No. 97
Titre
Maigret et le tueur
邦題名
(直訳名)
メグレと録音マニア
(メグレと人殺し)
Rédaction 1969.04.21; Épalinges, Vaud
Éditions Presses de la cité #48; 1977.03
邦訳本 佐宗 鈴夫・訳、河出書房新社#27、1983.08.25

(←)
プレス・ドゥラ・シテ社版
1977年3月刊のもの
Édition: Presses de la Cité #48
1977.03



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         河出書房新社旧版
             1983年8月刊

物語の季節
Saison
 もうすぐ春分の日になろうというのに雲が低く垂れ込め、冷たい雨が
記録的に降り続く毎日で人々はうんざり。
メグレの状態
Son état 
 このときメグレは63歳。3ヶ月前までは定年が65歳だったので、あ
と1年余りでやって来る退職後の生活を考えていた。最近の予審判事
の若返りを目まぐるしく感ずるのもその年齢のせいかも知れない。
 メグレ夫人が運転免許を取ったので1年前に車を買ったが、パリ市内
はできるだけ運転しないようにしている。今回もロワール河畔の別荘に
気晴らしに出かける。
事件の発端
Origine
 3月18日(火)の夜。メグレは、友人でもある医師パルドンの家に夕
食に招かれてくつろいでいたところ、その医者のもとに顔見知りの店主
がやって来て、通りで人が倒れているという。雨の中を駆けつけた二人
は刺された被害者を病院へ運ぶが、手遅れで息を引き取る。
 まだ若い学生でテープレコーダーを持っており、事件の直前まで方々
で録音した人々の会話が残されていた。聞かれてはまずい話が録音
されたというのなら、なぜ加害者は機械を奪い取らなかったのか?
それとも被害者の身元が一流化粧品会社の経営者の息子なのを知っ
てのことか?
 カレンダーで日付が一致するのは1969年。日本製の精巧でコンパ
クトなテープレコーダーが欧州にも輸出されて注目されてきた頃である。

各 章 の 表 題 と 場 所
Table de matière et les lieux cités
1 (風に煽られた傘を持った人の足元に、横たわ
った身体を街灯で見分けることができた) 
(…sous un parapluie que le vent secouait
et un réverbère permettait de distinguer
à ses pieds la forme d'un corps étendu.)  
リシャール・ルノワール大通り
boulevard Richard Lenoir, 11e
ヴォルテール大通り boulevard Voltaire, 11e
ポパンクール街 rue Popincourt,11e
フォーブール・サンタントワーヌ街
rue du Faubourg Saint Antoine, 12e
アンジュー河岸 quai d'Anjou, 4e
オルフェーヴル河岸 quai des Orfèvres, 1er
2 (君たち二人は額縁屋の店の近くで張り込みを
してくれ)  
(Tous les deux, vous allez établir une
planque près de la boutique de l'encadreur.)
オルフェーヴル河岸 quai des Orfèvres, 1er
ポパンクール街 rue Popincourt,11e
バスティーユ広場 place de la Bastille, 11e
3 (その少しあとで彼らはソーセ街の広い建物の
中で会った)  
(Il se rencontrèrent un peu plus tard dans
les vastes bâtiments de la rue des
Saussaies, ---) 
オルフェーヴル河岸 quai des Orfèvres, 1er
フォーブール・サンタントワーヌ街
rue du Faubourg Saint Antoine, 12e  
バスティーユ広場 place de la Bastille, 11e
リシャール・ルノワール大通り
boulevard Richard Lenoir, 11e  
フォンテーヌ街 rue Fontaine, 9e
ソーセ街 rue des Saussaies, 8e
ジュイ・アン・ジョザス
Jouy-en-Josas (パリ南西21km)
4 (合唱隊の子供たちじゃない) 
(Ce ne sont pas des enfants de chœur.)
オルフェーヴル河岸 quai des Orfèvres, 1er
5 (物見高い人たちの写真がほしいんだ。まず葬
儀の家の前、それから…)
(Je voudrais des photographies de tous
les curieux, d'abord en face de la maison
mortuaire, ensuite ---)
アンジュー河岸 quai d'Anjou, 4e
サン・ルイ・アン・リル街
rue Saint-Louis-en-l'Ile. 4e
オルフェーヴル河岸 quai des Orfèvres, 1er
サンポール街 rue Saint Paul, 4e
リシャール・ルノワール大通り
boulevard Richard Lenoir, 11e
サン・ドゥニ大通り boulevard Saint-Denis, 9e
6 (名前を言いたくないという人です。それでも
つなぎますか?)
(C'est quelqu'un qui ne veut pas dire son
nom,--- Je vous le passe quand même?)
オルフェーヴル河岸 quai des Orfèvres, 1er
リシャール・ルノワール大通り
boulevard Richard Lenoir, 11e
ムン・シュール・ロワールMeung-sur-Loire
(パリから南144Km、ロワール河畔の町)
7 (どうしてこんなに苦労したのか?彼が出来る
ことはやった。今は真実に直面すべき時なのだ)
(Pourquoi se tracassait-il autant? Il avait
fait ce qu'il avait pu. Il était temps de
regarder la realité en face.)
オルフェーヴル河岸 quai des Orfèvres, 1er  
リシャール・ルノワール大通り
boulevard Richard Lenoir, 11e
8 (私のような人間について、しばしば月に関係
することを言いますよね)  
(On parle souvent de la lune en ce qui
concerne les gens dans mon genre.)
リシャール・ルノワール大通り
boulevard Richard Lenoir, 11e
オルフェーヴル河岸 quai des Orfèvres, 1er

警察関係者の動向
Situation de collègue
ジャンヴィエ Janvier : 殺人現場付近の聞き込み捜査をする。

リュカ Lucas : 額縁屋の前で張り込みをする。

ラポワント Lapointe : 額縁屋を尾行する。被害者の葬儀会場であやしい行動の男を見かける。

ヌヴー Neveu : 額縁屋の前で張り込みをする。

ルールティ Lourtie : レストランでの張り込みの報告を電話してくる。

ドゥサルDr. Desalle : 新任の検死医。凶器がスウェーデン・ナイフのようなものと推定する。

ポワレ Poiret : 若い予審判事。

ルーヴェル Louvelle : 11区警察署の刑事。被害者の残した録音テープの内容を報告する。

グロジャン Grosjean : 国家警察の警視。富豪の別荘を狙う窃盗団を追跡中。

ムルス Moers : 鑑識課員。犯罪記録保管所から窃盗団の顔写真をピックアップする。

マンジョ Mangeot : 鑑識課員。見かけは冴えないが、自宅に残された膨大な録音テープの内容を根気強く分析する。

ヴァンナム Van Hamme : 群集の写真撮影をして、不審者を割り出す。
事件にかかわる登場人物
Personnages dans l'affaire
アントワーヌ・バティル Antoine Batille : 富豪の息子。ソルボンヌの学生。都会のさまざまな人の声を録音するのが趣味。大雨の夜に裏通りで刺殺される。

ジェラール・バティル Gérard Batille : 被害者アントワーヌの父。有名なミレーヌ化粧品Mylèneの経営者。

モニク・バティル(ミヌー)Monique Batille (Minou): アントワーヌの妹。不良仲間とつき合っている。

ジーノ・パグリアティ Gino Pagliati :事件の第1発見者。その界隈でイタリア食料品店を営んでいる。

ジュール Jules : 事件現場近くのカフェ ≪ Chez Jules ≫ を営んでいる。事件の直前に被害者が立ち寄る。

エスパルベス夫人 Mme Esparbès : 犯行の起きた街路沿いの家の2階に住む72歳の未亡人。窓から犯行の様子を目撃する。

ブロンディネ Blondinet : バスティーユのカフェの若い給仕。メグレの捜査に協力する。

エミール・ブランシュ Emile Branchu (Mimile) : バスティーユ付近で額縁屋を営む。独り者でほとんど外食。彼らがカフェで話していた内容が録音される。

ジュリアン・ミラ Julien Mila :バー「ラパン・ローズ(桃色うさぎ)」のバーテン。マルセイユ出身の美男。

イヴォン・ドゥマール Yvon Demarle : ブルターニュ出身の元水夫。

フィリップ・レルビエ Philippe Lherbier: ロワイヤル街の高級皮製品の店の経営者。

フレミエ Frémiet : メグレの友人の朝刊紙の編集長

ジャン・ロラン Jean Rolland : 別の夕刊紙の編集長

アルトー Harteau :被害者アントワーヌの学友。

モーリセット・ガロワ Mauricette Gallois :近所のカフェで働く娘。

ロベール・ビュロー Robert Bureau : 保険会社に勤務する地方出身の男。


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