読売新聞2000年3月21日(火)
           
 厚生省は一日、C型慢性肝炎の治療に使われるインターフェロンについて、医療保険の適用範囲を拡大する方針を固めた。インターフェロンは,感染者が二百万人以上とされるC型肝炎の唯一の根本治療薬だが、高額なため、「半年間.一回限り」しか保険が適用されず、患者から適用拡大を求める声が強かった。同省は四月から実施したい考え。過去の不適切な医療行為や輸血で拡大したC型肝炎について、国に抜本対策を求めている患者団体や専門医は「遅かったが一歩前進」と評価している。インターフェロンはウイルスの増殖を抑える働きがあり、体から完全に排除できる場合もある。この為、現時点では最も有効な肝炎治療薬とされるが,半年で平均二、三百万円程度と高額なことなどから,同省は九二年,半年に限って保険の適用を認め,これまでに推定で二、三十万人が投与を受けた。
 ただ、完治するのは全体の三割程度。感染したウイルスの遺伝子型によって効き目が異なるためで、半年間の治療で納得しきれない患者の中には自費で再投与を申し出る人もいる。
 肝炎は患者数の多さから「第二の国民病」と言われる。同省は服用者側の要請でC型肝炎に対するインターフェロンの適用拡大を検討してきたが、最近の研究で半年を超えても効果があることや、肝がんへの進行を遅らせる効果も期待できるとの報告もあるため、条件付きで、もう半年間の再投与を認めることにした。
 具体的には,一回目の投与で肝機能数値に一定の改善が見られた患者で,インターフェロンが効く可能性のある型のウイルスに感染しているか、ウイルスの量が少ないケースーーなどの条件を付ける。
 C型肝炎は慢性化すると,かなりの確率で肝硬変、肝がんへと移行する。肝がんによる死者は年々増加し、現在年間三万人を超えているが、その八割はC型肝炎に起因するとされる。 
  厚生省の肝炎臨床研究班長である飯野四郎・聖マリアンナ医大教授は「C型肝炎は患者数が多過ぎて,国は手をつけられずにいた。今後は潜在的な感染者の早期発見・治療のため、四十歳以上を対象に広く検査を行うなど,本格的な対策に乗り出すべきだ」と指摘する

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