ホームヘルパー2級講習会

受講動機
  「恍惚の人」の小説の中の出来事が、我が家にもやってきた。

 父親がいよいよアルツハイマー性痴呆中期の症状を呈してきたのだ。数年前から様子がおかしくなってきて(今まで行けていた所に行けなくなった・細かい数字を扱う仕事だったのに電卓を何回たたいても数字が合わない)、ここ2年前に、完全に仕事からはリタイア。

 仕事から離れると、日々、することがなくなり、また新たな趣味を始める事もできずに、ただ家でぶらぶらしている。「散歩」が好きで、よくご近所を歩いているのだが、手持ち無沙汰でごみを拾ってくる。小さなごみならば、その心がけはすばらしくいいのだが、父が拾ってくるのは大きなごみ袋。また、粗大ゴミ。そして袋いっぱいの空き缶。ともすれば、近所の庭先に出ている植木鉢、ポリバケツ、ゴムホースに箒のたぐい。こうなるともう、立派な窃盗罪だ。一度は、怒鳴り込まれたこともある。しかし病院にかかっていることを説明し、平謝りに謝って、何とか許してもらったようだ。

 2000年4月からの介護保険導入に先がけて、介護判定をお願いしたところ、要介護2となった。もうここまで来ているのか、と家族も愕然。ただ、ケアプランの作成が間に合わず、4月からとりあえず医療保険で、ケア施設に通うことになった(週2回のデイケア)。

 プライドの高い人だったので、痴呆老人ばかり10人あまりの施設になじむのか心配だったが、それは取り越し苦労だった。最初の2,3回は「仕事が忙しいので帰ります。」などといって困らせていたようだが、施設の人の対応が見事なもので「今日の小川さんのお仕事の予定は、相手さんの都合で変更になったようですよ。」などといって、ちゃんとプライドを傷つけずに預かってくださっている。そんな施設の人たちのやさしさに触れるにつけ、こんなふうに対応できるなんて、さすがプロだと思う。

 また私自身も本を読んだりして痴呆のことをかじってみると、まだまだ父の場合、これから進行していく可能性が高い。アルツハイマー性痴呆というのは、原因不明で明確な治療方法もなく、一番の欠点は人格が破壊されていくことだ。今まで立派だと思っていた自分の父が、どんどん人格を失っていく。家族ともども、この病気を受け入れることが難しい。「あのお父さんが、こんなことも出来なくなってしまうなんて。」という気持ちが強いのだ。

 この先、父がどうなっていくのか、はたまた自分も遺伝してアルツハイマーが待ち受けているのか、などと考えていたら、悶々としてしまう。しかし、父が寝たきりなどになったときの一助にもなるし、講習や実技・施設実習でさまざまなお年よりの姿を勉強させてもらうことが、父の病状の現状把握にもつながると思ってヘルパー2級の講習を受けることにした。
                                              
                                                (2000年5月)



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