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どうしてモーニングアタックがおこる?


●朝と夜に症状が悪化する

 モーニングアタックという現象があります。
 これそのものが病気というわけではないので、明確な定義はないようですが、花粉症やハウスダストなどによるアレルギー性鼻炎では、一般に朝方に鼻の症状が強い、それを称してモーニングアタックと呼んでいるようです(目の症状は、それほど変化がないそうです)。

 ちなみに、こういった時間帯による症状の強さの変化を調べると、朝に次いで夜が強いそうです。別に、朝がいちばんひどくて、それ以降はだんだんとよくなっていく、というわけではないんですね。

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このグラフはアレルギー性鼻炎患者のものであるため、花粉が多い日中の時間帯でも、症状が悪化していません。『鼻アレルギー基礎と臨床』より

 まず最初に夜の症状の強さについて説明してしまいますが、これは自律神経のうちの交感神経と副交感神経のバランスで説明されることが多いです。
 すなわち、昼間の仕事(など)をしている時間帯は気が張っている、そのときは交感神経が優位になっているために症状が弱くなるのだ、ということです(もちろん、花粉が多ければ、カフナーはそれだけ症状がひどくなりますが)。これは、いわゆる「緊張しているとき」には顕著で、役者やアナウンサーなどが人前で仕事をするときに症状がひっこんでしまう、などの話はよく聞きます。
 逆に、夜というのは、一般に自宅でくつろぐ時間帯です。そういうリラックスしたときや眠くなるときには、副交感神経が優位に働きます。そうなると……鼻水ダラー、鼻詰まりづんづん、ということになる、と説明されることが多いです(とくに鼻詰まりがひどいと、息ができないので眠れないなどのことがあって、ひじょうにつらくなりますよね)。

 ちなみに、こうして「自宅でリラックスすると症状が強まる」などのことがあるためか、室内に花粉が多いんじゃないかと思ったり、「この清浄機は効かない」などと思われることがあるみたいです。しかし、それは勘違いで、実は自律神経のバランスのせいであることも少なくないと思います(アレルギーは遅れて出てくる症状もありますしね)。



●モーニングアタックの原因は

 さて、モーニングアタックについては、最近はいろいろ説明がなされるようになってきていますが、じつはそれほどはっきりとわかっているわけではなさそうです。ちょっとくわしくみていきます。

 考えられる理由として、以下のようなことがあげられています(この項は『鼻アレルギー基礎と臨床』奥田稔/医薬ジャーナル社 を参考に書いています)。


(1)活動の少ない夜間は空気が落ち着くので、舞っていた花粉が落下する。すなわち、床に近いほど花粉濃度が高まる。それを吸うからではないか。

(2)起きるときに布団をはねあげたりするため、布団の上や床にたまっていた花粉を舞い上げる、それを吸い込むからではないか。

(3)起床時は自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが移行するため、それにともなって鼻の刺激過敏性があがるからではないか。

(4)朝は鼻粘膜に好塩基球が多くなっているからではないか。


 この(4)についてはなんだかよくわからないかもしれませんが……まあ、わからなくてもいいです(簡単にいうと、よくいわれる「ヒスタミンが肥満細胞から出てくる」ために症状がでるのだ、ということがありますが、ヒスタミンを出すのは肥満細胞だけじゃなくて、好塩基球も出す、その細胞が多くなっているのだ、ということです。ホントかどうかはわかりません)。

 で、これら(1)から(4)までのうち、(1)と(2)については、ハウスダストによるアレルギー性鼻炎であればあてはまるかもしれませんが……ちゃんと対策していて、室内に花粉が少ない家に住んでいるカフナーもアタックされるということで、あまりあてはまるように思われない、とされています。

 個人的な体験からしても、とくに(2)は納得できません。
 なぜなら、布団の中にいるときに、くしゃみで目覚める……具体的に言うと、夢がさめて現実の世界に戻りつつあるときに、いきなり鼻の中に「じわっ」という感覚を覚える。鼻水です。そして「ぶわっくしょい!」というくしゃみとともに目覚める……これは、起きてから舞い上がる花粉と関係があるとは思われません(だって、まだ寝てるんですから)。


 (3)の自律神経説ですが、これについては、次のような証拠……証拠とまではいえないでしょうが、「そうなんじゃないかな」と考えてよさそうな理由があるそうです。


A 鼻粘膜の機械的刺激に対する反応性は朝が強い。

B 冷たい空気など、冷刺激は発症を促進する(とはいえ、夏でもモーニングアタックはありますが)。

C 身体のリズムの日内変動が症状の変動と関係している。

D 血漿中のエピネフリン量は朝が低く、モーニングアタックと関係があるように思われる(ただし、血漿中のコルチゾールのレベルは朝が高い。コルチゾールというのはいわゆるステロイドで、ステロイドといえば花粉症の治療に使われることからもわかるように、症状をおさえるように働きます。その量が多いのに症状が強く出るのはなぜだかわからないようです。なお、エピネフリンとはアドレナリンのことで、このホルモンは交感神経を強力に刺激します)。


 鼻の中に抗原(スギ花粉症ならスギ花粉のエキス)をしみこませた紙の小片を入れることで、実際の症状を誘発させるという抗原誘発試験というのがあります(これによって、たしかにその抗原によるアレルギーだということがわかります)。
 これをやってみると、個人差はあるものの、たしかに朝のほうが反応が強いそうです。
 それだけじゃなく、抗原をしみこませていないものを鼻に入れても、朝だと症状が誘発されることが多いそうです。すなわち、アレルゲンじゃないものが鼻に入ってきても、朝は症状が出る率が少なくない、ということです。
 これがAの説明のもとになった実験です(なお、Dの説明は、緊張・興奮しているときに症状が弱くなったりひっこんでしまうことを、逆の方向から説明しているように思われます。興奮したりするとアドレナリンが出るっていいますよね。闘争ホルモンとかいわれることもありますし)。

 ということで、はっきりしたことはわかってないにしろ、いちおう自律神経(のバランス)説が、いちばん確からしいといえそうです。
 つまり、昼間の活動時には交感神経が優位になってなくてはいけないのに、朝のうちは、まだ副交感神経が優位で、なかなか切り替わらない(こともある)、だからなんでもない刺激にも反応してしまう(こともある)、ということです。まあ、一時的な自律神経失調症というような感じでしょうか(というように考えると、もともと慢性的に自律神経のバランスがくずれている人は、こういうこともおこりやすいのかもしれません)。

 ただし、くわしいメカニズム(なぜそうなるのかということ)は、わかっていません。
 また、自律神経の関係で過敏性が上がるからとはいえ、ヒスタミン皮膚反応や抗原皮膚反応は、朝のほうが弱い、という論文もあるとのことです(個人的には、刺激がなくたって症状が出るように思うし、くしゃみで目覚めるってことは神経のバランスもなにもないだろうと思わないではありません。また、本来は夜に出るべき遅発相の反応が睡眠で一時中断され、朝になって再び出ちゃう……なんてこともないとは限らないかも、などと思ったりしてます)。
 おそらく、これを研究したとて新しい治療法や薬の開発につながるとも思えず……すなわち、誰も儲からないですから、突っ込んだ研究はなされないでしょう。つまり、しばらくの間は、これ以上のくわしいことはわからないままなんじゃないかと思われます(まあ、患者レベルとしては、たぶん自律神経のせいだろう、程度のことがわかれば充分だと思いますが……だからといって解決はしませんが)。



●モーニングアタックの対策は

 で、以上のようなことから、モーニングアタックを避ける、できるだけ弱めるために、次のようなことに気を使うといいのではないかと思われます。

 まず、できるだけ自然に目覚められるように、早く寝る、充分な睡眠をとる。タイミングも問題となることがあるように思います。
 睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠が交互にやってくるというリズムがありますが、眠りの浅いレム睡眠のときに目覚めると、わりとすっきり目覚められます。逆に、目覚し時計などで、タイミング悪くノンレム睡眠のときに無理やり目覚めさせられると、どうも頭がぼんやりし続け、鼻の症状も出やすいと思います。
 個人的な体験では、そういうときは、午前中いっぱい(昼ご飯食べるまで)鼻がぐずぐずしていたり、ひどいときは1日中そのままのこともありました(花粉シーズンではないときでも、です。しかも、薬が効かねぇ〜んだ、これが)。

 モーニングアタックと話はズレてしまいますが、この「目覚め」については、起きたい時間の少し前から部屋の温度をあげるとか、部屋を明るくするとかのことが、眠りを浅くして、自然に目覚める手助けになるようです(照明に関しては、おめざめのあかりなる商品もあります)。また、起きたあとに、明るい光(できれば太陽の光)をあびると、ちゃんと身体が目覚めてくるようです。
 目覚まし時計についても、いきなり大音量で鳴るものではなく、小さな音からだんだんに大きくなっていくものが、スムーズに目覚められると思います(うちでも、そういうのを使っています)。

 こうした「身体を目覚めさせる」という意味で、目が覚めたらいきなり起きるのではなく、少し布団の中でばたばた身体を動かして、それから起きるとよいなどのこともいわれています(まあ「くしゃみで目覚める」ことには効果はないでしょうけど。それに布団の中にいると、気持ちよくてまた眠ってしまいそうです)。(^_^;)
 あと、朝ご飯はちゃんと食べたほうがいいと思います。

 目覚めのことを考えると、当然のように、寝るときのことも考えなくてはならないということになります。
 どれほどの影響があるのかはわかりませんが、部屋を明るいままの状態にしておくと、身体はいつまでも昼間だと思ってしまい、神経が興奮して、なかなかスムーズに寝られないとか、眠りが浅いなどもあるようです。
 まあ、リラックスするとか、眠くなると症状がでてきてしまうということはあるにせよ、原則としては、自然の明るさのリズムのもとで暮らすのが、生体のリズムにとってもよいようですね。ですので、夕方以降は、部屋の明るさも落としたほうがいいのかもしれません(細かいことをいえば、蛍光灯より電球の赤っぽい光のほうが、夕日に近いので自然である、などという話もあったようなないような……単なる気分の問題かもしれませんが)。


 上でアドレナリンという話を書きましたが……交感神経を優位にするためには、起きたらすぐイヤなことを思い出して、怒ったりするのもいいかもしれません(笑)。
 まあ、これは冗談ですけど……でも、いわゆる「気合いを入れる」というのはよさそうです。軽く体操をするなどもいいでしょうね。

 なお、「気合い」ではないですが、いわゆるストレス……たとえばいつまでもイライラしっぱなし(あるいは、ゲームとかして興奮しっぱなし)だと、それもまた眠りを浅くするようです。眠りが浅いと、明け方になってやっと本格的に寝入る……などのことがあるため、睡眠が深いときに無理やり起きなければならないこともあり得ます。
 帰宅したら、仕事のことなどは忘れたほうがいいですね。「明日は明日」「どうにでもなれ」「寝て起きりゃ別の日だ」「なんとかなるさ」ってことで。


 というわけで、目覚めや眠りについて少し書いてみましたが、そもそも夜になると症状が強く出て眠れないんだ、ということも少なくないです。ストレス持つなとかいっても、そんな世の中じゃないですしね。
 だから、このあたりのことは、若干、きれいごとであるとはいえます。「そんなスムーズに眠れるなら苦労しないよ」ってことで。


 しかし、だからといって、部屋の花粉を少なくすることが、モーニングアタックの改善につながるとは、あまり思われません。ちゃんとふだんから対策をしていれば、かなり少ないはずなのですから(そもそも、そういう対策をしても出るから、モーニングアタックに悩んでいる人が多いのだと思います)。
 ただ、あまり気を使ってない場合は、対策を見直すことは無駄にはならないでしょう。実際、寝るときも清浄機をかけっぱなしにしたら、アタックが少なくなったという例もあるようです。
 それに、寝ている間(部屋の空気が落ち着いている時間帯)に花粉やほこりが落下するのは確かですし、起床後に歩き回ったり暖房などをいれれば、それが舞い上がるはずです。ただでさえ鼻が敏感な時間帯ということで、それによって症状が出ることもあると思われます。寝床から出たときから、清浄機は全開運転にしたほうがよさそうです。


 それと、これは個人的な体験であって、なんの根拠もないのですが……以前、枕もとの高い位置に超音波加湿器を置いて、そのミストが顔にかかるぐらいにして寝たことがありました。つまり、ひじょうに湿度の高い状態で寝たわけです。
 そのときはたいへん快適で、モーニングアタックなどとは無縁でした(布団が濡れちゃうんですけどね)。
 花粉がないということもあるでしょうが、鼻の粘膜がずっと潤っていたからではないかとも思われます。マスクをして寝るといいということもいわれますが、これも適度に「保湿」されていたからなのかもしれません。

 私は乾燥性鼻炎をおこすことがよくあります。冬の乾燥した季節によく出るのですが、鼻の中が乾燥して、つ〜んと痛くなります。くしゃみも出やすく、そういうときは、鼻をかむと、たいがい血が混ざっています。
 というような体質(鼻質?)なので、睡眠中の湿度も関係しているような気がします(上に書いた、目覚めのときに鼻水がじわっと出るというのも、逆に考えれば、就寝中に鼻が乾燥しすぎていたのかもしれません)。
 私はいくらマスクをしたまま寝ても、どうも寝ている間に外れて(外して)しまうのですが、とりあえず「マスク寝」もためして損はない方法かもしれないです(保温にもなりますしね)。加湿器で部屋の湿度を上げておくのもいいと思います(できれば暖房も切りたくないですが、火を使うものは、つけっぱなしは危険ですね)。


 最後の手段……というより、正攻法といったほうがいいですが……それは薬です。
 持続性のある薬を寝る前に飲んでおくと、起きるときにもそれが効いているので、症状が軽減できる……こともあると思います(軽減できないこともあります)。
 ただ、あまり眠くなるタイプの薬だと、なかなか目が覚めにくいかもしれません。症状が出なくとも、それはそれで、少し困るかもしれません。
 もうひとつ、小青竜湯や葛根湯といった、マオウをふくむ漢方薬を飲むのもいいかもしれません。マオウにふくまれるエフェドリンが交感神経を刺激して、目覚めの助けになるかも(相性のよくない人は避けるべきです)。


 とりあえず、光センサーを搭載した空気清浄機の宣伝にあるように、明るくなると自動的に運転して花粉やほこりを吸い込むから、モーニングアタックが改善するよ、ということは、うそではないにしろ、あまり期待はできないです。
 そのとおりになったらラッキーとでも考えておきましょう。
 そして、結論としては……なにやってもダメなときはダメ、お手上げ、ということです(短時間でもいいからもう1回寝て起きる、というのも改善の可能性はありそうではあります。逆効果の可能性もありますが)。


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