〜最悪のシナリオで、おとそ気分を吹き飛ばす〜
レッズが昇格できないこれだけの理由



理由1:三菱自動車サッカー部的なアマチュア体質だから、昇格できない

浦和がぬるま湯体質だとは、多くの人が指摘している事である。これは、セルジオ越後の言を待つまでもなく、浦和に移籍してきた選手の口からも語られる、恐らくは事実なのである。
責任の取り方にもいろいろあるのだろうが、プロサッカークラブにおける降格は、例えばメーカーに例えれば、新商品が失敗したとか、市場シェアを落としたとか、クレームが多発したとかいうレベルの話ではない。一部上場企業が連続して赤字を出して、上場を取り消されるぐらいの重大なインパクトのある事象なのだ。『重役が平取になり減俸』で済むはずがない。

降格を機に、浦和が真のプロフェッショナリズムに目覚めるのなら、J2での戦いにもそれなりの意義があるというものだろう。
しかし、サポーターの『中川社長・横山GM解任署名』は、結果的には何の役にも立たなかった。
『代わりの人間がいないので親会社に慰留された』ので社長は留任、『選手から信頼されている』のでGMも留任、新監督は三菱自動車サッカー部OB・・・。取るべき責任をとらず、三菱OB順送りの人事は、勝利を追求し、市場の顧客(=サポーター)に対するレスポンシビリティを果たすべきプロサッカークラブとしては、もはや最低である。
この分では、順位が低迷した時に『選手がよく知っているので』という理由で広瀬がプレイング・マネージャーになっても私は驚かない


理由2:無神経発言を繰り返すから、昇格できない

J2降格が現実味を帯びてきた昨年の9月に新外国人の緊急獲得に乗り出した際、中川社長が『サポーターに何もやっていないと思われても困るし』とのコメントを発した事は、浦和サポーターの間ではあまりにも有名であるが、それ以外にも、小野の残留を願うサポーターが練習場に残留願いの横断幕を出した際に『あれはサクラじゃないよ』との無神経な言葉を吐いたてみたり、『誰でも知ってる驚くような外国人監督』などと大嘘をかましたり、とにかく信頼の置けない言動があまりにも多すぎるのだ。
大物監督にアプローチしていたのは事実らしい。が、監督人事に関するコメントに限っても、交渉能力の欠如、見通しの甘さを証明するだけの事であり、『その場凌ぎの嘘』と解釈されてもしょうがないのである。好意的に見ても『サポーターの怒りを鎮めるためのリップサービス』ってところだろうか。

いやいや、無神経でも、発言をするだけは、まだマシかもしれない。サポーターとの対話の機会を持つと言っておきながら、年明け早々のテレビ埼玉の特番への出演を断わりやがったからな・・・。


理由3:ビジョンを描く能力がないから、昇格できない

降格。サポーターも選手も、チームの行く末に対する不安感を持っているはずだ。
その不安感を拭い去るためには、明確な将来像が提示されなければならない。そして、正しい現状認識(=いったい何が悪いんじゃい)と根源的な原因の追求(=そもそもなんでこんな事になったんじゃい)をしなければ、将来に対する目標設定ができない事は、明らかであろう。少なくとも、フツーのオトナなら、そう考えるはずだ。

しかし、反省や総括は、我々には伝わってこない。反省や総括そのものを聞く必要はないとも言えるが、それにしても聞こえてくるのは、『怪我人が多かった』『引き分けが多く、もう少し頑張ればよかった』などという表層的な、他人事のような言葉だけである。そんな事は、百も承知である。どう贔屓目に見ても、反省や総括をしているとは思えない。やっていれば、もう少しはマシな言葉が出てこようというものだ。
そんな状態だからして、当然ながらビジョンもなく、ビジョンのないところに目標も理想も希望もない。『1年でJ1復帰』という空念仏でチームが立ち直るなどと考えるのは、余程のオプティミストのやる事であろう。


理由4:戦力ダウンだから、昇格できない

補強は目的を達成するための手段に過ぎず、目的そのものではない。だから、補強を議論の主題に据えるのは、本末転倒だ。
しかし、しかしだ。現時点での(という限定つきだが)契約状況は、現有戦力の維持という観点でしか事が運ばれていない印象を与える。降格したにもかかわらず戦力の流出が最小限である事を評価する向きもあるが、それは違うと声を大にして言いたい。チーム強化の観点から必要なのは、不要な選手を切り、その資金で新たな戦力を得る事である。一部のベテラン選手の予想外の契約更改は、単なる温情主義と見られてもしかたがないだろう。内部の血を、全く流していないのだから。

単純に考えてみよう。昨年、浦和は新人以外の補強をしていない。そして、守備が崩壊した。ザッペッラを切り、ピクン・中村・路木・中谷の4人のDFの加入で、ようやく人並みの守備になったのだ。そして今オフ、渡辺・三本菅という二人のCBを真っ先に切り、中村と中谷は去り、井原は獲得できず、路木とピクンの去就は不透明。故障持ちの池田学は『五輪代表優先を確約』だそうだ。何を考えているのだろうか。これは、『降格=戦力ダウン』という悲哀の方程式とは無縁の、単純な話である。すなわち、全く先が見えていないと批判されても的外れではないのだ。まったく、通訳不在で外国人監督を雇うフロントの考えそうな事だ。いや、何も考えていないというべきなのだが。
だいたい、J1で15位の戦力が、J2で確実に2位以内の戦力であると考えるのは、あまりにも楽観的に過ぎる


理由5:やっぱり今年も野戦病院が大繁盛で、昇格できない

昨年の浦和に、のべ何人の故障者が出たのかは定かではない。まあ、故障はつきものではあるのだが、オフィシャルホームページで練習での故障のニュースを見たりすると、やはり空しい気分になる。
その状況に一役買っているのが、大原の練習グラウンド。小野曰く、『大原は、普通に走っているだけでも怪我をするぐらいボコボコ』なのだそうだ。嘆かわしい事である。しかし、グラウンドが改修されるというニュースは、今のところ、まだ聞かない。
かくして、浦和は今年も故障者の続出に悩まされる事になるのだが、J2は、9ヶ月間で44節40試合の長丁場。仮に復帰まで1ヵ月などと言われれば、確実に4〜6試合は欠場である。オリンピックやアジアカップによる中断はない。昨年の小野のように、リーグ戦中断中に故障を癒しコンディションを整える事はできないのだ。

かくして、浦和は今年も故障者の続出に悩まされる事になる。いやもう、そうに決まっている。
そういえば、浦和から一人のトレーナーが去った。巨人の工藤の専属トレーナーとなるらしい。今年は誰が骨折や内側側副靭帯断裂からのリハビリを看てくれるのだろうか


理由6:出場停止がたたって、昇格できない

通年リーグのJ2で恐いのは、カードがじわじわ効いてくるという事である。J1は、1stステージが終了すると、累積警告がクリアーされる。しかし、J2は違う。カードがクリアーされる事はない。(こちらが本来の姿なのだが)
もちろん、この条件に関しては、J2の全11チームがイコールコンディションである。しかし、日本人審判の性質から推察するに、判定が浦和に厳しいという事は充分に想像できる事態である。浦和は腐っても浦和。判官びいきの対象は、浦和の相手チームとなるだろう。

戦力・故障・出場停止を考えてくると、J2を勝ち抜くうえで必要とされる戦力は、『代表レベルが1セット』ではなく、『超J2レベルを2セット』である事がわかる。
振り返って、浦和はどうか。なんたら代表とか候補とかはいっぱいいるので、『超J2レベル』ではあるかもしれない。が、代替CBがいない、代替パサーがいない、代替ストライカーがいないという現状は、いかに均衡を欠いた戦力バランスである事か。出場できないペトロビッチは、ただのカッコイイおやじだ。


理由7:本格的アウェイを体験した事がないから、昇格できない

ホーム駒場が、明確なアドバンテージになっているかは甚だ疑問である。過去の成績では勝率5割そこそこで、弱小チームが並みのチームになるぐらいの効果しかないのが現実なのだ。残念ながら。

そして今年は、かつて経験した事のない、本格的なアウェイ環境が浦和を待ち受けている。
例えば、98年シーズンには経験する事のなかった、厚別。周囲360度が札幌のサポーターである。アウェイチームの選手は、駒場やカシマをも上回るプレッシャーを感じ取るらしい。地理的に言っても、浦和からは、サポーターがおいそれと遠征できる場所ではない。
東西に長い日本列島においては、酷暑と極寒が同居する。様々な条件が待ち受けている。真夏の猛暑の甲府、雪の降る室蘭、劣悪なピッチの山形では、何もかもが異なって来るだろう。それは、単純にサポーターの人数の多少では論じる事ができない。
今まで、浦和がアウェイの洗礼を受ける事は、まずなかった。時には、関西でのゲームでもホームの雰囲気を醸し出す事があったぐらいだ。そんな甘やかされた環境にいた浦和が、J2に放り出されるのである。考えただけで恐ろしいとは思わないか?


理由8:J2を知らないから、昇格できない

斉藤新監督(←フルネーム失念・・・悪気なし)は、大仁邦彌が2部に降格させた『三菱自動車工業サッカー部』を、1年で日本リーグ1部に復帰させた実績を持つ。福田は、ルーキーイヤーであったその年に26試合36得点をマークし、三菱の1部復帰に多大な貢献をしている。だから、今回の浦和も・・・と考えるのは、あまりにも早計というものだろう。なぜなら、それはアマチュアサッカーの時代の経験であり、アマチュアリーグ2部での経験が、プロリーグ2部の経験にさほど役立つとは思えないからだ。
いやいや、新監督は、97年に川崎フロンターレの監督としてJFL(現J2)を経験しているではないか、という見方もある。しかし、彼がそこで残した物は、Jリーグ昇格失敗という厳しい現実である。そして、97年のJFLと2000年のJ2を比べると、後者のレベルが上であるという事に異論の余地はないだろう。

そして、最大の問題は、フロントが斉藤氏を選んだ表向きの(つまりサポーターに対する公式の)理由が『1部昇格の実績があり、J2の経験もある』という事だ。ドンピシャ過ぎて泣けてくる・・・。
が、最近のJ2を知るスタッフ・選手の獲得というニュースは、今のところ、ない。新体制の発表を待ちたいところだが・・・。


理由9:選手に当事者意識が欠けているから、昇格できない

フロントや監督の責任について何だかんだ言ったところで、降格の最大の要因が選手にある事は否定できない。しかし、降格を自らの問題として捉えていないかのような発言が一部の選手にあるのも、また事実である。すなわち、『J2ではトルシエの目に留まらない』『代表に招集された場合には、そちらを優先して欲しい』『娘にいい服を着せてやりたい』などの発言である。
確かに、昨年の吉原の例があるにせよ、J2からの代表入りは、現実論として難しい。しかし、重ねて言うが、J2でのプレーを余儀なくされた主要因は選手にある。辞めずに済むのは、辞めて責任を取る立場にないからであり、そのかわり、下部リーグでもプレーや減俸という形で責任を取らねばならない。責任のないプロフェッショナルに権利はない(断言)。それが理解できていれば、代表に呼ばれないという理由でJ2でのプレーを拒否する発言が出てくるはずはない。

選手が、代表や収入に関してそのように思うのは自由である。貴重な才能にはトップリーグでプレーさせるべしという意見も理解できる。しかし、それを当の選手が先に言うのはお門違いである。『お前のせいで降格したんだぞ』と罵倒されてもしょうがないだろう。
そして、『俺が昇格させる』という強烈なメンタリティ抜きで勝てるほどJ2がヤワなリーグでない事は、『J2聖戦記』を読んでいなくても想像ぐらいはできるだろう。想像できないとすれば、それは勝負の世界に生きる人間としての適性に欠けていると言わざるを得ない。


理由10:サポーターが目先の利益にこだわるから、昇格できない

浦和のサポーターは、その層が多岐に渡るだけに、いわゆる一枚岩にはなり得ない。それは、いい。宗教団体ではないのだから。セルジオ越後が『サポーターは何を望んでいるのか、それがわからない』とか言っていたが、そんなもん、世論が一本化できないでもいいのだ。
しかし、個人的に理解できないのは、この期に及んでも、目先の利益で一喜一憂してしまうサポーターが多い事である。『○○選手と更改できたのは評価できる』とか『△△監督を連れてくれば許す』とか、どうもそういう本質とはかけ離れたところに期待をする人が多い。もちろん、そういうものが本質でないとするのは、あくまでも私の考えでしかないのだが、それにしても小野や盛田を獲得した時の空騒ぎを、我々は忘れるべきではない。

確かに、契約更改の時期に荒波を立てる事の是非は問われている。一部には、この時期の議論を不毛なものと切って捨てるサポーターもいる。しかし、シーズン中に実力行使をするよりはよい。事が起こってから抗議しても遅いのだ。というより、現状の浦和は、充分に『事が起こっ』た状態にあるというのが自然な感覚だと思うのだが。
この先、例えば大物外国人FWを獲って、それで良しとするのか。で、J2で2位以内に入り、J1復帰を決めたとしよう。しかしそれでも、浦和の構造的な欠点は、なんら解消される事ない。それで万事丸く収まるのか。全然、そんな事はない


理由∞:とどのつまりは、サポーターの気持ちが離れていくから、昇格できない

浦和のサポーターは、中身よりも器、すなわち選手よりもチームそのものを愛する傾向が強いと言われる。また、浦和の地域密着は、『クラブが地域に密着している』のではなく、『サポーターがチームに密着している』という指摘は的を得ている。降格を機に、シーズンチケットの待ち行列が増えたなどという話も聞こえてくるぐらいだ。
つまり、浦和には、福田や小野がいなくても、チームを支えていこうとするサポーターが存在するのだ。
クラブの強さより先に、クラブへの愛情を語る事ができる確固たる地盤があるのだ。

それだけに、クラブがサポーターにそっぽを向いているという事実にサポーターが気づいた時、一気に客離れが進む可能性はある。フロントへの不信感は、チームへの不信感に変わっていく。つい1ヶ月前の、『降格を乗り越えて、これからも浦和を応援し続けよう』という気持ちが、『もう浦和を応援する気にはなれない』という心境に変化していくサポーターが少なからずいる事は、想像に難くない。
報われる事のない無償の愛情・・・それは美しいが、サポーターに『一方通行の愛情』しか許さないクラブに、明日はあるのだろうか?

サポーターのいない浦和レッズ。それは、ただの二流クラブである。



総括:この1年を甘く見ているから、昇格できない

うだうだと難癖をつけて、だからどうした、という話ではある。
しかし、払拭しきれない楽観論が気になってしょうがないのである。自戒の意味もある。

別に、クラブに抗議のメールを送れとか、解任の署名をしろとか、事務所に腐った卵をぶつけに行こうとかいう話では、全然ない。そんな事は一人一人が考えて実行すればよいだけの事であって、そういった行動(あるいは行動しない事)を推奨したり批判したりなどという、天上天我唯我独尊的な気持ちは、これっぽっちもない。ただし、『考えていこう』などと流暢な事を言う時期は過ぎ去ったとは感じている。問題を先送りにするやり方がよくないというのも、多くの方が考えている通りだ。

その一方で。

これだけの『昇格できない理由』が明確になっているのであれば、その理由を一つずつ潰していけばよいだけとも言える。
すなわち、浦和には、再生するだけのポテンシャルは充分に秘められているのである。

残念ながら、今はそのポテンシャルを生かすだけの体制が、浦和レッズというクラブそのものにはない。そして、ないものは、創り出せばよい。それが何なのか、どうやって創り出すのか、人によって答えは様々だろうが、私のスタンスは固まりつつある。
J2が開幕する3月は、あっという間だ。であれば、正月早々こんな不快極まりない文章を書き、あるいは読んだとしても、今年のサポートの在り方を熟慮するためには早すぎる事はないだろう。

『Five Finals』は、もう過去の事だ。
私は、変わりたい。あなたは、どうしますか?


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