山陰の雪遊びは扇ノ山で終わる
※ここに載せているスキー登山の記録は、コースガイドではありません。勝手な個人の主観です。行く人の体力、技術、その他天候や雪の条件などによってタイムなどは左右されます。また、地図やGPSレシーバーの軌跡は掲載しませんので、自分で地図を見て判断できる人、あるいはそういう案内人がいる人のみ訪れて下さい。何が起こっても、私にはいっさい責任がありません。

 山陰随一の積雪量を誇る扇ノ山。東中国山地でもっと標高が高い氷ノ山の雪が解けてスキーができなくなった頃に、ようやく長いアプローチ林道の除雪が進み扇ノ山の雪の季節が始まる。
◎4月22日 畑ヶ平から扇ノ山
 扇ノ山の東に広がる畑ヶ平からのアプローチは積雪期にはあまり一般的ではないが、快適な滑りを楽しめる山頂の東斜面を下って下山できるコースである。
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【山 名】扇ノ山(オウギノセン[1309m])兵庫県・鳥取県若桜町など
【山域大分類】関西/中国
【山域小分類】氷ノ山
【日 時】2008年4月22日
【コース】[  ]はGPSレシーバからの標高デー タ
 兵庫県新温泉町畑ヶ平登山口[1006]14:49 - 16:31扇ノ山山頂[1311]16:44 -
 17:11畑ヶ平登山口
【用 具】テレマークスキー(K2「8611CLASSIC」167cm,119-72-103mm),
     SCARPA「T3」,ケーブル式ビンディング(G3タルガ)
【距 離】林道歩きを含めて約17.6km(うち3kmはカメラ回収)
【天 候】晴(^^)
【地 図】昭文社 山と高原地図59「氷ノ山 鉢伏・神鍋」
【メンバー】はいかい(単独)
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畑ヶ平の尾根から大ヅッコ 山頂小屋 食べごろ東斜面
 長い林道歩きを経て畑ヶ平登山口へ。登山口からしばらくは藪に苦労しそうなので、畑ヶ平高原の畑を歩く。真っ平らで真っ白な雪原に、2本のシュプールを扇ノ山目指して真っ直ぐに描いていく。空は青く気分はいい。
 顔を出し始めた笹の藪を越えて登山道へ。ブナ林の中も、雪に埋もれていた細かい枝が起きてきて行く手を阻む。徐々に勾配が増し、標高を上げ、それに連れて雪も深く邪魔な枝も減ってくる。背後を振り返れば、落葉した木々の向こうに氷ノ山。あちらは、ずいぶん雪が解けが進んでいる。
 そのうち左手に山頂小屋が見えてくる。登りは沢の左岸の登山道沿い、つまり山頂よりも北の稜線を目指して進むが、下山は左手に見える山頂直下の斜面を下る予定だ。どこで沢を越えるかを見ておく。
 稜線にでればすぐに山頂。貸し切りだ。ブナの根開け(木の足下が丸く雪解けしている状態)のように、山頂小屋の周囲が丸く雪解けしている。物差し代わりにスキー板を下ろして見ると、トップからテールまで170cmの板と雪の壁の高さが同じくらいだ。
ブナの疎林を経て下山 畑ヶ平へ(右奥が山頂) 暗くなった
 さあもう時間も遅い。下山開始だ。山頂東斜面へドロップ。疎林の中斜面はザラメで快適な滑り。ああ楽しい。登りで目を付けていた辺りで雪に埋もれた沢を渡って登山道へ。細かい枝に苦心しながらも、やはり下りは早い。30分で畑ヶ平。
 あとは林道。延々と歩いてもう少しでクルマ、というところで…。倒木をくぐったときにペットボトルを落とした。拾いながらハッと気付けば、胸のポケットに入れていたはずのカメラがない。何度も倒木を乗り越えたりくぐったりしたのでそのときに落としたんだろう。なんてこった。いい加減疲れているので「あきらめようか」「また後日回収に来ようか」などとマイナス面の思いが巡るが、どう考えても今すぐ拾いに戻るのが一番いい。スキーをその場に残して来た道を引き返す。最後に写真を撮ったのはどこだったっけ。
 結局、往復3km、1時間の超過労働。最後は完全に日が暮れて真っ暗。ライトを灯しながら、クルマへ戻った。もうヘロヘロ。
◎4月29日 上山高原から扇ノ山
 今週は、小ヅッコ大ヅッコを越えて扇ノ山へいたる最もメジャーなコース。大ヅッコの北斜面は遅くまで雪があるので、まったく滑れないことはないはずだが、滑って楽しい山頂東斜面、大ヅッコ東尾根はどうだろうか。
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【山 名】扇ノ山(オウギノセン[1309m])兵庫県新温泉町・鳥取県
【山域大分類】関西/中国
【山域小分類】氷ノ山
【日 時】2008年4月29日
【コース】[  ]はGPSレシーバからの標高デー タ
  兵庫県新温泉町上山高原[911]10:33 - 11:37小ヅッコ登山口[1050]11:42 -
  13:21大ヅッコ[1272] - 14:05扇ノ山山頂[1315]14:35 - 15:04大ヅッコ
  16:01小ヅッコ登山口 - 16:29上山高原
【用 具】テレマークスキー(K2「8611CLASSIC」167cm,119-72-103mm),
     SCARPA「T3」,ケーブル式ビンディング(G3タルガ)
【距 離】約13.1km
【天 候】快晴(^O^)
【地 図】昭文社 山と高原地図59「氷ノ山 鉢伏・神鍋」
【メンバー】はいかい(単独)
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 8時前に家を出る。アプローチはR178。豊岡でガソリンを入れ、香住、浜坂。来年に掛け替えられる余部鉄橋の麓では鯉のぼりが勢いよく泳ぐ。湯村温泉からR9に乗って鳥取県境手前で扇ノ山の懐へ左折。里は新緑。周囲の山にも雪は無し。
 上山高原に上がると避難小屋近くの広場にクルマが数台止まっている。家族連れとおぼしき3人組が今まさに出発しようとしている。そのクルマの隣に駐車。
余部鉄橋 自転車を使う 小ヅッコ登山口
 例年ここまでは除雪が入るが、今年は現時点ですでに周囲も雪解け。遙かに見える扇ノ山山頂のみが白い。ここから鳥取県との境へ向かう林道は雪に閉ざされているが、それはわずか数十メートルの区間のみ。そこを越えれば路面が出ている区間が続く。日当たりや水の流れの関係で、毎年同じところが先に解ける。それを見越して今日は自転車を活用。昨シーズン、山スキーメーリングリストで紹介されていた方法でスキー板を自転車に装着。わずか3分で装着(取り外しは1分)。これはいい。積んでしまえばスキーの重さが体にかからないので楽々。雪に閉ざされた部分で自転車を押して歩くときも、台車に荷物を積むような具合だ。今日は、自転車の区間の距離は短く標高差もわずかなので、スキーブーツのままペダルを漕ぐ。靴を履き替える場合は、スキーブーツは板のビンディングにそのまま装着すればよい。
 車止めのような役割の最初の雪を押しで越えて、自転車にまたがる。いいぞいいぞ、緩い登りを快適に進む。時折法面から斜めに雪が積もっている所があるが、法面と反対、つまり谷側の路肩が顔を出しているのでそこを自転車で通る。クルマは5月下旬まで通れないだろう。既に下山してくる人とすれ違う。スキーと自転車の取り合わせに、皆好奇の視線を投げかけてくる。菖蒲池の辺りは例年通り全く雪がない。そして大ヅッコから山頂への稜線を遠望。山肌は白いが藪が出てきているのも確認できる。
 やがて道路全面が雪に閉ざされた区間が現れた。押しで雪を越えしばし乗車するが、再び雪。あきらめて自転車を止めて、ワイヤーロックで道路脇の木にくくりつけ、スキーをおろす。結局自転車で稼いだ距離は、1.6kmほど。
 さあ、シールを装着だ。もっと雪が多ければ尾根に取り付いて小ヅッコ小屋までショートカットできるのだが、雪解けで藪を歩かねばならないので林道を行く。この辺りから勾配がきつくなるので、復路は快適に滑れる。
 そのあとおおむね雪が続いたが、一カ所雪が切れてわずかに板をはずす区間があり、小ヅッコ登山口の手前200mほどはほとんど雪がなかった。
大ヅッコ手前は歩きやすい Mさんとすれ違う 山頂小屋
 登山道に入り、小ヅッコ小屋を過ぎて杉林にはいると藪に苦労する。河合谷からの登山道をあわせ小ヅッコ辺りまで、藪に苦しむ。雪に埋もれていた細かい枝が行く手を阻むのだ。
 大ヅッコが近づけば快適に歩けるようになった。ブナの根元の根あけ(周囲の雪が丸く溶けた穴)を見ると、1mくらい積もっている。大ヅッコの北斜面だけは、5月の連休明けくらいまでスキーができる。この辺りでまた下山者とすれ違う。また、足下にはまだ新しいスキーのトレースがある。単独のようだ。
 大ヅッコへ向けて登る。ピーク手前に平らな場所があるに段階の登り。ピークは藪で歩きにくい。大ヅッコの東尾根が滑れると楽しいのだが、どうも藪っぽい。
 大ヅッコから山頂手前の鞍部へシールを付けたままくだる。ブナ林の密度が濃くて滑りにくい。
 そして山頂への最後の登りにかかる。すると正面からスキーヤーが下ってきた。挨拶を交わしてすれ違うとき、名前を呼ばれた。なんと昨年3月、氷ノ山に同行した鳥取のMさんだ。お互いの今シーズンの活動を報告しあう。
 畑ヶ平からの尾根をあわせれば、山頂まではわずか。山頂の東斜面は楽しめそうだ。山頂手前のテラス周辺はすっかり雪解け。主稜は藪で歩きにくい。
 山頂には2組のパーティ。一方は、私より一足先に上山高原を出発した家族連れ。既に下山前の記念撮影中だ。雪は一週間で半減。実際、物差し代わりの板を山頂小屋の回りの雪の壁に当てれば、板の半分くらいだ。氷ノ山も黒い部分が大きくなっている。
 パンを食べて一休みしたら、ザックをおいて東斜面を滑る。疎林の快適中斜面。ザラメの雪もいい感じ。それでもやや細かい枝が起き出して、ちょっとストレス。あまり下らずに程々でストップ。斜登行で山頂へ戻る。山頂には新たに単独スキーヤーが到着していた。Tシャツ一枚だ。
山頂東斜面 大ヅッコ北東面 林道を戻る
 ザックを回収して再び東斜面へドロップ。そのまま北側にトラバースして大ヅッコとの鞍部へ。登り返しは板をはずす。
 さすがにスキーは足が速く、先に出発した家族連れを追い越していたようだが、板を担いでいるときに追い越される。先週登ってきた畑ヶ平からの尾根を眺めているうちに、単独スキーヤーにも追い越される。せっかく登ったのに、東斜面を滑らずにヤブヤブの主稜を下りたようだ。
 大ヅッコのピークから東尾根をのぞくが、藪で壊滅状態。残念だ。北斜面は下りる前、大ヅッコの北東斜面の疎林で数回ターンを切って、大ヅッコ北斜面へ。これが最後のお楽しみ。あとは藪に突入だ。
 小ヅッコ手前で藪をさけて河合谷の段々畑へでてみるが、雪原はわずかで黒々とした畑が露出。ぬかるんだ畑を歩くわけには行かないので、笹藪の切れ目から登山道へ戻る。滑走はあきらめ、板をザックに固定して背負う。
 小ヅッコ小屋でようやく藪から解放され、登山口までわずか100mほど滑る。階段をつぼ足で下り、アスファルトの林道を歩いて再びスキーを履く。
 この間、家族連れとデットヒート。小ヅッコ小屋で追いつき、スキー板をザックからはずしているうちに引き離される。そして林道を快適に滑降すれば、自転車デポ地点で追いつく。しかし、自転車に板を装着しているうちに引き離される。雪の上で自転車にまたがるが、タイヤがめり込むばかりで乗車不能。押しで雪を越える。しかしそのあと路面が出た区間では一気にスピードアップで、菖蒲池で家族連れ追い越しその後追い疲れることはなかった。
 上山高原に戻れば、山に登らず高原でデイキャンプを楽しんでいた夫婦が撤収中。私も雪に濡れたスキー板と自転車をクルマのルーフに積んで、避難小屋で濡れたズボン(最後の林道走行での雪解けの水はねまみれ)を履き替えて帰宅準備。ようやく下りてきた家族連れと入れ違いのように、クルマを出す。
 湯村温泉では京都市中京区ナンバーの原付スクーターの背後を走る。連休だからいろんな旅人がいる。そして、往路とはルートを変えて村岡から神鍋高原経由。豊岡市混雑するガソリンスタンドに再び寄る。月が変わる2日後には暫定税率復活による値上げが見込まれるので、ガソリンを満タンにしておくのだ。
◎雪解け比較1週間
4月22日
4月29日
山頂手前のテラス 氷ノ山 山頂の雪は半減(板170cm)
◎5月13日 大ヅッコ北斜面でオーラス扇ノ山
 例年のごとく、ゴールデンウィーク明けの中国山地滑り納めの扇ノ山。土日は仕事だったり雨が降ったりで、平日の午後に職場から直行。
 兵庫県を抜け蒲生トンネルを越えて鳥取県に入ってすぐに河合谷高原を目指す。いつもは県境手前の上山高原からで、河合谷からのアプローチは初めて。この時期は河合谷は登山口までクルマで行けるという不確定情報によりそうしたのだ。
 天気は下り坂。山にはいるにしたがって雨がぽつぽつとくる。周囲に雪はない。
登山口には雪無し 登るにつれてちらほら雪が見え 無理矢理滑ってみる
 登山口まで来たが、やはり雪はなく雨風が強い。このガソリン高騰のおりに100kmも走ってやってきたので、合羽を着て板を担いで歩き出す。
 途中の池では蛙の鳴き声が聞こえる。登山道の地面にはグロテスクな卵も見える。
 小ヅッコを越えてちらほら足下に雪が見える。その雪を追って歩いていたら、なんだか周囲の景色が違うような。GPSレシーバーを見て、大石コースへと入り込んでいることに気付く。いかんいかん。
 大ヅッコが近づき、ようやく登山道を雪解け水が流れて雰囲気が出てくる。
 そして、例年最後まで雪が残る大ヅッコ北面までやってきた。やっぱりかなり解けている。ブッシュが出ているが、とりあえず滑った既成事実だけは作ろう。ということで雪面を登り、板を付けていい加減なテレマークターンを数回切って終了。さあ悪天のため暗くなるのが早い。霧も出てきた急いで下山だ。もう今シーズン、山陰でスキーはできまへん。
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