身の回りの出来事



全盲のMさんのウインドーショッピング
(02年6月7日)
 わたしの友人に全盲の人がいる。Mさんという彼は、マラソンランナー。ガイドという伴走者と50センチばかりのロープで結ばれ、フルマラソンだってベスト記録3時間7分で走るし、270キロという山越えのウルトラマラソンもちゃんと制限時間内に走破している(2002年4月)。

 そんなMさんの最近の楽しみは、インターネットショッピングである。期せずして中途失明してしまったMさんは、20年来のパソコンフリーク。「オタク」と言われた時代からのパソコン通である。音声の出るパソコンを見事にブラインドタッチで使いこなし、最近ではインターネットオークションで、パソコン部品を品定めしている。

 オークションでは通常、商品説明とともに写真も大きなセールスポイントとなるのだが、Mさんは通常モニターをパソコンにつないでいない(見ることがないのだから、必要ないのである)。パソコンが音声で読み上げてくれる商品名と説明だけで、自分の必要なものを探し出す。というより、Mさんの選ぶ品物は相当なマニアでないと欲しがらないような部品だから、その品番だけで、事足りるのである。

 Mさんは語ってくれた。
 「僕ら、目が見えないから、この型番のパソコン部品が欲しい、と思ったら、家からタクシーでもとばして日本橋(=大阪の電気街)の店に行って、型番だけを告げて、それが高くても安くても買うことになっていた。」 つまり、選ぶ余地のない目的買いしか出来なかったと言う。

 「でも、インターネットだったら、いろんな商品が出ているし、これがだめだったら、次、また次、と品定めしていける。オークションだったら自分の予算も決めて買うことが出来るので、ちょっとしたウインドーショッピングみたいな感じ。ウインドーショッピングなんて、街中では絶対に出来ないこと・・・・」

 目が見えないということは、相当不自由であるし、しかも、あらかたの楽しみを自分のものにできない。が、昨今のIT革命とやらで、ネットショッピングが可能になり、Mさんは自分の趣味のパソコン部品を購入する手段が増えた。

 けれども、わたしの友人に女性の全盲の人だっている。女の子の場合はどうしよう?お洋服だってかばんだって、ウインドーショッピングさながらに品定めして買いたい。ネットショップで、写真が添付されている場合は、ほとんど詳しい説明が無いことが多い。写真を見ればデザインだって色だって、一目瞭然だからである。

 そのうち、ブラインドの人のための、より詳しい説明のついたネットショップも出来るかも?
 今後のさらなるIT革命の進化に期待してしまうのである。

 
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