No. 29
Titre
L'amoureux de Madame Maigret
邦題名
(翻訳名)
メグレ夫人の恋人
執筆記録
Rédaction
1938年7月、ラ・ロシェルにて
La Rochelle; Juillet, 1938
参照原本
Éditions
短編集「メグレの新事件簿」所収
ガリマール社版、1985年10月
"Les nouvelles enquêtes de Maigret"
Éditons Gallimard ; Oct.1985
ISBN : 2-07-025970-6
邦訳本 長島良三・訳、1986年8月
偕成社文庫「メグレ警視の事件簿2」所収

(←)
短編集「メグレの新事件簿」
ガリマール社版、1985年10月
"Les nouvelles enquêtes de
Maigret"
Éditons Gallimard ; Oct.1985




                
         偕成社文庫版(⇒)
      「メグレ警視の事件簿」
              第2巻所収
            1986年8月刊

物語の季節
Saison
 6月。暑くて晴れわたった天気が15日間も続いて、大通りのカフェでは
上着を脱いでチョッキ姿になった人たちが外のテラスのテーブルについて
ビールを飲んでいる。警視庁内でも夏のバカンスの話が持ちきりである。
(On était en juin. Le temps était partuculièrement chaud et toute
la P.J. ne s'entretenait que des vacances; Chap.1er)
メグレの状態
Son état 
 結婚して20年経っていて、メグレ夫妻は数年前からヴォージュ広場に
面した古いアパルトマンの3階に住んでいる。
事件の発端
Origine
 大した事件もなくいつもより早めに帰宅して夕食をすませたメグレは気
持のいい窓辺にすわってパイプをふかし、ヴォージュ広場の夕暮れの景
色をながめていた。ふと広場の中にある公園のベンチにいつも見かける
老人がじっと座っているのが見えた。その男のことは毎日のように長い
時間ベンチに座っているので夫人も気にするようになっていたのだ。メ
グレは夫人をからかって「メグレ夫人の恋人」と名づけていたが、公園を
閉める時間になってもその男は身動きしない。管理人が近づいて声をか
けたところ、男は身をくずして倒れ、すでに死んでいることがわかった。
一部始終を窓から見ていたメグレは、急いで部屋を出て公園に走った。
表題の意味
Ça veut dire
 かれこれ2週間くらい前から毎日のように公園に出入りする老紳士の
行動が普通じゃないとメグレ夫人が言い出してから、メグレも気をつけ
るようになった。冗談で「メグレ夫人の恋人」と呼び、毎日その話を忘れ
ずに聞くようになったのだ。(Et Maigret … n'oubliait jamais de demander
des nouvelles de celui qui était devenu, dans leur langage, l'amoureux
de Madame Maigret; Chap.1er)
ラビッシュの喜劇
Comédie de Labiche
 公園のベンチから始まる男女の恋愛の顛末を「ラビッシュの喜劇のよう
な」と表現した部分が出てくる。日本ではほとんど知られていないが、ウ
ジェーヌ・ラビッシュEugène Labiche (1815-88) は19世紀後半に活躍し、
コメディ・フランセーズなどで千回以上の公演があったドタバタ喜劇の人
気作家である。「イタリアの麦藁帽子」(Un chapeau de paille d'Italie)な
どの代表作のほか170本を超える劇作品があり、現在でも上演されるこ
とがある。(雲野先生のお話による)

各 章 の 表 題 と 場 所
Table de matière et les lieux cités
1 (半月前から続く古くさい冗談)
(La plaisanterie classique depuis quinze jours)
ヴォージュ広場 Place des Vosges, 4e
2 (3〜4人の商店の女とのおしゃべりに夢中なメグレ夫人)
(Mme Maigret en conversation animée avec trois ou
quatre commères)
ヴォージュ広場place des Vosges, 4e
オルフェーヴル河岸quai des Orfèvres, 1er
トゥルネル河岸quai des Tournelles, 4e
3 (家政婦に化けた良家の令嬢)
(Une jeune fille de bonne famille qui joue la domestique)
ヴォージュ広場place des Vosges, 4e
オルフェーヴル河岸quai des Orfèvres, 1er
4 (編み物というもう一つのアイデア)
(L'idee aussi du crochet)
ヴォージュ広場 Place des Vosges, 4e

警察関係者の動向
Situation de collègue

エブラール医師 Dr.Hebrard : 司法解剖の担当医。コメディ・フランセーズの初日に出かけていたが、呼び出されて被害者の検死に取り掛かる。
事件にかかわる登場人物
Personnages dans l'affaire
ボリス・クロフタ Boris Krofta : 東欧の某国政府(おそらくチェコかハンガリーだがはっきりしない)の後ろ盾を受けて輸出入の仕事をしている。メグレの住まいの近隣に住む。45歳くらいで上品な物腰で洗練されたフランス語を話す。

オルガ・クロフタ Olga Krofta : ボリスの妻。美しい貴婦人のような態度。

リタ Rita : クロフタ家の若い家政婦。昼は公園で子供たちのお守りをしている。

レキュイェ夫人 Mme Lécuyer : ヴォージュ広場に面したアパルトマンの管理人。

リュシアン Lucien : アパルトマンの最上階に住む作曲家。

オーギュスチヌ嬢 Mlle Augustine : アパルトマンに住む洋裁師。メグレ夫人の友人。


メグレ警視
のパリへ
メグレ警視の全邦訳文献リスト
メグレ警視の
履歴書へ
関連サイト&
相互リンクへ