【けち】〜【けんけ】

−−−−−−−けち−−−−−−−
・けちが付く 
縁起の悪いことが起こる。良くないことが起こったために物事が巧く進まなくなる。 用例:洒・
南江駅話「女郎買にけちが附いた」 用例の出典:南江駅話(なんこうえきわ) 洒落本。北左農山人。安永6年(1777)。・・・詳細調査中。
・けちを付ける 1.
縁起の悪くなるような嫌なことを言ったりしたりする。 用例:雑俳・柳多留−二「手の筋を見ると一筋けちをつけ」 2.欠点を見付けて貶(けな)す。 類:●難癖を付ける癖を付ける 例:「仕事(商品)にけちを付ける」
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・決河の勢い
(けっかのいきおい) 堤防を決壊させて河水が流出するような、猛烈な勢い。
月下氷人
(げっかひょうじん)
・血気に逸る
(けっきにはやる)[=進む] 元気に任せて、向こう見ずに勢い込む。
・血気の勇
(けっきのゆう) 血気にかられた一時の勇気。向う見ずな勇気。 類:●猪勇(ちょゆう)
・血相を変える
(けっそうをかえる) 顔の様子、顔色を変えるという意味で、何事かが起こったときの驚きや怒りなど、顔に表れた急激な反応。
・月旦評(げったんひょう) 人物を論評すること。 類:●人物評●品定め●月旦 
故事:後漢書−許劭伝」 中国、後漢の許劭(きょしょう)と従兄の靖は、郷里の人々の人物評をし、毎月朔日(ついたち)に品題を変えたという。
・尻の穴が小さい
(けつのあながちいさい)[=狭い] 1.度量が狭い。小心である。 例:「尻の穴が小さいことを言うな」 2.けちである。吝嗇(りんしょく)である。 ★尻の穴が小さいと「出すものが小さい」ので、けちで小額しか払わないことを言った洒落(しゃれ)から、という。
・尻の穴が太い
(けつのあながふとい)[=広い] 1.度量が広い。大胆である。2.図々しい。
・尻の毛を抜く
(けつのけをぬく)[=毟(むし)る] 誑(たぶら)かす。騙(だま)す。欺(あざむ)く。 類:●尻の毛を抜く
・血路を開く
(けつろをひらく) 1.囲みを切り抜けて逃げ道を作る。敵の包囲を破って逃げる。 用例:読・
弓張月−前「終に一条(ひとすぢ)の血路をひらき、東南を投(さ)して走りける」 2.困難な事態の解決方法を見付ける。困難を切り抜ける。 用例の出典:椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき) 江戸後期の読本。5編29冊。曲亭馬琴作。葛飾北斎画。文化4(1807)〜8年刊。源為朝を主人公として、為朝伝説を縦横に利用し、「保元物語」「太平記」などの古典、中国の「水滸後伝」の構想などを生かした伝奇小説で、九州、京都、伊豆七島、琉球を舞台に、雄大な構成で波乱に富む筋を展開させた長編。 人物:滝沢馬琴(たきざわばきん) 江戸末期の戯作者。明和4年(1767)〜嘉永元年(1848)。別号曲亭など。山東京伝に師事し、はじめ黄表紙などを書くが、寛政8年(1796)の「高尾船字文」以後次第に読本に力を注ぐ。勧善懲悪を標榜しつつ、雄大な構想と豊かな伝奇性を備えた長編の読本に力作が多い。著「椿説弓張月」「南総里見八犬伝」など。 参考:南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん) 読本。9輯98巻106冊。曲亭馬琴。文化10年(1813)起稿。天保12年完成。文化11〜天保13年(1842)刊。室町時代、安房・上総・下総に勢威を張った豪族里見家の興亡を背景に八犬士が活躍する長編伝奇小説。勧善懲悪を基調とする。全体の構想を「水滸伝」に借り、文体は雅俗折衷の和漢混交文。「里見八犬伝」・「八犬伝」。
・決を採る
(けつをとる) 採決する。
・尻を捲る
(けつをまくる) ならず者などが着物の裾を捲って座り込むところから、窮地に立った者が、本性を現わして、威嚇的な態度に出る。 類:●尻を捲る居直る
・尻を割る
(けつをわる) 1.悪事の企(たくら)みなどを露見させる。悪事を暴露する。2.隠し誤魔化していたのが見付かる。 類:●尻尾を出す 3.物事を中途で止める。投げ出す。4.商売をしくじって破産する。 類:●尻を割る
−−−−−−−けに−−−−−−−
・褻にも晴れにも(けにもはれにも) 1.平常でも晴れた日でも。普段でも表立った日でも。 類:●いつでも 用例:中華若木詩抄「褻にも晴れにも蓑一つなれば」 2.ただ一つであること。良くも悪くも。 類:●後にも先にも 用例:滑・浮世風呂−二「褻にも晴れにも人の男だけに」
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・毛の荒物
(けのあらもの・あらきもの) 毛が硬(かた)い、大きな獣。 
反:●毛の柔物(にこもの)
・毛の末
(けのすえ)[=先] 極めて少ないことを、毛の先端に喩えて言う。 類:●毛の先●毫末(ごうまつ)●小指の先 用例:
書紀−允恭10年正月(図書寮本訓)「毫毛(ケノスヱ)まかりも、弟姫を嫉むに非ず」 出典:日本書紀(にほんしょき) 日本最初の勅撰の歴史書。六国史の一つ。「日本紀(にほんぎ)」とも。全30巻。養老4年(720)。舎人(とねり)親王の主裁の下に完成、朝廷に献じられた記録が見えるが、その編修過程は未詳。第1・2巻は神代、第3巻以下は神武天皇の代から持統天皇の終わりまでを、年紀を立てて編年体に排列。「古事記」と関係が深く、「古事記」の撰録者である太安万侶(おおのやすまろ)も編集に加わる。「古事記」が一つの正説を定めているのに比べ、諸説を併記するなど史料主義の傾向がある。
・毛の柔物
(けのにこもの・にこきもの) 毛が軟らかな、小さな獣。 
反:●毛の荒物
・毛の足りない者
(けのたりないもの) 人間より毛が足りないのは猿であるということから、普通の人間より知能が劣っている者、愚かな人間を指して言う。
・毛の生えたもの・ようなもの
 主に、「〜に毛の生えたようなもの」の形で使い、〜より少し勝(まさ)ってはいるものの。〜がやや年功を経たもの。 例:「赤ん坊に毛の生えたようなもの」
−−−−−−−けむ−−−−−−−
・煙が懸かる(けむがかかる) 災いが自分の身に及ぶ。 類:●煙が掛かる  用例:伎・
初冠曾我皐月富士根−四立「おれが旧悪をしゃべったら、こんたの身にも煙(ケム)がかからう」 用例の出典:初冠曾我皐月富士根(げんぷくそがさつきのふじがね) 歌舞伎。鶴屋南北。文政8年(1825)。・・・調査中。
・煙たい(けむたい) 気詰まりである。気兼ねがある。窮屈である。また、相手を敬遠したい。 類:●けぶたい●煙い 例:「煙たい存在」 用例:浄・嫗山姥−二「道理道理、身にかからぬこちとさへ、けむたうてたまられぬ」 用例の出典:嫗山姥(こもちやまんば) 浄瑠璃。時代物。五段。近松門左衛門。正徳2年(1712)大坂竹本座初演。謡曲「山姥」をもとにして、これに頼光四天王の世界を取り入れたもの。二段目の「八重桐廓話」は「しゃべり」の演技として名高く、四段目の山姥と快童丸のくだりは歌舞伎所作事「山姥」の原拠となる。
・煙になる(けむになる) 消え失せる。跡形も無くなる。 類:●灰と化す●灰燼(かいじん)に帰す 用例:伎・霜夜鐘十字辻筮−三幕「金が烟(ケム)になったら」 用例の出典:霜夜鐘十字辻筮(しもよのかねじゅうじのつじうら) 歌舞伎脚本。世話物。5幕。河竹黙阿弥。明治13年(1880)初演。散切物。士族六浦正三郎が天下のため恩師を討ったが、妻に自殺され、乳呑児を抱えて苦労する。助けてくれた巡査が恩師の子息と知った正三郎は討たれようとするが、和解して剃髪する。
・煙に巻く
(けむにまく) 相手がよく知らないようなことを一方的に言い立てて、戸惑わせたり、茫然(ぼうぜん)とさせたりする。
−−−−−−−けめ−−−−−−−
・外面如菩薩内心如夜叉(げめんにょぼさつないしんにょやしゃ)[=似菩薩(じぼさつ)〜] 容貌は菩薩のように美しく柔和だが、その心は夜叉のように残忍邪悪である者のこと。 
★仏教で、男性の煩悩の種となる女性をたとえていう。〔経論にはなく、日本でつくられた言葉〕<大辞林(三)>
−−−−−−−けら−−−−−−−
・快楽不退
(けらくふたい) 快い楽しみを永久に失わないこと。 類:●快楽不退楽
・けりが付く 
物事の決着が付く。終了する。 例:「争いのけりがつく」
−−−−−−−けを−−−−−−−
毛を吹いて疵を求める(けをふいてきずをもとめる)
−−−−−−−けん(あ)−−−−−−−
・犬猿の仲
(けんえんのなか) → 犬と猿
−−−−−−−けん(か〜け)−−−−−−−
・狷介孤高
(けんかいここう) 自分の意志を固く守って、人々から離れ品格を高く保っていること。俗世に超然としていること。 
参考:狷介(けんかい) 心が狭く、自分の考えに固執し、人の考えを素直に聞こうとしないこと。
・喧嘩腰
(けんかごし) 今にも喧嘩を始めそうな強い態度。食って掛かるような態度。 例:「喧嘩腰で出迎える」
・喧嘩過ぎての棒乳切り木
(けんかすぎてのぼうちぎりき) 喧嘩が終わった後に棒切れを持ち出しても役に立たないということで、時機を逸して効果がないこと。 類:●泥棒を見て縄を綯う
・犬牙相制(けんがそうせい) 隣り合う二国の境を犬の牙が噛み合うように入り組ませて、お互いに牽制させること。 出典:「史記−孝文本紀」
・喧嘩に被る笠はなし
(けんかにかぶるかさはなし) 喧嘩はいつ身に降り掛かってくるか分からないものだから、それを防ぐ方法はない。
・喧嘩の側杖(けんかのそばづえ) 喧嘩を傍(そば)で見ていて、その打ち合う杖に当たること。転じて、自分に関係のない他人の間の紛争に巻き込まれ、とばっちりを受けること。 類:●とばっちり側杖を食う
・懸河の弁
(けんがのべん)[=雄弁(ゆうべん) 早瀬のように勢いが良く、すらすらと淀みのない弁舌。 類:●快弁●立て板に水●立て板に豆 
反:●横板に雨垂れ 出典:「晋書−郭象伝」 
・喧嘩は降り物(けんかはふりもの) 喧嘩は、雨や雪のように、いつ身に降り掛かってくるか分からない。 類:●
喧嘩に被る笠はなし
・喧嘩早い・喧嘩っ早い
(けんかっぱやい) 何かに付けて、すぐ喧嘩するという意味で、常に争い事を起こす、気短で乱暴な性格の者。
・剣が峰(けんがみね) 1.火山の噴火口の周辺。主として富士山頂のものを指す。2.相撲で、土俵の円周を形作る俵の表面。3.少しの余裕もない、絶体絶命の状態。 例:「剣が峰に立たされる」 類:●絶体絶命
・喧嘩両成敗
(けんかりょうせいばい) 1.中世、近世において、喧嘩をした者は、理非に関わらず、両方とも同じように処罰すること。 
★喧嘩両成敗法は、文安2年(1445)の藤原伊勢守のものが、最初という。<国語大辞典(小)> 2.喧嘩や争いを、どちらの主張をも認めない形で落着させること。
・喧嘩を売る 1.
喧嘩を仕掛ける。2.自分に仕掛けられた喧嘩を他人に擦(なす)り付けて逃げる。
・喧嘩を買う 1.
仕掛けられた喧嘩の相手をする。2.他人の喧嘩に関係して、それを引き受ける。好んで喧嘩の相手になる。
・玄関を張る
(げんかんをはる) 玄関の構えだけを立派にすることから転じて、外観を飾ること。見栄を張ること。 類:●態度を構える
・牽牛花
(けんぎゅうか・けんごか) 朝顔の花。 
故事:大事な牛を牽(ひ)いていって薬草である朝顔に替えた。
・牽強付会(けんきょうふかい) 道理に合わないことを、自分に都合が良いように無理にこじつける。
・現金(げんきん) 1.現にその場にある手持ちの金銭。有り金(がね)。 類:●現生(げんなま)●現銭●現銀 2.通用の貨幣。 例:「現金で支払う」 
★証書、手形、債権または目録などに対していう。<国語大辞典(小)> 3.金銭をその場で受け渡しすること。また、その金銭。即座に受け渡しのできる金銭。4.目先の利害によって、その態度や主張などをがらっと変えること。また、そのさま。 類:●現銀 例:「現金なやつだぜ、まったく」 用例:歌謡・松の葉−四「こは現金なる御慇懃」 5.簿記で、通貨・小切手・送金為替手形・預金手形・郵便為替証書・振替貯金払出証書・公社債利札などの総称。 用例の出典:松の葉(まつのは) 歌謡集。5巻。秀松軒編。元禄16年(1703)刊。主として江戸初期から元禄までの三味線声曲の歌詞を三味線組歌・長歌・端歌・吾妻浄瑠璃・古今百首投節に分類して各巻に収めたもの。
・舷舷相摩す
(げんげんあいます) 船と船とが互いに舷側を擦り合わせるほど接する。激しい船と船との戦いの様子を表す。
・喧喧諤諤
(けんけんがくがく) 様々な意見が出て、口喧しい様子。 例:「喧喧諤諤として結論を得ない」 
★(「喧喧囂囂(けんけんごうごう)」と「侃侃諤諤(かんかんがくがく)」との混交語)<国語大辞典(小)>
・喧喧囂囂
(けんけんごうごう) 喧(やかま)しく騒がしい様子の形容。多くの人が口喧しく騒ぎ立てている様子。
・言言句句(げんげんくく) 一言一句、言葉の端々に至るまで、という意味に用いる。
・言言肺腑を衝く(げんげんはいふをつく) 一語一語に熱意が篭もっていて、聞く人の心の中に染み込んでいく。
・蹇蹇匪躬(けんけんひきゅう) 自分の身を顧(かえり)みないで君主に忠節を尽くすこと。
・拳拳服膺
(けんけんふくよう) 心の中に銘記して常に忘れないこと。 類:●肝に銘ず
・涓涓塞がざれば終に江河となる(けんけんふさがればついにこうがとなる) 「江河」は、揚子江と黄河のことで、大河の意味。小さな流れも小さい間に堰き止めなければ、ついには大河となる。 出典:
中庸(ちゅうよう) 中国の経書。四書の一つ。1巻。子思撰と伝える。「礼記」から中庸篇を独立させたもの。天人合一の真理、中庸とその具体的な運用である誠を説き、先行の儒学説を総合整理して体系化し形而上学的根拠を明白にしている。後世、朱子編の「中庸章句」が多く世に行われた。

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