粘土アニメのデジタル編集

		 このコーナは、当サークルの粘土アニメ「Let’sパンチョ!」に使われた
		デジタル編集の方法を紹介します。
		 読みにくいのは勘弁して下さい。

		●「Let’sパンチョ!」の基本的な制作進行方法
		●デジタル編集用機材
		●具体的応用例
		●他への応用
「Let’sパンチョ!」の基本的な制作進行方法
   
 「Let’sパンチョ!」は、大まかに「山でパンチョ!」と「海でパンチョ!」の2部構成となっていますが、それぞれの制作時期が違うため この二つの編集法は少々異なります。
 
●「山でパンチョ!」
     ビデオカメラでの撮影が全て済んだ段階で、ビデオカメラのステーションから直接パソコン(部員の自宅にある私物です。サークルとしては パソコンを持ってはいません)に動画を取り込みました。
     もともと、この作品はビデオデッキで編集することを前提に撮影していたため、基本的にパソコンではカットのつなぎ合わせと音入れ だけをすればよかったのですが、タイミングの速度調整や画面に映った要らないもの(後述)を消すことまでやってしまいました。
●「海でパンチョ!」
     この作品を作るのと同時期に別の作品を同時並行で作業していたため、ビデオカメラを自宅に持っていくわけにはいかなかったため、 VHSのビデオテープに画像を録画したものを自宅へ持ち帰り、パソコンに取り込み、作業をしました。
     パソコン上では、352×240という低い解像度で処理しているため、VHSレベルの画質でも特に問題はありませんでした。
デジタル編集用機材
   デジタル編集をするには、まずパソコンが必要。VHSレベルの画質のものを作るなら最新モデルでなくとも、 97年末頃以降のメーカー製のもので十分です。DVDクオリティーを目指す方は、自作でもして下さい。
 パソコンが用意できたら、後はビデオキャプチャーカード(MJPEG=モーションジェイペグ対応のもの)と ビデオ編集ソフトを用意すればOKです。(ビデオデッキとカメラが必要なのは当然)
 うちの場合は、キャプチャーカードにアイオメガ社の「buz」というSCSI(スカジー)カードと ビデオキャプチャーカードが一体になったものを使用しています。カタログスペックで、720×480のサイズの画像を秒間30フレームで キャプチャーできるものです。実売35000円ぐらいです。
 ビデオの編集には、「Ulead MediaStudio VE2.5J」を使っています。これは、「3Dデザイナー」という実売1万円くらいのソフトに 入っていたものです。
 他に、コマ毎の修正やタイトル作り・動画作成にペイントソフトがあると便利です。
上記の「Ulead MediaStudio VE2.5J」にも付属しているのですが、うちでは、「ウルトラキッド」という「Photo Shop」のようなレイヤー機能が付いている安価(実売1万円程度)なソフトを使ってあります。
具体的応用例
●忘れ物の消去●
 「忘れ物」というのは、粘土アニメを撮影中に、キャラクターの部品を付け替えて(たとえば目など)アニメさせるときに、 その部品を画面の見える範囲内に置き忘れてしまうものをいいます(左図のオレンジの円内のようなもの)。
 要するに、単純ミスです。これが無いようで結構あるんです。他にも、手や指が写っていたりすることもあります。

 今までは、このようなことがあると、そのシーンを頭から撮り直したり、諦めてそのままにしたりしていました。

 しかしデジタル編集では、こんな場合、その余計な物が写っているコマだけをパソコン上で抜いてしまいます。
 ところが、あまりに多い場合には、他のきちんと撮られた似ているコマから部分的に絵を切り取ってきて、 ペイントソフトなどで修正した画像に差し替えます。
 左上図は、キャラクターの部分だけ静止していて、後ろの看板が動いているシーンなのですが、よりによってその足下に 目玉を置き忘れてしまったものです。
 このため、静止部分を修正画像にして、背後の動いている部分にあたるところは、水色一色に塗り、水色だけが透けて見えるように設定(「キーカラー合成」と言う。よくテレビなどで使われる「ブルーバック合成」と同じこと)する。
 これを合成すると左のようになります。
足下のちらつきが無くなり、ほかの見せたいところに目がいくようになります。
 これと同様の処理は、おにぎりが落ちていくところ(谷に落ちる瞬間のコマが無かったため、おにぎりが突然消滅するように 見えてしまっていたところ)にも利用しています。といっても、ビデオで見ても判りません。わかるのは、撮影をしていた人だけです。
●空き缶ポイ捨てシーン●
 これは、空き缶(もちろん粘土で作った物)を糸(テグス)でつって撮影したシーンです。放り投げた空き缶の糸が丸見え(左の図では見えません) になっていて、また、缶が低い位置(左のオレンジの線)に写っていました。

 そこで、デジタル編集の登場です。

 この一連のシーンを全て、BMP(ビットマップ)ファイルに保存してペイントソフトで修正してしまいます。

 細かいやり方は省略しますが、前後のファイルから画像を切り取って貼るだけで糸は消え、更に、遠くに投げられた缶は縮小することで 小さく見えます。

 そうしてできたファイルを並べて編集すると、左のオレンジ線の軌跡を描く、缶のポイ捨てアニメが完成します。

 これと同様の処理は、おにぎりの包み紙を捨てるシーンやアメの袋を捨てるシーン(どちらも糸でつっていた)で行っています。
●パンチョ回転シーン●
 「海でパンチョ!」のスイカ割りをしているところででてくるカットです。
 「ゴメス(青色のキャラクター)」が「パンチョ」を回すのですが、その回し方がハンパでなく、超高速回転になるというのを表現するため デジタル編集を採用しました。
左図を拡大すると
 上の完成型を作成するための素材を撮影します。

 まず、左のような「ゴメス」だけの背景を撮影。これは静止しているタイプの背景。

 他に、ふつうの形をした「パンチョ」が動いているパターンの背景も撮影。
 これらの、背景の上に、粘土で回転しているために円盤のようになった「パンチョ」を作り撮影。
 左図のオレンジ枠線内のみ合成するように設定。さらに、透明度を30〜50%程度にする。
 上のモデルを回転させたものも撮影。これも、枠線内だけ合成するようにし、透明度も同様に設定。

 そして、これに「wind」というビデオフィルターをかけて、高速回転のイメージを更に増すようにする。
すると、緑の円内のようになる。

 これらを合成すると、上図のような感じになる。

●ボール遊び(?)シーン●
 「海でパンチョ!」のカットです。
 「ガニマール(ここにはいませんが、灰色のキャラクター)」が、「パンチョ」を蹴り飛ばすのですが、ちょうど近くでボール遊び をしていたところに飛び込んでしまい、ボール代わりにされてしまう・・といったところです。

 このシーンは、当初ふつうにボールやキャラクターを糸でつって撮影する予定でした。

 しかし、どうしても背景である空や海にキャラの影が映ってしまう(左参照)ため、デジタル処理をすることにしました。

デジタル処理に必要な素材は、左のようにして何パターンか撮影し、それをペイントソフトで輪郭に沿って切り抜きます。
 切り抜いたものが左図
 できた素材をペイントソフトのレイヤー機能を使って合成。

 左は、素材を全て表示したもの。基本的に、放物線をえがくように配置する。

 同様に、ボールもやる。
 これらをもとに、BMPファイルを作り、編集ソフトで並べて完成。

 余計な影が映っていないシーンがこれで作れる。

他への応用
 ここであげたやり方は、別に粘土アニメに限ったものではありません。ふつうのセルアニメ風のものにも使えます。ただ、面倒くさいのはどうにもなりませんが。

 これで、一応終了です。 


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