103.SMAPのオンリーワン思想
 

2004.1.31
  


SMAPのヒット曲、「世界に一つだけの花」について、「週刊現代」で次のような記事がある。私が何となく抱いていた疑問を良く言語化していると思うので、以下抜粋する。良く識者に問い、うまくまとめていると思う。(平成16年2月7日発売号の「週刊現代」より)

出世して金もうけに成功した人が勝ち組、それ以外は負け組という画一化した価値観しか認められない社会の中で、敗者となって末端に追いやられてしまった人達がいます。自分の価値観で人生の成否をとらえたい彼らにとって、1番言ってもらいたい言葉が「オンリーワン」だったのではないでしょうか。
(ジャーナリストの斎藤貴男氏)

30歳過ぎてもアルバイト生活を続けている友人に、カラオケで悦に入ってこの曲を歌われたりすると、「ちょっとなあ」と思います。オンリーワンな自分に酔ってばかりいないで、足下を見つめるようと言いたい。
(30代の会社員)

人を傷つけたくないし、自分も傷つきたくない。痛みに弱い現代人の心根にぴったりなのでしょう。「お互い嫌なことは言いたくない。そのままの君でいいじゃない」と慰め合う歌ですよね。徹底的な守りの姿勢を感じさせる、なんとも気持ちの悪い歌です。
(コラムニストの石原壮一郎氏)

彼らは個性的に生き、自分らしさを大事にしたいと思っている。ところが矛盾したことに、人と争いがあう中で自分らしさを磨くことには消極的なんです。平凡ではいたくないけど、人とは競いたくない。競争は回避したうえで、独りよがりの基準で個性的でありたいと願っている。私は私という意味でのオンリーワンを志向しているのです。
(法政大学教授の社会心理学者、稲増龍夫氏)

世界にひとつだけのオンリーワンだから尊重すべし、とはあたかも神の言葉のようです。公平無私になってすべての者を受け入れ、愛情を注ぐ度量があって初めて言えることでしょう。ところが今の若者には、「今のままのオレを受け入れてくれよ」といった狭量さしか感じない。努力や向上心を伴わない自己肯定をし始めたら、人間として衰えるしかありませんよ。
(駒沢女子大学教授、認知心理学者、富田隆氏)

最近の中学生は何をするにも自分の判断基準が1番だと思い込む傾向にあります。自分には個性はあり、価値があると信じ込んでいる。そのまま世の中に出るため、当然周囲は認めてくれません。そのとき彼らは「自分を受け入れてくれない世間が悪い」といった考え方をするようになります。原因を周囲に押しつけたまま転職を繰り返し、やがて社会に疎外感を抱いてしまう。この歌の持つ空気が、彼らの心を代弁しているのではないでしょうか。
(中学教師、プロ教師の会主宰、河上亮一氏)




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