TOPIC   "番外編"

自   戦   記

〜慶應義塾職員名人戦第9期第一回戦(1)〜

Hitoshi Takano NOV/2012


                                       ENGLISH 

2012年11月10日(土); 於,三田婦人室
第9期慶應職員名人戦一回戦(初形図)

甲:高野五段                   乙:戎井三段
甲左下段 甲左中段 甲左上段   乙右上段 乙右中段 乙右下段
あふこ いまは     わすれ きみは あさぼう
あわじ       かさ おほけ なにはえ
あはれ       この ひさ みよ
ながか   なにし   あまつ   あけ
なげけ   おぐ      
かぜを   いまこ        
つき   ちぎりき        
             
    きみを      
    ながら      
    なげき       おも
  よも あらし       あひ
  かく みせ   あきか わがい なつ
  やえ みち     ひとは たれ
もろ はなさ       ひとも あきの
おおえ こころに       かぜそ みかの
甲右下段 甲右中段 甲右上段   乙左上段 乙左中段 乙左下段

1.暗記時間

 左下段が双方ともに多い。ここの攻防がポイントになるという予感を持ちつつ暗記を入れる。自陣の右下段が少ない分、右中段を攻められるのではないかと気になる。友札をわけたら次は、ここらの二字決まりあたりを送らなければならないと漠然と考える。

2.序盤

(1)「やす」空札。いきなりの「とも手」。戎井の手が完全に「やえ」に近く払っているが、浮くはずの手が遅れて彼の手にあたり、内側の札に触れてしまう。手を出さなければ相手の片お手にできたのだが…。この攻めを見て、彼のこの一戦にかける意気込みを感じた。
(2)「こころあ」空札。「こころに」に手を出す。
(3)「はなさ」。右中段を守る。先に一枚取れるとホッとする。
(4)「あらざ」空札。
(5)「きみがためは」。互いに「きみがためを」に手を出すものの聞き分けて敵陣右中段を払う。戎井の記録欄には「戻るも一歩及ばず」と記載。
(6)「うか」空札。
(7)「たち」空札。戎井「たれ」に手を出す。
(8)「わすら」空札。戎井「わすれ」に手を出す。
(9)「わすれ」。「わす」の連続。戎井右上段を守る。
(10)「こころに」。戎井の攻め「綺麗に抜く」と記録。「ひとは」を送る。2枚ずつの取り。この時は追いつ追われつの予感がしていた。
(11)「ひとは」。私の記録欄に「送り一発をキープ」。左下段をキープ。
(12)「ひさ」。「ひ」札が続く。敵の右中段を抜く。「いまは」を送る。
(13)「たご」空札。
(14)「ひとも」。はやくも三枚目の「ひ」。敵陣を左中段を抜き「あはれ」を送る。20対23。
(15)「なにはえ」。私の記録欄には「競りながらも抜く」とある。観戦子からはきわどかくみえたようだ。「ながか」を送る。
(16)「ちは」空札。
(17)「ありま」空札。
(18)「かく」。懸念の右中段を再び抜かれ「あきの」を送られる。戎井は「あきか」を「あきの」の位置に下げる。こういう札移動は「お手つき要注意」である。暗記をしっかりいれる。
(19)「いまは」。敵左中段を抜き、相手に攻められている自陣右中段から「よも」を送る。
(20)「む」空札。
(21)「ちぎりき」。記録欄には「浮き札をキープ」。「浮き札って言うな!」というのが個人的感想。私にとっては、ここにあるべくしてある定位置なのだ。この位置は、戎井の手とよく交錯するのだが、このときは問題なかった。狙ってなかったのだろう。
(22)「なにはが」空札。
(23)「つき」。「手堅くキープ」と記録。自陣の左下段の札を確保できるのは大きい。
(24)「かぜそ」。「かぜ」のわかれである。敵陣左中段を抜く。出がいい。15対22と7枚差。
(25)「おぐ」。再び「浮き札をキープ」。
(26)「いまこ」。三度目「浮き札をキープ」。ここを連取させてもらえるのは大きい。
(27)「きみがためを」。戎井がはやく反応するも隣の札しか触れず「払い残しをキープ」。7連取。うち直近5枚は空札なしでの連取。勢いが乗ってきている。
(28)「あけ」。敵左陣を払ってしまう。戎井が右下段で取る。
(29)「ながら」。空札なしの7枚連続の出。自陣上段の「ながら」を攻めの途中で聞き分けたうまい取りをみせる。記録には「分かれをキープ」。
(30)「おおえ」。自陣右下段を守る。

 序盤30枚目までで、19枚の出。出がいいということは展開も早いということで、10枚対21枚。ダブルスコアをこえての11枚差のリード。意外な展開だった。こんなに連取できるとは思ってもいなかった。これから、相手も守りにはいってくることが予想される。敵の堅陣を抜けるかどうか。しかし、あわてることはない。お手つきして相手にチャンスを与えることこそ気をつけなければならない。お手つきをするくらいなら取られたほうがましという気持ちで中盤にはいる。

3.中盤

(31)「おも」。記録には私のほうに「少し揉める」、戎井欄に「押さえ手でキープ」。はやく指先が届き「はいった」と思ったので主張した。審判に聞いたら戎井の取りとのことだった。審判がいるとあとに引かずに次に集中できる感じがする。
(32)「ほ」。空札なしで10枚連続の出。戎井「押さえ手でキープ」。連続で左下段を守られる。
(33)「こぬ」空札。やっと空札がでたという感じである。この展開だと出も連続なら、空札も連続ということがあるので、一枚一枚でしっかりと集中を続けないと落とし穴にはまることもありうるので要注意。
(34)「みかの」。またまた戎井に左下段を守られる。「速くキープ」と記録。
(35)「あさぼらけう」。敵陣右中段を取り、「みち」を送る。攻めたい札だ。
(36)「あし」空札。
(37)「みかき」空札。戎井「みかのがあった場所に手を出す」。
(38)「たか」空札。
(39)「わたこ」空札。
(40)「せ」空札。
(41)「わがそ」空札。戎井「わがいに手を出す」。6連続空札。
(42)「あふこ」。左下段を「気迫のこもった一枚」と記録される取りで抜かれる。戎井も守るばかりではない。攻めるところは攻めてくる。「たれ」を送られる。
(43)「もも」空札。戎井「もろに手を出す」。攻めてる。
(44)「よも」。戎井の記録欄には「連取」とある。守られている。
(45)「なつ」。戎井「自陣を連取」。9枚対15枚。6枚差までつまってきた。そろそろ取りたい。
(46)「たき」空札。戎井「たれに手を出す」。
(47)「やまが」空札。高野「やえに鋭い反応」。ひびくも出ず。
(48)「たま」空札。戎井「たれに手を出す」。攻めに来ている感じがびしびしと伝わる。
(49)「わがい」。やっと敵陣左中段を取る。戎井「反応するも取れず」。「なにし」を送る。
(50)「あさじ」空札。
(51)「うら」空札。
(52)「こひ」空札。
(53)「あはれ」。戎井「上段を押さえるも出札に触れず」。札を送ったら、自分が札に触れてませんかとの「?」。札押しで自分が取っていると主張。審判に確認し、私の取りとなった。相手が攻めに来ている「たれ」を送る。
(54)「あまの」空札。「互いにあまつに反応」。
(55)「ゆう」空札。
(56)「みせ」。「落ち着いてキープ」。自陣上段をうまく取った。
(57)「きり」空札。戎井「きみはに反応」。
(58)「あまつ」。「札直でしっかりと抜く」。「あはじ」を送り、5対15と再び二桁の差に。ここから終盤戦突入となる。


続きを読む
第9期慶應職員名人戦短評へ〜
他の自戦記を読む

次のTopicへ        前のTopicへ

トピックへ
トピック-“番外編”-へ
ページターミナルへ
慶應かるた会のトップページへ
HITOSHI TAKANOのTOP PAGEへ

Mail宛先