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November 26,1997-


  last updated 2004.9.17  








「人はそれを本格と呼ぶ」
始めました

 細々と続けております。相変わらず画像なし、掲示板なしの地味なサイトですが、どうぞよろしく。ミステリ系小説の感想文(ネタばれなし)がコンテンツの中心ですが、たまに「空論」「暴論」を撒き散らす日記みたいなものも更新しています。最新のものはこのページの下部にあります。

Contents

 ■  過去の本棚(日本版)
 ■  過去の本棚(海外版)
 ミステリ・エンターテインメント系小説の読了リスト、及び、感想文へのリンク集です。個人的な評価印付きゆえ、作品に先入観を持ちたくない方はご遠慮下さい。

 
 ■  思考の痕跡 
 以前「日々の出来事」に書いた長めの雑文や、ミステリ関係の各種ランキング・受賞リスト完読クエストなど。

 
 ■  オールタイムベスト(日本ミステリ)
 ■  オールタイムベスト(日本エンタメ)
 ■  オールタイムベスト(海外全般)
 ミステリ・エンタメ系小説の私的オールタイムベスト。
 
 ■  自己紹介 
 ■ 最近読んだ本
 
 ■  日々の出来事 (過去)
 

―― 日々の出来事 ――
 
2004/9/17

 最近テレビで綾辻氏をよく見かけるなあと思っていたら、『暗黒館の殺人』が出るんですね。夏休みのせいで、かなり情報音痴になってます。つうか、本格ミステリもテレビでプロモーションする時代っすか。なんだか不思議な感じ。

 爆笑問題が司会している番組で喋っている綾辻氏も見たんですが、氏は本格ミステリというジャンルについて「謎解きをメインにした〜」というような感じ(正確では無い)で説明していたのですが、画面下のテロップでは「トリック(謎解き)をメインに〜」というふうに変換されてましたね。個人的には物凄く引っ掛かったのですが、やはり世間的には「謎解き≒トリック」というふうに思われている、もしくは言い換えた方が通じるとテレビ制作者側は踏んだんでしょうね。まあ、本格ミステリがテレビで語られるっていうことは、とんでもなく凄いことなのでしょうが、一瞬にして誤解や誤りさえも広めてしまう可能性がありそうで、ちと不安もよぎりました。


宮部 みゆき 『魔術はささやく』(新潮文庫)
歌野 晶午 『ジェシカが駆け抜けた七年間について』(原書房)

 今頃読了。『魔術はささやく』は今さら言うのもなんですが、まさに宮部ミステリーの典型であり、新人としてはめちゃくちゃ高い出発点だったと思える作品です。新人がこんな作品書いてデビューしたら、そりゃ大騒ぎだ。序盤は主要登場人物の描写が重く、読み進めるのに時間がかかったのですが(基本的に重い作品は苦手なもので)、中盤からの構成力とサスペンスの盛り上げ方は見事と言うしかないです。読後感も悪くないし、ホント完成度の高い一冊。しっかしこの作者、少年を描くの上手いなぁ。あと、悪意を描くのも凄く上手い。読んでいて気分が悪くなるもの。

 『ジェシカ』も良く出来た本格ミステリですね。それはちょっとアレだよー、みたいな部分もありますが、気持よく騙されました。負け惜しみではありませんが、大部分はあたっていたんですよ、ホント。動機の部分も予想通りだったし、アレもそのとうりだったし…。あー悔しいなー。


 学校が学園祭週間に入るゆえ、私の授業も当分ありません。そのため次の更新まで2週間ほど開きます。あー、そろそろ展覧会の絵も描かなければ。


2004/9/9

 そうだ、覚えている内に、夏の間に読んだ本を書き留めておこう。

『本格ミステリ04』(講談社ノベルズ)
天城 一『天城一の密室犯罪学教程』(日本評論社)
島田 荘司『ネジ式ザゼツキー』(講談社ノベルズ)
鳥飼 否宇『密林』(角川文庫)

 あーれ、他にも何か読んだような気が…。とりあえず、 『本格ミステリ04』については政宗さんとこの企画に書きましたんで割愛。『密室犯罪学教程』は、「出版されてよかったですね」という気持と「ほんと教程本だなぁ」という気持と「んっ、なかなか良い作品あるじゃん」という気持が混ざってドン。なんていうか、こういう本が出版される、読むことが出来る環境っていうのは、長続きはしないかもしれないけど、ミステリ好きにとって恵まれている時代と言って良いんだろうな。しみじみ思います。

 で、『ネジ式ザゼツキー』。これもすごい本だなぁ。前半かなりしんどかったのですが、後半読んで満足。多少強引な作りのように感じましたが、作者が開拓し始めている「脳科学ミステリ」の明るい方向性みたいなものを感じた一冊。ていうか、追随者は出るんですかね。相当な筆力と知識(しかも最新の)が必要でしょう。


2004/9/2

 うわ、MAQさんが休止宣言出してる……。

 私最近、巡回しているミステリ系サイトがガクッと減っていたのですが、ネットにつなぐ度に必ず掲示板まで寄っていたサイトが、ついに皆無となってしまいました。まあ、昨今掲示板というコンテンツも右肩下がりだったような気もしますが、それと同じような歩みで「ネット上のミステリ論争」も目にしなくなったように思えます。

 以前MAQさんとお話したとき、私の「ネット上に書いたことへの反応の薄さに拍子抜けした」という言葉に、MAQさんも静かに頷かれていたことをハッキリと覚えています。今回の更新休止の原因は本業の方の御多忙が理由かと思いますが、その陰には「モチベーションの低下」もあるのではないか、と勝手に推測しております、ハイたんなる推測です。

 なんていうか、私もネット上で幾度か論争っぽいことをやってきましたが、とてつもなく時間と体力と精神力を消耗する行為であり、後味の悪い思いをしたこともあります。でも、その課程で得られたものは、いまだに自分の中でとても価値あるものとして輝き続けているし、後悔もしていません。

 最近も私は「本格」について駄文を書いてます。しかしこれらはもう、自虐的な慰撫行為だとわりきって書いています。なにせ、書いたところで反応は無いし、世の中なんにも変わらないのは了解済みなのですから。こんな現状でモチベーションを維持していられる「保守的な本格観をお持ちの方」なんているんですかね、いたらある種の仙人ですよ、本格仙人。

 いつの間にか愚痴っぽくなってしまいましたが、まあ、もう少しこのサイトは続ける予定です。本格ミステリに対する様々な感謝の念、尊敬の念は全く衰えていませんし、逆に、槍玉にあげたい仮想敵は腐る程(以下自粛)

 MAQさんの更新再開、首長くして待っております。


2004/7/21

 展覧会が終わり虚脱状態のまま長野へきました。もうへろへろ。なのに(以下前回更新時と同文)

 御来場くださいましたMAQさん、お忙しいなか本当にありがとうございました。私のテンションはあんな感じです。


2004/7/16

 搬入が終わり虚脱状態のまま長野へきました。もうへろへろ。なのに、実技系の授業を受け持っているゆえ、昼間はずっと歩きっぱなし、話しっぱなし。夜は神経が高ぶっているためか、何度も目をさますありさま。展覧会の度にこんな状態ですわ。

 読書は『本格04』を途中まで。なんとか投票したいと思ってます。


2004/7/2

 展覧会が近付いてまいりました。悪夢と胃痛に悩まされております。7/13(火)〜18(日)まで、練馬区立美術館の二階でやっとります。初日は午後から開場。その日の内に長野に来なければならないので、4時くらいまでいる予定。土日はほぼ開場に詰めているかな。最終日は4時半くらいに閉めて搬出です。興味のある方はどうぞ。  


夢枕 獏『陰陽師 鳳凰ノ巻』(文春文庫)読了。
日影 丈吉『非常階段』(徳間文庫)読了。


 感想は後日。

2004/6/18

 先日初めて脇見運転しました。早くも緊張感が薄れてるー、やばいやばい。

 ということで相変わらずミステリについてわーわー考えとります。(ここまでコピペ)

 ミステリは構えて読むべきか否か、なんてこと考えとります。今日の気分は「本格ミステリ」だなー、なんて感じでおもむろに本棚から目当ての未読本を捜し出し、電車の中で読みふける、という読書パターンが多いのですが、このときはやはり「本格ミステリ」を期待して読んでますよね。それなのにプロットやトリックがグダグダだったら、どんなにリアリティのある心理描写とかがあっても満足度は低くなります。同じように、今日の気分は「冒険小説」だなー、なんて(中略)、それなのに主人公が間抜けなチキンで、運や偶然に助けられまくりだったりしたら、どんなにリアリティのある戦闘シーンとかがあっても満足度は低くなります。

 非常に単純なことだと思うのです。「本格ミステリ」として売られている本に対して、まずはその部分を期待して読む。だから、あきらかに本格であることにこだわっている作品に対して、本格としてどうだったか時に厳しい意見を言うこともありますし、本格にこだわってない作品に対しては期待外れだったという意見を言うこともあります。逆に言えば、売る側が帯や表紙のどこかに「本格」という文字を印刷したり、どこぞのミステリ評論家やランキングが「本格」として高評価したなら、こっちはそのつもりでスイッチ入れちゃいますよ、本格用の物差を用意しますよ、結果として厳しい感想になることもありますよってことです。

 たぶんですが、政宗さんのところで行われる「本格短編」の企画に参加する予定です。当然私は本格の鬼モード(実際は鬼と言える程の読者ではないが)を発令して挑みますし、使い込んだ物差片手に石頭ブンブン振り回しちゃうつもりです。



 『旧乱歩邸・土蔵〜幻影城〜公開』という企画を今日知る。これは行きたいなー。しかし一ヶ月前の話題なのね。週に数回しかネットできないと情報にうとくなりますわ。  


マクリーン『ナバロンの要塞』(ハヤカワ文庫NV)読了。
景山 民夫『虎口からの脱出』(新潮文庫)読了。


 さすが名作の誉れ高き『ナバロンの要塞』。失敗の許されない隠密作戦。主人公達を襲う悪魔的なまでに執拗な大自然の試練と、優秀で狡猾なドイツ軍に翻弄される中、仲間を信頼し、助け、なんとしてでも作戦を全うしようとする心の強さ、そしてカタルシス。圧倒的なスケールの物語に感服。冒険小説の王道ここにあり。

 『虎口からの脱出』は、日本による満州国設立直前の史実をもとに書かれた冒険小説の傑作。中国大陸を疾走する1台の車と3人の個性バラバラな人物、それを追う日本軍など様々な勢力。圧倒的多数を前に、知恵と策略を駆使して切り抜けていく主人公達。手に汗握る展開と痛快なストーリーに大満足でした。この作家の作品は初めて読んだのですが、ここまでエンターテインメントに奉仕した作品を書いているとは知りませんでした。私が知らなかっただけなのですが、まだまだ面白い小説ってあるんですね。吉川英治文学新人賞受賞作。


2004/6/4

 先日初めて一人で車にのってドライブしました。緊張したー。

 ということで相変わらずミステリについてわーわー考えとります。ただ今のところ私の脳内では、大抵の読者はミステリを評価する際「本格ミステリとしての出来」をそれほど重要視していない、という結論にいきついています。キャラに魅力があって良い、新しい視点(切り口)があって良い、物語に吸引力があって良い、読んで面白ければ良い、などなど他に良いところがあればOK、という懐の深さが感じられます。

 時に、私もそんな大人の読者を「演じて」いたりしています。このサイトはミステリに対して興味を持た方が、自分の嗜好にあった作品を見つけたい時に、ちょっと覗いてもらえればいいなと思って作っていますから。でもたまにね、「本格としてはダメダメじゃん!」って大声で言いたくなる作品に出会うこともあります。そんなときも、どこか魅力的なところがあったのなら、そこを誉めようとしてしまうのです。

 なんというか、本格にこだわるという行為・姿勢は、どこか「格好悪く」見られてしまうことがあります。保守的だとか古臭いとか化石だとかね。確かにミステリには色んな楽しみ方があって良いと思うのですが、帯や推薦文で「本格ミステリ」を標榜している作品に対して、「本格」の部分を他の面白要素と同列に扱うのは、いささか納得できない自分もいるのです。

 「本格ミステリ」として売っている作品に対しても、その部分は期待せず、自分が読みたい角度から読み評価する。これが私の夢想する現代的な読者のスタンスであり、スマートな読者像にすらなってきているように思えます。

 「本格ミステリとして期待しないで読んだらびっくりした」。ええ、よくあります。本格読者よ、希望を捨てよ。なんてね。  


首藤 瓜於『脳男』(講談社文庫)読了。


 

2004/5/27

 あいも変わらず本格ミステリについて考えています。モヤモヤとした思考を整理しようと、「本格がトマトなら、◯◯系本格はフルーツトマト(◯◯にはラノベでもファウストでも君と僕でも可)」論をぶちあげようとしましたが、あえなく挫折。

 はたして、それまでトマトを美味しいと思わなかった人達が、フルーツトマトは美味しいと思えるようになったとしたら、普通のトマトにも手が伸びるようになるだろうか。それともフルーツトマトと表示されたものだけを選んで食べるようになるだろうか、というもの。まあ人によって違うだろうな。

 「フルーツトマト」って、結局は「業界によって付けられたラベル」であり、それは「トマトが苦手な人でも大丈夫よ」というメッセージを含んだ、商売の為に作られた言葉だと思います。本来、トマトはどこまで行っても野菜であり、果物にはなれない。その大前提というか、絶対に越えることのできない壁をひょいとすり抜ける「フルーツトマト」という言葉に対して、暴力的なナンセンスさとちょっとした魅惑を感じるのは、私がトマトの風味を苦手としているが、その栄養価には少なからず魅力を感じている小市民ゆえでしょうか。
 


2004/5/20

 「保守的な本格観」というものがあるのなら、どこかに進歩的、現代的、革新的本格観というものが存在するのでしょう。それがどういうものなのか、詳しく説明した文章を目にしたことはありませんが。

 「汎・本格主義」≒「革新的本格観」ならば、話は早い。私は(以下2行ほど略)。そうではない「革新的本格観」「現代的本格観」というものがあるのならば、是非とも勉強したいので出版物等ありましたら教えて下さい。これは嫌みでもなんでもありません。笠井氏の評論集とかにあるのかな。  


泡坂 妻夫『亜智一郎の恐慌』(創元推理文庫)読了。
高田 崇史『試験に負けない密室』(講談社ノベルズ)読了。
夢枕 獏『陰陽師 付喪神ノ巻』(文春文庫)読了。
新保 裕一『ボーダーライン』(集英社文庫)読了。

 どれも楽しめました。感想は後日付け足します。
 


2004/5/14

 へー、政宗さんのとこでは『赫い月照』ですか、これは意外でした。つーか、私の書いたヤバ気なコメントが全部さらされてるわ(確かに公表する可能性あり、って書いてありますね)。ま、正直な気持ちなのでかまわないです。槍玉にあげた為政者達(仮想)と顔合わすことは一生ないでしょうし。しかし時間がなかったからとはいえ、自分の文章下手だなー、ホント嫌になります。

 本家の受賞インタビューで歌野氏が面白いこと言っていますね。最初に驚きありきですか。こちらとしては、ただ単に驚きたいのではなく(そんなのだったらお化け屋敷行けばいいんですから)、本格ミステリでしか味わえない驚きが欲しいんですけどね。『葉桜』は面白かったですし、その手法を批判する気は毛頭ありませんが、これを「本格」の天辺に奉りあげる空気には馴染めないです。
 


2004/5/12

 自動車教習所、無事卒業いたしました。いやー、卒検は緊張しましたよ。平日に予約がとれず、ガキ共が路上を闊歩する土曜日に検定を受けるはめに陥り、半分あきらめムードだったのですが、なんとか補助ブレーキを踏まれずに済みました。あとは府中での試験に合格すれば、はれてドライバー(初心者)の称号がこの手に!

 政宗九さんのとこの企画に参加してきました。本来ならこっちのサイトに書くべき諸々の文章を、受け手の迷惑も顧みず政宗さんに送りつけてしまいました。どうもすみません。本格をとりまく状況に不満を持ちつつ、何もできない自分が嫌になります。

 言いたいことは喉元まできているが、ここは我慢して暖かく見守るべきか。  


有栖川 有栖『スイス時計の謎』(講談社ノベルズ)読了。
小野不 由美『くらのかみ』(講談社)読了。

 政宗さんの企画に参加する為に読みました。『スイス』は表題作に引っ掛かる部分が残りましたが、他は粒ぞろいの本格ミステリ短編集だと思います。『くらのかみ』はルビ地獄がとにかく辛かった。この「かつて子供〜」シリーズの立ち位置がイマイチ理解できず、どう評価すれば良いのか悩ましいのですが、あえて書くとすると、本格ミステリとしてはやや不満(人物の描き分け不足、推理の立脚点が不明確な所など)、ノスタルジックな物語はなかなか、ファンタジーとしては満足、というところです。
 


2004/4/22

 久しぶりに、駅構内の立ち食い蕎麦屋の話しでも。ついに、八王子駅ホームのお店が「あじさい茶屋」になってしまいました。大好物のかき揚げの味も若干変わった気が(汁のせいかも)。一応その店鋪内で揚げているのが唯一の救いです。ちなみに、高尾駅ホームも「あじさい茶屋」に変わっています。

 中央東線はどんどん「あじさい茶屋」化していくのでしょうか。大月駅はまだ桂川館ですが、あそこの味はどうも……。小淵沢以西に「あじさい茶屋」が進出しないことを祈るのみ。御柱祭の時に寄った、茅野駅改札横の立ち食い蕎麦も美味しかったです。

 で、先日、山手線内で一番旨いと評判の、品川駅の常盤軒へ行ってきました。入ったのは東海道線ホームの店鋪。いやはや、前評判通りの味に感激。ほんの少し舌触りのある麺に、さっぱりとした汁、そして具がたっぷりのかき揚げ。これは旨い。何かの用事で都内に出たら、遠回りしてでも寄りたい店です。

 


逢坂 剛『相棒に気をつけろ』(新潮社)読了。

 怪しい仕事で稼いでいる男女のコンビが主人公の、軽ハードボイルド物シリーズ短編集。ストーリーの基本はコンゲームです。さすがベテランの作品、文章も構成も洒落ていますし、どの短編も手をかえ品をかえ驚かせてくれます。そこそこの分量ながら、あっというまに読んでしまいました。それでもって、実力のある作家はキャラ立てが上手い。作者は大長編冒険小説でも有名ですが、そっち系の作品に苦手意識を持っていて、作者名だけでこの本を避けている方は損をしています。大傑作とまでは言いませんが、ハードボイルド的な雰囲気を気軽に楽しめる秀作です。
 


2004/4/14

 新年度の準備が大変なことになっていて、まったく更新する暇がありませんでした。

 『御柱祭』に参加してきました。学校がある富士見地区が担当の「本宮三御柱」の曳航にも交ぜてもらい、とても楽しく意義深い経験をさせて頂きました。「前宮二御柱」の木落としはすぐ横で見れましたし(体勢が崩れ、凄い勢いで人が吹っ飛んでました)、翌日は自分が曳いた「本宮三御柱」が坂を落ちるのも見られました(こちらは雨の中、とても綺麗に落ちてました)。祭は参加した方が断然楽しいし、より深く文化というものに接することが出来ますね。


恩田 陸『三月は深き紅の淵を』(講談社)読了。
大蔵 崇裕 『無法地帯』(双葉社)読了。

 今さらながら『三月〜』読みました。久しぶりに寝る間を割いてまで読みふけた一冊。忘れかけていた読書の喜び、楽しみの原点を再確認させられました。まさに「堪能」。
 『無法地帯』は主要人物の「マッチョなおたく」「ハードボイルドなおたく」というキャラ付けがなんともかんとも。でもまあ、異常感丸出しの小説世界をグングン突き進むエンタメ作品としては大満足。コレクター心理とかとてもリアルで、たまにゾクっときました。


 ということで、密かに進行中の『このミス読了クエスト』、161冊中、117冊読了となり、読了率の方も73%と、目標の80%まであとチョイというところまできました。文庫化待ちや図書館頼みの読書生活ゆえ、ここ数年の作品の読了数が少ないのは仕方が無いと諦めています。問題なのは、ずっと以前に出たのに読んでいない作品。ざっと見たところ、大長編を避けまくっていますねー。それと、深刻そうな話も。天童荒太作品とか『理由』とか『逃亡』とか『依存』とか(なんか、二文字の題名が多いな)。大沢在昌氏の作品とかは、そんなに苦労せず読めるだろうけど、花村萬月氏の作品となると……。基本的に「読みたくなったら読む」つもりですが、だからといって読まず嫌いはまずいと思うし、視野は広げたいですし。その意味ではこのランキング程、最近の様々なジャンルにおける秀作が並んでいるリストはないですよね。うーん、悩ましい。
 


2004/4/1

 新年度の準備で学校に来ています。助手が発熱でダウンしたため、孤軍奮闘中。最近はついていないことばかり起こります。この前も打ち合わせで新宿行ったらドタキャンになるわ、朝から夕方まで教習所にいたのに予約満杯で一度も乗車出来ないわ、開封したばかりの大ビンのインスタントコーヒーを床にぶちまけるわ、コツコツとやり込んでいた「チョコボの不思議なダンジョン」のデータ(あらゆるレベル99、地下555階)をうっかり消去しちゃうわ。もういや。

 今週末は七年に一度の諏訪の大祭、『御柱祭』に行ってきます。すごい混雑らしいけど、木落とし見れるかな。


高野 和明『十三階段』(講談社)読了。

 題名からわかるように、死刑問題とサスペンスミステリをからめた作品。ミステリの部分に関していえばいくつか疑問も残りましたが、良くできた構成だと思うし、序盤から結末まで一気に読ませる吸引力もありました。なんだかんだで乱歩賞は良い作家を輩出していますね。
 


2004/3/26

 復活です。学校が休みの間、一週間ばかりイタリア行ってきました。天候には恵まれなかったのですが(ミラノは雪)、美術、芸術、建築物、そして都市の美しさは想像以上で圧倒されました。特に本場の教会には度胆抜かれまくり。もし自分が200年前の時代に生まれていたとして、長旅の末あの空間に辿り着いたとしたら、絶対に天国があるって信じただろうな。

 安いツアーだったゆえ、ホテルと食事と移動は正直不満だらけだったのですが、フリーの時に外で食べたピザとパニーニとジェラートはむちゃくちゃ旨かったです。街角で売ってる何の変哲もないお手軽フードなのにこの美味しさ。やっぱ本場の味って凄いね。

 丁度カーニバルの時期でもあったのですが、ベニスは土砂降りで雰囲気だいなし。ベローナはハイテンションの若者達(みんなシェービングクリームの様な泡で全身真っ白)の群れが大騒ぎしている中(つうか、ほとんど暴動状態。パトカー急襲、群集大移動、野次馬大はしゃぎ)、襲われない様に警戒しての観光に、精魂使い果たす。向こうの祭りはやばいね。

 最終日前日はローマで丸一日フリー。ホテルから地下鉄で中心部まで行って、地図に載っている主な教会を巡り倒す。装飾の学校に勤めている身としては、どこもかしこも勉強になりますねー。比較的小さい教会でも本当に素晴らしい空間ばかり。中でも「セント・プラッセーデ教会」の礼拝堂のモザイクは圧巻。その神々しさと美しさは、そこに入る全ての人々の心を、聖なる輝きで満たしてくれます。巨大な空間を持つ大聖堂も良いですが、ここの小さな礼拝堂の空間は、今までに経験したことの無い涼やかな感動がありました。


 旅行から帰ってきてからは自動車教習所に通いまくってます。しっかしこの時期混んでますねぇ。予約は取れないは、朝からキャンセル待ちしてても乗れないこともあるは、久しぶりの運転にドキドキだは。なんとか仮免は一発で取れましたが、路上教習おっかねー。先日は雨の夜の100分教習。帰宅ラッシュに巻き込まれ、終わった時には集中力を使い果たして精神はボロボロ、アクセルを微調節し続けた右足首はつる寸前でした。


大倉 崇裕『七度狐』(創元クライム・クラブ)読了。
千街 晶之『水面の星座 水底の宝石』(光文社)読了。
柄刀 一『OZの迷宮』(光文社カッパノベルズ)読了。
逢坂 剛『燃える地の果てに』(文藝春秋)読了。

 読んだのこれだけです。『七度狐』は最近では希にみる正統派本格でしたね。それゆえか、早い段階で犯人は予想できてしまいました。それでも楽しめましたよ。刺激や裏切りだらけのミステリが増えているなか、非常に落ち着いた作風が逆に新鮮でした。

 『水面の星座 水底の宝石』は未読作品のネタバレ部分を飛ばしながらの読書ゆえ、真っ当な評価とかは出来ません。ただ、最近のミステリの傾向とかは適格に押さえていたように感じました。ネタバレなしでこういう本があったら、最近のミステリから入った人たちも手に取りやすいし、理解を深められると思うのですが、難しいのですかね。

 『OZの迷宮』は元ネタがわからないのも原因だと思いますが、なんていうか、ここまでドライだと作品世界にのめり込めません(裏切られるのが予想できてしまうから)。テキストとしては良く出来ていると思いますが、小説としてはどうなのでしょうか。ある意味、真のマニア向けだと思います。

 久しぶりに手に取った逢阪氏の『燃える地の果てに』は期待通りの一冊。やっぱ冒険謀略系って好きなんだな。終盤に用意されている驚きは作者のサービスですかね。ちょっとやりすぎのような気も。それでも満足のいく作品であったことには変わりありません。


 

2004/2/13

 長野の学校が春休みになるゆえ、明日からしばらくの間、サイトの更新とメールの送受信がストップします。頼みの実家のパソコンも、ウイルスにやられて療養中なのです。

 みすこんは長野の学校の卒業式とバッティングしたゆえ今回も不参加です。ちなみに島荘先生の講演会は今日知りました。もちろん締切られています。なんか知らんけど、オフ会的なものに近付くことすらままならないな。


奥田 英朗『邪魔』(講談社)読了。
高田 崇史『QED−東照宮の怨』(講談社)読了。

 『邪魔』は前作より物語の多角的な厚みと登場人物の焦燥感が増した分、ジェットコースター的なエンタメ性が薄れたように感じました。どちらかというと前作の方が好みでした。『QED』は東照宮の分析はなかなか面白かったです。殺人事件との繋がりは強引に思えましたが、歴史物は好きなジャンルなので応援したいです。
 


2004/2/4

 年度末恒例の合評会終了。つかれたー。でも、毎回目の当たりにする学生(特に一年生)の急成長は素直に嬉しいし驚かされる。


福井 晴敏『川の深さは』(講談社)読了。

 冒険小説としては面白く読めたのですが、設定やキャラなどに他の福井作品と被っているところが多く見受けられ、新鮮味に欠けた印象。読んだ順番も悪かったのかも知れませんが。ただ、新人でこれだけ書けるのは相当な才能だと思います。
 


2004/1/28

 「人はそれを本格と呼ぶ 第3回中間発表」アップしました。投票者数は14名。おまけのアンケートで答えていただいた作品も、かなりの数になってまいりました。本当にありがとうございます。まだまだ受け付けておりますので、追加投票、そして迷ってる方もジャンジャンご投票下さい。

 付録の方はまだ更新していません。あっちも何とかしないと。連中も手持ち無沙汰ゆえ、こっちに乱入してくるかも。

 しっかし『生ける屍の死』は強いなー。現時点で三冠王(質問1でのAの数、質問2での合計点・平均点)ですが、当分安泰じゃないかな。特に、質問2関係は独走状態です。リストから漏れた作品で『生ける屍の死』と張り合える作品って何かあるかな。おまけアンケートの結果から予想すると、本命『人形はなぜ殺される』、対抗『斜め屋敷の犯罪』、大穴『本陣殺人事件』てところでしょうか。

 あー疲れた、今日は早く寝よう。明日は朝っぱらから東京へ出発。学生達とマイクロバスで4時間も揺られることに……。車の中で本を読むと酔っちゃう体質(電車は平気)ゆえ、爆睡を決め込むか。
 


2004/1/21

 MAQさんのところの投票結果を見ました。個人的に『葉桜〜』は「本格ミステリ」ではないと考えていたので、結果にはちょっと驚きました。でもまあ、よくできた小説だと思いましたし、昨年度ナンバーワンのミステリという意見にも文句ありません。実に面白く読みましたし。

 私はいまだに本屋で「本格」という文字に反応してしまいます。でも、自分が考えている本格と、本屋さんで見かける本格という字面には大きな開きがあることをハッキリ自覚しないと、不利益を被るのは私自身であり、また、先入観満載で読まれた作品も不幸。世間で言う「本格」とは何なのか、見極めねば。

 「人はそれを本格と呼ぶ」の手動集計がやっと半分まで進みました。来週中にアップするのは無理かな〜。平均値出すのとか割算とか苦手なんだよな〜。


 

2004/1/14

 長野は大雪です。


柄澤 齊『ロンド』(東京創元社)読了。
高田 崇史『試験に出ないパズル』(講談社ノベルズ)読了。

 『ロンド』は前半部分で膨らませた物語を、どのような形で収束させるのかが最大の興味となりました。死体を古典作品に「見立て」る理由が「本格ミステリ」として解体されるのか、「絵画ミステリ」として成就するのか。最後まで読んでみて、個人的には「そっちで構わなかったが、犯人の描き方(リアリティ)が薄い気がする。森村泰晶氏やシンディー・シャーマンあたりを引き合いに出すわけにはいかなかったかったのかな(現存する作家ゆえ)。あと、もう一つの方を進んでいたらどうなっていたかな」という感想です。書きたいことはまだまだあるけど、ネタに直結するのでこれくらいにしときます。

 『試験に出ないパズル』はパズルと小説の融合、というチャレンジは面白いと思いました。でも、どうしたって無理な部分が先に目に写る。パズルなら「Aさん」ですむのを、小説ではきっちり名前を付けなければならない。それだけで「解く気が萎えた」パズルがあったのも事実。ここらへんは作者に「このパズルは小説化すればもっと面白くなる」という選択を慎重にやってもらうしかないでしょう。このシリーズには中編とかも有るようですね。こんど探してみます。
 


2004/1/9

 今年最初の更新になります。よろしくお願いいたします。昨年は波乱万丈の一年でした。今年はどんな一年になるのやら。

 「人はそれを本格と呼ぶ」への投票ありがとうございます。実生活で色々有り、当初の予定より遅れると思いますが、今月中には中間発表を行いたいと思っています。

 昨年最後に読んだ本は、『赫い月照』でした。神戸の例の事件に関する部分、そして作中作はとても面白く読みました。ミステリ的な驚きはほとんど感じなかったのですが、将来大化けする可能性を持った作家だと思いました。

 今年最初の読了本は『ロンド』になりそうです(現在半分ほど)。絵描きさんが書いたミステリを初めて読んでいるのですが、個人的に非常に読みやすい。見たことある風景、人間関係、作品で物語りが構成されているからでしょう。ていうか、この世界を知らない人はこの作品を楽しめているのかな、と余計な心配をしてしまうくらい。先の展開がどうなっていくのかとても楽しみです。


高田 崇史『試験に出るパズル』(講談社ノベルズ) 読了。
谺 健二『赫い月照』(講談社)読了。
 


 

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