No. 64
Titre
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Maigret en meublé
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邦題名
(直訳名)
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メグレ夫人のいない夜
(下宿のメグレ)
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執筆記録
Rédaction
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米国コネチカット州レイクヴィル
Shadow Rock Farm, Lakeville,
Connecticut, USA ; 1951.02.21
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参照原本
Éditions
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Livre de Poche #14226; 1999.11
ISBN : 2-253-14226-3
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邦訳本
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佐宗 鈴夫・訳、河出書房#21、1983.11
ISBN: 4-309-70921-4
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(←)
リーヴル・ド・ポッシュ社版
1999年11月刊のもの
Edition: Livre de Poche #14226
1999.11
(⇒)
河出書房新社新装版
1983年11月刊
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物語の季節
Saison
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4月の終わりと思われる。マロニエの葉も繁り、午後7時になっても太
陽は高く輝いていて、帰宅した人たちは宵の口をテラスに出てくつろぐ。
春真っ盛りの頃である。(- - - vers sept heures, alors que le soreil
était encore brillant.- - - C'était un des premiers soirs à sentir le
printemps, et il y avait des gens à toutes les terrasses; Chap.1)
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メグレの状態
Son état
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夫人がアルザスに住む妹オルタンスの手術の看護に呼ばれて2日に
なる。臨時で独身になったメグレは、自由に羽根を伸ばせるかと思う
のだが何となく気が抜けてしまって身体を持て余している。(Il ne savait
que faire de son grand corps.; Chap.1)
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事件の発端
Origine
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夫人がいないなら事件が起きて忙しくてもいい、と思ってみたが、簡単
なキャバレー強盗をジャンヴィエ刑事が追いつめている程度で、メグレ
は一人で映画に行く。誰もいない家に帰宅すると電話が鳴り、ジャンヴ
ィエが銃で撃たれて病院に担ぎ込まれたという。幸い一命は取り留め
たが、口もきけず誰になぜ撃たれたかがわからない。彼は容疑者を追
って下宿屋の前でその夜張り込んでいたのだ。メグレは荷物を持って
その下宿屋に乗り込み、ジャンヴィエを撃った犯人を割り出すために
泊り込むことにした。そこは肉付きのいいクレマン嬢が切り盛りする館
で、様々な人物が起居するところだった。彼女の話によれば「みんない
い方たちばかりですの」というが・・・
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表題の意味
Ça veut dire
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「ムブレ」(meublé)はフランス語で家具の備わった貸間のことを指す。一
口で言うとベッド・箪笥・机や台所の調理器具、そして冷蔵庫、洗濯機、
テレビなどを含む場合もある。すぐに生活ができる手軽さがあるが、賃貸
のマンションよりもその分だけ家賃が高い傾向がある。日本でも昔から
「下宿」という部屋貸しの形態があって、食事の提供の有無もあるが、こ
の事件でのクレマン嬢の館は下町風の環境にあって、日本の下宿に通
じる家主と間借り人たちの生活ぶりや人間関係が細かに描かれている。
(C'est une drôle de maison, vous verrez; Chap.2)最後にはすっかり居
着いてしまったメグレの様子に、夫人が電話でからかうように「明日の晩
には帰るけど、嬉しくなさそうね」と皮肉を言う。(je rentre ---- demain
soir... On dirait que cela ne te fait pas plaisir ....; Chap.6)
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各 章 の 表 題 と 場 所
Table de matière et les lieux cités
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1
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いかにメグレが独身の夜を過ごし、いかにコシャン
病院で夜が明けたか。
Comment Maigret passa une soirée de célibateur
et comment elle se termina à l'hôpital Cochin.
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オルフェーヴル河岸
quai des Orfèvres, 1er
シャトレ広場 place du Châtelet, 1er
バスティーユ広場 place de la Bastille, 4e
ボンヌ・ヌーヴェル大通り
boulevard de Bonne-Nouvelle, 2e
リシャール・ルノワール大通り
boulevard Richard-Lenoir, 11e
サンジャック街 rue Saint-Jacques, 5e
ゲー・リュサック街 rue Gay Lussac, 5e
ローモン街 rue Lhomond, 5e
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2
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今度はメグレがクレマン嬢の《魅力的な》下宿人に
なること、そしてある程度の情報が必要となること
Où Maigret devient à son tour un "charmant "
locataire de Mlle Clément et où il faut un certain
nombre de connaissances
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リシャール・ルノワール大通り
boulevard Richard-Lenoir, 11e
ローモン街 rue Lhomond, 5e
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3
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冷えたビールへの思いが重要な役割を果たすこと、
そして予期せぬ場所でメグレがクレマン嬢の下宿
人を見つけること。
Où l'evocation d'un verre de bière fraîche joue
un rôle important et où Maigret découvre un
locataire de Mlle Clément dans un endroit
inattendu
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ローモン街 rue Lhomond, 5e
ムフタール街 rue Mouffetard, 5e
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4
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訊問が明らかにするものと、その間メグレが一度も
怒らないこと
Qui relate un interrogatoire au cours duquel
Maigret ne se fâche pas une seule fois
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オルフェーヴル河岸
quai des Orfèvres, 1er
サン=ルイ=アン=リル街
rue de Saint-Louis-en-l'île, 4e
フォーブール・サン=ジャック街
rue du Faubourg Saint-Jacques, 14e
ローモン街 rue Lhomond, 5e
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5
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メグレが仕事をしていると思いこむために沢山のメ
モをとること、そしてクレマン嬢がいつも思いやりを
示すわけではないこと
Où Maigret prend des quantités de notes pour se
faire croire qu'il travaille et où Mlle Clément ne
se montre pas toujours charitable
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ローモン街 rue Lhomond, 5e
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6
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無防備にベッドに横たわる女性と冷徹な態度の警
視が問題となること
Où il est question d'une femme sans défense
dans un lit et d'un commissaire qui devient
féroce
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ローモン街 rue Lhomond, 5e
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7
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メグレがかつて一度だけ屠殺したことのある鶏のこ
とを思い出すこと、そしてクレマン嬢が犯人に出会っ
てひどく取り乱したこと
Où Maigret se souvient de l'unique poulet qu'il a
égorgé et où Mlle Clément est fort émue d'avoir
rencontré un assasin
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ローモン街 rue Lhomond, 5e
ムフタール街 rue Mouffetard, 5e
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8
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リュカ警部がある美談の記録を取ること
Où l'inspecteur Lucas prend des notes pour une
belle histoire
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ローモン街 rue Lhomond, 5e
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9
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若いラポワントが自分の捜査書類について自信を
無くし始めること
Où le jeune Lapointe commence à être moins fier
de son dossier
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オルフェーヴル河岸
quai des Orfèvres, 1er
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メグレ警視の事件に明記された店舗・施設(*印は実在のもの)
Les Bonnes Adresses reconnues du commissaire Maigret
ブラッスリ・ドーフィヌ
Brasserie Dauphine
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パリ警視庁の近くにあるブラッスリ。メグレも常連。
ドーフィヌ広場 Place Dauphine, 1er
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(バスティーユのレストラン)
un restaurant près de la Bastille
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エスカルゴ料理が名物のレストラン
バスティーユ広場 place de la Bastille, 10e
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ラ・シゴーニュ(コウノトリ)
La Cigogne
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モンパルナス地区の小さなナイトクラブ
カンパーニュ・プルミエール街 rue Campagne Première, 14e
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(オーヴェルニュ人のカフェバー)
Chez l'Auvergnat
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オーヴェルニュ地方の白ワインが旨いカフェバー、
食事もできる。 ローモン街 rue Lhomond, 5e
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警察関係者の動向
Situation de collègue
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アルベール・ジャンヴィエ Albert Janvier : キャバレー強盗の犯人の捜査をして、下宿に住む若い男を追いつめる。その建物の前で夜間張り込み中に銃で撃たれ、病院に運ばれるが、一命を取りとめる。
リュカ Lucas : キャバレー強盗の共犯者の家の捜査をする。メグレが下宿に泊り込んでいる間の連絡役となる。しばしは案件を持って下宿を訪ねる。
トーランス Torrence : ジャンヴィエが撃たれた夜の当直。メグレに連絡してくる。後半は風邪をひいて休養する。
ラポワント Lapointe : 迷宮入りの捜査ファイルを調べ出して、その事件との関連を急いで報告してくる。
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ヴォークラン Vauquelin : 近隣の聞き込み捜査をする。風邪をひいたトーランスに代わって当直になる。
ヴァシェ Vacher : 下宿屋の住人の身元調査をする。
グロラン Grollin : ナント警察の警視。
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事件にかかわる登場人物
Personnages dans l'affaire
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クレマン嬢 Mlle Clément : ローモン街で下宿屋を営む陽気な老嬢。年齢を感じさせずに丸々と太っていて、金髪青眼で世の中にひどいことをする人などありえないといった風情。
エミール・ポーリュス Emile Paulus : リモージュ出身の青年。パリに働きに出たが、仕事が長続きせずに、百科事典の訪問セールスをしたり、青果市場で下働きをしたりしている。
リュセット Lucette : ポーリュスと同郷の売春婦。
ジェフ・ヴァン・ダムJef van Damme : カフェのギャルソン
ジュリエット Juliette : ジェフの若い妻。
ヴァランタン・デケール Valentin Desquerre : かつて有名なオペラ歌手として鳴らした男。1階の下宿人。声楽のレッスンをしている。
ブランシュ嬢 Mlle Blanche Dubut : シャトレのあたりの劇場で端役に出ている美人女優。22歳。2階の下宿人。最初の通報者。毎晩裸で寝そべって通俗小説を読む。
ユジェーヌ・ロタール Eugène Lotard : 2階の下宿人。保険会社勤務、32歳。夫人と1歳の赤ん坊とで住む。
オスカー・ファシャン Oscar Fachin : 2階の下宿人。苦学生。楽譜の写譜で生活費を稼いでいるが毎日ろくに食えないでいる。
イザベル嬢 Mlle Isabelle : 3階の下宿人。赤い帽子をかぶった金髪の縮れ毛のタイピスト。
クリデルカ Kridelka : 3階の下宿人。40代の青白い顔のユーゴ人。元弁護士だが病院の看護夫をして生計を立てている。
サフト Saft : 大学の化学の研究室に通う夫婦。夫は薬剤師のアルバイト。妻は臨月。
デジレ・ブシコー Désiré Boursicault : 合同海運の貨物船の船員。勤続20年。
フランソワーズ Françoise Boursicault (Binet): ブシコーの妻。身体をこわしてほとんど寝たきりの生活をしている。
ケラー夫人 Mme Keller : クレマン嬢の下宿屋の向かい側にあるアパルトマンの管理人。
テレーズ Thérèse : フランソワーズの昔のことを知る老女。
デデ Dédé: フランソワーズの昔の恋人。
ジュリアン・フークリエJulien Foucrier : 中米の植民地でホテル事業で成功した男。
マビルMabille : クリシー街の高利貸しの老人。
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