朝日新聞1998年10月31日(土)朝刊

                
横浜市 西河 裕(会社員 55歳)
   
 先日、ある若者から「折角就職の内定が取れても、患っている肝炎で毎回健康診断に引っかかり、採用が取り消されてしまう。今後どうすればよいだろうか」という相談があった。
 私も長年、慢性肝炎に悩まされていたが、ある治療法で治ったのがきっかけで、肝炎仲間たちと「肝炎友の会」を発足させた。医療情報の交換、私たちの肝炎が治った経験・体験の紹介、患者間の交流のサポートなどを通じて、より多くの患者の肝炎克服を微力ながら応援している。
 私たちの会には、就職内定の取り消し、職場での仲間はずし、解雇等の差別を受けている肝炎患者から相談が寄せられている。差別されるのが心配で、自分が肝炎にかかっていることを同僚や友人に内緒にしている人が多く、家族にまで知らせていない人さえいる。
 難病の肝炎と闘うのに精一杯の患者の多くは、偏見や差別にはじっと耐えるか、水面下で一人で苦しんでいるしかない。
 ウイルス性肝炎は、どんな場合でも感染するのではなくて、A型ウイルスの経口感染、B型・C型ウイルスの血液感染という経路以外は感染しないことを是非一般の人に理解してもらい、肝炎患者にとっても、暮らしやすい社会になるよう願っている。

HOMEへ