金子 みすゞ の世界


  げんげ

ひばり聴き聴き摘んでたら、
にぎり切れなくなりました。

持ってかえればしおれます、
しおれりゃ、誰かが捨てましょう。
きのうのように、ごみ箱へ。

私はかえるみちみちで、
花のないとこみつけては、
はらり、はらりと、撒きました。
――春のつかいのするように。




  げんげの葉の唄

花は摘まれて
どこへゆく

ここには青い空があり
うたう雲雀(ヒバリ)があるけれど

あのたのしげな旅びとの
風のゆくてが
おもわれる

花のつけ根をさぐってる
あの愛らしい手のなかに
私を摘む手は
ないか知ら




  仲なおり

げんげのあぜみち、春がすみ、
むこうにあの子が立っていた。

あの子はげんげを持っていた、
私も、げんげを摘んでいた。

あの子が笑ふ、と、氣がつけば、
私も知らずに笑ってた。

げんげのあぜみち、春がすみ、
ピイチク雲雀(ヒバリ)が啼いていた。

 

POEM BY KANEKO MISUZU
PHOTO BY 
遊々亭
     
http://www.asahi-net.or.jp/~JA8T-NGC/index.htm
       蓮華草(マメ科
     
http://www.asahi-net.or.jp/~JA8T-NGC/kiyose/haru/renge.htm
「げんけ゜」とは?
れんげ草のこと。3月から4月に紅紫色の花を咲かせます。



参考文献@ :
なるほどお米セミナー
       「れんげは田んぼの肥料です」
       
http://www.gohan.ne.jp/hakase/seminar18/index.html

参考文献A :
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/index.html
       「植物園へようこそ」
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/BotanicalGarden-F.html
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/genge.html

参考文献B :季節の花300 
www.hana300.com
        
http://www.hana300.com/renges.html

監修 POET-RING

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