この尺度は「日本語版セルフ・ハンディキャッピングスケール(SH23;Japanese self-handicapping scale)「沼崎・小口,1990]」と言います。

「セルフ・ハンディキャピング」とは
例えば学校の試験、よい結果を期待されているときの運動競技の試合など、能力が問われるもので、しかもそれに失敗すると他人からの評価や、自分自身から見た自分の評価が下がるような出来事ってありますよね。
こういった出来事に直面した際に、成功するかどうかわからない、自信がないと思われるときがあります。このような時「全然勉強していない」「体調が悪い」など、あらかじめ自分にハンディキャップがあることを主張したり、実際の勉強や練習を抑えて努力不足というハンディキャップを自分に与えることがあります。
ハンディキャップによって、失敗した場合には、能力不足ではなくその他の原因(「努力不足が原因」=「努力すれば出来るはず」)だと思われやすくなり、成功した場合には、より能力があると見なされやすくなる(「努力してないのに出来た」=「もともとの能力が高かった」)んです。
以上のようにハンディキャップを主張したり実際に作ったりすることで否定的評価をより小さくし、肯定的評価をより大きくしようとすることを「セルフ・ハンディキャッピング」といいます。自信が無い時、成功率があやふやな時、成功、失敗、どっちに転んでも痛くならないようにクッションを敷いておく、そんな自己防衛策と言えるでしょう。

セルフハンディキャッピングは自我を防衛するための反応なので、適当な範囲で行っている限りは問題にはなりません。しかし過度のセルフ・ハンディキャッピングは学業や仕事などの正常な遂行を妨げることになります。(特に、口ばっかりじゃなくて実際に勉強や課題をしないことによってセルフ・ハンディキャップを持とうとする場合とかね。)

得点が高いほど、セルフ・ハンディキャッピングを行いやすいということになります。
ちなみに平均得点は、大学生男性で83.35点、大学生女性で83.62点です。
みなさん結構やってらっしゃる様です。

ただ、実際の場面では確固たる自信があるにも関わらず「練習してない」などと言ったセルフ・ハンディキャップらしきことを言う人も多数存在すると思われます。
彼らは能力の評価云々ではなく、ただ単に安定した対人関係の維持のためにそういう行動を取っているのではないでしょうか。
原因として「自信があるのはいいこと」とされる外国に比べ、日本では「謙遜はいいこと」とされている、という事実が挙げられるでしょう。
また対人関係の維持以外に、相手を油断させるための策略だとも考えられます。
意識的・無意識的にこのような理由が働いて、自信のある時でも「自信がない」ようなことを言うのだと思われます。
この尺度は自分自身で判定したものですから傾向に間違いはありませんが、実際の場面においてその人の言動がセルフ・ハンディキャッピングによるものなのか、あるいはそれとは別の理由からなのかを客観的に判別するのは簡単なことではないように思えます。



日本語版セルフ・ハンディキャッピングスケールについて
(ちょっと専門的なハナシなので、興味ない人は飛ばしちゃってください)

日本語版セルフ・ハンディキャッピングスケール (SH23;Japanese self-handicapping scale)は、Jones et al.(1986)による25項目からなるセルフ・ハンディキャッピングスケールをもとに、沼崎・小口(1990)が作成したもので、セルフハンディキャッピング行動のとりやすさ(個人差)を測定するものです。
測定対象について特に限定はありませんが、中・高生以上が適切であると考えられます。
本尺度は信頼性・妥当性とも十分実用に耐えるものです。
逆転項目は4, 8, 9, 12, 15, 17, 22 の7項目です。

本来この尺度は6件法ですが、今回は簡略化のため「やや当てはまる(4)」と「やや当てはまらない(3)」を統合して「どちらともいえない」とし、5件法にしました。

平均値について(補足)
大学生男性 83.35(SD=9.63/N=318
   女性 83.62(SD=8.76/N=110


参考文献:堀洋道ほか 編,1994, 『心理尺度ファイル』,垣内出版
 
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