娘のヘルパー日記


ホームヘルパー日記(2000年)
Sさん
(男性・75歳)    
交通事故によりベット上の生活を余儀なくされている。
全身清拭に始まり、おむつ交換、更衣、車椅子への移乗、そして車椅子での朝食介助。
2000年10月13日(金)

 ヘルパーステーションに登録して、今日が初仕事の日。

2件担当するのだが、初回はベテランヘルパーさんの同行だ。仕事の内容と手順・利用者さんの特徴などをいち早く理解しなくてはならない。

 朝一番にお邪魔させていただくSさん(男性・75歳)は、交通事故によりベット上の生活を余儀なくされている。年齢がわが父親に近く、姿が重なってしまう。全身清拭に始まり、おむつ交換、更衣、車椅子への移乗、そして車椅子での朝食だ。

 清拭・おむつ交換・更衣はひと手順だが、これらを30分以内で仕上げるようにする。排便をマッサージにより促し、Sさんにもいきんでもらう。これはほんとの共同作業だ。同行の女性ベテランヘルパーさん(といってもわたしよりずっと若い)の手順をよく見学させていただく。更衣までのなかで、Sさんの残存能力が事故直後に比べて大幅に増加していることを知る。足を持ち上げたり、お尻をあげたりすることができるのだ。これはかなり、ヘルパーにとっては助かるし、努力なさっているSさんが頼もしく思えてくる。

 車椅子への移乗を介助してみたが、わたしの腰を痛めないようにと、Sさんの背後からベテランヘルパーさんがさらに介助してくださった。健常者を相手に行う教室内での模擬実習は、役に立たないのがこの実践だ。移乗介助は力任せではなく、技術を要するもののひとつだ。

 食事は奥さんが作ってくださるので、キャスターのついたテーブルを車椅子に近づけて用意し、滑り止めマットを敷いて食器を配膳する。Sさんの朝食の間は、奥さんとのおしゃべりができる。家庭で24時間介護されている奥さんは、本当に気が休まらないのだ。ベテランヘルパーさんを相手におしゃべりが弾んでいる。わたしもできるだけ打ち解けて話してもらえるようになりたいものだ。

 仕上げに口腔ケアだ。総入れ歯なので、取り外してもらい洗浄、お口はうがいをしてもらう。毎日よく手入れされている入れ歯なのでとてもきれい、歯ブラシで洗うのになんの抵抗もなかった。まわりの人が本当に気をつけて介護されている様子がうかがえる。

 大事にしてもらっている、という感覚が本人の自覚を促し、ここまで回復されてきたに違いない。わたしも小さなちからなりにお手伝いさせていただこうと思う。

2000年10月14日(土)

 今日から本当の初仕事。ひとりで利用者さん宅を訪問!

昨日の引継ぎがあって、今日の訪問なので、記憶・感覚の新しいうちに初仕事だ。毎週土曜日はSさん(男性・75歳)宅、金曜日にMさん(女性・86歳)宅、というローテーションになっている。

 やはり慣れない初めてのお宅なので、正直に「新米のヘルパーですので、まずこのお家のやり方を覚えたいと思います、いろいろ教えてください。」とご挨拶。タオルや洗面器の置き場所ひとつにしても、覚えていかなくてはならない。

 しかし最初にこのように挨拶しておくと、一緒に介護していらっしゃる奥様も、わたしのことを見守って、いろいろ教えてくださる。もちろん技術的なことではなく、「いつもの皮膚の状態は〜。」などという、利用者の身体状況などだ。1度や2度の訪問では、利用者の体の状態を把握するのは難しい。このように、通常の様子を伝えてくださると、わたしもいちいち驚かなくて済むというもの、便の出方ひとつにしても、個人差が大きいので、その人の様子をちゃんと理解していかなくてはならない。

 初めての単独訪問であったが、手順に手間取ることはあっても、緊張せずにこなすことができたと思う。手順はこれから、自分なりに組み立てていけるはず。いかに新米のヘルパーであっても、あがってしまってまごまごしていたのでは、利用者も不安になるというもの。落ち着いて利用者と接することが大切だと思う。

2000年10月28日(土)

 奥さんとお二人世帯でいらっしゃるSさん(男性・75歳)宅。

数度の訪問で、かなり慣れてきて、奥さんともおしゃべりができるように。我が家でもアルツハイマーの父がいて、デイサービスなどを利用していることを打ち明けたのをきっかけに、家族が介護する際の介護負担についての愚痴とも取れないおしゃべりになってきた。お互いが、身近な人を介護する立場であることから、心情などを分かち合うこともできる。

 アルツハイマーの父がいてくれることが、かえってわたしの気持ちを引き立たせてくれるようだ。



Mさん
(女性・86歳)
この高齢だが、ひとり暮らし。1ヵ月半前に外で転倒、ベット上の生活となられてしまった。
全身清拭、おむつ交換、更衣、昼食介助。
2000年10月13日(金)

 おひるの時間帯に訪問させていただくのは、ひとり暮らしのMさん(女性・86歳)宅。この高齢だが、1ヵ月半前に外で転倒、ベット上の生活となられてしまった。親戚は遠くにしかいらっしゃらないようで、Mさんのご近所の方が、親切に介護をなさっている。とはいえ、仕事をもっていらっしゃるので時間の制約あり。よって訪問看護週2日、ヘルパー派遣を同じく2日受けられている。

 午前中とほぼ同じヘルプ内容で、身体介護が中心。午前中に見学した手順で全身清拭とおむつ交換を行う。同行の男性ベテランヘルパーさん(=センター長であり介護福祉士)、きっとはらはらどきどきだっただろう。わたしは、初めてにしては緊張はせずに、ただ自分の手順がまだまだ不慣れなことに気づいた。ふっくらされているので、清拭でも肌のしわを伸ばすように拭いてあげようと思うので、時間がかかってしまう。Mさん自身も、ベット上でまっすぐに体位を保てないので、手早く拭いてあげないとしんどいかもしれない。

 おむつ交換もやってみた。新しいおむつを差し入れるとき、体の中心に合わせることが難しい。人それぞれ体型が違うので、こしまわりのサイズを目測でよく測っておいて、おむつを当てなければならない。そういえば、今日は陰部洗浄のボトルが見当たらなかったので、お湯での洗浄ができなかった。気になるところだ・・・。

 食事は、親切にもご近所の方が作っておいてくださる。高齢で寝たきりのため、食事量はごく少なめ。小さなおにぎりが2個、用意されている。歯が弱いMさんのため、やわらかくゆでた野菜も小さく刻んである。旬の梨も、よく熟れていてやわらかめのものを選んでくださっている。全くの他人であってもここまでやってくださるのだ。古き良き時代のご近所付き合いを思い起こさせる。地域社会が共同で支えあっているというご近所付き合いだ。

 きっと、外で転倒される以前は、自分で歩いて外出しておられたのだろう。玄関先に手押し車が置かれている。自己で突然寝たきりとなってしまったMさん、ショックが大きいに違いない。わたしたちがお邪魔させていただいていても、無表情だった。ただ、食事を終えられて、少し眠たそうにされているので、手をさすって差し上げながら、「これから、週1度ですが、お世話させていただきます、少しずつでも良くなってくださいね。」と話し掛けていると、か弱いながらもMさんのほうからわたしの手をぎゅっと握ってくださり、とっても嬉しかった。

2000年10月20日(金)

 ひとりくらしのMさん(女性・86歳)宅。お昼の時間帯の訪問だが、電気もついていない部屋で、ベットに寝ておられる。まず、電気をつけてあげなくては。「明るくしてもいいですか。」とお伺いをたてる。ほとんど口を開くことがないので、意思を尋ねにくい。

 全身清拭・更衣・昼食の介助だが、見るからに食欲がない。ずっとベット上で休んでおられるだけといっても、もうすこし食べてほしい。昼食は親切なご近所の方が、朝のうちに作って冷蔵庫に届けてくださっている。食べやすいように小さなおにぎり、やわらかく煮たブロッコリー、小さく刻んだトマト。味噌汁の具も小さくきってある。それでも、朝に作ったものなので、冷たくなってしまっていて、味わいがない。ガスを止めてあるし、台所は使えないので、温めなおすこともできず、これでは口にはいらないだろうな・・・と。


2000年10月27日(金)

 ひとりくらしのMさん(女性・86歳)宅。わたしが訪問したときには、ちょうど、訪問看護婦さんも顔を出してくださっていた。2人で、情報交換をしながら、手早く全身清拭・おむつ交換など。こういった手順も、2人だととても早いし、心強い。

 ただ、事故で転倒されるまでのMさんは、自分で自分のことをできた人。店頭をきっかけにすべてを他人の手にゆだねなければならなくなってしまったショックは本当に大きいだろう。わたしたちがたずねていっても、本当に活力が無く、無口で、食事ほとんど喉をとおらない様子。

 このMさんのふさぎこんだ気持ちを何とかほぐして差し上げたい。

2000年11月3日(金)

 今日は祝日。祝日でもヘルパーの仕事には休みはない。

 しかし、わたしにはヘルパーの仕事を始める前からの、陸上競技大会の予定が入ってしまっている。おまけに全国大会で、2種目出場の日。しかしうまくしたもので、お隣の市の陸上競技場で開催、Mさん(女性・86歳)宅を往復しても、2種目とも走れてしまう。かなり時間的には大忙しだが、ベットの上で寝たきりのMさんが待っていてくれると思うと、仕事をキャンセルする気にはなれない。

 自分の予定(陸上競技大会)を1つ済ませ、2度の乗り換えのある電車をうまく乗り継いで、Mさん宅にはなんと予定の15分も前に到着。休日ゆえに、ご近所の親切にお世話されている奥さんもご在宅だろうと思い、挨拶のため訪問。お顔を拝見できてよかった、今日も親身になってMさんのことを気遣っておられるようだ。

  「天涯孤独なMさん。」という言葉を聞いた、ほんとうにお一人なのだ。昔のよき時代には、このようなお年寄りを、ご近所くるみで支えていたこともあったろうに・・・。それでもMさんのご近所の方々は親切なようだ。わたしがヘルプの仕事を終えて玄関先からおいとましようとしているとき、お隣の方に「ああ、ご苦労さんですね。」と声をかけてもらったこともある。みなさん、Mさんを気遣っていらっしゃるに違いない。

 一昔まえのご近所助け合いの気持ちの行き届いたころだと、歳をとってからだが不自由になったお年寄りをご近所がみんなして支えあったことだろう。ところが、都会化・小家族化・核家族化が進んで、みんな自分の生活に忙しくなってしまって、なかなかご近所を見渡すことすらできなくなってきている。自分自身も今までは、家の近所のお年寄りを気遣うことも無くすごしてきた。

 今この仕事をきっかけに、少しずつ視野が広がってきているのを感じる。

 それでも、今の時代の流れのなかで、Mさんは、明日からリハビリ施設のある病院に入院されることになったそうだ。自宅を離れるのは寂しいだろうが、施設の整った病院のほうが、リハビリやお世話も行き届くだろう。在宅介護の限界を考えさせられる。

Mさん
(男性・91歳) 
老夫婦2人の世帯で、ご主人がベット上の生活。リハビリのかいあって、一人でつかまり立ちまでできるように回復されてきておられるそうだ。
2000年11月10日(金)

 今日からまた、新しいサービス開始。Mさん(男性・91歳)。

 老夫婦2人の世帯で、ご主人がベット上の生活。リハビリのかいあって、一人でつかまり立ちまでできるように回復されてきておられるそうだ。それでも、一人では歩けないので、常時おむつを当て、ヘルパーがベットの横のポータブルトイレに移乗介助することになっている。

 奥様も高齢のため、当然、ご主人の車椅子移乗介助などの力仕事はできない。しかも軽い痴呆症状があるそうで、食事の調理なども含んだ「身体介護+家事援助」の複合型のホームヘルプだ。

 昼と夕方の時間帯にヘルパーがお邪魔させていただき、ご主人の身の回りのお世話と、買い物・食事つくりなど。奥様は、ヘルプサービスの対象ではないのだが、ご主人の介護疲れの緩和という意味でも、ヘルパーの役割は大きい。しかし、何もかもヘルパーがやってしまうのではなく、奥様の自立も継続するように。

 もうひとつ、金曜日にはデイにいかれるので、デイのお見送りとお迎えのサービスもある。

 実は他社からの引継ぎサービスで、わたしたちは複数(4名)のスタッフで、毎日のヘルプサービスを行うことになった。身体状況把握はもちろんのこと、食事つくりなどでも、連携が大切だ。家庭におかせていただく連絡ノートが頼りといったところか。

 わたしの担当は、金曜日のデイのお見送りとお迎えのサービスだ。ほかのスタッフは食事つくりが中心だが、わたしだけ時間帯が異なる。朝、9時〜10時にお伺いして、デイの身支度をしてお見送り。そのあとシーツ交換や掃除。午後3時〜4時にデイのお迎え。部屋着に着替えてもらう。

 今日は、咳き込まれていたため、デイでは入浴なしとのこと(デイからの連絡ノートによる)、手足が冷たくなっておられたので手浴・足浴をする。

2000年12月1日(金)

 Mさん(男性・91歳)のお宅にお邪魔させていただけるようになってはや1ヶ月。

 そのあいだにMさんの回復が進み、今日は、「部屋の中で歩く練習をしてみましょうか?」というわたしの呼びかけに対して、Mさんのやる気も出てきたようだ。

退院当初(半年前)は、つかまり立ちが何とかできる程度で、食事もベット上で介助あり、食べさせてもらっていたような状態のMさんだったのが、今日はなんと、わたしの両手につかまって、部屋内を歩いてくださった。

 朝に訪問したときは、デイサービスのお迎えを待っておられるときで、顔の清拭・おむつチェック・更衣介助と手順を踏むが、最近は手早く済ませられるようになり、座位保持の時間もあった。今朝はこの時間を利用して、部屋内1周の歩行練習ができた。

 午後からの訪問では、デイサービスから帰ってこられるのをお出迎えする。最近表情も明るく、気分もよさそうな様子が手にとるようにわかる。お疲れでないか様子をお尋ねして、「歩いて見ましょうか?」という呼びかけに対して、またもや応じてくださって、今回は部屋内3周!

わたしまでもが本当に嬉しくて、「Mさん、よかったですね、よくがんばりましたね、本当によかったよかった!」と半分嬉し涙だった。いつもいっしょにおられる奥さんも、本当に嬉しそう。

 これで、ベットからポータブルトイレへの移乗が自分でできるようになれば、奥さんの介護負担も大幅に軽減されそう。さらにうまくいけば、車椅子で外出もできそうだ。

 こんなふうに利用者の方が、目に見えてよくなってくださると、心から喜ぶことができる。

2000年12月8日(金)

 Mさん(男性・91歳)のお宅にて、今日も嬉しい出来事。
 部屋の中での移動に車椅子を使わなかった。

 先週は、部屋内で歩く練習はしたものの、デイの送迎スタッフに引き渡すのは車椅子だった。今週は、練習を積んで、ベットから玄関先まで、自分の足で(ヘルパーにつかまりながらではあるが)歩いていかれた。さすがに玄関からは、デイ側が用意して下さっている外出用の車椅子で、送迎車まで移動されたが、部屋の中では車椅子を使わなかったことは大きな変化。

 おまけに、デイから帰ってこられたときのこと。いつもは車椅子を用意して待っているのだが、今日はどうかな、歩いて部屋の中に帰ってこられるかな、お疲れだといけないので、玄関先で一度「車椅子を用意しましょうか?」とたずねるまもなく、ひざ高ほどもある玄関の上がりかまちにご自分から足を上げられた。さすがにこの高さはひといきでは上がらないようで、送迎スタッフとわたしヘルパーが支えさせていただいたが、そのあとは、私の手につかまりながらご自分の足でベットまで移動された

 なんと嬉しいことだろう、そのあとも、「お疲れではないですか?大丈夫だったら歩いてみませんか?」の呼びかけに対して、部屋の中1周。ベットの柵につかまって立位保持も。さすがに、デイのあとでお疲れが出ては、と思い、無理をし過ぎないように促して、休んでもらうことにした。
 奥さんも本当に喜んでくださった。これからますます寒くなってくるが、体調を崩されないよう、明るい春を迎えていただきたい。

2000年12月15日(金)

 Mさん(男性・91歳)のお宅。今日もデイ・サービスに出かけられる前の準備とお見送り、そしてお出迎え。退院して自宅に戻られた半年前には、食事もヘルパーが介助していたというが、今では歩くこともできるようになってきている。順調な回復ぶりをみせてくださるMさんだが、やはりデイに出かけた後はお疲れの様子で、すぐに横になられる。

 いつも手足が冷たいので、足浴・手浴や暖かいタオルで拭いてあげたり、さすって差し上げたりする。今日はベットに横になられたMさん、手をさすっているわたしに初めて尿意を訴えてくださった。奥さんと二人きりのときは、奥さんが尿器を用意して、ベット上で排泄されるそうだが、誰か人がいるときはそれは無かった。

たとえ実の娘さんでも、「娘がきていても、おしっこする、なんていいませんよ。黙ってるんです。」との奥さんのおはなし。わたしの仕事はもっぱら、おむつ交換と清拭(拭くこと)だったのだ。

 わたしはなんだか嬉しかった。Mさん、わたしに対して気持ちをうちとけて下さったようで。
 さっそく、ベット上で尿器を当て、その上から薄い掛け物をかぶせて、排尿をうながすよう声をかける。ここでわたしは、ひとつ失敗してしまった。いくらなんでも、他人が真横にいては、排尿などしにくい。しばらくして「もういいですか?」と声をかけても、「いや、まだ。出そうででん。」 この言葉ではじめて気がついて、隣の部屋にうつり、簡単な片付け物をすませる。もう一度声をかけたときには、「出たよ。」とのお答え。ああ、よかった、わたしがMさんのベットの隣にずっと居座っていたら、Mさん、おしっこしたくても出来ない状態だった・・・・「たくさん出ましたよ、よかったですね。」

 今日もまた、ひとつ勉強になった・・・新米ヘルパーでした。
 
Oさん
(女性・79歳)
身体介護というが、自宅近くの公園までの散歩の介助。
手押し車を押して、休憩をはさんで1時間、ゆっくり歩かれる。時には杖歩行も。
2000年11月13日(月)
 新規サービスにはいる。Oさん(女性・79歳)

 昼の2時から3時まで、身体介護というが、自宅近くの公園までの散歩の介助。

初めてお宅にお邪魔させていただいてびっくり、座った状態でお顔を拝見させていただくと、とてもお元気そう。脳梗塞と腰の手術で半年間入退院を繰りかえされていたとは思えないくらいお顔のつやもいい。「元気になって一人であるきたいから。」との本人の希望で、歩行練習のため週6日、ヘルパーを依頼されてきた。

 「一人であるきたいから。」という、そのやる気がすばらしい。今でも手押し車を押して、かなりしっかりした足取りで歩かれる。ただ、脳梗塞の後遺症で片手・片足がしびれつづけているそうで、長く歩きつづけることは難しい。本人も手押し車のバーにつかまっていなければたいそう不安なようで、横棒を握る両手にかなり力がはいっているようだ。初回の今日、45分かけて、途中1回の休憩を交えて、600mくらいだろうか、歩くことができた。杖歩行も40mくらいだろうか、歩かれる足取りはしっかりしている。すり足でもとぼとぼ歩きでもない。

 「背中が曲がっていませんか。」と本人も気にされているが、少し前かがみになってバーを押しておられるのだからしかたない。その両腕・両肩に力がはいりすぎているために、かえって腹筋・背筋で状態をまっすぐに保つことが難しくなっているようだ。今日は、肩とうでの力を抜いて、上体をリラックスできるように、声を掛けさせていただいた。

 介護保険の認定期間が来年の3月末までだそうだが、そのころまでには一人出歩けるようになりたいとの希望をもっていらっしゃる。かなり期待大、である。本人の不安さえ取り除くことができて、歩行練習によって筋力もついてくると、春にはお花見だって出かけられるだろう。

 無事、来春を迎えることができて、ヘルパーのお役ごめんになることを願う。

2000年11月16日(木)

 今日もOさん(女性・79歳)の散歩の介助。週6日の依頼だが、お昼間の一番暖かい時間帯を選んでいらっしゃるのは正解だと思う。わたしの担当は、月曜日・木曜日だ。

 今日、わたしが5分ほど前にお宅に到着したときには、もう、手押し車を出して、お隣の方と立ち話をされていた。わたしを待ってくださっていたと思うと、それだけで嬉しい。今日はまだ、昼間ぬくいほうなので、待っていていただいても体が冷える心配もない。

 「先に郵便局によっていきたい。」との希望で、ご一緒する。このあたり、わたしも地元で地理がわかっているので安心してご案内できる。郵便局で窓口から投函を済まされる間も、ほぼ、お一人で作業ができる。わたしが手を添えることは皆無だが、通行人や車などに気をつけて安全確保を肝に銘じている。

 そのあと、いつもの公園へ。前回よりも距離的に長くなっているが、しっかり歩かれている。公園のベンチでいっぷく、黒飴をご馳走になる。体が冷えないうち、帰路につく。さすがに帰りは少しお疲れの様子で、かかとを引きずり加減でもあるが、最後に自宅裏の道で再び杖歩行にチャレンジ。ご自分から、「杖で歩いてみるから、見てください。」といわれるので、心強い。前回と同じくらいの距離を歩いて、後、帰宅。ほぼ50分の道のりであった。

 昨日はあいにくと雨のため、歩行練習ができなかったそうだ。いい休憩になった、ともおっしゃっておられた。どうぞご無理をなさらないように、体の負担にならない程度に歩行練習を続けていっていただきたい。

(マラソンランナーでいうところの、「身体のうちからの声を聞きながら・・・。」というところか?)

2000年12月9日(土)

 朝一番のいつものお宅の訪問を終えて、土曜日の仕事はこれで終わり。。

と思っていたら、ヘルパーステーションからの電話。わたしが月・木曜日に入っている散歩の介助のお宅に行く土曜日担当のヘルパーさん、おなか痛で急きょの代役を探しているという。土曜の午後は自分の時間に充てているわたしだが、ステーションでも突然の代役探しは大変だろう、二つ返事で引き受けることにした。

 もともと自分の都合で、通常の日曜日の仕事を「引き受けできません。」(大切な趣味の時間に充てているため)と断っているので、なんとなく悪いような気がして、せめてお手伝いさせていただけるところくらいは何とかがんばりたい。

おまけにこれからの年末年始、主婦ヘルパーさんが家庭の事情でお休みされるところの穴埋めに、ピンチヒッターに行くことを申し出ることにした。今のわたしなら、お手伝いできるからだ。アルツハイマーの父は必ず誰かの見守りが必要だ、しかしヘルパーの仕事は、1〜2時間家を空けるだけで勤めることができるので、母親と交代できる。時間の都合をつけることができるので、ちょうどいい。

Tさん
(女性)
車椅子を押しての通院介助。
手足が不自由なわけではなく、呼吸器・心臓が弱っているため、長く歩くことができない。






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