クラミジア感染症のこと
2003.7.7更新


Q1 クラミジアの抗体検査で陽性だといわれたのですが、どういう事が起こっている可能性があるのでしょうか?

A 抗体の検査でIgGが少なくとも陽性だったということなのだと思いますが、問題となるのはIgAが陽性かどうかですね。IgAが陽性である場合にはある程度長い期間感染が持続していた可能性が高く、我々の施設のデータではIgAが陽性か否かで、明らかに腹腔鏡で腹腔内を覗いたときの異常所見のみられる可能性が異なります。

Q2 クラミジア抗体が陽性だといわれたのですが、治療は必要でしょうか?

A 難しい質問ですが、一応治療をされることをおすすめします。感染の初期は子宮の頚管というところを擦過することにより、直接クラミジアを検出できますが、しばらくすると検出されなくなってしまいます。この場合治ったとはいえず卵管にまだ住みついている場合があります。これを確かめるには腹腔鏡をしないといけないので、まあ一応治療されることをおすすめします。

Q3 クラミジアに感染するとどういう症状があるのでしょうか?

A おりものが多くなる。性行為の時に出血がある。といった程度のことが多く、他の卵管炎の様な強い腹痛や発熱はみられないことが多いのが特徴です。silent pelvic inflammatory disease(沈黙の骨盤内感染症)と呼ばれる所以です。腹痛はあっても、疲れたりしたときに、何となく左右のどちらかの下腹部が少しおかしな感じがするというような程度です。

Q4 クラミジアに感染しているといわれたのですが、主人は泌尿器科で調べて感染していないといわれています。私には感染する様な覚えはないのですが?

A 男性は主に尿道に感染を起こしますが、結構自然に治りやすいので、尿道の擦過や抗体を調べても陰性という結果が出やすい様です。何もしないのに突然クラミジアに感染することはありません。

Q5 妊娠していてクラミジアに感染しているとどういうことが起こるのですか?

A 妊娠中に感染して治療が行われていないと、早産の原因ともなります。また分娩までに治療していないと赤ちゃんの結膜炎や肺炎の原因となる可能性もあるといわれています。

Q6 妊娠中の治療というと薬は大丈夫なのでしょうか?

A クラミジアの治療で使用する薬はふつうの感染症で用いるようなペニシリンのようなものとは効果がありません。治療に用いる薬は限られています。その中でも妊娠中というと更に選択肢は狭くなります。一般には妊娠中はエリスロマイシン系の抗生物質クラリスロマイシンがよく用いられます。まあ産婦人科で処方されたのなら心配はいりません。

Q7 クラミジア抗体が陽性で抗生物質を服用しましたが、陰性になりません。薬が効いていないのでしょうか?

A クラミジア感染を起こしてから、治療されずにかなりの期間放置されていたような場合には、抗体価はなかなか低下しませんし、陰性にならないこともしばしば起こります。頚管を擦過して陽性であったというような場合には、治療後に抗体価が低下して陰性化することも期待できますが、長期にわたってクラミジアが存在した後で治療行ったような場合には、自分の身体を守るための反応である抗体の産生もいつまでも強く刺激されつづけていたわけで、治療によりクラミジアが体内からいなくなってもなかなか抗体を作り続ける力が弱まらなくなっているということです。

Q8 下腹部の不快感があり婦人科を受診し、クラミジア検査を受けました。子宮の擦過検査では陰性だったのですが、抗体は陽性でした。治療は必要なのでしょうか?

A いつ頃感染したのかが問題ともなります。下腹部の不快感が出現する前におりものが多いような症状があったのならば、治療なさる必要があります。またそのような症状がない場合でも今まで治療したことがないようならば念のため治療を受けておかれてもいいでしょう。

Q9 クラミジアの治療のお薬は抗生物質だと思いますが、今までに膀胱炎などで抗生物質を服用しているので、その薬で十分でしょうか?

A クラミジアに効果のある抗生物質は限られておりますので、もし効果のある抗生物質を服用して見えるのならばよろしいですが、そうでないと効果はありませんので新たに効果のある抗生物質を服用する必要があります。

Q10 クラミジアの薬は1-2週間も飲まないといけないといわれたのですが、なぜそんなに長く飲む必要があるのですか?途中で飲むのを休んでもいいですか?

A クラミジアに対する薬はクラミジアの成虫にしか効きません。いわゆる卵の状態のものには効果はがありません。クラミジアが次の世代の卵を産んで、その卵が成虫になる周期が48時間(以前考えられていたよりも短いことがわかってきています)ほどで、この間薬を飲む必要があります。ですから薬は必ずきちっと続けてお飲みください。さもないと効果が不確実になる可能性があります。また最近服用期間の短くてすむ薬も健康保険の適応が認められました。この薬は体に蓄積するために1回のみで済みます。

Q11 クラミジアの薬は1-2週間飲めば効果は絶対ですか?

A たくさんの方たちに服用してもらった薬の効果にかんするデータでは2週間の服用でも残念ながら100%ではないようです。93%くらいとされています。これには薬をきちっと忘れずに飲まれたかも関わってきますが、集計されたデータでは100%にはなっていません。またこのデータでは更に2週間の投与を追加したら100%に達したとしています。最近では1週間の服用でも2週間服用と同じくらいの効果があるという結果がでてきていて、1週間でも良いのではないかともいわれてきています。
 

Q12 クラミジアによるお腹の中の癒着は普通の診察でわかるのでしょうか?

A 残念ながらはっきりとはわかりかねます。呼吸をしたときに右の肋骨の下のあたりが痛いと言うような症状があれば、おそらくそこに癒着があると思われますが、それ以外には、なんとなくお腹の下のほうで左右どちらかがいつも変な感じがあるということ以外は特別な症状はありません。腹腔鏡をして初めてわかります。


Q13 クラミジアにかかると子宮外妊娠が起こりやすいと聞きましたが。。。

A 必ず起こるというわけではありませんが、腹腔内に癒着が起こりやすいので、この癒着が卵管の周囲などに起こると子宮外妊娠が起こりやすくなります。実際に最近では子宮外妊娠を起こされた方のかなりの方でクラミジアによると考えられる癒着を認めます。


Q14 クラミジアに感染すると不妊になると聞きましたが

A これも必ずというわけではありませんが、卵管炎を起こすと卵管が詰まったり、卵管が癒着で動けなくなったり、卵巣の表面に膜が張ったようになったりして卵子と精子の出会いを妨害して妊娠を妨げます。


Q17 クラミジア頚管炎といわれて薬を飲みましたが、治ったかどうかの検査は薬を飲んだ後すぐすればよいでしょうか?

A クラミジアの検査方法によります。PCR検査というようなクラミジアの遺伝子を検出する検査方法は精度が高いのはよいのですが、クラミジアが死んでも検査する部位に残っていれば検出されてしまいます。したがって直ちに知りたいのはわかりますが、薬を服用後1−2週間後に検査されることをお勧めします。