喜多嶋本書評?・感想文

喜多嶋氏の著作について。きわめて個人的な考察・感想を綴ります。
あらすじや引用などはありませんのでご安心を。
これから読む方も感想として参考にしていただければ。。。
ただしあくまで管理人の主観と独断です。
要は自分の眼でギュッと見、良い心で読み、肌で感じることです。

ふざけんなよ!えぇぇぇ?などのご意見は。。。当然、受け付けます。



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さよなら、湘南ガール ―2010/02/10―

かつて喜多嶋作品について語るときにしきりに風、風、心に吹き抜ける風と書いた。 

風が止まった、風が吹きはじめたといい優しい風、強い風・・・・・

ずいぶん失礼なことも書いたし(面白いと言っていただいて赤面したりもした)
それからしばらくは風と口にしなくなったのだが。

しかし今作を読んで気持ちを新たにした。やはり僕にとって喜多嶋作品の魅力は作品に吹いている風なのだ。行間に吹く風なのだ。人が成長していく過程で吹く風、湘南の風、読後にすばらしい風が胸を吹きぬけた。
生意気な言い方だがこの固有だけは今、世界中のどの作家、どの作品にもなく、ましてや似ている作品すらないのだ。



僕は喜多嶋作品を読み続けるだろう。
君の夢を見るかもしれない ―2009/09/15―

新生CFギャングシリーズ第10弾。

シリーズの中でも異色作と言えるだろう。

舞台はほぼ海外、熊沢、りょうもいない。


前作「君を探してノース・ショア」では人と人のつながりが熱いと書いた。
しかし今作はそれ以上に爽太郎から発せられるヒリヒリした空気が作品を支配している。

今まで以上に彼の心情、信条が心に沁みてくる。

この作品の真の魅力は今までシリーズを読み続けた読者のためにあるのかもしれない。



人が本気で自分の過去に立ち向かうには

徹底的に孤独でなくてはならない。



今までの爽太郎、これからの爽太郎・・・。



大きく舵をきった作品である。

サイドシートに君がいた   ―2008/03/05―


作品毎、場面毎の空気感が見事である。

個人的には早朝の湖畔、スキー競技会場である雪山。

キンという空気が心地よい。

当然各作品、登場人物の持つ空気感もである。

以前喜多嶋作品、ことに短編について風が吹いていると書いたことがあるが少し違う。今作描かれているのは空気、上記以外の作品においてもこれがすばらしい。

また場面描写ではないリアリズム。これはルアーキャスト前の高揚感、アルペンスタート前の緊張感を作者が知るからこその結果だろう。
どれだけ筆を尽くしてもこれだけの空気感を書ききるのは難しい。そして描く力を持つ作家は少ない。

ただ今作の新刊紹介と帯コピーが残念。
本編を読み返して非常にそう思う。

もったいない。少なくともあんな言葉で紹介するのは失礼と思わせる良作である。



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