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−−− 真実のスギ花粉症 −−−
 

ウソをついてなお言いつくろう林野庁
 


※このページはこちらの続きのようなものですので、お読みくださるといいかもしれません。


 林野庁はウソをついていました。
 流れを追って説明していきます。

 まず2006年2月21日14時39分の読売新聞サイトの記事で、このように報道されました(当該のページはすでに失われているので、引用元のURLは省略します。あつ花*なんでも掲示板にアーカイブされていますが。以下同)。


期待のデータ得られず、花粉症実験を“粉飾”…林野庁

 花粉を作る雄花の多いスギを選んで間伐の対象とするスギ花粉症対策を2002年度から実施してきた林野庁が、その効果を確認するための調査で予想通りの結果が得られなかったため、机上計算の数値を実際の調査結果のようにして公表していたことがわかった。

 間伐で日当たりが良くなると、1本あたりのスギの雄花の量が増え、2年目以降は間伐効果が減少する可能性が高いにもかかわらず、同庁は継続調査もほとんど実施していなかった。

 花粉症対策は02年度から06年度までの5年間の事業で、05年度までに15都府県の都市周辺のスギ林計2876ヘクタールで実施されてきた。

 効果測定調査は各都府県が行った。目視の調査は誤差も大きく、02年度と03年度に間伐された131か所のうち77か所で行った調査によると、雄花の多い木を選んだにもかかわらず、31か所では、木を切った割合よりも、雄花の減少の割合が少なかった。6か所では、雄花を除去したのに逆に雄花の量が増えるという予想外の調査結果が出た。

 このため同庁は、事業の効果を一般に公表する際に、各自治体による調査の実測値を使う代わりに、雄花の量が多いスギから伐採した場合の効果を机上で計算した。

 その上で「測定結果は、20〜30%の伐採率で雄花が約50%程度減少」とホームページなどで発表して、成果を強調。計算結果と実測値がほぼ合致する3か所について昨年、国会議員で作る花粉症等アレルギー症対策議員連盟に、成功例として説明していた。また、昨年2月には、こうした間伐を推進するよう通知も出していた。

 間伐を行うと日当たりなどが良くなる。この結果、雄花の量が増えたり、雄花を付けなかった木が雄花を付けたりするため、効果を確認するには継続調査が欠かせない。しかし同庁は「自治体の協力が得られなかった」として継続的な調査をほとんど実施していなかった。3年間の調査結果があるのは3か所だけで、うち2か所では間伐を行わなかったスギ林と比較して効果が確認できなかった。

 同庁整備課の古久保英嗣課長は「ある程度、効果が計算でき、それに近いデータも三つあったので、効果を示す際の数値に使った。データを偽造したつもりはないが、誤解を招く恐れがあるかもしれない。間伐の効果はあるはずだ。今後、きちんと検証していきたい」としている。

 東京大学の井出雄二教授(森圏管理学)の話「雄花の量に着目しない通常の間伐では、花粉量の減少が長く続かないことはよく知られている。今回の間伐でも、少なくとも数年は調べる必要がある」


 そして、2006年02月21日22時12分の朝日新聞サイトの記事では、このようになっています。


林野庁、花粉症対策の効果を粉飾 「処分は考えてない」

 林野庁が02年度から始めたスギ花粉症対策事業で、花粉をつくる雄花を減少させられない事例があったのに、減少させた事例だけを抜き出して公表していたことがわかった。同庁の辻健治次長は21日に記者会見し、事業の有用性を強調するためだったとの見方を示し、「正確さを欠く公表の仕方で誤解を招いた点は、まずかった。遺憾に思う」と述べ、不適切だったことを認めた。

 この事業は06年度までの5年間の計画。花粉をつくる雄花の多いスギを選んで伐採する。05年度までに総額約5億2000万円を投入し、16都府県の都市周辺のスギ林約2900ヘクタールで実施された。

 効果の測定調査は各都府県が行った。その結果、02、03年度に20〜30%の比率で間伐した77カ所のうち、少なくとも23カ所では雄花が50%以上減少したが、31カ所では効果が確かめられなかった。このうち25カ所は、雄花の減少率が20〜30%を下回り、残る6カ所では逆に雄花の量が増えていた。

 ところが、林野庁は少数派にあたる効果が確かめられた方だけを取り上げ、05年1月に同庁のホームページで「20〜30%の伐採率で雄花が50%程度減少した」と公表した。

 辻次長は記者会見で「測定結果の一部であるという前提条件をつけて公表するべきだった。(担当の職員は)花粉症対策上、事業が有効であることを示したかったのではないか」と説明した。ホームページ上の表現も20日に「減少した例もあり」と改めたことを明らかにした。

 ただし、謝罪のことばは最後まで聞かれず、責任者の処分についても「いまは考えていない」と明言した。


 さらに、2006年2月21日22時39分の読売新聞サイトの記事。


花粉症粉飾、ずさんなデータ処理明らかに…林野庁釈明

 林野庁がスギ花粉症対策の効果を“粉飾”して公表していた問題で、同庁の辻健治次長は21日記者会見を行い、「いくつかの事例をもとに、効果を断定的に表現したのは適切ではなかった。誤解を与えたのは遺憾」と述べた。

 また、「雄花の多い木を選んで、20〜30%を伐採することで、雄花量が事業実施前に比べ約50%程度減少」としていたホームページの表現を「約50%程度減少した例もある」と訂正。

 2002年度と03年度の2年間に調査を行った77か所のうち、雄花の量が実際に50%以上減少したのは、全体の3分の1以下の23か所に過ぎないことを認めた。

 さらに、花粉症対策の成功例として紹介してきた千葉県館山市のスギ林のケースでは、全国的にスギ花粉が少なかった年の数値を、花粉が多かった別の年の数値と比較するなど、ずさんなデータ処理も明らかになった。


 いったんここで切りますが、こういう流れになるかと思います。


・ウソをついていたのがバレて、詰め寄られてそれを認めた

・でも「偽造したつもりはない」と強がりを言った(整備課の古久保英嗣課長)

・さらに詰め寄られて「遺憾に思う」とは言ったものの、謝罪はしない。関係者の処分も考えていない(辻健治次長)

・林野庁のページの表現は、こっそりと変更していた


 いきなりちょっと話はズレるんですが、上記のニュースの中で注目すべき点は、最初の報道にある井出雄二教授の話でしょう。

 「雄花の量に着目しない通常の間伐では、花粉量の減少が長く続かないことはよく知られている。今回の間伐でも、少なくとも数年は調べる必要がある」

 「よく知られている」とありますよね。
 であるのに、林野庁(いろんな自治体もそうかもしれませんが)は間伐をしてるしてるというばかりです。カフナーにも、間伐のような手入れをすれば花粉は減ると思い込んでいる人が多いと思いますが、必ずしもそうじゃないんです。よくある花粉症サイトとかにも出ませんし、マスコミも言いませんが、そういうことがあるんです。だから、騙されてはいけません。


 んで、いずれにしろ林野庁は机上の計算で「間伐の効果はあるはずだ」と思い込んで、計画を実行していた……と解釈したいところですが、実際は、なにも考えていなかったのだと私は思います(自治体の協力が得られなかったというのも、それはそれで大きな問題ではありますが)。もしかしたら「減らないかもしれない」との思いがあったから、わざと花粉のデータを取らなかったとか。

 これはよくいわれる「箱モノ行政」というのと同じですね。建物ばっかり作って、その後の運営とかにカネを使わない。ヒトにカネを使わない。「ほれ、作ってやったぞ」でおしまい。
 今回の例でいえば、「ほれ、切ってやったぞ」でおしまい。そういうことを言っていれば、花粉症患者は騙されるだろうという考えがあったのではないでしょうか。花粉は減らなくとも、切った面積だけならデータとして出せますからね。


 そして、これは報道にはかかりませんでしたが、ページの表現を変更したのは20日。それに対して、「変更しました」とのお知らせが出たのはいつでしょうか。
 林野庁のサイトにそのお知らせが出たのは28日です。1週間も放っておいたんですね。もしかしたら、誰かから指摘やら苦情やらがあったんじゃないでしょうか。そういうことがなければ、やはり黙っていた可能性はあると思います。


「スギ・ヒノキ花粉に関する情報」についてのお詫びと訂正について
 林野庁ホームページに掲載した「スギ・ヒノキ花粉に関する情報」のうち「森林・林業とスギ・ヒノキ花粉に関するQ&A」において、雄花の多い木を抜き伐る実証事業の効果について、事例に基づき記載した旨の表現とすべきところ、断定的に、一般的な効果があるように表現していた箇所がありました。
 このような不正確な情報を発信したことを深く反省し、花粉症に悩まれている方々をはじめ、国民の皆様にお詫び申し上げます。
 今後、このようなことのないよう、情報の正確な伝達に努めてまいる考えでありますので、何卒御理解を賜りますよう、お願い申し上げます。
 なお、ホームページの当該箇所の記述につきましては、「スギ・ヒノキ花粉に関する情報」の更新にあわせ、2月20日(月)付けで表現を訂正しております。


 この「お知らせ」で「お詫び申し上げます」との文言は見られますが、実際の「お詫び」があったのでしょうか。
 読売の24日の報道では、農水次官がお詫びしたと伝えられました。林野庁の上の機関の人間が謝ったということです。


農水次官、花粉対策効果“粉飾”で陳謝

 林野庁がスギ花粉症対策の効果を“粉飾”していた問題で、農林水産省の石原葵次官は23日の記者会見で「(効果がみられた)事例を一般化して公表したことは誤りだった。国民におわびしたい」と陳謝した。

 同庁は花粉を作る雄花の多いスギを選ぶことで、「20〜30%の伐採で、雄花の量が50%程度減少」とPRしていたが、こうした効果が確認できたのは、調査した88か所中23か所だけだった。期待される効果を計算で求め、実際の調査結果のように見せかけていた。

 また、同庁がスギ花粉症対策の成功例として説明していた千葉県館山市のスギ林では、花粉の少ない年の数字を、多い年と比べただけなど、データの取り扱い自体にも間違いがあった。


 そして、毎日新聞の報道では、調査を指示したと伝えられました。


<花粉症対策データ>誇張した公表に農水省事務次官が陳謝

 農林水産省の石原葵事務次官は23日の会見で、林野庁がスギ花粉症対策の事業で調査データを誇張して公表した問題について「あくまで一部の事例であるものを一般化して公表した。大きな誤りで、深く反省している」と陳謝した。林野庁に対し、詳細な原因調査を指示したことも明らかにした。


 2月23日の会見で「調査しろ」と言われたことが明らかになり、その結果(←PDFで報告書が出てますのでぜひ見ましょう)が出たのは4月14日でした。


花粉症事案の調査報告について

  本年2月21日の「林野庁スギ間伐、花粉症実験を"粉飾"、実測値を使わず机上値を公表」等との報道を受けて、庁内に「業務データ等調査チーム」を立ち上げ、関係した職員からの事情の聞き取り等を行ってきたが、別添【PDF】のとおり「業務データ等調査チーム報告書(概要)」を取りまとめたところである。


 産経新聞では、このように報道されました。


花粉症対策間伐、実験「誇張」で林野庁5職員処分

 林野庁は14日、花粉症対策として雄花が多いスギを選んで間伐する事業で、成果があがった例だけを取り上げ、効果を誇張してホームページ上に公開していた問題で、同日付で職員5人の処分を行った。
 また、同問題の調査報告書を公表、「国民の多くが苦しんでいる花粉症に対して担当職員の認識が低きに失したものと言わざるを得ない」とした。

 処分は、当時の担当室長(現課長)が訓告となったほか、課長補佐(現専門官)と専門官(現農水省専門官)が厳重注意、2職員が口頭による厳重注意となっている。


 あれほど、謝らないし、処分も考えていないと言っていたのが、こういうことになりました。訓告とか厳重注意がどれほど重い処分なのかは知りませんが……まあ、軽いんでしょう。
 たしか、「それは誰なんだ」ってことに関しては、発表できないということを言っていたように思います。「こいつらがバカなのか」という感じで、こっちは知りたいですけど……でも、林野庁全体がバカだと思っていればいいわけで、はい。


 まあ、そういうわけで、これについては一件落着かというと、そう思ってはいけないと思います。マスコミはニュースになりそうなことを追いかけていればいいけど、私らはそうではないです。ニュースになった、その後が問題です。
 ちょっと検証してみましょう。

 これが、ニュースになった問題の記述です。林野庁スギ・ヒノキ花粉に関する情報の、森林・林業とスギ・ヒノキ花粉に関するQ&Aというページの、古いバージョンのキャプチャです。
 クリックで大きいキャプチャ画像が出ます。以下同。



 下が2月20日にこっそり修整された新しい表現です。



 たしかに「例もあり」というように変更されています。
 ですが、ここに目を奪われていてはいけません。そのQ7の前のQ6を見てみましょう。



 上のような記述がですね、こうなっています。



 これでもおわかりのように、「いろいろやってる」ということを急に言い出しました。「いや、ごめん。でも、こんなふうに、いろんなことやってるからさ」というように、言いつくろっていることは明らかです。そうでなければ、このタイミングで修整する理由はないと思います。
 林野庁では「サイトの更新にあわせ」とかなんとか言ってますが、そのサイトは、そのときはすでに林野庁のトップからリンクされていたはず(だと思います。未確認ですし、今さら確認のしようがないですが……でも、2月20日の林野庁のメルマガで、そのサイトが取り上げられているので、ホントにそのときに更新したのかもしれない)。ふつ〜、更新というのは、そういう「シーズンが始まったから、その情報ページをリンクするか」というようなタイミングにあわせて行うものではないでしょうか。なんで2月20日に更新するの? ウソがバレたから、あわててこっそり修整したんでしょ? こういうところでも、またウソをつくんですね。まあ、いつ更新しようともいいんですが、そういう事情があって変更したなら「お知らせ」も同時に出せばいいじゃないか。なぜ出さない?

 んで、その「いろいろやってる」ということに関しては、前述のように出ている結果は面積だけです。これでどれだけ花粉が減ったのかはまったく明らかになっていません。それのどこが「花粉対策」なんでしょうか。

 新しいほうでは「間伐等推進3ヵ年対策」というものに触れていますが、これは平成17年度(2005年度)から行われています。なんで、いきなり説明をしだすんでしょうか。2005年度からやってるのなら、そのときに書けばいいじゃないですか(2月はまだ2005年度だけど!)。

 この計画の前の計画である「緊急間伐5ヵ年対策」というものについては、それが実施されるときに、花粉対策のためだけにやるわけじゃないけど「花粉症対策にもなる」ということが報道されました。ということは、そのように発表したんでしょうし、2001年の林野庁の花粉症ページにも、そのようなことが出ています。



 しかし、これについても、こちらのページで述べているように、けっきょく「どれだけ花粉を減らせたのか」についてはだんまりを決め込んでいます(というか、それの一環として行われた抜き伐りについて、ウソをついたということなんでしょうけどね)。

 で、今回の「3ヵ年対策」については、花粉症対策との関連はいっさい報道されませんでした。別に花粉症対策としてやるわけじゃないと思っていいと思います(ま、森林整備事業はすべて花粉症対策になり得るということはあるにせよ)。
 私は、この「5ヵ年対策」に騙されましたので、よく調べて、それで、続いて「3ヵ年対策」が行われることを知りましたが、普通の人は知らないはずです。そういうものを、よく今になって言い出したもんです。なぜ、始めたときに言わない?

 現在のページではこのようなことが出ています。



 ですが、2003〜2005年のページでは、やはり触れていません。



 いいかげん、言いつくろい続けるのはやめろといいたい。
 計画したものが失敗したなら「失敗しました」と言え。それなら、まだ言うことを信用できる。
 だが、ウソをついて、バレたら言いつくろう。これでは、誰も信用しない。


 最初に紹介したニュースに机上の計算が云々とありますが、そのデータそのものはいまだに公表されていません(と思います)。「花粉症対策にもなる」といわれた5年計画が終わり、3年計画のうちの1年分が終わっている現在、つまり6年たっても、なんのデータもないってことですか? なぜ公表しないんでしょう。
 なぜなのか? 見られたらヤバいデータが入っているんじゃないかと勘ぐりたくもなります(実際、ヤバかったわけですけど)。いや、ホントはデータなんかないんじゃないか、そういう事業なんかやってないじゃないかとすら思います。さすがにもう信用できませんからね(ウィニーとかで流出しませんかねぇ)。



 でも、なぜ公表しないのかということに対するヒントは、ぢつは林野庁のサイトを見ると、わかってきます。
 平成15年度森林・林業白書の、このページを見てみましょう。

 そこには「これらの取組は情報の開示等による透明性の確保、国民の要請の把握等、双方向の情報受発信を基本とした対話型の取組として推進することとしている」とあります。「情報の開示等による透明性の確保」です。

 ところが、新しい平成16年度森林・林業白書の、同じようなことを述べるべきページと思われるところには、そのようなことを感じさせる文言がひとつもない。

 林野庁は秘密主義になったということですね。なぁ〜るほど!!


 まあ、間伐を進めたら花粉は増える可能性が高いんだし、だとしたら花粉が増えたか減ったかということなんか調査したくないし、したとしても公表はできないわな。なあ、林野庁さんよ!


 信用を回復するということがどれだけたいへんなことなのか思い知れ、クソ林野庁め! 日本の林業を腐敗させている元凶、林野庁!




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