移植Q&A 

 2002年の12月、TVと新聞の取材、シンポジウムへの参加の機会があったので、ちょっと過去を振り返ってみました。移植から3年が過ぎ、「これから1年1年を大事に生きよう」とか「やりたいことは後回しにせずやろう」といった当時の気持ちも忘れかけていました。今回、振り返ってみたことで初心に帰れたような気がします。

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Q.移植はあなたにとってプラス?マイナス?またその理由は?
A.プラス。若い時期の貴重な時間を奪われたことや、腎不全という重大な合併症を背負うことになったことはかなりマイナスですが、今生きていられることはそれ以上にプラスです。これからの人生の中で移植の経験を生かすことができれば、もっと大きなプラスにできると思います。
Q.移植直前の治療(前処置)の内容と、大変さについて

A.移植直前には、抗癌剤を2種類使い、さらに全身に放射線を照射しました。

 抗癌剤の副作用で、吐き気が数日間続いたのが辛かったです。あと、口の中や喉が痛かったので食べるのはもちろんのこと、飲むこともほとんどできませんでした。唾液すら飲み込まずに吸引していました。普段当たり前にできることができないのは辛いことでした。一番辛い時期は一日一日が長かったです。

 下痢も続きましたが、痛くなかったからそんなに苦痛ではありませんでした。髪の毛は大量に抜けました。でも、それ以前にも他の治療(インターフェロン)で抜けたことはありましたし、生きるか死ぬかという状況だったものですから、さほど気になりませんでした。
Q.骨髄液が移植されている瞬間の気持ちはどのようなものだったか?
A.これで自分は助かるんだとホッとしました。まだまだ油断できないということは知ってはいましたが、なんとなく安心感を覚えました。
Q.ドナーになってくれた方への気持ち。
A.すごく感謝してますし、今こうして元気に暮らしていることを伝えたいです。ドナーさんが「骨髄を提供してよかった」と思っていてくれればうれしいです。
Q.ドナーの方に手紙は書かれましたか?
A.書きました。ただ、書き上げるのにずいぶん時間がかかってしまいました。感謝の気持ちを文章にするとどうしても安っぽくなってしまうからです。
Q.台湾やアメリカの骨髄バンクが「移植後1年以上経過して双方が望めば」再会を許可しているのに対し、日本では匿名の手紙交換を移植1年以内の2回だけ(しかも検閲あり)とされている点についてはどうお考えですか?
A.日本の今のルールは厳しすぎではないでしょうか。名前や住所が特定されないという条件は付けながら、再会も認めてほしいと思います。
Q.医学を志したきっかけは何ですか?
A.中学生のときに白血病になり、自分で本を読んで病気のことを調べているうちに医学に興味が沸くようになりました。病気を知ることで病気に勝てるような気がしましたし、医師がとても頼もしい存在に思えて自分もそうなりたいと思ったのです。
Q.現在続けられている治療についてお聞かせ下さい。
A.移植後に腎臓が悪くなったので、腎臓を保護するために、血小板の働きを抑える薬や、血圧を下げる薬を飲んでいます。
Q.移植前と後で、精神的もしくは肉体的に変わったことは何ですか? 
A.弱者の立場で物事を考えるようになったと思います。自分では精神的に少しは変わったかなと思っているんですが、周りから「変わった」と言われないので、それほど変わってないのかもしれません。