〜 対談のあらまし 〜

(ナレーション:プロジェクトXの人を想定してください。いや、面倒とか言わず。)

文士・高橋京希と、sleepdogは、過去に一度、恋愛についてトコトンまで対談を行った。
それは、血も滲むような激論だった。指先が、痺れてかけた。朝焼けを、恨むほどだった。
そして、お互いの恋愛観が真逆であることを知り、男たちは恋愛リレー小説を決断するに至った。
「コラボ」が持てはやされている時勢だったかと言えば、たいしてそうでもなかった。
だが、必ずや奇蹟が起こせるはずだ! という確信が先走り、ついに、二人は手を組んだ。
奇数回はsleepdogが担当し、偶数回は高橋京希が担当した。登場人物は10人というのが条件だった。
二人で名前を決め、二人で魂を注ぎ、二人で育てた。
それが、全10話に及ぶ、「大好きだよ、君が。」であった――。
本編を未読の方は、ぜひ読んでからのほうが、この対談を楽しんでいただけることだろう。
ちなみに、もはやプロジェクトXネタも、乗り遅れの感が否めなかった…………

 

さて、いよいよ本編です。これは、チャット対談をそのまま収録した形になっております。
話題が行き交う場面もありますが、そんなライブ感も含めて楽しんでいただければ嬉しいです。

 

sleepdog(以下dog):こんばんはー。

高橋京希(以下京希):ミニョンさん!ミニョンさん!

dog :ギョンヒさん!ギョンヒさん!

京希:どうも。ネット小説界のペ・ヨンジュンです。まだ「ユンソナ」いや「冬ソナ」終ってないよね?

◆sleepdogメモ……この対談は、まだ「冬ソナ」が国営放送でやっていた時期に行われました。なぜ対談編集が遅くなったか、それはひとえに怠惰な私のせいである。理由は後述します……。

dog :終わってないですが、メッセ開いたら、待機中だったので、ログインしました。ビデオ同時録画してますんで^^。

京希:Oh! では、ちょっこし始めますか?

dog:はじめましょう!! お待たせしました!

 

京希・ミンケンの「大好きだよ、君が。」と
お互いに言い出せなかった二人対談。

 

京希:よーし。いっちょやりますか。まずはお互いに近況報告を。

dog :京希さんは最近どうですか?

京希:僕は、熱帯魚を飼い始めました。

dog :熱帯魚?!

京希:プラガットという、ショーベタの闘魚品種で、クラウンテイル型、色はエメラルドグリーンです。

京希:超かわいい。

dog :エメラルドグリーンとは趣味がいいですね〜。じゃあ、今日は熱帯魚記念日だ。

京希:そうなの。しかも、プラガットって日本じゃ手に入りにくいのね。値段もそこそこするの。でも今日ペットショップ行ったら破格の値段で売っていた!!

dog :闘魚品種ってのが気になりますが、どんなのです?

京希:ベタっていう魚はもともと品種改良を重ねて綺麗に長いヒレと、色が特徴なんですよ。

京希:その中のプラガットという品種は色はそのまま綺麗なんだけど、戦闘用だからヒレが短い。

京希:タイなんかではどちらが勝つかを予想させる賭け事なんかもあるのでプラガットのほうが人気なんですが、

京希:ヒレが短いので日本では人気が少ないのです。

京希:戦闘というのは、この魚。オス同志を同じ水槽に入れるとフレアリングという現象を起こして、

京希:戦いだしてしまうんです。

京希:長くて御免。

dog :飼い主が文士なら、ペットは闘魚ってわけですね?

京希:そんな高尚な心意気はないですけど、色は綺麗だし、凄く飼うのが簡単なんですよ。閧フかからない女が好きですから。魚も一緒。

dog :あははは。ベタっていうと、黒をイメージしてしまうのは、漫画世代でしょうか?

京希:ベタベタやん!

dog :ちゃんちゃん。

京希:まぁ、全然近況が小説関係じゃないのですが、こんなとこです。

dog :私は超短編にこってます。

京希:らしいですねぇ。超ってどのくらい短いの?

dog :厳密なルールはもちろんないんですが、500文字以下の作品専門の投稿サイトを最近知って、何作か送りました。

京希:僕の知らない投稿サイトがたくさんありますね。

京希:評判はどうですか?

dog :まだまだ修行が足りませんね。選者がいらして、及第点でないと、掲載されないのです。

京希:あらぁ。じゃあ落とされているの? んん〜、ミンケンは長い小説は得意なんだけどね。

dog :文体は長い小説向きなんでしょうが、合格しないと載らないと知ったら、意地でも挑戦したくなるじゃないですか^^。

京希:そうですね。是非頑張っていただきたい。

dog :ありがとうございます。

京希:では、始めますかね。「あの頃、僕たちは『大好きだよ、君が。』を書いていた……」の方を。。。

dog :はいはい、いよいよ本題ですね。始めましょう!!

京希:つうかねぇ、ミンケンが結構、僕がメールに書いた事を世間に無断で公表したりしているので、僕も合わせないと。

◆京希メモ……ミンケンに送ったメールにリレー小説を終えての熱い感想書いたら、ミンケンが勝手にそれを自分の掲示板に引用。小説に対して恥ずかしいまでの情熱を持っている事が暴露されてしまった。

dog :あ、ごめんなさい。お気を悪くしました?

京希:やっぱ文士としては人のいいところを見せちゃうと恥ずかしくってね。照れた。

dog :照れている文士殿の姿を期待しているファンもいるのでは?

京希:いないいない。そもそも俺にファンなど。

dog :いや、いるでしょ? 表だって私はファンです! と公言しないだけで。

京希:どうかなぁ。確かに僕の小説は某サイトの連載小説ランキングの10位以内に唯一2作品載ってるんだけど、全然感想とかはないね。

dog :感想を書くのは勇気が要りますからね。特に、バイオレンス物だと。

京希:いや、「ヴァイオレット・ヴァイオレンス」はもう選外なの。今は「ハンター・ブレイン」と「サーペント・レイク」が載ってる。

京希:サバイバルホラーと、SF。

dog :でも、読んでる人の数すごいですよ。感想メールフォームとか設置すれば、入るかもしれませんが。「大好きだよ、君が。」はいっぱい感想入りましたね。

◆sleepdogメモ……京希さんが2作を同時連載していたのは、対談当時(8月)です。「ハンター・ブレイン」は完結し、現在(9月)は「サーペント・レイク」一本ですが、相変わらず読者数はものすごいです。

京希:そもそも、僕、リレー小説始めた理由が、ミンケンのとこの読者をうちにも来させようって魂胆だったんだけどね。

dog :私もそうでした。

京希:まったく来ないよね。

dog :Tさんとか、Iさんとか、Sさんとか(Sさんは前からかな?)。

dog :Vさんも。

京希:一応、パブリックな対談なので、個人名称はひかえましょう。後から伏字に。

dog :あ、ごめんなさい。気をつけますね。

京希:で、連載が終ったわけだけど、率直な感想を聞かせてくださいな。

dog :まずはごめんなさい。と言いたい。長期連載になったのは、私がのろかったからです。m(_ _)m

京希:ううん。僕はその分長期に息抜きできたから全然気にしていないよ。ただ、読者がついて来れなくなったのは惜しいかな。

dog :そうなんですよね。時間が空くと、どうしても忘れちゃうから。

京希:うん。それがちょっこし残念だったけど、ミンケン異常に多忙だったでしょ? 仕方ないよ。

dog :犬祭りですか? 本当は、あれが始まる前に完結させたいと考えていたのです。

京希:終ってるよね。

dog :7話の掲載が非常に遅かった。京希さんの書いた6話から、まる1ヵ月空きましたから

京希:そうなんだよねー。ちなみに僕は異常なスピードで続きを書きました。

京希:驚かせたくて。

dog :早すぎて、目が回りました(笑)。私が書いてから、3日くらいでしょ?

京希:そうですね。読んで、即取り掛かる感じでやってました。

dog :何も考えてないのかと疑いました(爆) そんなことはないでしょうが。

京希:小説のライヴに近いなって思ったんです。リレー小説って。ライヴであり、セッションである。ミンケンが慌てる様も含めて表現だと思って、臨場感を出そうとしていました。

京希:何も考えてないのは酷い

dog :セッションって、テンポが大事ですよね。いや、すいません。>何も考えてない

dog :実は、何も考えられなかったのは私のほうで。とにかくありふれたストーリーにしないためには、と毎回悩みました。

京希:何も考えていないというより、かなり先をたくさん考えていたんです。僕は。

dog :どんなふうに?

京希:最終回なんて第1話をミンケンが書いている時に考えていました。

dog :本当ですか?

京希:うん。

京希:実際には最終回は3つ考えていましたけど。

dog :3つも? どうしても他の2つが気になりますが。

京希:ひとつは、「大好きだよ、君が。」で落とす、採用されたあれ。もうひとつは、心が盲目になって掌が伊賀に殺されて心の心の中に掌が残るみたいなやつ、もうひとつは瀧本たちの話は掌の創作で、そっちは小説だったというオチ。

京希:結局最初に考えたハッピーエンドになりました。

dog :ああ。ああ。3つ目は何となくイメージできます。そういう落ちもあるかな、と正直7話か8話で思ってました。でも、2個目は意外です。

京希:かなり2個目は悩んだ。もう崩壊させちまおうって、テロリストみたいに思ってたんですよ。

dog :伊賀は悪人なのですね?

京希:これは途中で考え付いた最終回案で、伊賀がどんどんおかしくなっていったでしょ? だから、それもありかと思ってね。

京希:ヴァンとか全員死ぬの。

京希:心だけしゃもじで伊賀に応戦して生き残る。

dog :ぎゃあ、ヴァンまで!!!

dog :心だけしゃもじで応戦! 瀧本や伊織はどうなるんです? 心に加勢するのですか?

京希:瀧本なんて一番最初に惨殺です。嫌な先輩だから、歪んだ伊賀にとっては。伊織は生き残り組みです。勝ち組みです。

京希:女子ふたりと伊賀だけ生き残る。

dog :掌のフック神拳も、テロリスト伊賀には叶わないわけだ。

京希:ホック真拳です。

京希:仏空でホック、英語のスペルはHOTCOOL真拳。

京希:HOT&COOOOOOL!!

dog :ホック真拳師匠の文士・高橋氏が現れ、伊賀を抹殺するんじゃないんですか?

京希:しないしない。だって俺、出たらルール違反だもん。

dog :出るじゃん。

京希:俺じゃないけど。

dog :違うんですか?

京希:いや、台詞ないし、絡まないから出演してないの。

京希:「サーペント・レイク」に高橋の若い頃が出るんだよ。今書いてる。

 

第1話 〜 始まりはいつも汗。(担当:飛犬)

 

京希:さて、そろそろ1話ずつ振り返ってみましょうか。1話はミンケンの回だったよね。

京希:この頃はどんな事考えて書いていたの?

dog :ううん、まずは、編集者と、作家志望の青年、という物語設定を出そうと思って。

京希:僕は非常に衝撃的だった。

dog :それは、瀧本に恋人(伊織)がいなかったからですか?

京希:いや、当初お互いに5話ずつ、1話の分量は原稿用紙10枚程度。と決めたていたから、スタートが予想よりかなり離れていた。

京希:そこからはいるんかい! ってね。

京希:連載中一番驚いたかも知れない。

dog :ごめんなさい。自白しますと、私(作者)がもう一度、恋が始まる前から恋を書きたかったんです。

京希:恋愛小説ってのにちょっとこだわっているみたいだったよね。

dog :思い切りこだわってましたねー。でも、書く前はすでに出来上がってるカップル(瀧本&伊織)だったんですよ。

dog :でも、仕事の愚痴を、うんうんって聞くばかりで、非常に退屈なお話でした。で、京希さんも、作家志望の青年と、その彼女だったら、うまくいかず悩む青年と、励ます彼女、という構図を予想して、違いがないじゃん、て一旦白紙に戻したんですよ。

京希:そうだったのか。非常に「仕事」っていうのが別テーマとしてでてきたのが面白かったのね。

京希:男性側の恋愛小説だなぁって。

dog :つい我が身に置き換えてしまって。恋心を忘れて、仕事にも満足していない男性の空虚さが、何となくかっこよく思えたのです。

京希:男は「恋愛」と「仕事」は別として考えるけど、「結婚」を「就職」ととらえる女性は「恋愛」も「就職活動」なの。そういう感覚からミンケンの文を読むと、なんとなく女性もなるほどーって思うかもなって思ったよ。

dog :ああ、言いたいこと、わかりますね。>「恋愛」も「就職活動」

 

第2話 〜 掌を裏返すと、それは犬の肉球だった。(担当:京希)

 

京希:続いて第2話。僕が書きましたが、ミンケンはこれを読んでどう思った?

dog :正直言うと、掌君がどんな小説を書こうとしているのか掴めなかったので、そこが第3話につなげられなかったんです。

dog :迷いました。

京希:ほう。掌の裏テーマって気がついてました?

dog :何ですか? >掌の裏テーマ

京希:実は初期の掌は、ミンケンをイメージして書いていたんです。僕でなく。

dog :ええええ???

京希:ミンケンとの対談から得たインスピレーションで書いてる。

京希:だから結婚していたの。

dog :私は未婚ですよ。確かに、今の彼女とは付き合い長いけど。

京希:そもそもこの小説は僕とミンケンの対談が発端でしょ?

京希:そこでミンケンは結婚したい派、僕はそんなの嫌派と分かれた。それを逆手に取りたかったんです。

京希:実際、僕が掌を一途に書いたのは対談から想像できないって声があって、まんまとのせたな、とガッツ・ポーズとりました。

dog :心ちゃんから来たメールの「少し時々狂ってらして(失礼ですね)大丈夫かなって不安になります。」って、これは京希さんでしょ?(笑)

京希:はい俺です。

dog :おい。

京希:未熟なとこだけど、どうしても俺も出ちゃう。

dog :なんて可愛い性格なんだ(爆)

京希:それが良かったのかな、と。ミンケンをイメージしているなんて誰も思わないから、結婚していて一途でビックリ、みたいな効果はあったと思う。

dog :そうですね。反面、瀧本のほうが一途でなかった^^。

 

第3話 〜 地味な二人が、ようやく出逢った。(担当:sleepdog)

 

京希:(はい。)その話題から第3話に。第3話は瀧本と伊織の出会いですね。

dog :ここはですね、白状すると、ほとんど実話です。しかも、相手は彼女じゃない女性。

dog :裏話っぽくなってきましたか?

京希:なってきたけど、言わなくていいんじゃん? 彼女読まないのか、これ?

dog :彼女は読みません。きっぱり。

京希:読まなきゃ書いて良いのかという疑問は残るが、そうなんだー!

dog :私のHNすらも知らないので、大丈夫です。

dog :でも、この女性は別に全然恋に発展するような間柄じゃないんですけどね^^。

京希:確かにリアルな感じはありましたね。劇作性は薄いですが。

dog :リアルなものを書こうと思ったのです。恋の始まりって、案外地味な場合もあると思うんです(経験上)。

京希:それを小説にするのはオッケーなのか、っていうのはありますよね。僕は怖くてできないかも知れない。

dog :私はへたに脚色すると、瀧本や伊織がどんどん自分の手から離れていってしまう気がして、不安だったのですよ。

京希:いや、ミンケンの文体はリアルな方が栄えると思うよ。逆に文章が硬くリアルであるから、問題の第4話のパロディが大成功できたわけだし。

dog :そうかもしれませんね。私がまじめに書けば書くほど、京希さんの打ち返しの切れが冴え渡る。

 

第4話 〜 リターンはお得意のバックハンド!(シャーーー!!)。(担当:速球の京ちゃん)

 

京希:第4話は問題の、僕の回です。僕はこの話を書いて吹っ切れたような気がしています。

dog :吹っ切れたとは?

京希:第4話は後半、第3話のパロディという手法で描かれています。

京希:これは僕の中ですごく葛藤したんですね。やっていいのか、悪いのか。

京希:でもやってしまった。吹っ切れました。俺はこれで行く!と。

京希:率直にどう思いましたか?

dog :率直にですか? ああ、そう来るんだー……と思いました。

dog :一瞬、頭が白くなりましたね。

京希:え? それって……怒ったの?

京希:僕は怒られると思っていた。

dog :こらぁっ!! 確信犯かぁ!

dog :というのは冗談で、笑いはしましたけど、怒りは全然なかったですよ。強いて言えば、プレッシャーが強まりました。

京希:確信犯ではあるんですよね。ただ、そうした方がゼッタイに面白いと、自分の中で強まってしまって、ああ書くしか手がなかった。

京希:ほんと、文章もまんまパクってるからね。

京希:怒られてもそれまでだと思って書きました。

dog :というか、私はここらへんで、ある一点に関してやきもきしてたんですよ。

京希:なになに? わくわく。

dog :掌君が、どんな小説を持ち込むのか、京希さんの側からなかなか出てこないことに焦りを感じていたんです。

京希:そんなに思いつめていたんだ。

京希:僕はね、あんまり小説については考えていなかったんだ。

京希:恋愛がメインになるだろうから、そうした設定は消えていくだろう、と思っていた。

dog :ええ。確かに、小説の中の小説が話の主になるのはちょっと違うんですよね。

dog :主役は恋愛感情ですし。ただ、私は、掌君の小説のやりとりを通じて、瀧本の生き方を書こうと思ってたので、なんとなく「待ち」の状態でした。

京希:すでにこの段階で仕事を通じての対比を構想として持っていたわけだ?

dog :いえ。掌君の作品に影響を受けて、瀧本の眠っていた恋したい感情が動く感じにしようと思ったんです。

dog :リレー小説の面白みとして、キャラ同士が影響され合うようにしたかったもので。

京希:ところが、文士が一向にそこに触れない(あはは)。

京希:僕は、反対に何でこの人は恋愛小説なのに恋愛させないのだろうと不思議だった。

京希:そういう意味では、お互いの恋愛模様が交差して行くような展開を考えていたので。

dog :ああ、恋愛模様の交差ですか。どんなイメージです?

京希:たとえば、A組に何か問題が起こるそしてそれが解決する。B組にも同じような問題が起きて、でも違う考え方や行動で解決する。みたいなね。

京希:完全なパロディにしたのは、そういう展開にしたいのを気付いて欲しかった心の悲鳴でもあったのかも知れません。

京希:恋愛の多彩さを描きたかった。

dog :なるほど……。恋愛の多彩さですか。色合いの違いを楽しむ。そうか、私はどちらかと言うと、筋書きにこだわっていたかもしれませんね。

京希:実際お互い初リレーで、しかも多くのルールを設定したでしょ?

京希:完成まで話し合いをしない、というのもそのルールの一つ。

京希:それがミンケンにはじれったかったのかな?

dog :そうですね。何度か京希さんの真意を聞きたかったことはありますよ^^。でも、それを聞いたらリレーじゃない。

dog :前の走者が、コーナーを曲がってくるまでにどんな走りになっているか分からない。背中が燃えているかもしれないし、キリンに乗って来るかもしれない。

dog :しかし、パロディ化にそんな叫びがあったとは気づきませんでした。

京希:今思えば、ですが。

京希:でも、さっきも言ったように、ここで吹っ切れてるんです。

京希:この頃から僕の中に、ミンケンとやるリレー小説とはこういうものか、というのが完成しつつあった。

京希:だからここからは楽に、楽しんで書けるようになりましたね。

 

第5話 〜 恐れていた、非難の集中豪雨が。(担当:sleepdog)

 

京希:続く第5話はミンケンの回です。

京希:連載当初は非難の強かった王城あさみの登場。

dog:5話はですね……。ちょっと物議を醸しましたね。

dog:はいはい。王城あさみ。正直、往生しました。

京希:(そういうこと言わなきゃいいやつなのになー)なんで嫌われたのだと思いますか?

dog:瀧本が、ふらふらっとしたからでしょうね。伊織との仲が進んでないのに。

京希:僕はそう思ってないんですよ。

dog :何でです?

京希:あさみが魅力的じゃないからだと思います。

dog :それは私も思いました。

京希:あの描写はわざとですか?

京希:ていうか、どうしてもそうなってしまった、みたいな。

dog :ううむ。わざとと言うか、何と言うか。ただ、ここまでぼんやりした雰囲気で書いてきたもので、強烈なインパクトのあるシーンを書こうと思ったんですよ。

京希:エロ描写、書きなれてませんね。

dog :書き慣れてませんね。

京希:ひとつどうしても言いたい事があって、でも言わない方が良いかなっていう事ってありますよね。

京希:そういう事を思った回でした。

dog :というと?

京希:んー、エロを書く場合、下品になってはいけないと思うんですよ。

京希:変な話ですが。

京希:下の話なのに下品にならないわけないじゃないかと思うかも知れないけど。

京希:意図的に下品にするっていうのはあるんですが、この回のミンケンはそうでもないような気がしたんです。

京希:これが将来的にエロシーンを書く場合のネックにならなければいいな、と思いました。

dog :なるほど。

京希:すまん。僕は本来こういった事は書かない主義なんだけど、つい筆が滑りました。

京希:ヒント与えちゃうのやなんですよね。ライバルが増えそうで。

dog :いや、参考になりました。エロシーンは甘いシーンよりさらに書くのが苦手なんですよ。

dog :というのも、変なこだわりがあって。美しく上品なところで止めていいのかな? といつも思うんですね。それが嫌なんです。

dog :ただ、本作は、そういう小説を目的に書いてるわけじゃない、とはちょっと後悔してるんですが。

京希:ちょっと説明が下手ですいません。品がない、というのはですね、嫌悪感を持たれてはいけない、という意味だと思ってください。

dog :分かります。>嫌悪感を持たれてはいけない

京希:こむつかしくなりますが、騎乗位って書いた時点でお上品ではないですよね?

京希:嫌悪感を持つ人もいるかも知れない。

dog :いるでしょうね。

京希:でも、いないかもしれない。

京希:ちなみに僕は嫌悪感を持たないし、よしきた!と思う。

京希:そういう人間である僕が嫌悪感を与えようとしないのに与えられている文になっている、というのが問題だと思ったんです。

京希:ミンケンは果たして意図してそれをやっているのか。

京希:意図してやっているのであれば大変素晴らしい。

京希:でも違ったらそれはミンケン、考えないといけないよ。という事だったんです。

京希:僕がどの場所の事を言っているのか後から考えてみて下さいね。

dog :そうですね。私としては、瀧本を、絵に描いたような“悩める好青年”にはしたくなかったのです。

dog :恋したいムードが体内に盛り上がってきたとき、特定の誰か(この場合は伊織)だけが魅力的に映るわけじゃないし。

dog :分からなくて、寄り道をして、やっぱり違和感が消えなくて、本当に求める相手に心が向かう、というところに瀧本の人間味を書こうと思ったのです。

dog :今更語りすぎですが。

京希:ちょっと展開が遅いのは、僕が小説の事を書かなかったせいですね。

dog :いや、そうじゃないと思うんですが。私がずっと手探り状態だったもので……。

京希:いや。元凶は僕のような気がしてきた。と、ここで半分来ましたので、「ルール&裁判」のコーナーに行ってみましょう!

dog :行きましょう!!

 

ついに開かれる、辛辣なる高等裁判。
「俺たちがルールブックだ!」「俺たちがサンドバッグだ!」

 

京希:ルール1:登場人物は全部で10人。覚えてますね?

dog :覚えてます……(すでに冷汗)

京希:これ以上出してはいけないと言っていたのに!

dog :言っていたのに!

京希:二人とも出しているような気がする。

dog :二人ともね。

京希:そもそもさ、くじら様って誰よ。

dog :くじら様は、くじら様です。

京希:いなかったよね、そんなやつ。

京希:設定に。

dog :海中に潜んでたとか……?

京希:反省してねえ!

dog :海より深く反省してます。m(_ _)m

京希:びびったんだよいきなり1話から出てくるし! こいつはどのキャラなんだって思った。でも名前だけの登場かなぁって思ってたら本人出てくるし!!

京希:これは有罪だよね?

dog :お代官様、せめて減点くらいに……(往生際が悪い)

京希:これ、罪悪感はなかったの?

dog :正直言うと、ルールをよく理解してませんでした。

dog :ごめんなさい。

京希:ええええ!!

京希:守ってた俺馬鹿みたいやん!

dog :いや、ルールは理解してたんですが、これが違反行為とは認識してなかったんです。

京希:???

dog :何と言うか、とにかくもう夢中でした。(理由になってない)

dog :有罪でお願いします。

京希:そもそも僕がこのルールを作ったのは、最終回とかにいきなり知らない誰かが出てきて話を閉めちゃったりされたくなかったからなんですよ。

dog :分かります、分かります。

京希:ま、登場しなきゃ良かったんだけど、本人後から出てくるからねぇ。有罪だわな。その点俺は名前のみの登場!

京希:しかも、くじら様の確認をしてから出している! 確信犯。

京希:くじら様がいいなら、俺も出しちゃえってノリ。

dog :待ってください。ここからの話はお互い弁護士を通して……

dog :ていうか、作者出てきちゃ、反則でしょう?

京希:あれはね、「ホック真拳」の生い立ちを「サーペント・レイク」に書くからあれだけど、高橋京希ではなくて、高橋可也って人です。

dog :あ、別人なんだ。

京希:高橋がなりさんから命名したの。

dog :ハイハイ! さっきピンと来ましたよ!!

京希:下を伏字にしていて本当に良かった。

dog :くじら様もあだ名ですが……。(←有罪確定なのに、もう引っ張るなって)

京希:あれはね、名前だけだったらいいと思う。でもさ、いきなり本人出て来るんだもん。

dog :高橋某氏は高橋京希でなければ、源一郎かと思ってました。(ここだけの話)

京希:出さなくてもなんとかなったんじゃないの?

京希:つうことで、ミンケン有罪、俺無罪!!

dog :敗訴!! 敗訴!!

京希:話は変わるけど、一人登場していない女の人いない?

京希:夏緒とあさみの他にもう一人いたよね?

dog :え? いませんよ? 昭島由香は出してますよ。(影薄いけど)

京希:出てたっけ? 影薄いなー。

dog :サブキャラの登場回数は、1位伊賀、1位タイ西洋辛子、3位王城あさみ、以下略ってところでしょうか?

京希:俺心と伊織と夏緒しか書いてないからさ。

京希:あさみと夏緒同じくらいじゃない?

dog :夏緒3位、あさみ4位、ですね。

京希:かな。では続いての話題。規定枚数について!!

京希:さー、ドキドキしてきただろう。

dog :たった今、当方の弁護士が到着しました。「こんにちは、橋本です。」

dog :さあ、カモン!

京希:あなた、回を重ねるごとに長くなっていってますよね!!

dog :そ、そうですか?

京希:最終的に倍になってない?

dog :橋本代弁「行間の問題では……?」

京希:本気で言ってるの?

dog :いえ、冗談です。すいません。規定枚数に関しては、まったく勝ち目がないので。

京希:ですよね。なんだか虐めているみたいになってきたのでもっとやりたいけど(S)、やめます。

dog :もっとやらないんですか?(M)

京希:やりたいけど(S)やりません(放置プレイ)。

dog :ああ。では、次は何ですか?

京希:「裁判」終わり。好きなキャラベスト3でもやる?

dog :はいはい、やりましょう。

 

嗚呼、愛すべきキャラ・ベスト3。
テロリスト・伊賀の順位やいかに? やはり上位を抹殺か?!

 

京希:お互いの当ててみようか?

dog :では、京希さんからお願いします。

京希:はい! ミンケンのお気に入りのキャラは、1位伊織、2位あさみ、3位、日下部ではないかと・・・。

京希:理由。

京希:伊織は好みのタイプなのでは? あさみは憎さ余って愛情が。日下部はカレー屋の親父。ラストの笑顔に。

京希:どうでしょう!

dog :では、お答えします。答えは・・・・・・・・・(ドラムロール)

京希:じゃーん!

dog :1位伊織、2位西洋辛子、3位夏緒。です!!

dog :意外ですか?

京希:1位的中!!

dog :おめでとう!!

京希:2位3位は意外! 理由を述べよ!!

dog :2位は、この作品の笑いを一手に引き受けた彼の偉大なる手腕を賞して。

dog :最終話の、キューピッドの姿を想像したところに爆笑しました。

dog :夏緒は、単純に可愛かった。素っ気無い子、意外に好きなんです。

京希:1位の理由は?

dog :1位の理由は、はみかみが。はみかみが。(2度言ってみた)

dog :充電とかも。

京希:盲目的に好きなのね。では、僕のベスト3を当ててっ!!

dog :絶対当てます!! というか、めっちゃ自信ありますよ。

京希:では、どうぞ。

dog :1位夏緒、2位伊賀、3位西洋辛子。これでどうだっ!

dog :理由。

dog :夏緒は、高橋某氏の恋人にしてるくらいだから(京希さんでないことはさっき知ったけど)。

dog :伊賀はいじめ甲斐があった。西洋辛子は最高の息抜きだった。いかがです?

京希:うん。あたり。

dog :どれくらい当たり? 全部?

京希:全部あたり。

dog :あはははは!!

京希:順番までドンピシャ。

京希:ただ、3位だけ迷っていた。西洋辛子は一番嫌いなキャラでもあったから。

dog :えっ? 何でですか?

京希:あまりにも僕のキャラらしすぎて、新しい部分がない。

dog :なるほどねぇ……。でも、読んでる人(私を含めて)には新味があって、好評でしたよ!

京希:3位を変えるとするなら掌か心だろうね。

京希:その、人気が出ると書かないといけないって思っちゃうんだよ。だから西洋辛子割と出番あったでしょ?

京希:「サーペント・レイク」にまで出てくる。

dog :西洋辛子と競うほど、伊賀の出番が異様に多かったですが。

京希:まぁ順番に。1位の夏緒。顔が好き。

京希:2位の伊賀。不細工な伊賀は僕の悪しき心の象徴。最初は伊賀と夏緒の「大好きだよ、君が。」になるかと思ったくらい。

京希:西洋辛子はいれてやらないと五月蝿そうだから。何にしても人から好かれるキャラは僕には珍しいし。

京希:以上!

 

第6話 〜 走る衝撃!「結婚」発覚!!(担当:京希)

 

京希:ではようやっと本編。第6話について語りましょう。

京希:夏緒の魅力大爆発編です。

dog :大爆発ですね。こんなキャラクターだとは予想もしなかったです。

京希:そう言ってもらえて嬉しいです。

dog :夏緒は私が最初に出した(名前だけ)ので、この回で気持ちよく裏切られた感じでした。

京希:裏切ってやろうという気持ちはまんまんでした。

dog :瀧本よりは、掌とからむべきキャラだとは思っていたんですが、この使い方はちょっと悔しかったです。

京希:この回は第5話の対比。前回浮気した瀧本に対して、魅力的な夏緒に何もしない掌を書きたかった。

dog :ここで、ついに結婚という設定が出てきますよね。

京希:本当は最後まで伏せていこうと思っていた設定です。でも、前回のミンケンの回で読者が抗議が多くて、だから何か意外性のあるものを使って読者のハートを掴もうと思ってここで出してしまいました。

dog :この結婚という設定で、私は混沌の真っ只中に没入したわけです。今、思えば。

京希:なんでなんで?

dog :ゲーム感覚で恋愛する、という設定とのズレを感じたんですよ。京希さんがどう展開させようとしているのか、皆目見当がつきませんでしたから。

京希:結婚しているからこそのゲーム感覚、ルールの上でどこまで飛べるか、という事を二人でシュミレートしているという話だったんです。

京希:これはキャラ設定時に決めていたことでした。

dog :浮気とゲームは違うわけですね?

京希:僕は物語の上で保険のような、仕掛けがないと物語を作らないんです。

dog :保険? というと?

京希:この場合、あらかじめ第2話でゲーム感覚というのを出していて、最終回に実は結婚しているのがばれる。読者は「ああ!」と思う。そういう想像があるから間は安心して書ける。

京希:そういう意味での保険です。それをここで使ってしまえば、もうひとつの保険しか残っていないわけで、ラストうまくまとまるか気になってました。

京希:ちなみに、もうひとつの保険は心の失明ネタでした。

京希:どんな小説を書くときでも必ずこうした謎を含ませて、読者がわくわくするような作りを目指そうとはしています。

dog :なるほど。

dog :読者がわくわくする作りですか。勉強になります。私は、設定した状況の中で主人公たちがどう動くかを書くほうなんですが、

dog :共感を求めるほうに気が行って(特異な状況設定が多いから)、読者を「ああ!」と言わせる余裕がないですね。どうも。自分の作品を省みると。

dog :納得が行ったか、否か、で考えている節があります。読者を満足させるには、京希さんのような作り方もかなり大切ですね。

京希:ただ、そうした試みがリレー小説だとかのように揺らいで行くので、非常に刺激的でした。

dog :中間部分の”揺れ”が醍醐味というわけですね? 確かにとても刺激的ではありました。

京希:まさか結婚をここで明かすとは思っていなかったからね。

京希:では第7話の話題に移りましょう。

dog :そうですね。

 

第7話 〜 掌の小説が禁断のベールを脱ぐ!(担当:sleepdog)

 

京希:第7話はインタビューの回でしたね。ミンケンが積極的に掌や心、ヴァンを描いた。

dog :描きました。描きたかったんです。リレー小説は、相手の作ったキャラを自分がどんなふうに動かせるか、そういう試みでもありましたので。

dog :私にとって。>試み

京希:僕はそう思っていなかった。

京希:ただ、最終回で瀧本と伊織を描くのが使命であり、イベントでもあるという予感はしていましたね。

dog :電車のホームの回で、京希さんが接触させようとしたのを、私はあえてすかしたので、ここは正面から瀧本と掌を向かい合わせようと思ったんです。

京希:あ。それは勘違いです。あれはあそこで終わりでした。ただ見ただけで接触終わりのつもりで書いています。

dog :そうですよね。

dog :でも、このままだと本当に接触せずに終わりかねなかったので、引き合わすことに。しかも、間にあさみが入って、気持ち悪い感じに。

dog :この気持ち悪い感じをここで作っておいて、終盤のハッピーエンドの踏み台にしようと思いました。

京希:掌たちを書いていての違和感とかはあった?

dog :特に心ちゃんが難しかったです。書き上げてアップした後、京希さんから抗議が来るかと不安でした。

京希:心どころか全員「講義」物ですがそれって仕方ないよね。

dog :やっぱりお互いの主人公には思い入れがあるから、へたに書かないほうが良かったのかな、と。

京希:本来のリレー小説なら、主人公は一人。それをお互いが動かすという方が良かったのかもね。

京希:今度は二重人格の主人公で、一人が一人の人格で書く、っていうの面白いかも知れない。

dog :ああ、それは私もちょっと思いました。でも、この形もとても面白い試みでしたが。

dog :え、二重人格ですか?

京希:そうそう。A男とB男は同一人物なんだけど、Aを一方が、Bを別の方が書く。

dog :なるほど。それで、A男とB男は違う女性を愛してるんだ。その波乱の恋愛の行方は気になりますね。

京希:いや。別に恋愛小説にしなくても。

京希:いろんな展開が望めますよね。

dog :あの、これは非常に気になってなんですが、質問していいですか?

京希:はい。

dog :ぶっちゃけ、「妻の横顔」について、どう感じました? 私が掌の小説を書いたことに対して、なども聞きたいです。

◆sleepdogメモ……この対談のアップが遅くなったのは、無謀にも「妻の横顔」を書いて一緒に掲載しようと画策したのが原因とか。でも、断念した。所詮、哀しい駄犬であった。。。。

京希:掌の別の側面を描く上で、僕は掌の小説を考えてはいけないと思いました。特にリレー小説の場合は。

京希:僕が考えたらそれはいつもの僕の小説です。

京希:結果的には良かったのではないかと。無論、文句はあるけど。

dog :ここだけの話、5通りくらい考えたんですよ。

京希:多分、そのどれでも同じ事を僕は感じたと思いますよ。

 

第8話 〜 コーギーが殺到!! だけど、心ちゃんは強かった。(担当:京希)

 

京希:続きまして、第8話の話。これが僕の描いた回では最も抗議が多かった。

京希:心の一人称で描いたから。

dog :そうですね。私も面食らいました。ただ、それは夏緒登場の時の驚きとはちょっと違いました。

京希:これは僕にとっての対抗だったんですよ。前回ミンケンが僕のキャラを描いたから、僕も別のキャラで書いてやろう、と。

京希:それなのに何故かお気に召されなかったようで。ミンケンは良いのに何で俺はダメなの!? って思いました。

dog :伊賀の思わぬ暴走だったことと、戸惑いが感想まで引きずってしまったのではないか、とも。

京希:そんなもんかのー? 好きな回なんですよ。心を思いっきり描けて。

dog :私はこの回、好きですよ。

京希:西洋辛子なんてよく書けてるよね。

京希:仕方がないので自分で誉める。

京希:起きてる?

dog :読み返して、いろいろ考えてました。

dog :私はきっとこういう展開は考えもしないだろう、というのと。人称の変化がそれほど大きな影響を与えるものか、というのと。

dog :前回、心を私が書いたことに対して、京希さんが声を上げたんだろう、というのと。「掌を尊敬している」という心の言葉、なんかを。

京希:人称を変えるなってのは某編集部の方にも忠告されました。

◆京希メモ……某出版社に投稿するも、惜しくも落選す。だがしかし、デビューへの飽くなき挑戦は続く。

京希:この物語で掌がデビューできないのは書いている当時僕がとある賞に落選した事を反映しています。

dog :時期的に、そうでしたね。私は、作中の雑誌掲載の結果を、京希さんがどっちに書くのか、を振った意図はありました。

dog :一番胸に来る感じに書いてくれた、と私はひそかに満足しているんですが。

京希:嘘をかけない心境でした。俺がデビューできないのに現実逃避みたく劇中人物をデビューさせるなんてとてもできなかった。

dog :私は、それが、胸にきゅっと来ました。

京希:ありがとうございます。

dog :そして、その掌に向けて胸中で語る心の言葉がすごく良かったんです。

京希:なんて書いてた?

京希:忘れたのかよ俺。

dog :尊敬してます。という言葉です。まさしく、妻の言葉だった。

dog :じんわり来ました。

京希:「妻の横顔」に合致するんだ。

京希:確かにネ。

京希:では、そんなこんなで第9話。ミンケン最終回へと話は流れていきます。

 

第9話 〜 生みの苦しみは、ウミガメだけじゃなかったのだ。(担当:sleepdog)

 

京希:第9話、思い出深いんじゃない? 俺、ミンケン死ぬかと思ったよ。

dog :死ぬ寸前でした(半笑い)。

京希:何が一番悩んだの?

dog :二人で学校に行こう、というのは最初から決めてました。

京希:うん。

dog :で、付き合おう、ハイ付き合います。というやり取りは出すまいと思ってた。(単に、私の好みの問題です)

京希:うん。

dog :結末(ハッピーエンド)は見えていて、しかし白々しい(安っぽい)展開は絶対に書きたくなくて。とにかく悩んだのは構成でしたね。

京希:悩んだ末の成果は出ていたと思います。

dog :ありがとうございます。ほんとに納得いくまで、めちゃくちゃ書き直しをしました。やっぱり自分の担当の最後だと思うと、こう、思いが深くて。

京希:二人について、描きたかった事って何ですか?

dog :二人とも就職活動だねって。微笑み合いたかったんですよ。

京希:あ、なんかそれって良いですね。

京希:なんかこの頃、半分父親のような気分で僕はいました。

京希:あまり悩んでいなかったし。

京希:ミンケン頑張れよ! みたいな。

京希:なのに、他所で会うとミンケンの冷たいこと冷たいこと。

dog :ごめんなさい……。規定枚数超えるのが目に見えてたから、京希さんをちょっと避けてたかもしれません。「いつ出来んの?」って聞かれたらどうしようかと怯えてました。

京希:俺は嫌われてるかも・・・って、ちょっと哀しかった。

dog :そんなに心の狭い人じゃないとは分かってたけど、やっぱり罪悪感があって。

京希:責めてるわけではないよ。でも、完成してよかったな! 息子よ!!

京希:そして、最終回の話題になるわけです。

 

第10話(最終回) 〜 恋がしたい。恋がしたい。恋がしたい。(担当:京希)

 

dog :いよいよ完結ですね。

京希:まぁ、大体考えていた通りの最終回になりました。

京希:「大好きだよ、君が。」で終りたかったんだ。

京希:読み終えての感想を聞かせてください。

dog :「大好きだよ、君が。」で終わったことにとても満足してます。

dog :明るいラストで、しかも薄っぺらくない。ちゃんと主人公たちの成長やこれからの歩みに期待ができる。

dog :これは数年後、あれがターニング・ポイントだったんだな、って振り返る事ができる決断だって。

京希:ようやっとミンケンが仕事の事も書きたいのだって気が付いて、それを尊重したかったんです。

京希:成長させたいというのもありました。

dog :と掌が言いますが、まさにこれは、私がこの恋愛小説に託そうとした言葉そのものでした。

dog :一時の恋愛の話でなく、この恋愛経験が、明るい転機になったと実感できるメッセージ。

dog :恋がしたくなった、という読者の声をいただきたとき、涙が出そうになりました。

京希:そうですね。嬉しいです。ただ、僕は反対に恋愛の別の側面に目が向き始めました。

dog :別の側面?

京希:この恋愛小説を書いている間中、ずっと思っていた恋愛に対する疑問。謎。人は何故誰かを好きになるのか?

京希:恋とは何か? 愛とは何か?

京希:現代社会の中で最も素敵な愛の形とは何なのか?

京希:そういう新たな疑問が沸々と湧いて来たんです。

dog :ふうむ。何故誰かを好きになるのか? ですか。

京希:それについての研究成果を新作『サーペント・レイク』に書いています。掌と心の昔の話を書いているんですよ。

dog :『サーペント・レイク』は、このリレー小説の創作過程からきっかけが生まれたんですか?

京希:そうなんです!

京希:この小説と前作『ヴァイオレット・ヴァイオレンス』をやらなきゃ生まれてこなかったでしょうね。

京希:そういう意味でも感謝しています。

dog :いえ、とんでもない。こちらこそ大いに感謝してます。私は9話を自分なりに精魂込めて書いた経験ができましたし。

京希:楽しかったという印象が強いです。最近、僕は文章を書くのが少しも苦痛じゃないんです。

京希:どんどん書きたい事が出てくる。

dog :私も、ストーリー性に関して非常に勉強になりました。書きたい人物がたくさん出てきます。

京希:ミンケンさんの長編を読みたいという方も多いはずですよ。

dog :長編は、とても大事にしたいのです。とても大事に。

京希:どんな小説でも大事に書くべきでは? あ。それは俺か。

dog :いや、そういう意味じゃなくて、確かに長く書くことは(私の文体から考えても)、できるんですよ。根気もあると思うし。

dog :ただ、今思いつくアイディアは刹那的なものばかりで、今自分の中で消化しないと価値がなくなってしまうんじゃないか、と不安になるのです。

dog :腰を据えて、一作書き上げたいんです。自分の最高傑作と言えるものを。

京希:僕の文体は長編向きじゃないし、根気もない。そういう事は長編執筆とは無関係ですよ。

京希:ようはやる気です。

京希:ミンケンのやる気が出るまで待ってますね!

dog :とにかく、冷静に自作を考え直して、今まで私は結構「主人公」をいい加減に作ってきたんですよね。

dog :設定が先で、登場人物は後回しでした。

dog :ただ、今回のリレー小説を通じて、「主人公」の生き方、考え方が非常に大切で、それを軸にするものを書く経験が自分には必要だ、と痛切に感じたんです。

dog :感謝してます。

京希:お互いプラスになったようですね。と、まとめたところでそろそろお開きにしましょう!

京希:最後に一言、どうぞ。

dog :長い期間、お付き合いくださった読者の皆様に、感謝を込めて。そして、京希さんに、改めて感謝と羨望の眼差しを!

dog :長いってば!

京希:僕も一言。過去は振り返らない主義なので、新作「サーペント・レイク」にもお付き合いください。僕の今が詰まっています。

京希:そんなわけで、ミンケン、僕寝ます。

dog :おやすみなさい。私は、このままの勢いで、小説を書きたい気分です。

京希:頑張ってね。

dog :眠らぬ犬です。

京希:「サーペント・レイク」読みに来なよ。

京希:じゃあ、おやすみ。

京希:またね。

( おしまい )

 

というわけで、最後までお読みいただき、ありがとうございました。m(_ _)m m(_ _)m
二人の、身を削り合うような対談を楽しんでいただけましたら幸いです。
感想がてら、ぜひ二人のサイトへと遊びに来てくださいませ。きっと小躍りすることでしょう。

☆ 高橋京希の、文士道

☆ Sleepdog's Salon

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