娘のヘルパー日記



スタッフミーティング(2000年)
2000年12月24日(日)午後0時〜2時

<どこまで引き受ける?家事援助>

 介護保険が導入されてはや9ヶ月。世間で話題になっているのは、「どこまで頼める?家事援助」。おりしも先週の新聞に特集記事が載っていた。(あとの別掲資料参照)

 家族の分の調理、草むしり、ペンキ塗りなど、介護保険でヘルパーに頼むのは好ましくない家事援助サービスの事例だ。ところが、ヘルパー側からすると、利用者さんやその家族の方から頼まれると、断りきれないのが現状。

今日のミーティングでも、「どうやって断るか。」ではなくて、「どこまで引き受けるか。」が話題になった。

 奥様が介護保険の対象者であって、ホームヘルプサービスで家事援助に入るとき、奥様の分だけ調理するなんてことは実際出来ない。当然同居のご主人がいらっしゃれば、ご主人の分と二人分の調理をすることになる。この場合はまだ、わたしたちの手間や効率からしても納得できる。洗濯機に放り込まれた家族の分の洗濯なども同様に、柔軟に対応できる。

 今日のミーティングではこんな事例も報告された。利用者(ホームヘルプサービスを利用するかた、という意味)の趣味の手芸を手伝うことがある、というものだ。細かい手作業で、利用者さんの手に余るとき、「ちょっとやってください。」とおうちで頼まれるそうだ。やはり、頼まれたら断りきれない。ケアプランにもとずくその他のサービスを終えてしまって、まだ、担当時間が余っているときなど、なおさらだ。結局そのヘルパーは、疑問を感じながらもその手芸を手伝ったそうだ。

 自分だけが我慢(?)をしてそれをして差し上げて、利用者さんが心地よく過ごされるのならいいか、という気にもなる。しかし、そのような「介護保険でヘルパーに頼むのは好ましくない家事援助サービスの事例」をして差し上げた、という前例を作ってしまうと、あとから引継ぎで担当になるヘルパーさんをもまた悩ましてしまう。利用者さんは、「前のヘルパーさんは、何も言わずにやってくれていい人だったのに、次のヘルパーさんは、対象外だから、とかいってやってくれない。」と発言することもあるからだ。

 「対象外」のサービスをして差し上げて、利用者さんの言うところの「いい人」になって、自分自身も疑問を抱きつつ、後からくるヘルパーさんをも困らせるのか?それとも、きちんと自分で断って、「何よ、このヘルパー、不親切ね。」なんていうことになるのか?

 わたしたちも、教育を受けたヘルパーなので、「介護保険でヘルパーに頼むのは好ましくない家事援助サービスの事例」などはちゃんと理解している。すると、これらの事例をわかってくださっていないのは、利用者のかた?どうやって利用者の方に、サービス内容を理解していただくといいのだろうか?あまりきつい線引きみたいなのではなくて、やんわりわかっていただくように出来ないだろうか?家政婦とヘルパーの違いをわかってくださるには?

 わんやわんやの大騒動になりかけているヘルパーミーティングで、センター長(ヘルパーステーションのセンター長で、介護福祉士の方)が指針を出してくださった。介護保健サービス契約締結時に、メモ書きのような紙に書いて利用者さんに説明させていただく、とのことだ。介護サービスとはいえ、人対人、かたくるしい説明ではなくて、きちんとわかっていただくことが大切だろう。「介護」と名前はつくからには、何から何までお手伝いさせていただくのではなく、利用者さんの自立を促す方向でなくてはならないからだ。

<別掲資料:平成12年12月17日付読売新聞より抜粋>

<どこまで頼める?家事援助>
    〜介護保険対象外の事例まとまる
 家族の分の調理、草むしり、ペンキ塗りはお断りー。介護保険でホームヘルパーの頼むのは好ましくない家事援助サービスの一般的な事例がこのほど、厚生省から正式に示されました。ただし、お年よりの生活に欠かせないと判断されれば認められることもあります。サービスを希望する場合は、ケアマネージャー(介護支援専門員)やヘルパーの所属する事業者に事情をよく説明しましょう。

 《介護保険の家事援助に含まれない事例》
(厚生省による。一部略)

▼ 本人でなく主に家族のためにするものや、家族がおこなうのが適当なもの
・ 本人以外の洗濯、調理、買い物
・ 本人が使う居室等以外の清掃
・ 来客の応接(お茶、食事の手配等)
・ 自家用車の洗車・清掃

▼ ヘルパーがおこなわなくても日常生活を営むのに支障が生じないもの
・ 草むしり、花木の水やり
・ 犬の散歩などペットの世話

▼ 日常的な家事の範囲を超えるもの
・ 家具・電気器具等の移動、模様替え
・ 大掃除、窓拭き、床のワックスかけ
・ 室内外家屋の修理、ペンキ塗り
・ 正月、節句等の手間をかけた調理

※ なお、家事援助は基本的に本人のためにおこなう。基本的はサービス範囲は、掃除、ゴミだし、洗濯、アイロンかけ、ベッドメーク、衣類の整理・補修、調理、日用品の買い物、薬の受け取り等
※ これらは「あくまで一般的ケース」であり、絶対に介護保険でカバーし
てはいけない、というわけではありません。「お年寄りが生活する上で大切な家事援助なら、現場担当者の判断で介護保健サービスを提供してもかまわない。」と、同省では説明します。

 《足立区立基幹介護支援センター所長・根本明さんのお話》

「家族の下着が洗濯機に入っていたら、そのまま一緒に洗ったほうが効率的。厚生省の基本ルールから大きくはずれることは出来ないが、個別に柔軟に対応したい。」

《「東京ケアユニオン」相談員の杉本早美さんのお話》
「残念ながら、家族全員の食事を要求する例もある。ヘルパーに頼める仕事の範囲をぜひ知ってほしい。」

 《家事援助サービスの利用心得(根本さんによる)》
@ 介護保険の範囲外の事例に含まれるサービスでも、必要ならケアマネージャーに自分の希望を伝え、介護保険のケアプラン(介護サービス計画)に入れてもらえないか相談。

A @が無理ならNPO(非営利組織)、シルバー人材センターなどのサービスで代用できないか検討。余裕があれば家政婦などに頼むことも。

B 日ごろ近所付き合いを大切にしていれば、ちょっとしたことはヘルパーでなくても近所の人に頼める。地元の民生委員にも相談してみる。





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