水川書房
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2月7日 どこに行っても何になってもいいんだよー

 辻村美深『ロードムービー』読了 →bk1

 偉大なるデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』の正当なる続編と言うべき短編集。

 なんと『冷たい校舎の時は止まる』を読んでからなら「物語そのものを推理」しながら読めるという、そんな楽しい構造になっています。こう言うユニークな続編というのは珍しい。それだけでも面白いのに、エピソードが単体でも十分すぎるほどに濃い。

 辻村さんはロジカルな話の作りが非常に巧みと言う印象があり、実際にこの短編集もそうなのですが、たった一言で全てを覆すような言葉選びのセンスに長けている……と言う印象が、より強まった気がします。

 誰もが不器用で戸惑って悩んで無力で、でもそれでも生きたいし誰かのためになにかがしたい。そんな当たり前の気持ちしか、この本には書かれていません。

 そして当たり前であるが故に、深く僕らの心に響くのです。

 どんな魔法を使っても辻村さんの作品の地盤は、僕には「物語と人間の共感」にあると思います。もう一度「ああ、その気持ち、わかるんだ!」と思ってしまえば、作品の世界に入るしかないですからね。

 ファンなら読んで損はまずありません。


2月6日 ふさぁ……

「ふっ、大丈夫ですか」5日の鳩山首相

 記事の見出しを読んだ瞬間に勢いよく突っ伏したのは久しぶりである。

 朝日新聞さんが時折、常軌を逸した見出しをつけることはわりと有名なのですが、それにしてもこれは強烈すぎる。

 第一行目が「鳩山由紀夫首相が5日夜、首相官邸で記者団に語った内容は以下の通り。」と言う記事でチョイスする台詞が、なんで「ふっ、大丈夫ですか」なのかどうしてもわからない。

 (マイク持ちの記者の携帯電話が鳴る)
「ふっ、大丈夫ですか」
 ――すいません。

 これはもしかするとそもそも、なんで記事に残したのかわからないやり取り!  ……わざわざそれをチョイスする朝日新聞さん半端じゃねえ。この会話で一番インパクトがある所を持ってきたことだけは間違いなく事実ではありますが!

 でももう僕には、この記事のせいで鳩山さんがさらさらのロン毛をふさぁってやっているイメージしかわかなくなりました。おかげで顔を見る度に噴き出すハメになっちゃったんですけど、どうすればいいの。

 まあ。朝日新聞さんなりに、意図があったのだろうけれども。


2月5日 史上初めて

羽毛恐竜:とさかは赤褐色、羽先は黒 全身の色ほぼ判明

 印象化石からメラニン色素が検出されたという、例の話の続報ですね。全身のそれを確認したところ、はっきりと色を特定することに成功した。と言うニュースです。

 実はモノトーンという予測は現在まで、きちんと学術レベルで発表した人はいないと思うので大躍進ですね。……と言うよりも、これは史上初めての、恐竜の体色をほぼ完全に再現することに成功した。と言う事になるのでしょうか。

 と言うわけで、ついでなのでいつも通り英語記事も検索して確認してみた。結果BBCの記事に復元図が載っていましたのでそちらも紹介します。

Dinosaur had flamboyant, multi-coloured plumage

 うーんカッコいい! かわいい!

 ここ10年くらいの恐竜シーンで一番重要な出来事かもしれません。こうした解析が進めば、どんどん恐竜のイメージはこれから変わっていく事になるのですから。

 ……本音を言うと、いまだに恐竜展を見に来て、ゴジラを探しているヤツが実在する世の中って怖いんだけど、僕。


2月4日 大根おろしでルミノール反応

『いまさらきけない化学の疑問』読了 →bk1

 このタイトル、ポイントがあるんですよ。タームが「化学」なんですよね。科学じゃなくて。この時点で罠だと気がつくのがミステリ的には正しかった。うん、なにこの壮大なタイトル詐欺。

 あのね。「ティッシュペーパーとトイレットペーパーの違いは?」あたりはまだ理解が及ぶんだけど……「ポリフェノールの抗酸化力はどこから?」とかを「いまさらきけない」と思うのは、ぶっちゃけ化学の専門家くらいだろおおおお!?

 そんなわけで、マーケティングにおけるターゲットがどこなのか、この本さっぱりわかりません。普通このタイトルの本を手に取るのは「ちょっとトリビアを仕入れておくか」みたいな人だと思うのですが、そうした方の大部分ははっきり言えば、書いている事がわけわかんないと思います。なにせその、化学の中でも、生化学や物理化学にカテゴリされるであろう疑問まで混じってますので、化学を専攻していないと理解が及ばないのではないでしょうかこれ。

 僕も実はもう少し、子供あたりに物事を説明するのに都合が良さそうな表現などを載っている事を期待して購入したのですが、王水に金が溶けるプロセスとかはこの説明では、せめて高校生レベルの化学知識がないと、読んでも何がどうなっているのかまずわかりません。

 一体、この本は誰に買ってもらうために出版された本なのでしょうか。僕の友達とかの化学屋なら、この感想を聞いて興味を覚えるかもしれませんが、普通の人は放り捨てると思います。そんなわけで、僕には大変面白い本でしたよ!

 ……でも、タイトルは詐欺だと思う……。


2月3日 恐怖政治

 ちょっと遅めに起きた日は、大抵TVはニュースが24時間流れている日テレのケーブルテレビを流しているのですが。

 キャンベルさんが基地移設に関して「辺野古以外の検討するよ」とインタビュに応じていましたた。

 ふむ。と思って聞いてみると……「アメリカは頑固だから難しいけど、柔軟さも両立したいね」……よーく聞き取ると「それがpeopleのためになるのならば」と言っているじゃないか! nationではないのだ。非常にうまい。

 Wikipediaからちょっと引用しましょう。

共産主義の国では、国際主義の立場から、「国民」(nation)よりも「人民」(people)を好んで用い、そのため本来の語義を離れて「人民」という言葉に、共産主義のイメージが感じ取られる場合が非常に多く、一般的である。

 日本語でpeople=人民のニュアンスがあることを前提にキャンベルさんが話していたとして、このインタビュを聞くと……まるっきり意味が変わってくる可能性が出てきますね。言葉ってこう言う時に面白いなあ。

『指輪物語』の著者、トールキンが翻訳に関して「その国の言語で最もふさわしい言葉を選ぶように」と言っていたのは、とても重いメッセージなのだなと思います。


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