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むじんくん
 山梨県には無尽会という会合があります。皆さんご存知でしょうか。

-------うんちく--------

 無尽講とは、頼母子講ともいい、歴史の教科書に出てきます。庶民金融の一種で、親(発起人)が仲間をつくって、一定の掛け金を出し、入札・抽選で落札者を決めます。室町時代に起こって、江戸時代に盛んに行われますそれが、各地の相互銀行になり、いまの第二地銀となったのです。因みに、先日つぶれた第二地銀のトップだった東京相和銀行の頭取も山梨県出身者でした。

 その無尽が、現代の山梨に、そのまま残っているのです。山梨の居酒屋や寿司屋などに行くと、壁に「無尽・宴会承ります」とふつうに書いてあります。さすがに、入札するような形態は少なくなりましたが、ゴルフ無尽に旅行無尽などに変わり、1人がいくつもの無尽に入り、一般名詞化してしまいました。それが、良くいえば異業種交流会であり、無尽で仕事を回しあったり、情報交換したりします。悪くなるとよそ者を受け付けない閉鎖的となり、談合体質となります。そういえば、中央自動車にある談合坂パーキングエリアも山梨にありました。(どこかのコピペ、出展不明)

-------以 上-------

 …ということでお解りいただけたでしょうか?付け加えますと、一定のメンバーで大体月数千円お金を積み立て、数ヶ月に一回の会合(飲み会)を開く事をいいます。団体によっては旅行やお花見などを企画しているところもあるようです。

 私はこの無尽会というものには一つも属していません。友達がいないというのも理由の一つですが、同じメンバーで決まった周期で集まるというのが性に合わないのです。

 集まってお酒を呑んでワイワイ騒ぐのはストレスの発散にもなり、とても良い事だと思いますが、じつは私、この無尽の体質については以前から疑問を抱いていました。

 まず第一に、こちらの人って(わたしもこちらの人だが)他人を出し抜くことや出し抜かれることがキライなんです。『出し抜く』って言うと変なコトバに聞こえますが、広い意味での競争原理のこととお考え下さい。グループの中には、良しにつけ悪しにつけ皆を出し抜かない様、暗黙の了解が支配していると考えています。定期的に行われる無尽会は言うなればその確認会として機能をしているとおもうのです。

 参加者の私生活のレベルを、同じくらいの水準に調節する働きがプラスに働けば良いのですが、足の引っ張り合いみたいな『悪い方への平均化』だとしたら問題といえます。また、もし他人に先んじて一歩前に出るようなことをすると、ねたみ、ひがみ、そねみ、やっかみ、の対象にされるといいます。

 発祥がそもそも“談合”なんですから、大損は無いが大きな得も無い。結果の平等という反競争原理が山梨県には“無尽”を通じて広く根付いているのではないでしょうか?

 次に、私が問題に思っているのは、無尽の席は『噂の温床』となってしまっているのではないかということです。

 いくら異業種で集まるとはいっても数ヶ月ごとに同じメンバーで顔を合わせていると次第に『話のネタ』がなくなっていきます。話題を作らねばならないとき、一番手っ取り早いのが噂話です。よい噂話なら構わないのですが、得てして酒の席では悪い噂話(カゲ口とも言う)の方が皆の気を引き、盛り上がります。女子行員誘拐殺人事件のときの噂(*1)やアピオが倒産するという噂(*2)が風の速さで広がったのは私はこの無尽による負の効果だと考えています。

 県外の人がよく『山梨はよそ者を寄せ付けない』といいます。たしかに談合はよそ者を寄せ付けません。寄せつけたら甘い汁の分配が減ってしまいます。考えたくはないですがいまだにそう言った風潮がここ山梨には根付いているのではないでしょうか?


山梨では時々変な噂が発生します。

1)数年前、山梨で信用金庫の女子行員が雑誌記者を装った男に誘拐され殺されるという事件が起きました。しかし、犯人逮捕の直後、山梨に『犯人と被害者の父親はグルで、保険金を山分けするのが目的だった』という変な噂が立ちました。勿論そんな事実は無く、事件で娘さんを失ったご両親の気持ちを逆なでする心無いデマでした。

2)山梨で有名な結婚式場“アピオ”が倒産するという噂が立ちました。アピオは広く一般から結婚式用の積み立て金も募っていましたので、それの解約の電話が殺到。実際『倒産する』という事実は無く、アピオはパニックを静める為にやむなく新聞広告を出し、噂の否定と積立金の無事を告知しました。

 その他、O島がヤバイとかT盤ホテルがF屋ホテルに買収されるとか、普通に生活をしていても耳に入ってきます。本当かどうかは定かではありませんが、昨今インターネットに流れるデマ情報と大して変わらない印象すら受けます。口頭によるITなのでしょうか?田舎なのか最先端なのか分からないですね。

 思い出すと私自身、これらの話を聞いたとき、得意になって人に話していました。しかし、無尽による鼠算式の広がりには到底及びません。