《血液》 (最終改訂:2003.8.31.)
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 ここでは血液について書きます。
(1)赤血球形態
(2)白血球
(3)Live Blood Analysis


 赤血球は中央部がくぼんだ円盤状をしていますが、血液塗抹標本では直径7.8マイクロ・メーター
(μm)です。

 *血液塗抹標本:血液を採取し、洗浄し脱脂したスライドガラス上に血液を1滴落とします。
       この1滴の血液に引きガラスをあててガラス幅に引き延ばします(血液の伸展
       といいます)。そのまま引きガラスを滑らせスライドガラス上に血液を塗りつ
       けます(塗抹)。
       このような一連の操作により1滴の血液がガラス上に広く薄く塗りつける事が
       できます。その後乾燥させ色素をつかって染め(染色)、顕微鏡で観察します。

       血液塗抹標本を肉眼で見て色調を観察します。
        正常の末梢血:ピンク色
        白血病(白血球が高度に増えている時):青みが強い
        骨髄腫(高ガンマグロブリン血症を伴う時):青みが強い 
       
       血液塗抹標本を顕微鏡で見て観察します。
        白血球の増減、赤血球の形態、血小板の増減や形態などを観察します。      

〈赤血球形態〉:血液の塗抹標本にみられる血液像について

これは成人健康者の末梢血赤血球形態です。

ある程度の大きさの不ぞろいは(大小不同)はみられます。
赤血球は中央部で薄くなっているので少し明るく見えます。
この明るい部分は直径の1/3以下です。

これは鉄欠乏性貧血患者の末梢血赤血液形態です。

中央部の明るく見える部分が健康人の場合よりも広くなっています。
これは個々の赤血球が薄くなっているためです。
赤血球の大きさも大小まばらで、しかも、小さいものが多くなっています。
鉄欠乏性貧血は低色素性小球性貧血の代表的なものです。

これは自己免疫性溶血性貧血の末梢血赤血液形態です。


これは骨髄腫の抹消血赤血液形態です。

赤血球がコインを重ねてそれを崩した時のようにつながっています。
連銭形成と呼ばれる状態です。
血液中の免疫グロブリンが多い時に見られます。

これは自己免疫性溶血性貧血の抹消血赤血液形態です。

赤血球どうしが互いにくっつき塊をつくっています。
凝集と呼ばれる状態です。
上の連銭形成と違い、規則的につながらず、不規則に塊をつくります。
これらの画像は三輪、渡辺共著:『血液細胞アトラス』第4版、文光堂、1990年のp98,99,108より引用しました。
*赤血球の連銭形成について
 赤血球同士には陰イオン(マイナスイオン)として互いに反発し合う性質があります。
これは電気的反発力というものですが、この反発力に打ち勝つ状態が起こると互いに付着し
連銭形成(コインを連ねたような状態)を起こします。

 血液中のたんぱく質であるフィブリノーゲン、免疫グロブリン(ガンマ・グロブリン)、
アルファ・グロブリンは連銭形成を起こしやすくします。
逆にアルブミンは連銭形成を起こしにくくします。
これらの血液中のたんぱく質は健康な状態では一定の基準値に収まっていますが病気になると
変動します(感染症、腫瘍、血液の病気など)。

〈白血球〉:白血球について
 上では赤血球の画像を掲示しました。
ここでは白血球の画像を提示します。白血球と一緒に赤血球も見えますので大きさを比較
できるでしょう(赤血球は直径7.8μmです)。

 血液中に含まれる白血球は1種類の細胞ではなく次に挙げるような細胞があります。

*顆粒球:細胞のなかに顆粒とよばれる微粒子をもつ白血球です。顆粒の染色性の違いで
     さらに3種類に分けられます。
  ・好中球:顆粒が酸性の色素にも、塩基性の色素にも染まらない顆粒球
  ・好酸球:酸性色素に染まる顆粒を持つ顆粒球
  ・好塩基球:塩基性色素に染まる顆粒を持つ顆粒球

*単球:大型の細胞です。血液中では単球ですが、血管から出て組織中に入ると成熟(分化)
   して大食細胞という抗原提示細胞になります。
*リンパ球:小型の細胞です。抗原に出会うと成熟(分化)して形質細胞になるBリンパ球と
   細胞性免疫に関与するTリンパ球があります。


これは顆粒球のうち好中球といわれる細胞です。
血液中に最も多く含まれる白血球です。
大きさは直径12−15μmです。


これは顆粒球のうち好酸球といわれる細胞です。
ピンク色に染まる顆粒が充満しています。
大きさは直径13−20μmです。


これは顆粒球のうち好塩基球といわれる細胞です。
濃い青紫色に染まる大きな顆粒があります。
大きさは直径10−16μmです。


これは単球といわれる細胞です。
大きさは直径15−20μmです。


これはリンパ球といわれる細胞です。
大きさは直径7−10μmです。

Live Blood Analysis:Live Blood Analysis(LBA)またはLive Cell Analysis(LCA)
 日本語では「バイタル・チェック」と表記されることが多いようですが、英語では"Live Blood Analysis"
(血液細胞分析)または"Live Cell Analysis"と表記されます。

 バイタル・チェックでは血液を1滴採取し、顕微鏡で拡大して画像として表示し、テクニシャンと被検者
がそれを観察します。このことによって血流、赤血球、白血球などについて50以上の特徴の観察・解釈が
できると言われています。これらの特徴は心臓血管系、免疫系、消化系、肝機能、腺機能、微生物、毒物、
ストレス、ラジカルによるダメージに関連しています。

 血液の塗抹標本と違うのはこの検査は生きた血液細胞を観察するということです。そのために通常の顕微
鏡ではなく暗視野位相差顕微鏡を用いて観察します。

〈血液細胞分析で見られるもの〉
*連銭形成:赤血球が硬貨を連ねたようにつながっている状態です。
      肉体的、精神的ストレスが原因になります。また血液の循環がよくなくて生体が
      酸素や栄養を充分に取れないときにも見られます(このため疲れやすい状態です)。
      
*赤血球凝集:赤血球が不規則に凝集して塊をつくっている状態です。
      飽和脂肪酸や異常タンパク質は赤血球の凝集を引き起こします。

*標的赤血球:正常では中央がくぼんだ円盤状をしている赤血球がサラダボウル状の形になった
      ために、標的状になったものです。酸素を運搬する能力が失われています。
      サラセミアという血液疾患や閉塞性黄疸の可能性があります。また、赤血球の細胞
      膜の異常の場合があります。

*卵円形赤血球:楕円赤血球とも呼ばれます。鉄欠乏、欝状態、葉酸欠乏、ビタミンB12欠乏、
      内分泌の不均衡などの可能性があります。

*大赤血球:卵円形をした大型の赤血球です。食物アレルギー、吸収不良、ビタミンB12欠乏
      に関係があります。

*小赤血球:小型の赤血球です。鉄欠乏の指標になります。

*奇形赤血球:変形した赤血球です。抗酸化剤の欠乏や肝機能異常と関連します。

*有棘赤血球:ウニ状赤血球ともいいます。コンペイトウ状のとげを持った赤血球です。肝機能障
      害の可能性や血中タンパク質異常の可能性があります。

*溶血:赤血球が壊れた状態です。貧血や抗体を示唆します。

*針状物や繊維素:肝臓や腸への毒性と関連し、アルコール摂取、医薬品の服用、重金属の吸収を
     示唆します。

*この項は"Live Cell Nutritional Blood Analysis"(http://www.purehealthsystems.com/live_cell.html)
*『血液細胞アトラス 第4版』文光堂、1990
*『異常値の出るメカニズム』第3版、医学書院、1994
を参考にしました。