば。
 美作からしばらくR179を東進し、作東から県道5号線で大原へ。そしてR429で東粟倉を経由、後山を越えて兵庫県千種町。鹿2頭を目撃。
 またR429で内海峠を越えて波賀町。時折雨がぱらつくが、ファルトボートが洗えるほどではない。
 ここからR29は山あいながら2桁国道らしい道幅が広い直線ルート。ただし、作東からずっと交通量が少ない。
 戸倉峠の手前で、県道48号線、旧大屋町(現養父市)へと入る。再び、ほとんど交通量のない山越えルート。氷ノ山を越える。旧大屋町内では、鹿1頭に遭遇。今日は少ないね。
 R9の手前で、夕食の休憩。高速を降りてから今まで、店がなかったのだ。思えば、帝釈峡のS.A.以来3時間走りっぱなしで、H氏はお疲れモード。
 ここから後1時間我慢してね。
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