読みやすい小説系サイトを目指して

著者:一色秋人さん
追加コメント:やみさき

第1章 小説系サイトにおけるアクセス向上の考え方

 
はじめに
 
小説系サイトで爆発的なアクセス数を得るのは難しい?
 
どれくらいのアクセス数で満足すべきか
 
カウンタはいらないかも……
 
アクセス解析もいらないかも……
 
閑古鳥ではない小説系サイトも実はある
 
ここでも陥りがちな落とし穴

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はじめに

 アクセス向上大作戦というサイトがあります。
 僕は知らなかったのですが、とても有名なサイトらしいです。どれほど有名かというと、雑誌で何度も取り上げられ、管理人の方が月に一度は雑誌のインタビューを受けるほど、だそうです(そう書いてありました)。

 そこによると、そもそも“テキストぎっしりの「小説のページ」”は、閑古鳥サイトの定番だそうです。

 確かに、これは予想の付くことです。

 読書は苦痛を伴います。このことは、数々の教養書や専門書を読まなくてはならない学生や社会人の方々に実感していただけると思います。僕も、苦痛を覚えながら月に何冊も出る中国関連の概説書を読んでいます。(もちろん中には鮮烈な読書体験を与えてくれる良書も含まれています。)

 テキストベースのサイトは、そもそもこの読書に類する苦痛が伴いますから、読書離れが進む現代においてそのようなサイトに人気が出るわけがない、と云われてしまえば、確かにその通り、と納得するしかありません。

 しかし「テキスト中心の小説系サイト=閑古鳥サイト」という公式が成り立つとしたら、それはそれで悔しい気もします。

 そこで、どうしたら「小説系サイト」は成功できるのか、を考えてみることにしました。

 まずは小説系サイトにおけるアクセス向上そのものについて考えることにします。

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■小説系サイトで爆発的なアクセス数を得るのは難しい?

 小説系サイトはどれほどのアクセス数を得れば、成功と云えるのでしょうか?
 いろいろ見てみると、一日何千というアクセス数を得ている怪物サイトもあります。ですから、思わず、こうしたサイトを目標としがちですね。

 しかし小説はそもそも嗜好品です。

 万人に受ける「情報」とは異なり、訪問者の趣味が大きく影響します。つまり、他の情報発信系サイトに比べ、小説系サイトのリピータ獲得率は必然的に低くくなります。

 そのうえ小説系サイトは創作物を発表する場である以上、更新頻度が他のサイトより少なくなりがちです。更新頻度が少なければ、訪問客は毎日訪れるのではなく、一週間に数度訪れる程度にとどまるでしょう。

 したがって小説系サイトでは爆発的なアクセス数を得るのは難しいと云えるでしょう。

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■どれくらいのアクセス数で満足すべきか

 僕はこれまでふたつの小説系サイトを運営してきました。
 その経験から云うと、一日あたり20〜40のアクセス数はちょっとした努力で容易に得ることができました。また掲示板の書き込みでも、「日に20アクセスくらい」とおっしゃる小説系サイト管理人の方は多いです(もちろん謙遜込みでです)。

 したがって標準的な小説系サイトで、一日あたり20〜40アクセスと云えるでしょう。

 もし現在、自分の小説系サイトが一日あたり20〜40アクセスを得ているなら、他の情報発信系サイトと比べて少ないという印象を持つと思いますが、とりあえずは満足できる数字を得ていると云えます(逆に、一日あたり10アクセスを切っているようなら、何かしらの原因があると考えられます)。

 それでは、成功した小説系サイトはどれくらいのアクセス数を得ているかというと、僕の経験上、100〜350アクセスくらいです。確かに、それ以上の数字を得ているサイトもありますが、ごく少数にとどまっています。

 そこで、目安としては、

 【標準】   20-40アクセス
 【成功】   100-350アクセス
 【大成功】  350アクセス以上

 として、問題ないと思います。

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カウンタはいらないかも……

 これは、自分のためのカウンタならいらない、という意味です。
 上の目安を見てわかるとおり、小説系サイトでは他の情報発信形サイトよりもアクセス数が少なくなりがちです。この点で「テキストぎっちりの小説のページはそもそも閑古鳥」といったアクセス向上大作戦の指摘は当たっています(悔しいけれど)。

 ですから、カウンタに気を取られると、自分のサイトの閑古鳥ぶりばかりが気になってきます。その挙げ句、思わず宣伝ばかりに力を入れ始めたりしたら、もうもともとのサイト開設の動機を忘れてしまいます。

 思い出して下さい。なぜ自分が小説系サイトを開設したのか。

 訪問者を多く呼び込んで、広告収入でお小遣い稼ぎ、ではなかったと思います。おそらく多くの方が「自分の書いた小説を読んでもらいたいから」「小説に対する評価や感想を聞いて腕を磨きたいから」といった動機でサイト運営を始めたと思います。

 ですから、多くの小説系サイト管理人の方にとって、アクセス向上は第一の目的ではないはずです。にもかかわらず、カウンタに気を取られると、ついついアクセス向上ばかりに目が向いてしまいます。

 これはカウンタが持つ大きな落とし穴ですね。

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アクセス解析もいらないかも……

 これは自分でアクセス解析を導入してみて気付いた点です。
 アクセス解析はサイト訪問者がどのコンテンツを目当てにしているかがわかるため、とても有益です。それにカウンタと異なり、月や週ごとに集計されたりするので、アクセス数の変動がつかめます。この点でもとても有益ですね。

 ですが、やはりアクセス解析を見ると、アクセス数が気になってきます。

 ここで注意すべき点は、訪問客の多くはリピータで、リピータに限らず読者は小説を滅多に再読しないから、小説ページのアクセスは継続的に伸びない、という点です。

 新章をアップすると、数日間(長くて一週間くらい)は小説ページのアクセスが増えます。しかしこの時期が過ぎれば、当然アクセスはほとんどなくなります。これは、カウンタを主にまわしているリピータが、この期間内に更新部分を読み終えたからです。

 というわけで、アクセス解析の結果を分析すると、小説ページのアクセス数に大きく波があることに気付きます。

 また完結した作品はリピータの多くがすでに読んでしまっているため、必然的に新規以外のアクセスがなくなり、データの上ではアクセス数が実に少なくなります。

 言い換えると、アクセス解析の結果、最近のアクセス数が少ないからと云っても、その作品の人気がなくなったわけではありません。単に読まれてしまっただけです。

 ですから、アクセス解析は小説系サイトの場合、更新に大きく左右されるうえ、コンテンツの人気度チェックとしてもあまり有効に機能しないため、あまり必要ないかもしれません(小説系サイトのリピータの多くは、日記やエッセイなどの更新頻度の高いコンテンツや掲示板をチェックしていると思います。ですから、アクセス解析の結果はたぶん掲示板の圧勝になると思います)。

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閑古鳥ではない小説系サイトも実はある

 成人向け小説を中心としたサイトはやはり爆発的なアクセスがあると予想されます。
 これは実際に成人向け小説を書いて実験した結果ですが、宣伝を開始した段階で一日500名前後、その後およそ三週間は一日100名以上のアクセスが続きました。この爆発力を利用すれば、一日数千アクセスも夢ではありません。

 ただし成人向け小説=爆発的なアクセス、という単純な図式にはならないようです。確かに爆発的なアクセスはありますが、それは継続しません。やはり、まめな更新とか作者の腕といった点も重要になってきます。

 とにかく、成人向け小説が爆発力を持っているのは確かなので、ネット小説研究室ではこれを例外として扱っています。

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■ここでも陥りがちな落とし穴

 さて、成人向け小説を中心としたサイトは爆発的なアクセスがあると上で触れました。
 そこで陥りがちなのが、「アクセスを向上させるために、書きたくないけれども成人向け小説を書く」という落とし穴です。成人向けに限らず、アクセスを向上させるためだけにファンフィクションを書いたりする場合もこれに当たります。

 はじめからファンフィクションや成人向け小説を書きたかった場合は別です。そうではなく、単にアクセス向上のためだけに書くという場合は、これはサイト開設のそもそもの動機を忘れていることになりますし、実はそこに大きな危険が潜んでいます。

 まずアクセス向上のためだけに書きたくないものを書いても、継続できませんし(更新が滞りがちになる)、質も劣ってきます。それではそもそも継続的なアクセス向上は望めません。

 それに最大の危険は、アクセス向上のために書いてきた成人向け小説やファンフィクションを止めるときに起こります。

 成人向け小説で集客した場合、当然、リピータの大部分はその成人向け小説を目的にして訪問しています。そこで成人向け小説の更新を止めるわけですから、リピータの多くを失います。また本来書きたかったものが成人向けとはかけ離れたジャンルであった場合、それまでのイメージを払拭しながら、新規に読者を獲得しなければなりません。

 これはサイトを新設して宣伝を開始するよりも、よほど困難な作業でしょう。

 ですから、アクセス向上のためだけに書きたくないジャンルの小説を書くのは、効果的ではないことが多いうえ、大きな危険性を孕んでいると云えるのです。

 この点はもう一度「アクセス向上に関するちょっとした誤解」で触れることにします。

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