ADD/ADHDについて・・・誤解の無い理解を目指して・・・

ここではADD/ADHDについて、説明をしたいと思います。当事者には周知のことと思います。しかし、ここは当のADD/ADHD該当者だけではなく、非ADD/ADHDの方達にも読んでもらいたいと思います。

ADD/ADHDとは

 ADD/ADHDの正式な名称は、注意欠陥障害(Attention-Deficit Disorder)、注意欠陥多動性障害(Attention-Deficit Hyperactivety Disorder)といいます。メディアなどで紹介されるときは、ADD/ADHDといった通称で紹介されるので、どういった障害であるのか判りにくい思います。

 そして、テレビや雑誌で報道されるときに必ずついてくるのが「片付けられない」という形容詞・・・。

 ADD/ADHDは片付けができない病気ではありません。ちゃんと掃除、片付けを上手にできるADD/ADHDの人もいます。

 では、本当はどんな障害なのか・・・

 説明としてよく挙げられるのは、不注意、衝動性、集中力の欠如、多動(落ち着きが無い)・・・などです。しかし、ADD/ADHDだからといって、すべての症状が出るわけではありません。また、個々によってその症状も軽度・中位程度・重度・・・千差万別です。(実際に私は中位程度のADHDと診断されています。)
 まずはこの点を踏まえていただきたいと思います。

   このページを作成するにあたり、〔「おとなのADHD」デヴィット・サダース&ジョセフ・カンデル著/田中康雄 監修/後書/海輪由香子訳〕を主に参考にしました。また、症状の記述に関しては、自身の症状と経験を若干付け加えています。


主症状

    ・衝動性
   外界からのさまざまな刺激(他人の話し声や、電話の音、虫の動きや羽音、落下物のたてる音や動き・・・など)に無条件で反応してしまう。頭の中に浮かんだ考えやアイデアを、推敲することなく、思ったままを口に出してしまう・・・などが挙げられます。
 つまり、誰かと重要な話などをしているときに、すぐ横で小さな話し声が聞こえてきたりすると、そちらに注意をとられてしまい、大切な話を聞き逃してしまうことや、思ったことを口にすぐ出してしまうので、言葉足らずで他者とのコミュニケーションが上手く取ることができなかったりします。

 ・多動性
   そわそわと落ち着きが無かったり、貧乏ゆすりをしたり・・・常に体のどこかを触っている、またきょろきょろといろんなところを見回していたりなど・・・がこれにあたります。
  多動性は、大人になれば比較的収まると言われています。これは子供から大人になる過程での経験による学習効果と行動をコントロールする能力が向上することによると思われます。

 子供の場合には、椅子の上でじっとしていられない、一所にじっとしていられないので、部屋から部屋へ移動してしまう。などがあります。

 また、ひっきりなしにしゃべり続ける「おしゃべり」なども、多動性の一つといえるのでしょう。

 ・注意
  いわゆる集中力の欠如・・・と言われるものです。ADD/ADHDの場合は自分の意思で注意力を意識的に維持することができません。どうしても集中力が途切れてしまうので、重要な話を聞き逃してしまう、一つの仕事を継続してすることが難しい・・・といった症状があらわれます。

 ・先延ばし
  ルーティンワークなど、変化に乏しい作業などだと、飽きっぽくなるので、先延ばしにしがちになる傾向があります。例えば、1週間後までに計画表を仕上げなければいけない。レポートを今月中に出さなければいけない・・・など。

 これは不注意に含まれる症状のような気がしますが、本によってはそれとは分けられています。

 ・その他
   ほとんどが上記の主症状や、次に書く共存症によるものだと思われますが、他にも以下のような症状があげられます。
  


共存症

 ADD/ADHDの場合、その症状だけでなく、ストレスに弱い面がありますので、さまざまな精神障害が共存症としてあわられる場合があります。時として、これら共存症として現れる症状のほうが重く、それらが単独の症状として現れるときよりも重大な事態をもたらすこともあります。

・うつ病
   やる気がおきない、動きが鈍くなる、人と会うのが億劫である、自分なんて価値の無い存在である・・・など。
どうしても、こちらの症状が目立つので、うつ病として精神科医にかかることもありますが、原因であるADD/ADHDの治療をしなければ、この症状もなかなか改善されないようです。

・双極性障害(躁うつ病)
  ADHDの方にも良くみられる症状です。しかし、ADHDでなくても、躁うつ病の方はADHDのようにみえます。
躁うつ病の方は、「躁」と「うつ」が周期的に現れます。躁病の時には不注意、気の散りやすさ、早口でまくし立てる、軽はずみな行動・・・など、ADHDとよく似た症状があらわれます。

  ADHDの場合は「うつ」の状態が長く出ることはありますが、「躁」状態でみられる、短気やかんしゃくがそれほど長く続かないようです。   

・不安障害
  何がしかにつけ、常に不安をもち続けています。不安障害は、落ち着きが無く、緊張が強く、動悸・発汗などがみられます。とくに、ADHDの場合、その衝動性や発言から、他者とのコミュニケーションを上手くとることができず、いわゆる「人付き合いが苦手」なため、大勢の人の輪に加わることを怖がったりします。
  ADD/ADHDの場合、人生での失敗が多く繰り返されることが多いので、何がしかにつけ不安をもちやすい状態であるといえるでしょう。

・強迫神経症
  よく「手を洗ってもきれいにならないから、手を洗い続ける」とか「家の鍵を閉めたはずだけど、本当に閉めたかどうか不安だから、何度も何度も戻っては確認する」など・・・。不合理で無意味な考えにとらわれる障害です。

・物質乱用
  いわゆる、薬物中毒やアルコール中毒など、自分で症状を改善しようとして薬物やアルコールやシンナーに頼ってしまい、中毒症になってしまうこともあるようです。

・睡眠障害
  心理的原因だけでなく、脳の機能不全でも起こりえる障害です。
睡眠障害の一つである「ナルコプレシー」は日中、抗いがたい強烈な睡魔に襲われ、とんでもない状況でも眠り込んでしまう場合があります。(たとえば運転中や食事中、仕事中、会話中など)
  この他、なかなか寝つけない、眠りが浅い・・・などの不眠症などもあげられます。

 この他、人格障害、境界性人格障害などもあります。


その他

主症状だけでなく、共存症である精神障害とあいまって、以下のような事象が症状として現れることがあります。

    ADD/ADHDは思ったことを短絡的にやってしまうことが多いので、結果として、刺激が多い道を選ぶ、後先を考えずに突っ走るため危険な行為をする、気ぜわしい、かんしゃくもち、怒りっぽい、暴力行為をおかしやすい、順番を待つことが苦手である。などの行動を起こしやすいとおもわれます。

また、不注意、集中力が持続させにくいということから、金銭の管理ができなかったり、ケアレスミスが多い、家の鍵や小物、書類を無くす事が多いなどもみられます。
 また、細かいスケジュールを立てたり、時間配分を計算するのが苦手な場合もあるので、遅刻が多かったり、計画・準備が困難、仕事が完成しないといったことも多いようです。(私はこれに当てはまりますね)

 また、退屈にたえられない、気分がかわりやすい、落ち着きが無く、マニュアルに従うのが苦手、整理整頓ができない総じて「だらしが無い」「不器用」という評価を得てしまうことになります。


原因

ADD/ADHDは脳の機能障害です。
神経伝達物質(ドーパミン・ノルエピネフリン・セロトニン等のカテコールアミン)の分泌が不十分であることや、注意持続、意欲、自己制御などをつかさどる、「前頭葉」の機能不全など、さまざまな原因があげられます。

しかし、これら生物学的原因であるということに気がつかず、性格的なもの、人格的なものであると思い込み、悩んでいる多くの人がまだ まだいっぱいいらっしゃいます。


治療方法

現在は薬物療法や心理療法などが行われています。

 

正しい診断や判断、治療は医師にしかできません。自分で思い込むよりも、まずは専門医による、正しい診断を受けてください。そして、各々に合った適切な治療を受けてください。

(でも、専門医もADD/ADHDの正しい認識をもった専門医を選ぶようにしましょう。)

 

 

TOPへ戻る