第5回 密着!体力と武器の深い仲


今回は週刊誌の見出し風にしてみたのだが、何だか今までで一番バカっぽいタイトルになってしまった。反省……は、しない。

マスコミがどこもかしこも「プレステ2対Xbox」の構図で特集を組み、ゲームキューブはアウトオブ眼中(古)な今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。 本当はもうちょっと早く出す予定だったのだが、色々な都合があったため、こんなに遅くなってしまった。

五月と六月には風邪を引いてしまい、都合二十日間ぐらいまともな思考が出来なくなっていた(その頃の日記を読み返してみると、疲労のにじみ出た文章に思わず溜息が出る)。 七月、八月にはゼミの合宿やコミケの原稿や母がもらってきた子猫の世話で、パソコンの前に座っていられる状況ではなかった。

九月と十月は、幻文の合宿や大学のサークルが学園祭に参加する企画を実現するべく色々と動き回り(サークル内部で遺恨ができた都合で参加できなかった)、11月、12月は大量に出されたレポート課題群(一ヶ月で総計50枚超って何事?)&ゼミの研究発表で寝る暇もなかった。

そんな事情があったため、今頃になっての更新となってしまった訳だ。忙しくて遅くなってすいません。……忙しさを言い訳にするのは非常に嫌いなのだが、一応書いておく。

前置き

 前回の最後に予告した通り、今回は武装について語ってみようと思……ったのだが、武器を語るに際してまず語らねばならないことがあるのを思い出した。
それは、「体力」。
体力は、使用できる武器の種類、基本致傷力、荷重などに影響する、極めて重要なパラメータである。故に、ここをうまく設定しないことには武器の選択もできない。と言うことは、体力についてしっかり考察しないと、武器について書くこともできない。 そもそも、仮にどの武器が有効かを考察できたとしても、それを扱えるようにするために体力を17とか18とかにしなければならなかったりしては意味がない。それでは何のために今までCP節約法を書いてきたんだか分からなくなってしまう。
そこで今回は、武器についての考察を期待していた方々(いるのか?)には大変申し訳ないが、「体力」をテーマに、次回「武装」をより深く理解する上で必要になるであろう(と思われる)ことをつらつらと書いていくことにする。 いわば次回の内容を理解する上での基礎知識にあたるわけなので、気合いを入れて読んでいただきたい。

基本致傷力考

基本致傷力はある法則に基づいて設定されていることを知っているだろうか。こう書くと難しそうだが、何のことはない。要するにこういうことである。

・「振り」は体力9、「突き」は体力11の時に「1D−1」。これを基準とする。

・「振り」は体力が基準から1高い(低い)ごとに、「突き」は体力が基準から2高い(低い)ごとに修正を+1(−1)していく。

・修正が「XD+3」になったら、ダイスの数を+1して、修正は−1に戻す。
つまり、「(X+1)D−1」にする(Xは元のダイスの数)。

・「突き」は「振り」より大きくならない。「突き」の方が大きくなる場合、「振り」と同じにする。

ただし、この法則が適用できるのは体力40までである。体力が41を越えるキャラクターの基本致傷力にはまた異なる法則があるのだが、割愛させてもらう。 基本致傷力の法則は分かってもらえただろうと思うが、では、基本致傷力が上昇すると、どのくらい与えるダメージが大きくなるのだろうか。それを調べるため、基本致傷力の期待値と最大値を表にしてみた。

■期待値&最大値表付き・基本致傷力表■

体力 CP 振り基本致傷力 期待値 最大値 突き基本致傷力 期待値 最大値
-80 1D-9 -5.5 -3 1D-9 -5.5 -3
-70 1D-8 -4.5 -2 1D-8 -4.5 -2
-60 1D-7 -3.5 -1 1D-7 -3.5 -1
-50 1D-6 -2.5 0 1D-6 -2.5 0
-40 1D-5 -1.5 1 1D-5 -1.5 1
-30 1D-4 -0.5 2 1D-4 -0.5 2
-20 1D-3 0.5 3 1D-3 0.5 3
-15 1D-2 1.5 4 1D-3 0.5 3
-10 1D-1 2.5 5 1D-2 1.5 4
10 0 1D 3.5 6 1D-2 1.5 4
11 10 1D+1 4.5 7 1D-1 2.5 5
12 20 1D+2 5.5 8 1D-1 2.5 5
13 30 2D-1 6 11 1D 3.5 6
14 45 2D 7 12 1D 3.5 6
15 60 2D+1 8 13 1D+1 4.5 7
16 80 2D+2 9 14 1D+1 4.5 7
17 100 3D-1 9.5 17 1D+2 5.5 8
18 125 3D 10.5 18 1D+2 5.5 8
19 150 3D+1 11.5 19 2D-1 6 11
20 175 3D+2 12.5 20 2D-1 6 11



基本致傷力表を見ると、
「CP10点につき振りダメージの期待値が+1、CP20点につき突きダメージの期待値が+1される」や、
「ダイス数が増えると最大値が大幅に増える一方で期待値はあまり増えない(その上最低値がより低くなる)」などのまともな情報の他に、
「体力1〜3ではダイス目の最大値がマイナスになる」とか、
体力6の人(平均的な9才児)は、人を殴っても怪我を負わせない(致傷力が1D−6以下になるため。全力攻撃は話が別)」とか、
それどころか、体力5の人(平均的な7才児)はシャツとセーター(冬服)を着た相手の腹部を包丁(大型ナイフ)やコンバットナイフで刺しても怪我させない」とか、色々と面白いことも分かる。

……だが、ここではそう言うあら探しはせず(それはそれで面白そうだが)、100CPキャラクターにとっての「実用的範囲」、具体的には体力8〜15の範囲について分析していくことにしよう。

実用的範囲で特筆すべきことは、力13になると「振り」のダイスが2Dに増え、その結果最大値が大幅に増加する点だろう。ガープスではダイス数の差をひっくり返せるほどのプラス修正(具体的には+4以上)を持つ武器は少ないので、最大値を大幅に上げてくれるダイス数の増加は望ましいことである。 次に気になるのは、体力10と9の部分だ。よく見ると、「突き」の致傷力が全く変わっていないのだ。
つまり、「突き」武器を使うのならば、体力が9だろうと10だろうと違いはないのである。

戦闘に重きを置いていないキャラクターならば、体力を9にしてスピアなりナイフなりを持たせる、と言う方法はかなり有効である。戦闘力をほとんど落とさずに10CPもらえてしまうのだから、いっそ非戦闘員は全員この手を使ってもいいかも知れない位だ。  
欠点は、もしシナリオの展開で事故などが起こってサバイバルしなければならなくなった時、腕力が足りないせいで苦労する可能性がある所だ。
……もっとも、サバイバルの能力を表す〈生存〉は精神技能(=知力が基準)なので、稼いだCPで知力を上げ、技能をとっておけば大丈夫だろう(多分)。

結論。13で振っとけ。9で突いとけ。

ちょっとした余談

 防具の効果がかなり高いガープスでは、相手の装甲が分厚いと、期待値程度のダイス目では防護点を抜けなかったり、あるいは微々たる効果しかないということが多々ある。そんな時に、期待値がほぼ同じで最大値だけが違う二つの攻撃手段があったら、多少期待値が低くても最大値が高い物を使った方がよい。なぜなら、最大値が高い方がうまくいった時の利益が大きいからである。どうせ期待値では効果がないのならば、一発のラッキーヒットに期待する方がまだまし、というわけだ。
(わずか数%の差が物を言うほどの回数は行動できないだろうし。確率の差は、少なくとも一万回程度は試行を行わないと出てこないものなのだ)
こんな時は、期待値ではダメージを与えられない相手を出してくるGMに対して、多少恨み言を言ってもバチは当たらないだろう。

 

疲れる話

 致傷力の次は、疲労について見ていく。……あー、かったりぃ(笑う所)。 個人的な経験からすると、疲労に関するルールがルールブック通りに運用されることはごくまれだ。ルールそのものはそんなに難しいものではないのにである。これではいけない。ガープスプレイヤー諸賢は、是非ともここでルールの正確な知識を得て、自らを不利にするようなことを少なくしていっていただきたい。この場合だと、疲労に関するルールをきっちり頭にたたき込んで、NPCがそれに抵触する行動をした時、GMにクレームを……。

(咳払い)。ゲームは仲良く遊びましょう。

疲労が溜まることによって受けるペナルティは、次の二点である。

1・体力判定に疲労分のマイナス修正を受ける。

2・動きが鈍くなる。「体力−疲労」が3以下になると移動力と「よけ」が二分の一(端数切り捨て)になり、1以下になると体を動かすことが出来なくなる。0になると意識を失う。

以上のルールは、「ガープスでついうっかり忘れられてしまうルールランキング」ベストテン入りしそうなほど、ついうっかり忘れられてしまう。まあ、1は体力判定が殆どないシティシナリオが主流の今は仕方ないにしても、2は問題である。魔法の使える戦士が魔法をかけまくった後でもばりばり戦っているというのは、ガープスではあってはならないことなのであるが、割とよく見かけられるからだ。
これはガープスの人間観(「人は簡単に死の淵へ追い込まれるが、最後の一線を越えて死んでしまうことはそうそうない」)が周知されていない証拠であろう。
ところで、2のルールと酷似したルールが生命力に関しても存在していることをご存じだろうか。

「残りヒット・ポイントが3以下になると移動力が半減する」というルールがあるのである(「ベーシック」164ページ。ここでは何故か「ヒット・ポイントが1〜3」となっており、ヒット・ポイントが0以下になったときは移動力が半減しないようにも読める)。
これもまたうっかり忘れられてしまうルールの一つだが、ここで一つの疑問が生じる。 それは「重傷の上疲れ切った人の移動力はどうなるのか」ということだ。

結論から言ってしまえば、移動力は4分の1になる。これらのルールはお互いに矛盾を引き起こさないので、両者が同時に適用されるのである。満身創痍で疲労の極みにいるキャラクターは、場合によっては降伏も考えた方がいいかも知れない。

 結論。疲労回復はお早めに。 

再び余談

某ルナルのリプレイで、飛行状態の《韋駄天》の効果を「二倍(飛行状態)してからプラス(《韋駄天》)」にしていたが、これは間違いである(多分)。
《韋駄天》の効果が移動力と「よけ」へのボーナスであることから、この呪文は基本移動力ないし荷重の修正をかけた段階の移動力に効果を及ぼすものと考えられる。よって、「飛行状態では《韋駄天》の効果は二倍になる」とするべきであろうと考えられるのだ。
この原則に従えば、疲労による移動力の減少は「よけ」にも影響することから、基本移動力か荷重修正をかけた移動力に対するものと考えられる。一方、負傷による移動力の減少は「よけ」には影響しないので、純粋にその時点での移動力にのみ影響するものであろうと思われる。実際の適用時には殆ど関係のないことだが、この差が重要になってくる可能性もあるので、頭の片隅にでも置いておいて欲しい。

注:これはあくまで私見である。スティーブジャクソンゲームズが現在どのようなルール解釈をしているかは知らないので、この解釈が間違っている可能性は否定できない。
 

結局いくつにするべきか?

さて、ここまで体力について色々と考えてきたわけだが、実際にキャラクターを作るときには一体いくつ位にしておくのがよいのだろうか。前に「13で振っとけ。9で突いとけ。」と書いたが、疲労などの要素も考えに入れた場合でもその通りなのだろうか? ここでは、キャラクターを「戦士型」「レンジャー型」「盗賊型」「魔法型」の四つのタイプに分け、各タイプに応じた体力設定の最善手を探っていくことにしよう。


a・戦士型

戦闘の主力として活躍することが期待される戦士型キャラクターは、敵に少しでも多くのダメージを与えることが必要となる。また、力仕事を担当させられる可能性も考えると、体力はいくら高くしても損はしないはずである。
とは言え、敏捷力にも相当量のCPを割り振らなければならないことを考えると、どこかで妥協しなければならない。
100CPキャラクターという大前提からすると、13にするのが現実的であろう。これならば、振ってよし突いてよしの優秀な戦士になれるはずだ。この場合、武器は突き刺し用ブロードソード($600)かショートソード($400)をおすすめする。
「振り」「切り」武器しか使わないつもりであれば、12にして最低値を高めにすると言う選択肢もあるこれだと、同じ武器を使ったときの期待値の差はわずかに0.5。戦闘時の活躍度は殆ど変わらないはずである。一方、「突き」「刺し」武器しか使わないつもりで11というのは、戦士型にはおすすめできない。期待値が低くなりすぎて防護点を抜けない可能性が出てくるし、いざというときの肉体労働者がいなくなるからである。
一撃にかけるという方向で行くのなら15でもいい。が、知力が8になるなどのしわ寄せは覚悟しなければならないだろう。

b・レンジャー型

体力よりも敏捷力を重視したキャラクターの中で、主な能力が野外向けのキャラクターをレンジャー型と呼ぶことにする。現在では次項の盗賊型が兼任することが多くなり、殆ど姿を見せなくなったタイプである。
野外活動が多いと、必然的に体力判定の機会も多くなりがち。それを乗り切るためにはある程度の体力は欲しいところだ。敏捷力重視とは言え、体力が低くてはやっていけないのがレンジャー型の難しいところである。
それらを考慮すると、11か12にするのが無難。これなら体力判定にもある程度は対応できるし、攻撃力も確保できる。そして、レンジャーらしさの要、弓を全て扱える。
「罠で獲物を捕らえるレンジャー(体力が高い必要はあまりない)」を作るつもりでも、体力を9以下にするべきではない。ガープスは落とし穴を作るときにも疲労するゲームなのだということを忘れてはいけない。それに、山野を歩くときにも疲労はするだろう。獣道を見つけ、罠を仕掛ける段になって、疲れて動けないというのでは笑い話にしかならない。
腕力のないレンジャーは、獲物との力比べに負けて殺されるか、獲物を倒せずに餓え死ぬかのどちらかになるのがおちだ(アメリカ風)。

c・盗賊型

レンジャー型とは逆に、市街地向けの能力を多く有した敏捷力重視のキャラクターが盗賊型である。力仕事にはあまり縁がないので、体力はそれほど高くなくていい
市街地で重武装するというのはそれだけで目立ってしょうがないので、市街地にいるキャラクターの武装、とくに防具は貧弱であることが多い(そうでないキャラクターが出てきたら、それは特殊な設定があるかGMの考証不足かだ)。故に、盗賊型キャラクターはあまり大きなダメージにこだわる必要がない。
よって、盗賊型キャラクターの体力は9が最適だろう。いくら低くていいとは言っても、8以下にすると相手に傷一つ負わせられない事が多々起こるので、不安が残るからだ。武器はナイフなどの「突き」「刺し」系が妥当だ。 CPが余りそうなら、体力を11にして活躍の可能性を広げるというのも手である。

d・魔法型
大抵のゲームでは体力を相当低く設定することが多い魔法型だが、ガープスでは魔法の使用時に疲労するので、言うなればMPの最大値に影響する体力をおろそかには出来ない。とは言え、あまり高くしても戦闘にそれが活かされる可能性は低い。それならば、低くしても問題ないようにも思える。……というわけで、魔法型はある意味最も体力の設定に悩まされるタイプかも知れない。
知力や敏捷力に回すCPとの兼ね合いを考慮すると、9〜12の範囲にするのが良いだろう。範囲内のどのあたりにするかは、戦闘をしなければならなくなりそうな度合いやPC間のバランスを考慮して各自で設定していただきたい。
ちなみに、私は11にするのが好みだ。《怪力》+5や《素早さ》+5をかけても気絶せず、かついざというときの戦闘力が確保できると言うのがその理由である。
なお、「追加疲労点(レベルごとに3CP)」を取るのならば、体力は8でも構わないということを記しておく。

結論。12、意外といいかも。

今回はここまで。
ここまで読んできた方々は当然お気づきかと思うが、今回は「荷重」については触れなかった。体力がらみの重要パラメータなのになぜ……と思った方もおられるかも知れない。理由を簡単に説明すると、あれはとにかく低くしておけばいいだけで、考察しようがないため割愛したのである(体力別の最適な武装は次回で少し触れる予定)。 次回「武装」は出来るだけ早く発表したいが、いつになるやら……。



ペンネーム兼ハンドルネーム変更のお知らせ

2000年12月より、ペンネームを変更いたしました(ハンドルネームも同じ)。
旧:「弓部進(ゆんべ しん)」 新:「弓一(ゆみ はじめ)」 実は本名の加工回数を一回減らしただけです。
新たな名前に変わると同時に、新たな気分でやっていきたいと思っています。今後ともどうぞよろしく。

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