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知識の泉

魚の寄生虫
■ お願い ■
 このページでは、寄生虫について私が調べたことをまとめてありますが、私は決して寄生虫の専門家という訳ではありません。ただの釣り好きなオヤジです(笑)。 したがって「こんな寄生虫がいたんだけど、何ですか?」というご質問を頂いても、私にはお答えできる知識はございません。 申し訳ありませんが、そのようなご質問はご遠慮くださいませ。
 ただし、なにぶん好奇心旺盛なオヤジですので、「こんな寄生虫がいたよ!」という画像付きメールなど頂けると、とても嬉しいです♪
● 寄生虫についての基礎知識
 まずは、寄生虫についての基礎知識から始めましょう。
 寄生虫には、その寄生虫が本来寄生するべき生物が決まっています。この寄生するべき生物を宿主(「しゅくしゅ」と読みます)といい、 寄生虫と宿主の信頼関係(おいおい、そんなもあるか)は、非常に長い時間をかけて築き上げられてきました。 寄生虫は、宿主の体内で生活するように特化しており、宿主でない生物の体内では、基本的に成熟できないのです。 成熟できないどころか、死んでしまうことだってあります。
 宿主の体内にいる限りでは、寄生虫は基本的におとなしくしています。寄生虫もバカではありません。 宿主が死んでしまえば、自分の命もないことをちゃんとわきまえているのです。宿主を生かさず殺さずといったところでしょうか。
 ところが、宿主以外の生物の体内に入ると、事情は異なります。寄生虫は、勝手の違う生物の中に入ってしまっため、慌てていろいろあばれまわることがあります。 それが病害となる訳です。例えばあの有名なアニサキス。これは元々イルカやクジラ等の寄生虫なのですが、それが人間の体内に入ると、 勝手がちがうため大慌てで胃壁に食い付いてくるので、急な腹痛に襲われる訳です。
 海釣りで遭遇する寄生虫は、アニサキスの例があるにしても、基本的には人間に害のないものが多いそうです。少し安心しましたね。
● 寄生虫いろいろ
 ここでは、海釣りで遭遇することのあるいくつかの寄生虫についてご紹介しましょう。

【アニサキス】

 まずは有名所のこいつから。上にもある通り、元々はイルカ、クジラ等の寄生虫ですが、これらに感染するまでに次のような経路をたどります。 まず、イルカ、クジラ等の糞と共にアニサキスの卵が排せつされます。それがプランクトンに食べられ、 そのプランクトンがサバ、スルメイカ、タラ等の魚に食べられて、これらの魚にアニサキスが感染します。 そしてそれらの魚をイルカ、クジラ等が食べ、めでたく本来の宿主に感染するのです。 サバ、スルメイカ等のように、本来の宿主に感染する前に一時的に感染する宿主を中間宿主といいます。 中間宿主を人間が横取りして食べることによって、アニサキスに感染してしまう訳です。
 この感染経路から考えると、イルカ、クジラ等が食べる可能性のある魚なら、アニサキスに感染している可能性があると考えて良いかと思います。 なにしろ日本近海でとれる魚156種から検出されているそうですから。

 長さが2cm位の、白い糸のような形をしていて、主に魚の内臓に寄生しています。 うずまき状で寄生しています。魚をさばく時に注意していれば、見つけることができます。また、魚の鮮度が落ちてくると、内臓から筋肉に移行するそうです。
 アニサキスを殺すには、酢でしめたり、醤油をかけたりする程度ではだめ。マイナス20度以下で24時間冷凍すれば死滅するそうです。 ですから、アニサキスを防ぐには、
  1. 新鮮なうちに内臓を取り除く
  2. 魚を生で食べない
  3. 冷凍保存する
ということになるんでしょうか。でも、やっぱり日本人には2.はちょっとキツいですね。私はこれは守るつもりはありません(笑)。

 アニサキスの症状は、魚を生食して数時間後に、突然胃の辺りに激しい痛みを感じます。時には吐き気を催すことも。発熱や下痢は、一般にないそうです。
 治療は、アニサキスが胃にいるうちは内視鏡でつまみ出せばおしまい。激しい痛みはうそのようにひきます。  あとはアニサキスの体液でおこった炎症を鎮める薬を服用します。時間が経って小腸に入り込んだものは、アニサキスが死ぬのを待つしかないそうです。

【タイノエ類】

 「タイノエ」という名前を聞いても、どんな奴が分かる方は少ないかと思います。でも、見たことのある方は結構いるのでは。 釣り上げた魚から針をはずそうとして、口の中を見た時にときどき見かけるアレのことです。
 アタリがあって糸を巻いてみると、針にこいつのみが掛かっていて「あれ、こんな餌付けたっけ?」 とか、「こんな虫が食い付いたのかな?」なんて思ってしまったりすることもあるとか(笑) もちろん本当はそんなことはなく、魚が食い付いたときに針が魚の口に掛からず、 寄生していたタイノエの方に針掛かりしてしまったため、タイノエが魚から外れてこいつのみが上がってきた訳です。 魚にとっては、さぞ有り難かったことでしょうね!

 等脚類の一種で、学名はレキサネラ・ベルコーサと言うんだとか。白い色で、大きさは1〜2cm位。フナムシやダンゴムシのような姿をしています。 そんな寄生虫が、魚の口の中、大抵は舌の位置にひっついています。 時には大きいのや小さいのやとり混ぜて、数匹も寄生していることがあります(ほとんど親亀子亀状態)。 寄生する魚はいろいろで、私の釣った魚では、マダイ、マアジ、ヒメに寄生していました。もちろんこれ以外の魚にも寄生しています。
 寄生しているのが可食部分ではないので、まぁ、気にしないようにすれば何てことはないと思います。 私はタイノエのくっついていたマアジを刺身で食べましたが、今の所、私の口の中にタイノエは寄生していません(笑)。
タイノエが寄生している様子   タイノエ
ヒメの口内に寄生するタイノエの近縁種(?)   タイノエの近縁種(?)
 
 広島大学大学院生物圏科学研究科附属瀬戸内圏フィールド科学教育研究センターで 等脚目の分類研究をされている山内様から、種の同定をしないと断定はできないものの、上の画像のものは タイノエではなく、その近縁種ではないか (Cymothoa 属の一種)とのご指摘をメールで頂きました。 Cymothoa eremita が静岡産のヒメの口腔に寄生していた例が1951年に記録されており、この種である可能性が高いそうです。
 貴重な専門家のご意見、ありがとうございました。
 なお、山内様のグループでは、等脚目(特にウオノエ類)を現在研究されていて、この虫について大変ご興味があるそうです。 何か情報をご存じの方は、ぜひ私にご一報下さい。

【ハダムシ】

 ブリ(ということはイナダ、ワラサも)等の体表に張り付いている0.5〜1cm程度の円盤状の寄生虫。 海水中では透明で気付きにくいのですが、魚を真水で洗うと、死んで白くなるので分かります。これも表面にくっついているだけなので、身の方は大丈夫。 気にせず食べていいそうです。
ハダムシ
ハダムシの寄生している様子

【テンタクラリア】

 カツオやサバの筋肉や体腔に良く見らる四吻目条虫の仲間です。春先のカツオに寄生していることが多い様です。 白くて1cmに満たない米粒状の虫で、良く見ると4本の角があって、この角で宿主に固着します。 気色悪い虫ですが、過って食べてしまっても、基本的に人体には害はないそうです。
ハダムシ
テンタクラリア

【ニベリニア】

 テンタクラリアと同じ色、形をしていて、タラ、スルメイカ等に寄生しています。また、生たらこの表面に見られることも。
 テンタクラリアと同じく人体には害はないですが、まれにニベリニアの4本の角が咽頭に刺さって固着してしまい、取れなくなってしまったという例があります。

【ブリ糸状虫】

 ブリファミリー(ブリ、ワラサ、イナダ等)に寄生する糸状の虫で、体長が50cmを超すこともあるそうです。 血を吸って、赤い色をしています。春先に多い様です。
 これも人体には害はありません。

 とりあえず、6種類程列挙してみましたが、これ以外の寄生虫を御存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひお知らせ下さい。よろしくお願い致します。
● まとめ
 以上から分かる通り、ほとんどの寄生虫が人体にとって無害です。ですから、万一釣った魚に寄生虫がくっついていても、それ程気にする必要はないようですね。 とは言え、念のため寄生虫は食べない様にしましょう(わざわざ食う奴はいないって!)。
 ただし、たった一つ注意が必要なのはアニサキス。こいつだけはくれぐれも過って食わないようにしましょう。
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