鬱病になってしまった
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うつ病は「普通の体の病気」です。

うつ病になる背景には普通の病気と同様に
種々の体質的素因、遺伝体質的要素がありますが
精神的なストレスを含む、環境要因によって
大きな影響をうけます。

うつ病者がストレスの影響を受けて悪化するのも
高血圧の人が薬で血圧を下げても、ストレスで血圧が
上がってしまうのと一緒です。
うつ病は普通の体の病気です。


うつ病の要因

(1)社会・心理的要因の場合 @ 人生の失意や不遇、深刻な対人関係の葛藤、不登校、失職などによって生ずる。
各個人の生活環境や性格によって、色々違った彩りや経過がみられる。
抑うつ神経症が代表的で、多くは不安をともない、ICD−10の混合性不安抑圧障害にほぼ相応する。
A
突然の災害、戦争、近親者の急死など、誰にも耐え難い、外傷的体験にさらされると、各個人の性格を超えて、適応障害としての短期ないし長期の抑うつ状態、あるいはPTSDに伴う抑うつ症状がおきうる。
B
パニック障害、各種の恐怖症、強迫性障害などの神経症、摂食障害や性同一性障害、軽い身体疾患、成人後の事故で怪我を負って身体に障害をもってしまうことなどが原因で抑うつ状態に陥る。
(2)体質的素因が重要な場合 @
本人にも不可解で他人にも追体験できない。
関心、意欲、能率の低下。
午前中にもっとも具合が悪いなど、日内変動がみられる。
周囲のなぐさめや励ましでは回復しない。
特定の薬理作用をもつ抗鬱薬が有効なことなどから、何らかの身体的変化によるものと考えられる。
特に理由もないのに、鬱と躁が現れたり、鬱が理由もなく軽快したりする。
躁のみ出現することもある。
定型的抑うつ症状。
(3)内因性
鬱病が誘発
される場合
@
とくに細かい事も落ち度なくやりとげようとする、几帳面で熱心な性格の人が、生活環境の変化などのあとに、新しい環境に慣れようと、適合する努力を重ねているうちに、疲労感につづいて定型的な抑うつ症状を生ずることがある。
過労自殺を誘発させる。
A
日照時間が不足する冬期間や純粋な身体的疲労、出産の後などに、繰り返し抑うつ状態をきたす場合がある。
(4)鬱病以外の病気による鬱 @
統合失調症の初期、あるいは統合失調症の症状がおさまった時に抑うつ状態になったりする。

A

アルコール依存症や薬物乱用による鬱
B
明瞭な脳機能の変化をきたす疾患。
老年痴呆の初期など。


うつ病の症状

@ 睡眠障害 寝つきが悪く、眠りが浅く、ときには朝早く目が覚めて、昼にも眠くならない。
比較的稀だが、夜充分眠るのに、絶えず眠たい場合がある。

A

食欲の変化

何か食べたいという気持ちにならない。空腹感があっても食べたいという気持ちにはならない。無理に食べると胃に入るが、好物もおいしいとは感じないし、時には味そのものが、わからなくなる。
体重が減少する。
稀にはかえって食欲が昂進して、とくに甘いものを多く食べ、体重が増加することがある。
B
体のだるさ

何となく全身が重たく、けだるい。
体の力が抜けたようになってしまって、すぐ横になる。
ときには、鎧でも着たかのように重苦しい。
C
その他の症状

頭全体が重く痛む。胸が締められて息苦しい。
いつもクチに乾きがあって、軽い吐き気がする。
便秘がちになる。
性欲及び快感の減退。
寝汗。etc。

本人が鬱と気がつかずに内科を受診し、神経症やなまけ病と誤診されてしまうケースが多い。
多少の身体的所見があれば、それなりの病名がつく場合もあるが、所見がなければ、くよくよするので神経症とされたり、本人が怠け者になったという鬱病者の嘆きをダイレクトに所見にしてしまうケースがある。
ひどいケースになると、いくつもの病院をまわり長期入院をして精密検査をうけている場合もある。

仮面うつ病

身体症状の仮面によって、精神症状が隠されるケース。
実際には、医師がうつ病だとわからずに誤診した際の言い訳。
または、うつ病が怖い病気だという、本人や家族の誤信に配慮した気遣い病名。
このような病名は存在しない。
症状の重さ
うつ病の大部分は、自覚的苦悩がはなはだしいが、周囲にそれほどではないと、とらえられてしまうことが多い。

重症になると通常の業務ができなくなる。主婦であれば家事ができなくなり、テレビも
見ず、電話にもでれなくなる。
もっと重くなると、一日中横になり、悲観的なことを考えたり、心気・罪業・貧困妄想が
訴えられる。


うつ病の精神症状
 うつ病は体の病気であるが、主な症状は精神面に現れる。
@感心・興味の減退
・新聞、テレビなど見なくなる。
・異性に関心がなくなる。
・周囲のにぎやかさに同調できない。
A意欲・気力の減退
・何をするにもおっくう、特に頭を使うことにおっくうになる。
・すべてがおっくうで、気にかかりながら後回しにしてしまう。
B知的活動能力の減退
・頭がまわらなくて途方にくれる。
・文章を読んでも頭に入らない。
・簡単な事が決められず、時間ばかりかかる。
 
 これらの症状は、自分で気をとりなおしたり、まわりからハッパをかけられても、軽減するものではない。
外からの働きかけに、症状が影響をうけないのがうつ病。
なぐさめやハッパかけは、うつ病者の負担になるだけ



その他の症状
@無力感 なにもできなくて情けなく感じる。
A劣等感 自分だけ何もできないと感じる。
B自責感 まわりに迷惑をかけていると感じる
C罪責感 まわりに申し訳なく感じる。
D自信喪失 将来の見込みがもてない。
E不安 色々考えると恐ろしくなる。
F焦燥感 焦ってイライラする。
G易恕傾向 自分や周囲に腹が立つ。
H悲哀感 つくづく悲しい。
I寂莫感 なんとも言えず寂しい。
J自殺念慮 死にたいと思う。
K自殺企画 死ぬ準備をする。
L貧困妄想 金がないと感じる。
M罪業妄想 逮捕されるじゃないかと感じる。
N心気妄想 余命いくばくもなく感じる。

口数もすくなくうなだれているのは、重症のうつ病のみで、軽症うつ病は苦痛に耐えながらも
なめらかににこやかに話したりするので、周囲がそれほど苦しんでいるとは思わない
ので、誤診につながる。

軽症の場合、周囲が苦しみに気がつかないうちに、突然の退職や退学や自殺企画をしたりするので、周囲が驚いてしまう。

うつ病の周期を繰り返すと、本人が現在の自分の判断が病気のせいであることを認識するようになる



うつ病の日内変動
 内因関与のうつ病に多い。
身体・精神症状が、朝目を覚ました時に最も悪く、次第に軽快して夕方から深夜にかけては、相当回復する。
軽症例でもこの場合がある。
健常者の夜型生活リズムと混同してはならない。


うつの経過と病型

 うつ病はもともと周期性の病気である。
周期は普通1〜数ヶ月、時には数年続く。
この周期は完全ないし、ほぼ完全に消失する。
また、同じ周期が起こるか否かは、簡単に予測できない。
統計的には、一生のうち数回起こる場合が多い。
周期が2回以上おきるのは、反復性うつ病障害とよばれる。
内因性うつ病の経過中には、しばしばパニック障害が併発する。
難治性うつ病は、はかばかしく改善されない。



気分変調症
うつ病の診断基準を満たさない場合の病名。
うつのような周期がおさまった後に仕事や交際も一応はできるが、活気・明るさ・意欲などがイマイチで、体の具合がはっきりしない状態が長期にわたって続く。
シュナイダーの性格分類では抑うつ者と呼ばれる。
反復性うつ病
うつ病の診断基準の明瞭な抑うつ状態が2週間以上つずくわけではない。
ほとんど毎日のように反復する。
季節性うつ病
秋ごろから抑うつ状態が始まり、春ごろには回復してゆく。
睡眠過多、食欲昂進、意欲減退する。
光照射療法が有効。
これが、長年に渡ると、季節性が不明瞭になる場合がある。