肝炎患者に対する偏見や差別が依然多い。先日元肝炎患者によるある会合があった。

 肝炎が治ってよかったのは、いつもの重圧から解放され、堂々と生きられるようになったことだと出席者たちが口をそろえて語った。これまでは周りの人ひいては家族に必要以上に気遣わなければならなかったし、社会の偏見や差別に堪えながら生活しなければならなかったから、心理的にはかなりの重圧となっていたという。

 ある中年男性は会社の健康診断でC型肝炎にかかっていることが分かってから、職場の同僚が急に彼を敬遠するようになった。湯飲みの扱いも騒がれるし、食事も一緒にしてくれなくなった。働きにくくなったため、彼は会社を辞めるしかなかった。それ以来彼は自分の病気を人に隠すようになった。

 また、ある若い男性は何回も肝炎で就職の内定が取り消された。そしてある主婦はそれまで同居していた息子夫婦が自分の肝炎発症でほかにマンションを借りて家から出ていった。

 一般の人たちは肝炎は感染する病気であることは知っているが、それ以上の詳しいことは何も分からない。肝炎患者と一緒にいたり、同じ空気を吸っても移るという誤解を持っている人さえいる。結局こうした半端な知識が不安をあおり、偏見や差別につながる。

 患者たちを取り巻く社会環境をよくするには、ウイルス性肝炎は、どんな場合でも感染するのではなくて、A型ウイルスの経口感染、B型・C型ウイルスの血液感染という経路以外は感染しないことをまず一般の人に理解してもらう必要がある。

 そして今の患者たちはどうして感染されたかなどを知ってもらわなければならない。その為には、医療関係者による一般の人たちへの肝炎知識の普及が必要だし、患者たちも患者同士の交流にとどまらず、あらゆる機会を使って、肝炎を一般の人たちに正しく理解してもらうための一層の努力も必要だと思う。

     
     
      HOMEへ