
No.31 テスト前に「私全然勉強してない」と言う心理
(2001/ 3/23)
〜 テスト前に「私全然勉強してない」と言う心理 〜
学校のテストの日、テストが始まる前の休み時間に「私昨日全然勉強しなかったの。自身がないな〜。」と皆で言いあっている姿はよく見られる光景です(少なくともし〜なが学生の頃はそうでした)。
さてこのようにしゃべる人たちは本当に勉強していないのか?というとそうでもありません。実際はそのようにしゃべる人に限って結構勉強していて、結果を見ると良い点数を取ったりします。
テストの例に限らずゴルフでも前日打ちっぱなしで必死に練習していたくせにプレーする前には「俺しばらくクラブ握ってないんだよな。」と言ってみたりします。
さてなぜ人はこのように何かを始める前に自らにハンディキャップがあるかのように振舞うのでしょうか?
なぜか?の答えの前にある心理学実験を紹介しましょう。
実験の名目は「2種類の新開発の薬品がどの程度効果があるか調べる」というものです。もちろん本当の目的は別にあります。
被験者に対しては次のような説明がなされます。
「これから皆さんにはある問題の前半部分を解いてもらいます。次に新薬の効果を調べるために薬を飲んで効果が出た後にその問題の後半部分を解いてもらいます。」
次に実際に問題を解いてもらうのですが被験者を2つのグループに分けました。テストの前半部分が終わった後、双方のグループに「なかなか良いできでした。」と伝えます。もちろん2.のグループの被験者にはウソの評価を与えるわけです。
- 解決が可能な問題を解くグループ
- 回答がない解決不可能な問題を解くグループ
評価を与えられた後被験者には2種類の薬のうちどちらかを選んでもらいます。
その2種類の薬とは
A 知的作用が促進される効果
B 知的作用が抑制される効果
があるものです。ただしこれらは偽薬であり、実際の効果があるわけではありません。薬の効果を調べるための実験ではなく、どちらの薬を選ぶかが本当の実験の目的だったわけです。
その結果2.の解決不能の問題を解かされたグループが1.のグループと比較して3倍以上もBの知的作用が抑制される薬を選びました。
難しい問題を前半部分で解かされたグループは前半部分は「良くできていた」と言われたが、前半部分をやった感覚では残りの後半部分はたぶん実力では解けないだろうと考え、Bの薬を選択し、自ら予防線をはったわけです。
「本来の実力であれば解ける問題なんだけどあの薬を飲んだから自分は解けなかったのだ」と。
この予防線をはる理由は、失敗した時に自分の能力や意欲などの内的な要因が原因ではなく「体の調子が悪い」「練習をしていない」という外的な要因のせいにしたいためなのです。
これはセルフハンディキャッピングと呼ばれ、自己のプライドを守るための心理的な作用です。
テスト前に「私全然勉強していない」と言う心理がお分かりいただけたでしょうか?
さて恋愛に関しても「自分がもてないのは顔が悪いせいだ。顔さえ良ければもてるはず。」と決め付けている人いませんか?
これも立派なセルフハンディキャッピング。
最初から外的な要因(ここでは容姿)のせいにするのではなく、内的な要因(ここではこころ)を見なおしてみれば違った結果になるかもしれませんよ。
それでは今週の一句を
"ハンディを わざわざつくり 言い訳を"
し〜な
◆し〜なの勝手なコラム 〜ネットの暴力後日談〜
今回のコラムは読者のHakimさんからのこころの小話(前号の「なぜネット上で人は乱暴になるのか?」)に対する意見を紹介します。◆Hakimさんより
いつも「こころの小話」をたのしく拝読しております。
はじめてお便りいたします。
Hakimと申します。「アキム」と読みます。最新版のメマガで「ネット上の発言が乱暴になりがちなのは発言者が匿名だから」というお話。65%ほどは納得をいたしました。
しかし、あとの35%は、私の個人的感覚として他の理由があると思えます。
ネットの掲示板などにも、いろいろなものがありますが、私はよく仲間うちでの掲示板に投稿していました。仲間の顔と人柄は、全員の知るところです。
そこでは、みんなハンドルネームを使っているのですが、ネーミングのセンスや投稿の内容から、誰の発言なのかは明らかです。
Hakim の本名も、その世界ではバレバレです。なのになのに。自分で言うのもなんですが、温厚な性格なのに、乱暴に他人の悪口を平気で書いてしまうのです。
投稿後に後悔するんですけどね。それから、電子メール上でも私は乱暴で辛辣な人になってしまい、よく友達と喧嘩してしまうことがありました。もちろん匿名ではなく、本名同士でのやりとりです。
その理由を自分なりに2つ考えました。
・・・ってなことです。
- 本名はバレていたとしても、ネットでは、お互いの顔の表情や声のトーンがわからない。一方、おしゃべりしているときには、相手のリアクションを見ながら相手の立場も念頭において発言する。ネットのように、顔と声のない世界では、相手がいることを忘れてしまいがちになり、ときに暴言を吐く。
- キーボードで文字を打つのは、脳の思考の速度に近い。もちろん話すよりは遅いが、左脳の働きのほうが強くなり、比較的理屈っぽくなる。右脳があまり機能しないと、他人への配慮を、つい欠いてしまう。
いかがでしょう?
Hakimさん文章ココマデマガジンでは話が分かりやすく、また心理学実験の内容に沿う形にするためにやや極端に書いていますが、確かにネットの暴力についても匿名だけが原因ではないと私も思います。
その匿名以外の原因についてHakimさんの説明は分かりやすく書いてありましたね。特に1.の理由の表情や声が分からないというのは大きいですよね。
人は誰でも(よっぽど鈍感な人でない限り)無意識に相手のちょっとした表情や声のトーンやジェスチャーから多くの心理情報を読みとってます。
人間の心理的な情報は外部へ信号として表れるのは心理学でも良く知られています。
例えば同じ「バカ」と言うのにも声の感じやしぐさで「冗談だな」とか「愛嬌だな」とか通常分かるんですが、文章にしてしまうと書き手がどういう意図であろうと受け取り手は単なる「バカ」と取ってしまいます。こういう小さいすれ違いからエスカレートしていき暴言的になってしまうのでしょう。
それからメールと比較して対面しながらだと相手の存在感が全く違います。
相手の存在感の希薄さもネットの暴力につながっているのでしょう。
2.に関しては専門的にはよくわかりませんが、パソコンでのメールは手紙などで紙に直接手で書くよりも気楽なところもあります。手紙ではなかなか過激な事が書けなくてもメールでは比較的表現してしまうということはよくあることかもしれませんね。
◆編集後記
今回読者さんの感想を久しぶりにコラムにもってきましたがどうだったでしょうか?
以前からたびたびやっていたんですがこれからも感想があればどんどん紹介(もちろん許可をいただいてから載せています)していきたいと思いますEnd
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