
1999.6.19 疋田ゼミフィールドノート

46-6003 入江 敦史
1. 日程
津新町駅 @サークルK大門店(コンビニ探偵団)
6:30 7:00
三重短大 A白銀環境センター・B西部清掃工場
8:30 9:00 11:00
鳴門うどん(昼食) C久居榊原風力発電
12:30 14:00
D久居市・里山 三重短大 キリンビアハウス(有志)
15:00 16:00 17:30
2. 参加者(敬称略) 10名
47期生 堀井・西川・田中・金原
社会人 佐橋・横田・太田・原・大東・入江
3. 調査項目
@サークルK大門店(コンビニ探偵団)
まず、サークルK大門店について調査した。雨が降っていたにもかかわらず、この時間帯でこれだけの客が出入りするとは思わなかった。大門店というだけあってビール、ワイン等の酒類が多く置いてあった。さらにパソコンソフトまでも置いてあったことは本当に驚いた。店員は30歳前後、金髪でがっちりタイプの人で、その奥に店長らしき、40歳代くらいの人もいた。大門店のゴミ置場には段ボールが大半置いてあり、半透明の袋が3袋半透明の袋の中身は弁当のプラスチック容器が2袋と缶が入っている袋の3袋である。
AM7時8分、ゴミの回収者が来た。業者は※「SANKO」、分別して入れているようだった。しかし、業者はこの辺り一帯、契約している店の排出ゴミも回収しているので、仕分けをしていても、この後の回収業を見る限りではあまり効果がないように感じた。
その後、この業者は近くの寿司屋の排出ゴミを回収し、雲水(割烹)、カレーハウスCOCO一番の排出ゴミを次々回収した。回収のペースはかなり速い。
AM7時18分、カレーハウスCOCO一番でこの業者のゴミ回収車を見失う。どうやら、私たちが尾行していることに気がついたようだ。全員でこの業者の回収車を手分けして探すこととした。
AM7時24分、疋田先生の車が業者の回収車を発見、全員に連絡をとる。業者はステーキハウス(アカネ)、中垣(割烹)、朝日屋の裏駐車場へ、次々とゴミ回収を行う。前以上にペースは速い。国道23号線を無理に横断したり、進入禁止から入ったりしたほどだった。どうやら、私たちを巻こうとしているようだ。
朝日屋の裏駐車場で、疋田先生が業者と接触したが、土曜日は午前中に処理場へ届けなくてはならないので、運転が荒くなり、調査は止めてほしいと断られ、ここで私たちの追跡は断念することになった。この業者との接触でわかったことは、業者は私たちの尾行に気付いていて気持ち悪く感じていたということ。そして、サークルKには独自のゴミ回収車もあり、この大門店については周辺に飲屋街があるので、この業者が回収しているということである。
※回収車の車両番号 三重86は96-23
A白銀環境センター
次に白銀環境センターを見学した。ここは※11市町村からなる一部事務組合(津地区広域圏粗大ゴミ処理施設組合)で運営されており、管理型の廃棄物処理場である。
はじめに担当の伊藤氏から白銀センターの概要について説明を受けた。説明によると、1日約170台、重量にすると、約300d/日、年間にすると、8万d位処理されているようである。ゴミの搬入は20種類に分別され、それぞれの用途に応じ、破砕処理及び埋立処理がなされているそうである。破砕処理については、テレビ等の家電製品を金属類(缶・アルミ・スチール類)とビニール類に選別されている。1分間に600回転、電流を流し、磁石を利用することで仕分けされているようだ。選別されたアルミ・スチール等は約5,000万円(3,800万d)でリサイクル業者に引き取られるそうである。埋立処理については分別処理後のゴミを埋立するそうであり、説明後の施設見学でわかったことであるが、ゴミを覆うシートは四日市市南部埋立処分場と同様、かなり、薄いように感じられた。
第一期の埋立(S 48.4〜H 3.3)は終了しており、現在は第二期の埋立(H
3.4〜H 17予定)が行われている。しかし、最近は不況の影響で、バブル期の全盛時に比べると、明らかにゴミの排出量が減少しているそうであり、この調子でいけば、2、3年寿命が延びるとのことである。埋立跡地の利用についても隣接地に梅林(青砥茂氏所有)があり、景観をよくするという意味で野原等の自然公園にする予定だそうである。実際に白銀環境センターが苗を用意し、久居市のボランティアの人で植林がなされているようであった。ポスト白銀環境センターの候補地については、久居市又は一志郡で選出してもらう予定とのことである。
最後に伊藤氏から私たちにゴミの分別は徹底してほしいと締めくくられた。ゴミの分別がなされていないために、プロパンガスが引火し、過去二度爆発したそうである。また、ペットボトルについて、現在、与野ペットボトルリサイクル鰍ナ引き取ってもらっているが、排出されているペットボトルの大半がキャップをつけたままの状態で回収されてくるため、ペットボトルと材質が違うキャップを担当者が一つ一つ取り外さなくてはならないそうである。特に夏の暑い日などはにおいがするので、家庭でのペットボトル排出時にはキャップと分別し、容器を水ですすいでくれるだけで、かなり違うと説明された。
次に白銀環境センターの施設を見学した。外は雨が激しく降っており、四日市市南部埋立処分場と比べると、細部についてはよくわからなかったが、きれいに分別がなされていると感じた。疋田先生によると、以前フィールドワークで当施設を訪れたときに比べ、分別が進んだそうである。
OA機器の一角ではパソコンが山積みになっていたが、中にはノートパソコンも排出されてあった。これらは金属を抽出したり、可能な限り希望者に引き渡すなどしてリサイクルをはかっているそうである。また、ショベルカーで破砕処理し、分別するという気の遠くなるような作業を行う人もいた。その他にも、エアコン、冷蔵庫からフロンガスを抜き取る作業をする人もいた。抜き取ったフロンガスは回収し、栃木県の業者へ送付されるそうである。乾電池についてはドラム缶に詰めて北海道にある野村興産イトムカ鉱業所へ送付されているようである。
この作業場では、元鉄鋼技師の方が従事されており、声は病気のため出にくそうであったが、私たちのため、懸命に説明していただいた。この方はシルバー人材センターの紹介で雇用されており、特技を生かし、処理場内の使えそうな部品を駆使して処理場で必要な道具や棚等を作成しているとのことであった。この方の目は生き生きしており、仕事にとてもやりがいを持っているようだった。
説明にもあったペットボトルの一角ではシルバー人材センターで斡旋され、勤務していると思われる年輩の人たち男女数名が、ペットボトルとキャップを取り外す作業をしていた。そこには想像していた以上のキャップが取り外されていないペットボトルがあった。作業員の一人から悪質に排出されたペットボトルの写真を見せてもらった。写真には容器内に生ゴミやたばこの吸い殻等が混入されていると思われる写真が多数あった。このことは、私たちのモラルが問われる問題である。
最後に自転車・バイク等の一角を見学した。そこでは、まだ使えそうなバイクの部品を自由に取り、それを商売にしている20代前半の若者に会った。この方は、当施設の従業員に頼み、非公式でこの場所へ入らさせてもらっているとのことであるが、もし、このことが非公式でなく、公に解放した場合、この方のようにリサイクルに貢献してくれる商売を始める人が増加するのではないかと考えられる。また、手数料を取り、施設解放したとしても、手数料を「リサイクル基金」等とすれば、これもまた、リサイクルを促進する一つの方法になりうるのではなかろうか。
次に水処理施設についても見学した。白銀環境センターの水処理施設については、昨年の46期生のフィールドワークで、三重県環境事業団と四日市市南部埋立処分場を見学したが、疋田先生によると、これらの施設の中では一番、最新設備であるとのことであった。(H3建設)私は南部埋立処分場の曝気空気を加え、回転円板の表面に住んでいるバクテリア等が水の中にある汚い物(有機物)を食べることによって、水が浄化されるシステムより、白銀環境センターの設備の方が最新システムであると感じたが、三重県環境事業団のシステムとの違いについては、環境事業団が浄化される段階の様子が見ることができたのに対し、同施設においては見ることができなかったので、あまり理解することができなかった。担当者の説明によると、まず、沈殿物を取り除く作業があり、曝気空気を加えることで窒素分が分解し、中和させる作業を行う。そして、最後に活性炭等を利用することによって、汚れをろ過し、浄化させるそうである。このシステムについては、フィールドワーク参加者の原氏によると、下水道設備と基本的に同じで、珍しいシステムではないとのことであった。
しかし、少し気になることは、ここで浄化された水は農業用水として使用できないそうである。確かに塩分(アルカリ性)を浄化させるので、いくらか栄養分が高くなると考えられるが、昨年の調査で南部埋立処分場おいては浄化された水について川へ放流し、農業用水に用いるとの説明があり、このことが事実だとすると、白銀環境センターの設備は南部埋立処分場の設備より最新のシステムを使用しているにもかかわらず、あまり実りがないといえるだろう。EM農法やハイポニカ農法がよくいわれるが、これらの農法を用い、この浄化された水を使用できないものか、今後の課題になると思う。
※11市町村(津市・久居市・河芸町・芸濃町・美里村・安濃町・香良洲町・一志町・白山 町・嬉野町・美杉村)
施設利用率 津市65% 久居市18〜20% その他町村 15〜17%
B西部清掃工場
次に西部清掃工場を見学した。ここは津市の施設(公共施設)なので、土日、祝日のゴミ搬入業務は行われていなかった。コンビニ探偵で、接触したゴミ回収業者は午前中に廃棄物処理場に搬入しなければならないといっていたが、一体どこへ搬入したのであろうか。施設に入ると事務局は休みであったが、担当技能員の方がみえたので施設内の見学をさせてもらうことができた。この西部清掃工場には現在、焼却能力が120d/日の炉が二炉あり、生ゴミの焼却が行われている。この炉の形式はWKK-フェルント式である。
はじめにオペレーター室で説明を受けた。説明によると、焼却は24時間365日行われているそうである。なぜなら、温度が低くなった300℃前後がダイオキシンが発生する確率が高くなるため、消火できないそうである。しかし、現実には適温な焼却に心がけているものの、生ゴミの中に不燃ゴミが混入されていたりすると、ひどいときには焼却炉の火を落とし、不燃ゴミを取り除いた後、再度、火を起こさなければならないそうである。それゆえに焼却炉の温度が再び300℃前後になるので、ダイオキシン発生の恐れも懸念されるとのことであった。さらに説明によると、2002年から国の環境基準が厳しくなるので、西部清掃工場としては新炉建設を実施し、対応しなければならないそうである。現在、新炉については建設中であるが、建設現場近くのオオタカの巣が亡失した問題や新炉建設に伴う地元住民の説明会で一部地元自治会と流会に終わったまま、工事を実施している問題など、新炉を建設するために越えなくてはならないハードルは大きい。
予定としては2001年までに1炉建設し、現在使用されている炉についてはフィルターをかけて使用するなどして対応していきたいとのことである。また、西部清掃工場では、白銀環境センターと違い、不況に関係なく、ゴミの排出量は多いそうである。むしろ、今年の3月から、久居市が値上げしたことも一つの要因となって増加しているとのことであった。ゴミの量については季節によって異なるが、総合的に見ると、年々増加しているそうである。排出された生ゴミの中には折り畳み式(脚立)のイスが混入されていることもあり、ゴミの量を削減するには、ゴミの分別についてのマナーが欠落した人を少しでも啓発し、モラルを大切にしてもらうよう指導していくことが大切であると説明された。
次にクレーンコントロール室を見学した。ここでは交代勤務でクレーンを操作し、ゴミをつかみ取っては、一定の上空で離す作業が繰り返し行われていた。操作をしている作業員に話を聞くと、この作業は一見単純そうに見えるが、ゴミ袋から生ゴミを取り出す作業と生ゴミに含まれた水分を除去する作業もあるので、割と手間がかかるそうである。それゆえに、長時間この作業を行うことはコントロール室自体、少し生ゴミの異臭がするといった状況と併せて考えてみて、困難だとのことである。また、この場所の窓際より、問題の新炉建設現場をみることができた。
C久居榊原風力発電
この風力発電は国内最大規模の発電施設で、布引山地青山高原の緑峰・笠取山の頂上近くに設置されている。久居市発行の広報紙によると、風車1基あたりの発電能力が750kWで計4基設置され、電力会社へクリーンエネルギーとして供給される予定とのことである。また、風車1基の高さは75bで奈良の東大寺大仏殿よりも高い。
実際の現地を見てみると、悪天候で、周囲は霧に覆われていて、視界が悪く、風車についてあまり観察ができなかった。しかし、予想通り上空を見上げなくてはならないほど、風車は高く、回転している羽も長かった。風車近くに、羽等が展示してあったが、それを見ても、とても長く感じた。管理人らしき方が私たちに近づいてきて、私たちのことについて尋ねられた。まだ、見学は一般開放していなかったのだろうか。私たちは風雨がひどくなってきたため、ものの5分で撤収した。おそらく、天気が良ければ、ここをもっと観察できたのであろうが、今回の見学はこれくらいが限度になろう。しかし、この悪天候の中、また、昼食後の睡魔におそわれる時間帯にも関わらず、運転していただいた疋田先生をはじめ佐橋氏、大東氏に感謝申し上げたい。
D里山
最後に、里山を見学した。このあたりは久居高校の近くであり、私の母校であるので馴染みの深い場所である。里山はきれいに整地されており、疋田先生によると、ここまで整地するのにかなりの時間を要したと説明されていた。間伐材を利用したベンチやインディアンハウスがあり、天然トイレもあった。私は童心に戻った気がして、ここでバーベキュー等できれば、都会の喧噪をひととき忘れさせてくれる空間になるのではないかと思った。
ここは中部ロイヤル(ゴルフ場)の建設予定地であったがバブルの崩壊で計画が頓挫し、そのままの状態になっている場所である。それゆえに、市が買い取るには高値にならざるを得ず、手つかずの状態になっているのが実状である。こういった里山のボランティアによる草の根運動こそ、現在の均衡を破り、国及び地方公共団体の援助が得られやすい状況になるのではなかろうか。
4. 感想
今回のフィールドワークは、参加者が全員、同じ感想を持っていると思うが、コンビニ探偵が失敗したことは、とても残念だった。
しかし、白銀環境センターや、西部清掃工場等を見学できたことは貴重な体験になったと思う。白銀環境センターにおいては、ペットボトルなど、私たちが日常生活をしていく上で、つい見落としやすいモラルについて理解することができた。ここで私が一番おもしろいと感じたことは、バブルの頃に比べ、排出ゴミが減少したということである。佐橋氏がフィールドワーク後のゼミで、今までありがたいと拝んでいたものが、寺約終了後、たちまち、排出ゴミに早変わりするといわれていたが、これは特殊な事でなく、私たちの日常生活にも起こりうる問題である。例えば、今回のコンビニを例に挙げると、弁当などは夜12時になれば、それまで値段、価値があったものが、1分も経たない内にゴミになる。
また、流行でそれまで価値があると思われていたものが、今では価値のないものになっていることがある。つまり、ゴミの排出量と人の心は正比例する関係であり、ゴミの排出量を削減することは、改めていうことではないが人の心の持ち方が大いに関係するということである。この後、西部清掃工場を見学するのだが、ここではゴミの排出量がそれほど変化していなかった。これはおそらく、贅沢品は財布を縮小しているが、日常生活に必要な食料品等はバブルの頃とそれほど変わっていないということだろう。ゴミの排出量と社会の関心事の相関関係を統計的に調査を行えば、ゴミの削減を実現するヒントが得られるかもしれない。
ところで、このレポートを作成するにあたり、調査を行ったところ、平成11年6月9日に東京都杉並清掃工場が、全国では自治体として初めてのISO14001の認証取得がなされたようである。ダイオキシン対策の概要を説明すると、焼却炉の運転では、連続的に測定・監視できる焼却温度や一酸化炭素濃度を管理指標として、燃焼管理の徹底を図るそうである。また、平成12〜14年度に1炉づつ実施する予定の、バグフィルター(ろ過式集じん設備)設置工事の後は、排ガス中のダイオキシン類濃度については、0.1ng/立方m(新設炉の基準値)を目指すとのことである。その他にも「環境にやさしい清掃工場」と「地域に開かれた清掃工場」を基本コンセプトとし、水などの循環利用を進めたり、前年度対比で1,500万円の経費削減を図るそうである。
このように西部清掃工場でも一部であるが、地元住民に理解が得られないのはISO14001認証取得など、目に見えた形での説明がなされていないのではないかと思う。これからはこういった配慮が行政が環境問題に取り組む上で必要不可欠になってくるのかもしれない。
今回のフィールドワークにおいて、私の感想が白銀環境センターや西武清掃工場にややウエイトが置かれたが、環境との関わりでコンビニ、そして風力発電、里山も大変重要な問題であり、今後も追い続けなければならないテーマだと思う。今後のフィールドワークや仕事でも生かすことができれば、このうえない幸いである。