ホームヘルパー2級講習会


基本的学習(日々の学習・基本的技術)
第4日(7月4日)
午前:高齢者の衣服について、衣服の着脱・寝巻きの交換

 高齢者の衣服は、その障害の程度に応じて、さまざまな工夫が必要である。ボタンかけが困難な指先の人ならば、マジックテープにしたり、スナップにしたり。また、麻痺の状態に応じて、わきの下を全開にしたり、そでぐりの大きなものにしたり。それでもやはりおしゃれには気を使ってもらいたいし、着やすいものでもあってほしい。

 幸いにして私は手芸が得意なので、ボタンをマジックテープにしたり、前明きを大きくしたり、と加工はできる。しかし、高齢者用の特別な衣服を、介護用品として購入するのは、金銭的に大きな負担になるに違いない。

 さて、高齢者で家の中にこもりがちといっても、できるだけ日中は普段着に着替えることで、生活のリズムやけじめをつけることができる。とはいえ、着替えを強制するのではなく、利用者の体の状態(麻痺や疾患の有無)・体調を確認してから行わなければならない。そして、なるべく自分でできるところは自分でやってもらい、日常生活動作を拡大していく。片麻痺のある人は、健側から脱いで、患側から着てもらうようにすると、うまく着脱しやすい。

 ベット上で寝たきりの人でも、一日のリズムをとるため、できるだけ着替えさせてあげたほうがいいらしい。自分自身、休日など、ごろごろと半日以上パジャマですごしてしまうことがあるので、この点は大いに反省だ。

午後:移動動作・視覚障害者の歩行介助・車椅子介助

 午後の講習は、アウトドアへ。お互いに車椅子に乗って押し合ったり、アイマスクをかけて歩行介助をおこなったり。

 まず、車椅子の用途を確認し、周囲の障害物を取り除いておなかなくてはならない。利用者の体の状態・障害の程度・行動範囲(屋内か屋外に出るのか)・何時間くらいか・地面の状態はどうか(雨でも降っていて、土道だと、車椅子は押せない)などを確認して、介助する。また、家庭内では、移動時の障害となる室内の部分・移動中の利用者の様子などを家族に伝えてあげるとよい。

 さて実際、車椅子に乗ってみると、ふつう何気なしに歩いている歩道がタイル張りだったりすると、走行がガタガタと異常な振動を感じたり、また視線が低いところなので、怖く感じてしまう。ほんの少しの歩道と車道との段差さえ、がくんと感じるものなのだ。

 押してみても同様。まっすぐに押しているつもりでも、歩道が傾いたりしているので、一方にずれていってしまう。うまくティッピングバーを使って、段差を押し上げるのに一苦労。下り坂では、後ろ向きになって引いてあげなくてはならないのだ。安全確保をしながら、いろいろ話し掛けながら押していくというのは難しい。

 アイマスクをしたら、ほんの数歩で足が止まってしまう。介助者(ガイド)が付いてくれて、「まっすぐですよ、平らですよ。」といってもらっても、うまく足が運べない。しばらくすると少しずつ慣れてきて、自分自身の運動感覚を取り戻し、何とか歩けるようになってきた。アイマスクで覆っているのは、視覚だけのはずなのに、運動感覚も鈍ってしまっていたのだ。

 そのうち、ブラインドランナーのK・Mさんのことを思い出し、「ちょっと走ってみてください。」などといって、ガイド役を困らせたりした。とぼとぼ走りならできるが、Mさんのように1キロを4分で走るなんて、無理!ブラインドランナーの運動能力の高さに恐れ入ってしまった。多くの人は、視界を閉ざされると、運動能力も大きく減少してしまうのだということを、体験実習を通して学んだ。外界から得る情報のじつに8割が視覚によるものだそうだ。

 アイマスクをした人のガイド役も体験してみた。「いつもMさんと走っているから、これなら私に任せて!」と思っていたが、急にアイマスクをさせられた人が、向地さんのような運動能力を発揮できるはずがない。ガイド役の私に、文字通りへばりつくようにして腕を組んできても、歩くのが怖いといっていた。

 さて、ガイドヘルプの基本姿勢は、平地歩行では、視覚障害者に片手でひじの上を軽くつかんでもらう。腕を組むような格好だ。ガイドヘルパーは常に視覚障害者の斜め前を歩き、速度は利用者に合わせる。視覚障害者には安全な歩道側を歩いてもらい、どこをどう歩いているのかわかるよう、周囲の様子を知らせるようにする。白い杖を持っている人のガイドは、杖を持つ手と反対側に立って、ひじを軽くつかんでもらう。相手の人格を尊重し、その要求を理解し、プライバシーを侵さないようにする。

 視覚障害者といっても、いろいろだ。生まれながらの人もいるだろうし、Mさんのように成人になってから徐々に目が悪くなって見えなくなってしまった人もいる。大学の後輩のように、7ヶ月間の意識不明危篤状態から奇跡的に助かっても、視力を無くしてしまう人だっている。向地さんは、見えているときの周りの状態を思い出しながら行動しているそうだ。大学の後輩は、盲導犬を使って行動している。行動できるほどの活力のある人はすばらしいし、恵まれている。活力・気力を無くしてしまっている人だっているのだ。そんな人たちに出会って、私にできることって、何があるんだろう。

このころの父の様子:

 歩いてもいいという許可も出て、いよいよきもちは家に帰りたい一心。お見舞いに行っても、いつも荷物をまとめて、帰る準備をしている。いっしょについて帰ろうとする父を巻いて帰ってくるような状態になってしまった。

 昼間うつらうつら居眠りして、夜に歩き回る昼夜逆転に陥っている。これは前回の入院時から見られた。前回は、退院と同時に家ではぐっすり休むようになっていたので、やはり家に早く帰らせてもらうほうがいいに違いない。





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