No. 52
Titre
Maigret et l'inspecteur Malgracieux
邦題名
(直訳名)
メグレと無愛想な刑事
Rédaction St. Andrews, Canada; 1946.05.05
Éditions Presses de la cité #7; 1996.01
ISBN : 2-265-05769-X
邦訳本 新庄嘉章・訳、早川書房、1957
ハヤカワ・ポケット・ミステリ#370; 1994.03.31
ISBN: 4-15-000370-X

(←)
プレス・ド・ラ・シテ社版
1996年1月刊のもの
Édition: Presses de la Cité;
1996.01
            (左側→)
ハヤカワ・ポケット・ミステリ版
      #370; 1994年3月刊

            (右側⇒)
   ルースタルの挿絵による
  オムニバス社のカルネ版
     2002年10月刊のもの
        Série Carnets
   illustrée par J. Loustal
   chez l'Édition Omunibus
         Octobre, 2002

物語の季節
Saison
 夏の夕立のような強い雨粒が窓ガラスを叩き、流れ落ちる10月の夜。
(Au début de l'hiver précédent --- c'était en octobre, et il pleurait
aussi cette nuit-là ; Cap.1)
後半にはじとじとした「万霊節の頃のような」糠雨が降る。(Il --- mangea
de bon appétit en regardant la pluie qui tombait toujours comme un
matin de Toussaint.; Chap.2)
メグレの状態
Son état 
当直の甥のダニエルから娘が学校から帰宅したときの話を聞く。身内
が警察にいることが初めてわかる。日本で言うところの110番に詰め
てみるのも新任警察官の大事な勉強だと言いつつ、彼自身も時折顔を
出す。メグレは例によって、本庁にじっとしていて捜査の進行を見守る
よりも自分から現場に出向いて捜査に加わるほうを好む。
事件の発端
Origine
 欧州各国を股にかけた詐欺師を追いつめたところで、彼についての
情報がロンドン警視庁から届くのを待ちながら、メグレは庁舎の向い側
の救急警察隊(Police-Secours)に顔を出した。その夜は甥のダニエルが
当直で、パリのあちこちから事故や喧嘩の通報が次々と入ってくる。
すると突然モンマルトルの一角にある緊急電話ボックスから警察をのの
しる男の声が聞こえ、その直後に銃声がした。至急メグレは現場に駆け
つけるが、雨のなか男が倒れていて検死が行なわれていた。その男
の住まいは目と鼻の先なので、ロニョン刑事と一緒に知らせに行くが、
電話口でわざわざ自殺するような男ではないのが気になって・・・
表題の意味
Ça veut dire
 「無愛想な刑事」とは同僚からいつも番犬のように気むずかしい性格
のロニョン刑事につけられたあだ名である。(Lognon, que ses collègues,
parce qu'il était toujours d'une humeur de chien, appelaient l'inspec-
teur Malgracieux; Chap.1)
 事件が起きると本来は現場付近の警察署が担当し、その報告を受
けてから警視庁が担当するかどうかを判断するが、彼はいつも冴えな
い風体ながら手柄を立てて本庁に取り立てられることを望んでいる。
従ってメグレたちが直接手を出すことを極端に警戒し、餌を横取りされ
るような被害者妄想を顕わにする。「警視は私をこの事件の担当から
はずすつもりですか!」「いや、とんでもない。君が手がけた事件なんだ
から最後までやってもらうよ。」というような会話が至る所に出てくるが、
メグレは彼の粘り強い仕事ぶりに一目置いて暖かい目で見ている。

各 章 の 表 題 と 場 所
Table de matière et les lieux cités
1 警察人生を何よりも好む男
Un monsieur qui n'aime pas plus la vie que
la police
オルフェーヴル河岸 quai des Orfèvres, 1er
ダムレモン街 rue Damrémont, 18e
コーランクール街 rue Caulaincourt, 18e
ラマルク街 rue Lamarck, 18e
2 ロニョン刑事の不運と打たれ強さ  
Les malchances et les susceptibilités de
l'inspecteur Lognon.
オルフェーヴル河岸 quai des Orfèvres, 1er
リシャール・ルノワール大通り
boulevard Richard Lenoir, 11e
コーランクール街 rue Caulaincourt, 18e
ラマルク街 rue Lamarck, 18e
3 おとなし過ぎる借家人の女といわくつきの男
Une locataire trop tranquille et un
monsieur pas né d'hier
コーランクール街 rue Caulaincourt, 18e
ラマルク街 rue Lamarck, 18e
オルフェーヴル河岸 quai des Orfèvres, 1er

メグレ警視の事件に明記された店舗・施設(*印は実在のもの)
Les Bonnes Adresses reconnues du commissaire Maigret
ブラッスリ・ドーフィヌ
Brasserie Dauphine
パリ警視庁の近くにあるブラッスリ。今回は例によって
ビールとサンドウィッチの出前を頼む。
ドーフィヌ広場 Place Dauphine, 1er
シェ・マニエール
Chez Manière
モンマルトルの丘の北側にある瀟洒なレストラン
コーランクール街 Rue Caulaincourt, 18e

警察関係者の動向
Situation de collègue
ジャンヴィエ Janvier : 詐欺師を交代で訊問する。殺し屋スタンの事件の関係者を思い出す。

リュカ Lucas : 国際手配の詐欺師をホテルまで追いつめて張り込む。

ロニョン Lognon : 無愛想(le malgracieux)というあだ名のついた刑事。いつも事件で目覚しい手柄を上げて本署に登用されるようになりたいという野心を持っている。

ポール医師 Dr.Paul : 法医学研究所の司法解剖担当医師。メグレとは親しい。大の演劇ファン。死んだ男の胃の内容物と健康状態を報告してくる。

ダニエル Daniel : メグレの甥。救急警察隊(Police-secours)に勤務。当直で事件にかかわる通報を受ける。

ダンボワ Dambois : 18区警察署のダムレモン分署の巡査長。緊急電話からの通報で現場に駆けつける。

マルサック Marsac : 自殺した男の身内の外出を尾行する18区の刑事。

ムルス Moers : 鑑識課員。
事件にかかわる登場人物
Personnages dans l'affaire

ミシェル・ゴルドファンジェ Michel Goldfinger : 38歳。ダイヤモンドの取引人。

エヴァ Eva: ゴルドファンジェの妻。

マティルド Mathilde : エヴァの妹。保険会社のタイピスト。姉夫婦のもとに同居。

ランジュヴァン医師 Dr. Langevin : エヴァの主治医。

コモドール Commodore : 国際手配の詐欺師。クラリッジ・ホテルに滞在中。

マリアーニ Mariani : 元パリ警視庁の刑事。


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