C型肝硬変患者、抗炎症剤治療で
肝がん発生が半減

朝日新聞[2004年10月4日]
 
 C型肝炎で肝硬変になった患者に、肝臓の炎症を抑える薬を、複数種類併用するなど積極的に与えると、肝がんの発生をほぼ半減できることが、神奈川県立がんセンターの多羅尾和郎所長らの研究でわかった。がん化した後でも、摘出手術後の再発防止に役立つという。

 C型肝炎は、長い年月の間に肝硬変を経て肝がんに進むことが多い。
 多羅尾所長らは、炎症の持続ががんにつながると推測。C型肝炎から肝硬変になった患者に対し、炎症の程度を示す検査値GPTを80未満にすることを目標に、漢方薬など肝臓の炎症を抑える薬を、2、3種類併用するなど積極的に投与した。

 患者76人に約6年間この治療を続けた結果、肝がんが見つかる率は年3.6%。抗炎症剤を1種類だけ使う一般的な治療をした50人では年7.8%だったので、がんの発生をほぼ半分に抑えたことになる。

 一方、C型肝炎から進んだ肝がんを摘出する手術を受けた患者で、薬を使うなどしてGPTを80以下に抑えることができた13人は、肝がんの再発までの期間は平均66カ月だった。80以上の21人では再発まで平均22カ月だったのに比べ、大きく遅らせることができた。

 多羅尾所長は「日本はC型肝炎が多いにもかかわらず、そこから肝硬変になった患者の肝がんを防ぐ治療が不十分。高率でがん化するので、積極的に治療した方がいい」と話している。

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