新・後輩への手紙(VIII)

Hitoshi Takano MAY/2011

試合中の時間の使い方など


前略  新入会の初心者のみなさん、札は覚えましたか?定位置はできましたか?実戦形式の練習にはなれましたか?
 しょっぱなから、質問攻めで申し訳ありません。
 今日は、すでに先輩たちから教わっているかもしれませんが。暗記時間の使い方を中心に試合中の時間の使い方と定位置について、私の経験事例などをもとにお知らせしたいと思います。

時間の使い方


<暗記時間(15分)>
 2〜3分で、自陣の札を並べる。並べ終わったら、自陣はほぼ覚えているような気持ちで覚えながら並べる。
 1〜2分で、敵陣にどんな札があるか、ざっくりと見る。特に目立つ札を目に焼き付けるような気持ちでチェックしておく。
5〜7分かけて、「むすめふさほせ」→「うつしもゆ」→「いちひき」→「はやよか」→「み」→「たこ」→「わお」→「な」→「あ」(はらきまりさしひけ)の順に、それぞれ敵陣の札、自陣の札と関連付けて覚えていく。
敵陣の札を順に見て、で関連付けたことを思い出す。2分前までやる。
2分前の合図が出たら、素振りをしていいので、素振りをする。素振りには二つの要素がある。
   i) 足の位置、構えの位置を確認しながら、距離感をはかる素振り
   ii) 暗記と関連付けての「こう攻めて、こう戻る」というようなイメージトレーニング的な素振り
 素振りが終わったら、再度暗記の確認を続ける。

<試合開始後>
・・序盤・中盤・・
パターン  ――札が読まれて、出札があった場合――
 札の並べなおしをして、札の移動があったときは、その移動した札の確認をまず行う。
 次に読まれた札と同音(もしくは同子音)の札を中心に確認する。出札下の句が読まれるまで、敵陣、自陣の関連付けで札の暗記をいれる。決まり字が変化した札は、変化した決まり字できちんと暗記をいれる。
パターン  ――札が読まれて、出札がなかった場合――
 読まれた札と同音(もしくは同子音)の札を中心に確認する。それまでに、札の移動(特に敵陣に送った札)の確認をする。さらに、自陣に送られた札の確認をする。出札下の句が読まれるまで、敵陣、自陣の関連付けで札の暗記をいれる。決まり字が変化した札は、変化した決まり字できちんと暗記をいれる。
・・終盤・・
 変化した決まり字で、狙い札(注目札)、その札の関連札を札をとるイメージを持ちながら暗記を繰り返す。お手つきには気をつけるべく意識しながら暗記をいれる。
 特に送った札、送られた札等は陣を間違えないよう暗記する。
 とにかく、暗記と札の確認に集中する。

 これにも、人それぞれのところがあり、各人の工夫があります。参考にしつつも自分の体験により、修正を加えながら、自分自身でもっともあう方法を見つけるようにしましょう。

定位置について


 先輩たちからいろいろと教わって、定位置表なるものを作ったかと思います。まずは、そこがスタート地点です。
 定位置については、以前にTOPICで「定位置の話」として取り上げていますので。それも参考にしてもらえればよいかと思います。
 しかしながら、最近気になるのは、けっこう似出して来ているように思えることです。もっと、各人の個性が出てもいいように思います。初期のころ、作りたての定位置で取って慣れることは必要ですが、適宜、自分自身の感性や個性や理論を取り入れて、進化させていき、他人とはことなる個性を充分に出してもらいたいと思います。
 初期の定位置表にこだわる必要はありません。いろいろ試してみて、工夫して変えていってください。  私が気になるのが、最近のうちのかるた会の定位置では、中段が長くなる傾向にあるのではないかということです。上中下段であれば、その三つでは中段が定位置として置く札が一番少なくてもいいと思っております。
 中段が長くて攻めにくいとか、自陣が取りにくいということがあれば、上段や下段に定位置を動かして工夫してみましょう。
 なぜ、中段が短くていいのかというと、自陣からの手の出し方の出しやすさの観点とは別に、相手方から見た攻めについての観点からです。
 上級者は出札のある段をきちんと攻めますが、初心者のうちは、二段払いなどざらにあります。そのとき、相手が二段払いをするとすれば、 中段+下段もしくは、上段+中段です。どちらにも中段が絡みます。しかし、中段が少なければ、上段と下段をひっくるめての三段を対象とした取りは普通はしてこないので、相手からの攻めが、上段メインと下段メインに二分されるというメリットがあるからです。
 攻めが二分されるという点では、当然左右の観点もあります。左右の場合、自陣を取る観点で考えてみましょう。練習を充分にして、左右同じように取れるようになる人もいれば、練習を重ねても右がやっぱり左に比べて早いとか、左が右より早いという人もいます。そういう時は、多少であれば、左右のバランスを適宜変えてもかまいません。これもひとつの工夫です。
 慣れるまでは、最初につくった定位置表に忠実でもかまいませんが、慣れてきたら、定位置は臨機応変に変化させてもいいというように考えてください。試行錯誤して、さまざまな工夫を定位置にくわえることで、定位置に個性がでてくるものと思います。

 今回は、試合における時間の使い方と定位置について書きましたが、みなさんとのお手合わせを楽しみにしておりますので、練習に励んでください。
草々


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