ホームヘルパー2級講習会


基本的学習(日々の学習・基本的技術)
第5日(7月11日)
午前:清潔(1) 全身清拭・部分浴

 今日の実習は、ベット上で寝たままの人の体を拭いてあげる練習。

 利用者の体の状態(疾患の有無や体の動き・皮膚の状態など)を確認して、室温を22〜24度くらいに暖めて行うようにする。末梢神経から中枢神経に向けて、筋肉の流れに沿って、拭くことになる。寝たきりの人は床ずれを作りやすいので、このときにケアをしてあげる。おなかも、「の」の字を書くように拭いてあげると、腸の流れに沿って、便秘の予防になるそうだ。これは普段からも自分の体に応用できそうだ。

 湯の温度は50〜55度くらいとし、さめないよう手際よく、適度に力をいれてさっさっと体を拭くと、血行もよくなり、体もぽかぽかしてくるだろう。しかしベット上で寝たままの人といっても、夏場でも寝巻きをガバーッとはだけてしまってはいけなくて、利用者の羞恥心にも配慮しなければならない。全身麻痺の利用者の場合、手順をうまくすると、一度体位を変えるだけで全身がふくことができるので、体力の消耗や疲れが少なくてすむ。

 部分浴では、同じくベット上で寝たままの人の脚を洗ってあげる練習。枕などをひざの下にあてがい、立てひざの状態を作ってあげて、大き目の洗面器にお湯を張って足をつけてもらう。このときに洗面器ごと、ひざから下を大きなビニール袋で覆ってあげると、湯気がこもって、お湯に使っていない部分も暖まっていくそうだ。うまい方法である。

 私は冬によく、ひざから下をお湯を張ったバケツにつけて足浴をする。これは20分もすると本当にぽかぽか体全体が温まってくる。医学的にも、これで入浴と同じくらいの効果を受けることができるそうだ。まさに「脚は健康の鏡」である。

 ただし、私の足浴は熱い目のお湯が好みなのだが、高齢者の場合、血圧の急激な変動を抑えるため、40℃前後位のお湯がいいそうだ。教室内で実習していても、それぞれの人の湯温の好みが大きく出てきて、これはその人に応相談ということだろうか。
午後:清潔(2) 入浴介助・洗髪・整容

 午後からも、ベット上で寝たままの人の頭を洗ってあげる練習。

 新聞紙数枚・バスタオル・大き目のビニール袋・洗濯バサミなど、どこの家庭にもあるものを使って、ケリーパットと呼ばれる洗髪用品を手早く作る。この上に頭を移してもらい、ビニール袋の端をベットからたらし出してバケツの中に入れると、もう、お湯を流しても大丈夫。ベットと床の上に置いたバケツとの落差でお湯はうまくバケツの中に流れていくのだ。後は美容師さんになった気分で、「かゆいところはないですか?」などとお尋ねしながら、シャンプーしてさしあげる。

今日の争点:高齢者介護で、手袋はどこまで必要か?(その1)

 きょうの担当講師は、いつものA先生ではなく、A・A先生だった。自己紹介によると、銀行員からボランティアで介護をしていた時期を経て、ホームヘルパーに。今では、ホームヘルパーの派遣業を営んでおられるそうだ。

 私たちに教えてくださることも、あくまでプロとしての仕事を教えてくださる。 よく言えば、プロ意識高い、悪く言えば「人対人」の仕事なのに事務的。

 今日の授業で特に印象に残ったのは、病院でも家庭でも、介護をする人は手袋をつけるべき、という主張。病院では院内感染の心配、家庭でもホームヘルパー巡回による感染の心配があるのは当然のこと。それに、介護者自身の体は、自分で守らなければならないということ。

 私たち受け手としては、「お年よりの体を触るのに、いちいち手袋をするなんて、お年寄りに失礼なのでは?」という意見・お年より側からしても「私の体はそんなに汚いのかねえ。」と不満の声があがらないのかという危惧。

 私だったら、自分が介護される側になってみると、いちいち手袋をして仕事をするヘルパーさんだったら、打ち解けられないような気がする。あくまでも仕事、と割り切って一線を画してしまうのが、「手袋」? だったらその「手袋」はどこまで必要なのだろう。


このころの父の様子:

 7月8日(土)に退院してきた父。 頭蓋骨をくりぬき、出血を吸い取る手術だったが、術後2週間たってCTの結果、とりあえず再々出血はみられないから、とのことだった。

 ところが、手術のあとのベット上安静のため、筋肉が衰えてしまって歩くのがすり足で本当におぼつかない。 家族としてはもうすこしリハビリをしてから退院してもらいたかったが、本人が「家に帰りたい。」と騒ぎつづけたようだ。 アルツハイマーのほうがまたいっそう、進行したようだ。

 すり足でゆっくりつかまり歩きしかできないということは、困ったことに、トイレが間に合わないことがしばしば。 夜は、紙おむつをしてもらうことにした。

 でも、もともと頑固な人だったので、母が「紙おむつ、ぬれているかな」と思って取り替えようとしても、「イラン」とか言って拒否し、機嫌も損ねてしまう。 体も思うように動かないし、きっと頭もボーっとして自分の考えもまとまらなくていらいらしているようだ。 とりわけ、怒りっぽくなってしまった。

 しかし、病院での退屈な生活から、昼夜逆転に陥ってしまい、入院中から夜間に廊下をすりすりと徘徊。当然ながら、家に帰ってきてもそれを引きずって、昼間はいすに腰掛けたままうたた寝、夜になると目はランラン。部屋内を歩き回ったり、ダイニングでのごそごそ&食べ物探しが始まった。雑誌や郵便物をいじくったり、思わぬものを思わぬところにしまいこんだり。乾物のしいたけの中から海老天が出てきたり、冷蔵庫の中からお盆が出てきたり。私の大切な郵便物は何処かへ消えてしまった。おとなしく寝床についたかと思っても、何度も何度も起きだしてくる。就寝時間は日を追うごとに遅くなってきて、明るくなるまで寝つかない、というのが毎日だ。

 あげくには、玄関から外へ出て行こうとするので、私は玄関先で休むことにした。静かになって寝付いたかな、と安心してこちらもうとうとしていると、突然「ガスが漏れていませんか!」の警報が鳴る。知らないうちにとなりのキッチンのガスをひねっていたのだ。油断もすきもない。この日からガスの元栓を締めるようにしたのはいうまでもない。さらに見ることもないのにテレビをつけることだけはするので、これも夜間は騒がしいだけなので、電源を抜いておく。また、ダイニングの電気も100ワットで、隣の部屋で休んでいる私にも障子を通して光がもれてまぶしいだけなので、夜間は10ワットに変えておく。

 とにかく長期戦を覚悟して、気長に構えているが、今度は母もいらいらしてきている。私くらいのんびりした性格だといいのだが。

 高齢者って、本当に個人差が大きい。元気な人はいつまでも元気、弱ってくる人はどんどん弱ってくるようだ。私のお付き合いの範囲の60歳以上の人たちといえば、マスターズ陸上競技の現役の選手の人たちや、マラソンランナーばかり。みんなはつらつとして、そのお歳には見えない肉体を持っていらっしゃる。もちろん、精神力もすばらしい。子供や孫の年代の人たちとも、本気で競争したり、はしゃぎ合ったり。また、大切なことを教わることもしばしばある。

 人生とは、歴史の教科書のようなものだ。





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