少年事件資料


黒磯中学校女教師殺害事件の詳細はこちら

様々な少年犯罪

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<ナイフ使いリンチ 東京>(1998年2月6日夕刊)
3月、府中市で少年グループが都立高校生を拉致し、ナイフで足を刺したりするなどして二人に重傷を 負わせた。府中署は少年グループ16人を逮捕監禁と傷害の容疑で逮捕した。
被害にあったのは対立する少年グループの暴走族のメンバーでこれまでも抗争を繰り返していた。 メンバーの大半がナイフ所持者だった。

<クジャク惨殺中学生を補導 秋田>(1997年7月5日朝刊)
5月12日、大館市内の中学校の一、二年生8人が市の施設内にいるクジャクに棒を投げつけ、 足や羽をつかんで地面や金網にたたきつけたりして殺した。
また、市内5カ所の神社などで賽銭を盗んだ疑いもあり、7月4日に補導された。

<神戸小6殺害事件>(5月27日夕刊)
5月27日、神戸市須磨区の中学三年生がおこした殺人事件。6月下旬に逮捕。

<高2、刺同級生と口論の末殺される 東大阪>(6月9日夕刊)
6月9日、大阪府東大阪市の駅で私立高校の二年の男子(16)が口論の末に胸、腹、太股など数カ所を ナイフで刺され、現場近くにいた同じ高校の二年男子生徒(16)を殺人未遂の容疑で現行犯逮捕した。

<暴走族の少年3人に傷害致死容疑で逮捕状  品川区>(10月29日夕刊)
7月、東京都品川区の路上で暴走族70人が乱闘状態で3人死傷、7月29日世田谷区在住の暴走族グルー プの無職少年(18)が凶器準備集合材で警視庁大崎署捜査本部によって逮捕された事件。

<中国残留邦人2、3世が中心の少年犯罪グループ摘発>(7月1日夕刊)
7月1日、永住帰国した中国残留日本人の2、3世を中心に組織された少年グループのリーダー(27)ら 3人を深夜に少年たちを働かせた疑いで逮捕。またメンバーの少年ら21人を自動販売機売上金の窃盗容疑 で逮捕。被害は東北地方から近畿地方まで数百万円にのぼる。
このグループは日本語がわからず、学校で仲 間外れにされた2、3世の助け合うグループだったが、日本社会からの疎外感が積もってこのような犯行を するにいたったと思われる。

<モデルガン改造容疑、高1男子を書類送検へ 兵庫県警>(7月23日夕刊)
7月23日、兵庫県警と姫路署の発表によると、鳥取県の高1男子がモデルガンを殺傷能力のある短銃に 改造し所持していたため、この少年を取調べするとともに改造短銃を押収した。
男子生徒は護身用のための改造と話している。

<17歳少年と女高生強盗未遂容疑>(8月22日朝刊)
8月21日、防水工の少年(17)と高校一年の女子生徒(16)の二人を強盗未遂と銃刀法違反の疑いで 現行犯逮捕。少年は常陽銀行石岡支店において包丁を振り回し騒いでいた疑い。
女子生徒は事件時、そばで見ているだけだった。

<ナンパで口論、バットで襲撃 館山>(8月23日夕刊)
8月21日、千葉県館山市で都立高校生を含む8人のグループが地元男性グループ7人の乗った車のガラス を割るなどし5人に暴行を加えた疑い。グループ同士のナンパで口論になっていた。

<女子高生拉致事件 14歳ら5人に拘置決定>(8月23日夕刊)
愛知県知多市で、女子高生二人が車で振り回された事件があり、暴力行為の疑いで逮捕、送検された。 名古屋地裁は十日間の拘置を認めた。少年の拘置は少年法により「やむを得ない場合」に限られており、 異例のケースである。

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<つくばの中学校放火容疑 14歳の3人逮捕 つくば>(9月8日朝刊)
7月8日、午前1時15分ごろ、茨城県つくば市の中学校の工作準備室外においてあった木材に少年AとC が火をつける。
9月1日、午前1時15分ごろ、同少年Aと少年Cが同中学校体育館の床に灯油をまき、全焼させ、 職員室にも灯油をまき一部焼失させる。
9月8日、2件の放火および放火未遂の容疑で少年3人を逮捕した。

<公園で襲われ会社員が重体 大田区>(9月8日朝刊)
9月7日午後5時ごろ、東京都大田区の公園で会社員(27)が友人2人とベンチで話をしていたところ 中学生ぐらいの男4、5人が通りすがりに「目があった」など因縁を付け殴りかかってきた。会社員は重体、 友人2人もけが。男たちは自転車で逃走した。

<警官少年に刺され死亡 桐生>(9月16日夕刊)
9月14日午後11時40分頃、群馬県桐生市でビデオ店の出入口の窓ガラスが割れているのを巡回して いた巡査部長と警部補が発見。様子を見ようと2人が出入口付近に近づいたところ、なかにいた無職の少年 (18)が突然、巡査部長の右腕を刃渡り約20センチの柳刃包丁で刺した。巡査部長は失血死。警部補が 現行犯逮捕した。
少年は「捕まりそうになったら使おうと自宅から持ってきた。車の音がして警察が来たと思った」と話して いる、という。

<ペンナイフで同級生を刺す 磐田>(1月31日夕刊)
10月4日、静岡県磐田市内の中学校で三年の男子生徒が同級生の男子生徒の腹を刃渡り約1センチのペン ナイフで刺し、軽いけがをさせた。同市の教育委員会などによると、二時間目の美術の授業後の休み時間に、 男子生徒二人がささいなことで口論となり、一方が授業で切り絵に使っていた自分のペンナイフを胸ポケッ トから取り出し相手の腹を刺したという。
刺された生徒は深さ約7ミリのけがをし、病院で治療を受け、その日のうちに授業に戻った。二人はふだん は仲がよく、放課後、保護者を呼んで話しあい、双方とも反省していたという。

<集団暴行、間違われた少年 愛知>(2月5日夕刊)
10月6日、愛知県小牧市の路上で、少年四人が日系ブラジル人少年に集団暴行し死亡させた。前日に別の 日系ブラジル人らに車を壊された建設作業員の少年が、被害者の仕業と思い込み仲間とともに犯行に及んだ。
<ナイフ使用傷害致死の少年、拘置所から直訴>
日系ブラジル人の少年に対する傷害致死容疑で起訴されている少年が、ナイフ所持の反省としてテレビドラ マの再放送中止を求める手紙を書いた。ドラマを再放送していた東海テレビは放送の中止を決めた。

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<孫に刺され祖母が重体 船橋>(11月13日朝刊)
11月12日午前、船橋市内に住む県立高校2年生の男子生徒(16)が同居している祖母をアイスピック で何度も刺し祖母は意識不明の重体。少年は自ら船橋署に通報し、同署は殺人未遂の容疑で現行犯逮捕。
少年は会社員の父親とパート勤めの母親、祖母の4人暮らしで祖母に学校を休んだことを注意されカッとな ったと話している。アイスピックはカバンに入れてあったもの。少年は最近進学のことで悩んでいたようだ。

<女子高生の変死体、中3の弟から聴取 北海道 >(12月17日夕刊)
12月17日未明、中3男子が姉の高2女子を殺害した。午後に弟を逮捕。詳しい動機は不明だが、口論の 末の犯行と見られる。凶器はひも状のもので窒息死させたものと見られる。ふだんは仲のいい姉弟だった。

<中2を殴り死なす 容疑の中3二人を逮捕 埼玉>(12月24日夕刊)
12月24日、埼玉県入間郡の公立中の男子二人(15)が別の公立中の男子(14)を殺害。共通の女友 達をめぐって加害者が被害者を呼びだし、レンガでその男子を殴ったと供述している。二人は別の学校だが 顔見知りだった。

<登園中の女児刺されて死亡、19歳の容疑者を逮捕 堺>(1月8日夕刊)
1月8日、19歳の無職少年が、女児、その母親、女子高生の計3名を包丁で刺し、女児は死亡、母親と女 子高生が重傷を負い、少年は殺人および殺人容疑で逮捕された。動機は過去にいじめをうけた復讐か。なお、 少年にはシンナー中毒の疑いがあり。

<傷害の疑いで高校生ら逮捕 川崎>(2月5日夕刊)
1月9日、川崎市麻生区の公園で少年4人が中学生を脅し怪我をさせたとして、2月5日に傷害の疑いで逮 捕・送検した。少年4人のうち一人がバタフライナイフをちらつかせ、中学生を脅していたという。

<中3キレた、母親刺殺容疑 川崎>(1月15日朝刊)
1月14日、中3男子が包丁で母親を刺殺、殺人容疑で逮捕された。近所の人は「まじめな子だった」とい うが、進路の問題について母親との意見の違いがあったという。これが動機か。

<生徒が生徒を刺した疑い 宮崎>(2月21日夕刊)
1月20日、養護学校で男子生徒(17)が、別のクラスの男子生徒(17)を刃物のようなもので刺殺し た。動機等は一切不明。

<暴走族の抗争? 東京>(1月26日朝刊)
1月25日、江戸川区の病院に男性二人がかつぎ込まれた。二人のうち高3男子(18)は死亡、もう一人 のアルバイト(18)は大怪我を負った。暴走族の抗争に絡む殺人・逮捕監禁致傷か。

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<中1男子、校内で教諭刺殺 栃木>(1月28日夕刊)
1月28日午前、栃木県の黒磯市立黒磯北中学校で中1男子が、休み時間に腰塚佳代子教諭(26)を刃渡 り約10センチのナイフで数カ所を刺し死亡させた疑いで補導された。生徒は授業に遅れたことを腰塚教諭 に注意され、脅かそうと思いナイフを出したが、腰塚教諭がひるまなかったため腹を刺した。
生徒は「格好がいいから」という理由でバタフライナイフを事件発生の二、三週間前に購入し見せびらかし ていた。まじめで目立たないが、気が短く怒りっぽかったという証言もある。一方腰塚教諭は怒るときは怒 るが明るい先生だったという。
黒磯署が補導し、児童福祉法に基づいて県北児童相談所に(殺人行為をしたと)通告。同相談所は生徒を宇 都宮家裁に送致した。

<とんだ高3カップル卒業旅行 甲府>(1月31日朝刊)
1月29日午後10時ごろ、埼玉県立高校3年の男子生徒(18)と同高校3年の女子生徒(18)が、甲 府市上今井町の市立甲府商業高校のガラスを割って侵入した。しかし、赤外線センサーが反応したため警備 員や山梨県警南甲府署の署員に見つかり、住居侵入の疑いで現行犯逮捕された。二人は、1月25日ころ山 梨方面に「卒業旅行」に来て、ラブホテルなどに宿泊、「旅行中にお金が足りなくなったので盗みに入った」 と供述している。

<授業中男子生徒が包丁で女子生徒切る 茨城>(1月31日朝刊)
1月30日、高1男子(16)が女子生徒(16)を包丁できりつけた。男子生徒は担任から成績のことで 注意を受けたが、その後着席する際、たまたまそこにいた女子生徒に対し、「通路をふさいだ」と勝手に勘 違いし、二限終了後に凶器の包丁を購入し、三限開始後に教室に乱入し被害者を捜しきりつけた。他の教諭 に取り押さえられ、午後には緊急逮捕。学年主任によると、「一件おとなしそうだが社交性がなく、友人も 少ない。一人でいることが多く、感情の起伏が激しくカッとなりやすい」という。

<恐喝目的?、中3逮捕 三島>
1月31日、静岡県三島市の団地内で正当な理由がないのにサバイバルナイフを持っていたという疑いで中 学3年の男子生徒を銃刀法違反で現行犯逮捕。動機としては、「女性を脅して金を取ろうとした」と話して いる。

<中学生男女が万引き見つかりナイフ出し逃走? 板橋区>(2月3日朝刊)
2月1日16時20分頃、板橋区のコンビニにて4,490円相当の品物を万引きしたところを店長に見つ かり、事務室につれていかれるところを刃渡り約10センチのバタフライナイフをつきだし逃走した。

<強盗容疑の中3逮捕 狭山>(2月3日朝刊)
2月2日17時10分頃、埼玉県狭山市の市道で中3男子(15)が、べつの中3男子(15)にバタフラ イナイフを突きつけ、こぶしで殴り580円を奪って逃走。その後、現場近くで職務質問され容疑を認めた ので緊急逮捕された。

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<中学生ら老人襲い、現金奪った疑いで逮捕 太田>(2月24日朝刊)
2月3日午前、群馬県太田市に住む無職の少年(17,16)と中学二年(14,13)の四人が同市に住 む老人宅に侵入し、老人に暴行し「金を出せ」と脅して現金約27万円を奪った疑いで、23日に3人を逮 捕、一人を補導した。四人は容疑を認めており、「遊ぶ金ほしさに強盗した」などと話しているという。

<ナイフの少年、高校生を襲う 柏>(2月5日夕刊)
2月4日、千葉県柏市の市道で高校二年の男子生徒が少年にナイフで刺され全治一週間の怪我を負った。少 年に呼び止められた男子生徒が無視したところ、いきなりナイフで刺し、そのまま逃げたという。

<少年二人、ナイフで脅し強盗容疑 名古屋>(2月6日朝刊)
2月5日、名古屋市瑞穂区の路上で無職の少年二人(15,16)が高校生を襲い三十分後に強盗未遂と銃 刀法違反の容疑で緊急逮捕された。

<エアガンで教師撃つ 愛知>(2月6日朝刊)
2月5日、愛知県渥美郡の中学校で三年生の男子生徒が授業中に男性教諭をエアガンで撃った。教諭はプラ スチック製の弾が顔に当たって全治五日間の怪我をしており、この生徒を傷害容疑で緊急逮捕した。調べに 対し生徒は「仲間が注意されたのが気にくわなかった」などと話している。

<無職の少年、警官を刺傷 埼玉>(2月9日夕刊)
2月9日、大宮西署の大武正則巡査部長が無職の少年にナイフで刺され、二週間の怪我を負った。少年は傷 害と公務執行妨害の現行犯で逮捕、警官らは少年の母親から「息子が暴れている」という通報をうけて駆け つけたという。

<マンガ買う金ほしかった 福島、神奈川>(2月12日朝刊)
2月11日、福島県須賀川市で中2男子(13)がマンガ買う金ほしさに男性をナイフで脅したが、未遂に 終わり、生徒は補導された。
また、同日に同県郡山市でも中1男子(13)がゲームする金ほしさに中学生六人にスライドナイフを突き つけ、2,000円を脅し取ったことで補導された。
神奈川県でも2月10日、高2男子三人が50代の女性をバタフライナイフで脅したが、未遂に終わり三人 は逃げたという。しかし三人のうちの一人が10日夜に犯行を認め、他の二人も強盗未遂で逮捕された。動 機は「遊ぶ金がほしかった」とか。

<主婦にナイフ、中2恐喝容疑 愛媛>(2月16日夕刊)
2月14日、愛媛県喜多郡のスーパー店外にあるATMコーナーで中学二年生(14)が主婦にナイフを見 せて脅し、現金1万円を奪ったとして恐喝の疑いで緊急逮捕。調べに対し「ゲームセンターで遊ぶ金がほし かった」と言っているという。

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<教室で同級生切る 富山>(2月17日朝刊)
2月16日午前、富山県魚津市の私立高校で授業中に高1の男子(15)が日直当番として黒板に書かれた 自分の名前にいたずら書きされたことに腹をたて、持っていたバタフライナイフで同級生の男子(15)に 斬りつけ、左肩に全治一週間の怪我をさせた。同日傷害容疑事件としてこの少年を補導し調べている。ナイ フは昨年11月、富山市の雑貨店で買い、友達に見せびらかそうとポケットに入れていたという。

<路上で切られ女子高生怪我 山梨>(2月24日朝刊)
2月23日、山梨市の市道で、市内に住む高校一年の女子生徒が道を尋ねられた男子生徒にナイフのような もので斬りつけられ左の手に怪我をした。女子生徒は近所の家に逃げ110番。県警は同日夜に少年を傷害 の疑いで緊急逮捕した。

<海外旅行費欲しさ、中3包丁強盗 神戸>
2月26日、神戸市兵庫区の郵便局に市立の中学三年生の男子生徒が包丁を持って押し入り、強盗未遂容疑 で逮捕された。生徒は家から持ち出したプラスチック製マスクをつけて脅したが、郵便局長に説得されると すぐに包丁をしまった。生徒は「外国かどこか遠くへ旅行する金がほしかった。郵便局には金があると思っ た」と話しているという。

朝日新聞縮刷版1997年5月号〜1998年2月号

事件の概要
栃木県黒磯市埼玉にある市立黒磯北中(生徒467人)で1月28日午前、英語担当の腰塚佳代子教諭 (26)が、校舎内で一年生の男子生徒(13)にナイフで胸や背中など少なくとも七ヶ所を刺され、失血 のため死亡した。黒磯署は男子生徒を補導し、児童福祉法に基づいて同日午後、県北児童相談所に通告、同 相談所は男子生徒を宇都宮家裁に送致した。黒磯署の調べに対し男子生徒は、「注意されたのでナイフで脅 そうとしたが、驚かないのでカッとなって刺した」などと話している。

当日の詳細
 時間様子
事件の
2,3週間前
黒磯市内でバタフライナイフを購入する。格好が良いのでいつも持ち歩いていたという。
1月28日 
2時間目


 
国語の授業が終わる。男子生徒は「気分が悪い」と、同じクラスの友人と保健室へ向かう。
保健室に行き「頭が痛い、気分が悪い」と訴える。養護教諭は体温を測り、症状を聞いた上で授業を休むほどではないと判断。授業に戻るよう促す。
3時間目














 
男子生徒は授業にでる途中にトイレにより、さらに友人と雑談をしていた。教室に入ってきたのは事業開始から十分以上たっていた。
越塚教諭の最初の注意。みんなの前で声を上げた。
先生「トイレにはそんなに時間はかからないでしょう」

級友らの話によると、注意をされたあと、生徒は無造作に着席すると、ノートの音を大きく立てて開き、シャープペンの新を出さないまま文字のようなものを書き、ノートを破いている。授業が進むと、付近の生徒とマンガの話題などについて雑談をはじめ、教諭から「静かにしなさい」と再び叱られた。すると、「途端にむかついた様子で、先生を睨んでいた」(友人)。

授業が終わる直前になって、生徒は教壇の方向をにらみつけて「ぶっ殺してやる」と言ったという。これを聞いた友人は、一瞬驚き、半信半疑で「やめろ、殺すな」と言ったという。男子生徒の一言は、教諭に届かないほど小さかった。
3時間目終了

















 
三時間目の英語が終わると腰塚教諭は生徒と友人を廊下に呼び出す。
先生「ちょっときな」 
 その際に再び注意した。
先生「先生、何か悪いこと言った?」
生徒「言ってねえよ」
先生「ねえよっていう言い方はないでしょう。」
生徒「うるせえな」
生徒はそう言いながらナイフを学生服の右ポケットから取り出し、向き合う先生の左首筋のあたりに当てた。
先生はひるまずに言い返した。「あんた、なにやってるのよ」
「(ふ)ざけんじゃねえ」
生徒はそう言いながら、教諭の腹を刺した。腰塚教諭は前のめりになって倒れた。この間、約五分。

腰塚教諭は救急車で運ばれたが、約十センチのナイフで数カ所を刺され死亡した。
黒磯署が男子生徒を補導。
警察の事情聴取などに対し男子生徒は、「脅かしてやろうと思ってナイフを取り出した」、「カッとなっておなかの近くを刺したとまでは覚えているが、後は夢中だった」と語っている。
同日午後



 
黒磯署が県北児童相談所に男子生徒が「殺人行為をした」旨を通告。
同児童相談所は男子生徒を宇都宮家裁に送致。
宇都宮家裁は男子生徒の身柄を宇都宮少年鑑別所に収容する監護措置をとった。
 
1月30日
 
黒磯北中で所持品検査。先生は拒否してもいいと生徒側に告げたが拒否した生徒はいなかった。ナイフを持った生徒はいなかった。
2月24日




 
宇都宮家裁が男子生徒を教護院送致決定(島田充子裁判官)。
処分理由「少年はいまだ事件の重大さや深刻さを十分に理解できてない面があると見受けられ、生命の尊さを教えて、今後どのように生きて行くべきか学ばせることが必要だ」
生徒の心理状態「思春期特有の心理的不安定さに加え、昨年5月から膝の病気のために激しい運動を禁止されていたため、保健室利用などが増えてストレスがたまっていた」「感情を制御できない状態にあったが、腰塚教諭に日頃から反感を持っていたわけではなかった。」
ナイフを所持した理由「俳優がナイフを使っているのを見て格好いいと思い、級友に自慢できるので学校に持っていった」「少年にはナイフで他人を刺すという気はなかった」

  死亡した腰塚教諭

「子供が好きでたまらないから先生になりたい」。腰塚佳代子教諭(26)は、長年の親友にこう語っていた。教員になって四年目だった。三年目に黒磯北中に赴任、生徒から慕われていた。同校のある二年生は、「優しく明るい。でも怒るときは怒る。休み時間にも生徒に近づいてきてくれるから悩みをうち明けられる」と言った。「優しいなかにも、だめなものはだめ、と厳しかった」と教え子たちが振り返る信念の持ち主だった。

一昨年末、息子が生まれたが、友人の話によると、「担任を受け持ちたいから」と昨年4月に復職。「いいクラスにしようね」と何度も生徒に呼びかけた。「私もみんなと一緒に変わる」と中学以来伸ばしていた長い髪をばっさり切ったこともあった。

腰塚教諭は英語を担当する傍ら、部活の顧問を務めていた。テニス部OBの高一男子によると、この生徒が在籍していた当時に副顧問を務め、教諭自身は初心者だったが、部をまとめみんなを励ますことが多かったという。昨年4月の復帰後にはバレー部の顧問を務めていた。頑張ればほめて、自分のことのように一緒に喜ぶ。負ければ励ます。「先生の嬉しがる顔が忘れられない。」とある女子生徒は言った。

担当する英語の授業も「笑顔でわかりやすく説明してくれるので英語が得意になった」(OBの高一男子)と生徒に評判が良かった。男子卒業生(17)は「授業にメリハリがあった。聞いていておもしろかった」と振り返る。そして「ふざけたりさぼったりすると、きっちりと怒られた。だめなことはだめ、とはっきり言う性格だった」。複数の教え子の話では、授業の遅刻、宿題を忘れること、私語の三つに関しては表情が一変するのがはっきりわかった。一年生の女子生徒も、「なにやってるのよぉ、て語尾を伸ばして大きな声で注意することがよくあった」と話す。

事件の直前、腰塚先生にとって「許されないこと」が続いた。しかし相手は「怒られるとキレル」生徒だった。二人の鋭い衝突は、周囲の生徒は「いつもと違う」と不思議がった。

 

男子生徒のパーソナリティ―周囲の見方

塩山元久校長「まじめで目立たず、不良とつきあうワルではない」

生徒が属していた運動部の一年先輩「一人、静かに教室に座っているタイプ」

級友「大きな問題は起こしたことはないが、気が短くて怒りっぽく見えた」

学校が把握する限りでは問題行動も皆無で、成績は中位だったという。いつも雑談する友人はクラスで五人ほどいたが、仲間のリーダー格でもなかった。両親と祖父、兄弟三人の六人家族だという。小学生の頃は部活動に励んでいた。

男子生徒の心は事件以前から揺れていたようだ。昨年6月と7月、それぞれ四日連続で学校を休んだことがあった。「テストが不安」と母親に漏らしたという。この時は担任が五回家庭訪問し、「がんばれ」と励ました。その後は保健室に行くことが多くなった。通いはじめたのは膝を痛めて運動部の活動をやめた二学期からで、二学期には八回、三学期に入ってからは六回ほど保健室に通っていた。たいていが「具合が悪い」「めまいがする」という理由だったが、体温を測ると平熱であることが多かった。養護教諭は「精神的に不安定」と判断し、担任がたびたび男子生徒宅へ家庭訪問したという。

男子生徒について、友人によれば、「むかつく」という言葉はしばしば聞いたことがあったが、事件の直前に言った「殺す」という表現は初めてだった。腰塚先生は刺される直前に男子生徒を再三にわたって注意したが、「ふだん先生に注意されたことがないのに、二度も注意が続いて切れたんじゃないか」と別の友人は言っている。また、「一人を三回も怒る腰塚先生を初めて見た」と女子生徒。一方、ある男子は「珍しく彼が何度も怒られているので、キレルなあ、と思っていたら、やっぱりキレた」という。友人が「ぶっ殺してやる」という生徒のつぶやきを聞いてから事件が起きるまで10分も経っていなかった。

 

ナイフ所持のいきさつ

「カッコよかったので」

なぜナイフを持っていたのかという警察の問いに対し、生徒はそう語った。

刃渡り約十センチの「バタフライナイフ」とよばれるナイフを二、三週間前に黒磯市内で買ったという。学校で、他の生徒に見せびらかしたこともあった。

これに関連して、事件前後に男子生徒のクラスで少なくとも三人がナイフを持って登校していたことが分かっている。黒磯北中では、昨年6月にナイフやカッターなどを持って登校し、腕に文字を刻む遊びが流行っていたため、各家庭に禁止を呼びかける通知を出していた。少年漫画の影響と見られている。

 

その後

●保護者会

黒磯北中で28日午後、開かれた緊急の保護者会に出席した男性(55)は、「ナイフを持っている生徒がいるという話は聞いていた。学校側に、『所持品検査をすべきだ』と言った」と話した。保護者会で学校側から「ナイフを所持している生徒がいるという話を聞いたことがありますか」という問いかけがあり、約四百人の参加者のうち、三十人ほどが手を挙げた。また、保護者からは「子供がナイフで脅された」「子供がカバンをナイフで傷つけられた」という発言があった。

●全校朝会

29日朝、黒磯中は臨時の全校集会を開き、塩山校長が「生き返った北中を作ろう」と生徒らに呼びかけた。全校朝会は午前8時20分から体育館で非公開で行われた。

その後、一時間目の授業で、全生徒に悩みや不安を書かせた。事件のショックで休んだ生徒はいなかったが、興奮状態だったり、動揺したりしている生徒が少なからずいるという。同校が全生徒に今の悩みや不安を書いてもらうことにしたのは、「実態の把握が少し甘かったと認識してる」からだという。

この日の朝、登校してくる生徒たちは、おおくが言葉少なで、うつむき加減で校門をくぐった。いつもは自転車で通う生徒が、家族に車で送られて登校する光景も見られた。腰塚教諭が担任をしていた一年生の男子生徒(13)は「死んじゃったなんて信じられない」と話した。 

●県教育委員会

栃木県教育委員会の古口紀夫教育長は、黒磯北中学校で教諭が刺殺された事件を受けて、「児童、生徒のナイフ所持について、各校の生徒指導部を通じて至急実態調査をしたい」と述べた(1月29日)。県教育委員会は、高校や養護学校など県内すべての県立学校八十三校に対し、30日の一、二時間目に緊急のホームルームを開くよう通知した。ホームルームは担任と副担任の二人が担当し、\弧燭梁砂邸↓△い犬瓠λ塾蓮Χ桶紊覆豹佑鮟つける行為について話し合うよう指示している。

また、県内すべての公立小中高を対象に児童、生徒の保健室の利用状況を把握するための実態調査を始める(2月4日現在)。

●ナイフの販売自粛呼びかけ

栃木県警は1月31日、県内の刃物販売店を一斉に巡回し、18歳未満の青少年にナイフなどの刃物を販売しないよう、自粛を呼びかけた。事件があった黒磯市では午前10時頃から、黒磯署員と少年誌動員数人が手分けして順次、市内二十八ヶ所の玩具店や銃砲点等を回り始めた。「青少年へのナイフ販売を自粛するようにお願いします」と要請し、チラシを手渡したが、玩具店の店主は「わかりました」と神妙な表情でうなずいていた。

●店側から不満の声

栃木県警が県内の刃物販売店に青少年へのナイフなどの販売自粛を要請したことに対して、店側からは「規制して解決すべき問題なのか」と不満の声もあがっている。

要請を受けた宇都宮市の銃砲刀剣類販売店の店員は、「うちの店で売ったもので、過去に結びついたものはない。これまでもちゃんと使用目的を聞いて売っており、客への対応は今後も変わらない」と話す。別の店の店主は「事故があるといきあたりばったりで規制するという感じだ」と指摘。「昔は鉛筆をナイフで削ったりして、みんなナイフの危険性も知っていた。危険なものから子供を遠ざけるだけでいいのか」と話した。

●栃木県、有害玩具にナイフ指定

県青少年健全育成審議会は2月5日、ナイフ類について、青少年健全育成条例に基づく「有害玩具」に指定することを認め、知事に答申した。

阿部ゼミナールホームページ