No. 79
Titre
Les scrupules de Maigret
邦題名
(直訳名)
メグレと火曜の朝の訪問者
(メグレの心配事)
Rédaction 1957.12.16; Noland
Éditions Presses de la cité #30 1976.12
ISBN:2-258-00067-X
邦訳本 谷亀 利一 ・訳、河出書房新社、1976.11
河出文庫、2000.04

(←)
プレス・ドゥラ・シテ社版
1976年12月刊のもの
Edition: Presses de la Cité #30
1976.12

                 (⇒)
        河出書房新社旧版
           1976年11月刊

物語の季節
Saison
真冬の時期。空はどんよりと曇り、雪が降らんばかりの寒い季節。ちょっ
と近くに一杯やりにいくにも外套は欠かせない。そして本当に雪が降り出
した。
メグレの状態
Son état 
夫婦とも互いに内緒で主治医のパルドンに見てもらっている。夫人も肥
満による心臓への負担を軽くするためひそかにダイエットを始めた。今回
も余計な心配(scrupules exagérés) をするなと判事から注意されながらも、
これから起こりそうな予感のする事件に首を突っ込む。
事件の発端
Origine
クリスマスから年末年始にかけての世の中の騒ぎが一段落して、警視庁
には珍しくポカリとヒマな時間が出来た1月10日のこと。(tout à coup
c'est le calme plat, le vide, dirait-on…) ある中年のきちんとした身な
りの男が訪ねて来た。話をきくと、彼の妻が自分を殺そうとしている、と
言う。ところが急用で長官の部屋に呼ばれて中座したあと、帰ってみると
部屋は空で、男は帰ったという。ノイローゼなのかと思って診察を受けた
医者に電話をかけてみたが、けんもほろろの応対で頭に来る。しかしど
うも事件になりそうな気がしてならず、友人のパルドン医師に相談に行く。
表題の意味
Ça veut dire
「我々は今ひまな時期なんですよ。」
「そういう時期っていうのはそんなに長く続かないものさ。あけすけに言う
なら、君は大げさな心配をしてるだけだよ。メグレ君、僕が君の立場なら
放っておくね。」(第3章から)
- Nous sommes dans une période de calme plat.
- Ces périodes-là ne durent jamais longtemps. Si vous voulez le
fond de ma pensée, vous êtes en train de vous faire des scrupules
exagérés. A votre place, Maigret, je laisserais tomber. (Chapitre III)

各 章 の 表 題 と 場 所
Table de matière et les lieux cités
1 火曜の朝の訪問者
Le visiteur du mardi matin  
オルフェーヴル河岸 quai des Orfèvres, 1er
2 保険の外交員  
L'agent d'assurances 
リシャール・ルノワール大通りboulevard Richard Lenoir, 11e
ピクピュス街 rue Picpus, 11e
オルフェーヴル河岸 quai des Orfevres, 1er  
リヴォリ街 rue de Rivoli, 1er
3 アメリカから来た妹
La jeune sœur d'Amérique
オルフェーヴル河岸 quai des Orfèvres, 1er  
シャティヨン通り avenue Châtillon, 14e  
4 コキリエール街のレストラン
Le restaurant de la rue Coquillière
「ノルマン人の巣窟」
《Trou Normand》
リシャール・ルノワール大通りboulevard Richard Lenoir, 11e
リヴォリ街 rue de Rivoli, 1er  
コキリエール街 rue Coquillière, 1er  
サントノレ街 rue Saint Honoré, 1er
5 河岸の女  
Une femme sur le quai
オルフェーヴル河岸 quai des Orfèvres, 1er 
6 映画の宵  
La soirée au cinéma
サン・ミシェル広場 place Saint Michel, 5e  
リシャール・ルノワール大通りboulevard Richard Lenoir, 11e
ボンヌ・ヌーヴェル大通りboulevard de Bonne Nouvelle, 2e
サン・ピエール・ド・モンルージュ教会
Église de St.Pierre de Montrouge, 14e
シャティヨン通り avenue Châtillon, 14e
7 らせん階段  
L'escalier en colimacon
リシャール・ルノワール大通りboulevard Richard Lenoir, 11e
シャティヨン通り avenue Châtillon, 14e
オルフェーヴル河岸 quai des Orfèvres, 1er 
8 お盆の目印  
Une tache sur le plateau
オルフェーヴル河岸 quai des Orfèvres, 1er
リシャール・ルノワール大通りboulevard Richard Lenoir, 11e


警察関係者の動向
Situation de collègue
ジャンヴィエ Janvier : デパートに鉄道模型の玩具を買いに行って、すぐ刑事だと見破られる。次に保険の外交員に変装してある家庭を訪ねるが、そこの家にいた女性がすごい美人であるのに気を奪われる。

ラポワント Lapointe : メグレの捜査班に入って2年になる。婚約直前で婦人専用のランジェリーの店に買い物客を装って調査に行けと言われて赤くなる。頭をうまく働かせるのでメグレは、父親のような目で成長ぶりを楽しみに見ている。

リュカ Lucas : 一見して刑事らしく見えるので事前調査には使えない。雪の夜の張りこみをラポワントと分担する。

トーランス Torrence : 警視庁の前の河岸で待つ女を見張る。

コメリオ判事 Coméliau : 事件は起きていないが、予備捜査をしたいというメグレの要望を牽制するが、結局起きてしまった殺人事件を担当することになる。

ジャナン Janin : 連れてきた容疑者の見張りを頼まれる。

バロン Baron : コーヒーとクロワッサンの出前を頼むように言われる。

ボンフィス Bonfils : メグレの髭剃りの道具を持ってくるように言われる。
事件にかかわる登場人物
Personnages dans l'affaire
グザヴィエ・マルトン Xavier Marton :ルーヴル・デパートGrand Magasin du Louvreの玩具売場の主任。妻が自分を毒殺しようとしていると相談に来る。

ジゼル・マルトン Gisèle Marton : グザヴィエの妻。なかなかの美人で上品な物腰。超一流の婦人下着店に勤務している。冷静沈着な思考の持ち主。

スタイナー医師 Dr. Steiner : 神経科医neurologue グザヴィエが診察を受けた医師。メグレの問い合わせに職業上の秘密を盾に非協力的な態度で応じる。

ジェニー Jenny : ジゼルの実妹。アメリカ人の夫を事故で亡くし、失意のままパリに戻ってマルトン家に居候している。ジゼル以上に男心にぐっと来るタイプの美人。

ハリス氏(シュウォブ)M.Harris (Schwob) :妻ジゼルが働いている高級婦人下着店の経営者。毎朝、床屋で調髪し、身なりを完璧に整えた紳士。


関連記事へ
Vers l'article relatif
メグレ警視
のパリへ
メグレ警視の全邦訳
作品文献目録へ
メグレ警視の
履歴書へ
関連サイト&
相互リンクへ