E-listBBSSearchRankingBeautycareGo to Top


心肥大(心臓肥大)について

 

心臓肥大」とは、※心臓が通常より大きくなった状態をいい、主に高血圧が原因となります。
健康診断や成人病検診などで、胸部のエックス線検査を行った際に、心臓肥大が発見されることが少なくありません。

 

心臓は、ちょうどポンプのように働いている臓器で、心臓の筋肉(心筋)が収縮することによって、全身に血液を送り出しています。ところが、心臓から血液を送り出すとき、高血圧などにより、心筋に通常より高い負荷がかかると、この負荷に打ち勝つために、心筋が厚くなり、心臓肥大を起こすのです。心臓肥大が嵩じると、心臓が弱って、十分な血液を送り出すことができなくなる「心不全」を起こすことにもなりかねないので、注意が必要です。

 

全身から送られてきた血液は右心房を経て、右心室から肺に送られ、酸素を受けとって左心房から左心室に流れ込み、全身へと送り出されます。血液を送る原動力は心臓の収縮力です。血液を送り出す力を増すために、左心室の壁と心室中隔が肥大を起こしています。


心肥大のうち、弁が閉まらない状態(閉鎖不全)の場合は、障害のある弁の下流から上流にかけて血液が無駄に逆流してきますから、上流の部屋も下流の部屋も逆流する分だけ余計な仕事をしなければならなくなります(容量負荷)。心臓の部屋に容量負荷がかかると、その部屋は肥大や拡張をする事によって、仕事をこなそうとしますが、それが長く続くと、ついには仕事がこなせなくなります。これが心不全と言う状態です

 

心臓肥大の種類

 

心臓が大きくなるのは、心臓肥大のほか、「心臓拡大」もあります。
@心臓の壁が厚くなる場合(心臓肥大)
高血圧のように、心臓から血液が送り出される際、抵抗があると、心臓(左心室)の壁や隔壁(心室中隔)が均等に厚くなり、全体に肥大します。
また、大動脈弁や肺動脈弁が狭くなり(※
大動脈弁・肺動脈弁狭窄症)、心室からの出口が狭くなると、同じように左心室や右心室が肥大します。「※肥大型心筋症」のように、全体が均等でなく、心室の一部(中隔や心室の筋肉)が肥大することもあります。
A心臓の内腔(ないくう)が大きくなるなる場合(心臓拡大)
心筋炎のような心臓全体の炎症の後などに、心臓全体の壁が薄くなり、内腔全体が大きくなることがあります。「※
拡張型心筋症」がその典型です。

 

<例>大動脈弁・肺動脈弁狭窄症による心肥大とは


心臓の弁の開閉が悪くなる、心臓弁膜症の一種で、左心室と大動脈の間にある大動脈弁や、肺に行く肺動脈弁が狭窄していると、血液を送り出すために、強い力が必要になり、心筋が肥大します。

 

<例>拡張型心筋症による心拡大とは


 
心臓の壁が全体に薄くなり、血液を送り出す力が弱くなります。詳しい原因はわかっていません。

心筋に原因不明の変性と線維化をきたし、心腔の拡張と心収縮力低下が現れます。また、うっ血性心不全を生じ、最終的には難治性心不全に陥るため、現状では心臓移植の第1適応とされる疾患です。また不整脈による突然死や塞栓症の併発の症例もあります。
 診断は心エコー図、心血管造影などにより、心腔拡大、び慢性の心室壁運動の低下と心不全の兆候を測ります。ただし以下のものを除外します。虚血性心疾患、高血圧性心疾患、弁膜性心疾患、先天性心疾患、特定心筋疾患など、しかし肥大型心筋症からの移行、心筋炎後の発症などが問題とされているため、このような症例では十分な経過観察が必要となります。

◆治療法◆
1.原因不明であるため、原因療法はないので対症療法を行います。
2.十分な内科的治療を行います。その対象は心不全、不整脈、塞栓症予防の3点です。
3.あらゆる内科的治療が全く功を奏さない場合に心臓移植を考慮することになります。

 

<例>肥大型心筋症による心肥大とは

 

 原因不明の心筋疾患(特発性心筋症のひとつ)で、心臓の壁が内側に向かって厚くなる(肥大)為、左心室(時には右心室)の内腔が狭くなり心房から心室へ血液が流れ込みにくくなってしまう病気です。心臓のポンプ機能(収縮性)は良好です。心臓肥大を来す病気には高血圧や心臓弁膜症などがありますが肥大型心筋症ではこれらの原疾患が明らかでないのに肥大を来たします。主として左室と右室の間の壁(中隔)の肥厚が著明である場合が多く非対称性中隔肥厚と呼ばれます。肥大が高度で左室時に右室の血液が流れ出る道(流出路)が狭くなる場合、閉塞性肥大型心筋症と呼ばれます。また心筋の壁が厚くなる部位により心室中部閉塞性肥大型心筋症、心尖部肥厚型心筋症などと分類される場合があります。心臓超音波検査(心エコー法)が診断に有用です。

 平成11年の厚生省の調査では全国推計21,900人であり、10万人あたり17.3人でした。しかし、この調査は病院を受診した人であり、この病気は無症状の人が多いため、実際にはもっと多いと考えられています。男女比は2.3:1と男に多い。

◆原因◆

大半は未だ原因が分かっていませんが、最近、家族性肥大型心筋症の患者においてミ オシン重鎖、トロポニン、ミオシン結合蛋白などの筋節構成成分の遺伝子異常が報告 されています。また、C型肝炎ウイルス感染によってもおこることが最近明らかになりました。約50%に家族内発生が認められ、その場合は常染色体優性形式により遺伝します。

◆症状◆

 本症では大部分の患者さんが、無症状かあるいはわずかな症状を示すだけのことが多く、たまたま検診で見つかるとか家族内に同じ病気があって気付かれるとかが主です。突然死によって発見されることもまれではありません。
 症状があるときには運動したときの呼吸困難、胸の痛みなどのほか、閉塞型では運動時に呼吸困難やめまい、失神などが出現することがあります。これは左心室から血液が出てくる部分が狭くなっているため、運動したとき、全身に血液が充分送られないためです。聴診すると、血液が拍出されるときの雑音が聞こえます。不整脈を起こすと、一分間の心拍数200回以上の心室頻拍になるといわれています。心電図で心肥大や陰性 T 波などの所見が見られます。心エコー(超音波)検査がたいへん有効で、中隔部分の筋肉が厚くなっているのを見ることが出来ます。確定診断には、心臓カテーテル検査で心臓の内腔の圧を調べたり、心筋生検でその組織を見ることが行われます。

◆治療法◆

 軽症例では、とくに薬物治療は必要のないものもあります。しかし心臓が肥大しやすい体質があると考えられているため、心臓に負担をかけないことです。とくに激しい運動はよくありません。薬としては、左心室を拡がりやすくするためにβ交感神経受容体遮断薬やカルシウム拮抗薬を用います。この病気の人が心房細動という不整脈になると、心不全が急に悪化したり、塞栓症を生じたりするので、血をやや固まりにくくする抗凝固療法を加えます。また、突然死は重い不整脈によると考えられているので、不整脈を抑える薬も使われることがあり、植込型除細動器が必要となることもあります。また、筋肉の肥厚が強く、狭窄の著しい例では外科的に厚くなった筋肉を切除することも行われています。

◆経過◆

一般的に予後は良好ですが、時に急死を来たしたり又、心臓の内腔が拡張しポンプ機能(収縮性)が弱まってくる拡張型心筋症の様になる場合があり、心移植が必要となることもあります。

<例>スポーツ心臓とは

 スポーツ選手は昔から心臓が大きいことが知られています。ヘンシェン(Henshcen)が1899年にスキー選手の心臓陰影が大きいことを報告したのが最初と言われています。ある種のスポーツを長期間継続しているうちに、心臓の形態や機能が次第に変化してきたものをスポーツ心臓と呼びます。スポーツが長期間心臓に負荷を与えた結果、スポーツをおこなうのに適したように変化する適応現象と考えられています。スポーツ心臓の形態的な特徴は、肥大と拡張です。
 心臓肥大とは、心臓から血液を送り出すときに収縮する壁が厚くなることをいいます。普通は心臓から動脈血を送り出す部屋(左心室)の壁の厚さは12mm以下ですが、これを超えて厚くなるのをいいます。

 量挙げや砲丸投げでは、短い時間に強い筋力を発揮しますが、この時は血圧は大変高くなり、その血圧に耐えられるように心臓の壁が肥大してくるためと言われています(図)。息をつめて最大の筋力を出したときには、血圧は300mmHgを超えると報告されています。こような種目の選手では、心臓肥大がみられます。

 マラソンやスキーのクロスカントリーでは、全身を使う運動で、心臓は多くの血液を長期間にわたって送りださねばなりません。1回の心臓の収縮でたくさんの血液を送り出せるように、心臓が拡張して、心臓の容量(体積)が増加していきます。実際は肥大と拡張の両方の特徴をもったスポーツ心臓が多いようで、心臓の超音波検査でその特徴をとらえることができます。これらの心臓の形態の変化は、スポーツをやめると徐々に普通の人に近くなるので、スポーツに適応した結果と考えられています。


 スポーツ心臓の機能的な変化としては、徐脈(脈拍の数が遅いこと)などがあげられます。これは、マラソンなど全身持久性のスポーツ種目に多い変化で、安静時の脈拍が40台であることもまれではありません。この原因はよくわかっていませんが、心臓の容積が大きいので安静時の脈拍の数は少なくてすむことや、心臓の働きをおさえる自律神経である迷走神経の働きが大きいためと考えられています。実際運動をするときには、脈拍が普通は早くなるのが通常です。
 これらのスポーツ心臓は、スポーツに適したものですが、問題となるのはスポーツ実施中の事故につながる病的な心臓病との区別が難しいことです。たとえば、肥大型心筋症は原因不明に心臓が肥大して、スポーツ中に突然死をきたすまれな疾患ですが、スポーツ心臓との区別が難しい場合があります。心筋症ではスポーツは控えたほうがよいので、区別が重要になります。



(「戻る」を押してください。)