No. 39
Titre
L'Homme dans la rue
邦題名
(翻訳名)
街中の男
執筆記録
Rédaction
ニゥル・シュル・メール(ラ・ロッシェル近郊)1939年
Nieul-sur-Mer, 1939
参考書籍
Éditions
プレス・ドラ・シテ社版「メグレとしっぽのない子豚」
所収
Recueilli dans le Maigret et les petites cochons
sans queue, Presses de la Cité; 1997.05
ISBN: 2-265-05758-4
邦訳本 長島 良三・訳、ハヤカワミステリ文庫、1985.04

(←)
プレス・ドラ・シテ社版
「メグレとしっぽのない子豚」
1997年5月刊
Maigret et les petites cochons
sans queue,
Presses de la Cité
Mai, 1997

                
    早川書房 1985年刊 (⇒)
    ハヤカワ・ミステリ文庫
    「街中の男」

物語の季節
Saison
おそらく1月末から2月の厳寒期。日本では大寒といわれる季節。パリでは
普通マイナス5〜8度くらいになる。場合によっては日中でも零度前後で寒い。
前日降った雨が夜のうちに凍結してすべりやすくなる。路面の氷が細かい粉
のようになって風に舞ったりする。
(Il gelait sur Paris. A sept heures et demie du matin, la ville était livide, le
vent faisait courir au ras du sol de la poussière de glace.)
メグレの状態
Son
état 
あやしげな行動の男に対する体力・気力の限界までに至る尾行が何日も続く。
夜中もまともに眠らずに見張るため、メグレとその部下たち、そしてその男も含
めて全員風邪をひいてしまう。(Ils avaient tous deux attrapé un rhume, et
tiraient leur mouchoir en cadence.) 鼻を真っ赤にしながら洟をひっきりなしに
かんだり、くしゃみを連発する。立ち寄った先のカフェバーなどで風邪封じのグロ
ッグ(ラム酒のお湯割り)を飲む。(Maigret s'est mis à boire des grogs pour tuer
le rhume.)
事件の発端
Origine
じっとしていると凍りついてしまいそうな厳冬の朝。ブローニュの森の北入口近く
で殺人事件が起きた。夜のうちに若い医者が銃で撃たれたのだ。メグレは一計
を案じてちょうど地下鉄のスリ現行犯で捕まえた男を容疑者に仕立てて実況検
分を行い、それを見物に来た人間の中から関係者を洗い出そうとしたのだ。
手分けして追跡した数人のうちで一人の身なりのきちんとした男がいた。こうし
てパリの街をぐるぐると歩き回る男に対する5日5晩かかった伝説的な尾行劇が
始まる。
表題の意味
Ça veut dire
「街中の男」がそのまま最もピッタリする訳題である。別の訳者に「街を行く男」と
いうのもあるが、これもまた意を得たタイトルである。発表当時は「街中の囚人」
(Prisonnier dans la rue)という題だったが、尾行されて刑事たちを撒こうとしても
撒けなかった男がパリという街の檻の中に囚われたと考えられたのかもしれな
い。あえてネタバレぎりぎりの所で言うなら、この行動を支えたものは「愚直な男
の愛情」だろうか。

各 章 の 表 題 と 場 所
Table de matière et les lieux cités
ブローニュの森 Bois de Boulogne
バガテル門 Porte de Bagatelle
リシャール・ワラス大通り(パリ隣接のヌィイ・シュル・セーヌ市)
boulevard Richard-Wallace, Neuilly-sur-Seine
オルフェーヴル河岸Quai des Orfevres, 1er
ロシュシュアール大通りBoulevard Rochechouart, 9e
ポルト・ドーフィヌPorte Dauphine, 16e
オペラ広場Place de l'Opera, 8e
クリシー広場Place Clichy, 9e
ブランシュ広場Place Blanche, 9e
北駅Gare du Nord, 10e
ラ・シャペル大通りBoulevard de la Chapelle, 10e
ストラスブール大通りBoulevard de Strasbourg, 10e
モンマルトル街Rue Montmartre, 2e
芸術橋(ポンデザール)Pont des Arts, 1er
モーベール広場Pace Maubert, 5e
ラ・ポンプ街Rue de la Pompe, 16e
グラン・ゾーギュスタン河岸Quai des Grands-Augustins, 5e
サン=ジェルマン大通りBoulevard Saint-Germain, 5e

警察関係者の動向
Situation de collègue
ジャンヴィエ Janvier : 尾行した身なりのいい男があやしいと連絡してくる。

リュカ Lucas : 毎朝ブローニュの森を散歩する老人をつける。それとは別に重要参考人を担当する。

トーランス Torrence : 牛乳屋の配達員に扮装して現場に張り込む。若い男を追いかけるがシャンゼリゼの店員とわかる。本命と思われる男のほうの尾行に交代してあたる。
事件にかかわる登場人物
Personnages dans l'affaire
エルネスト・ボルムス Ernest Borms : ウィーン出身の美貌の青年医師。富裕層が暮らすヌィイ地区で開業。

ニコラス・スラートコヴィッチ Nicolas Slaatkovitch : ポーランドのクラコフ出身とホテルの宿帳に書いた謎の男。

ステファン・ストレフスキ Stephan Strevzki : ワルシャワ出身の建築家。34歳。

ドラ・ストレフスキ Dora Strevzki : ステファンの若妻。ハンガリー出身。


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